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Re: 手探り航法・旅日記

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通常 Re: 手探り航法・旅日記

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39
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2006-7-23 23:22
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 629
hideです。
 今日はベトナム・ホーチミン市(旧サイゴン)の、タンソンニュット空港から北上して、カンボジアの首都・プノンペンへ。いったん着陸ののち、北東へ進んで再び国境を越え、ベトナム中部の都市・ダナンへ向かいます。

 ■ベトナム南部とカンボジアをゆく■
  (マップデータ:e100n10.tgz )
 前回に引き続いて、飛行中に偏流(機体を流す風)を計り、針路の補正計算をする、かなりリアルな推測航法を試みます。
 (前回は睡眠不足で、ヘンな文章になりました。ごめんなさい。2、3日後に手を入れましたので、「何のことか、分からなかったぞ!」とおっしゃる方は、今一度お読み頂けましたら、望外の幸せです)(^^;)

 少し前から行っていた、フライトプランの簡略表記を、多少改良してみました。以下は今回の飛行コースです。
◎タンソンニュットVVTS(N10.49.02-E106.39.12 V116.7)
  ▼292.35度115nm(32湖 41海 49陸)
              13.3 17  20.4
◎プノンペンVDPP(N11.32.49-E104.50.39 V114.3)
  ▼35.93度333.2nm(6細島 17.5右岬 35陸)
              2.5   7.3    14.6
◎ダナンVVDN(N16.02.37-E108.12.02 V114.4)

このフォーマットの読み方は、以下の通りです。
◎空港名、空港コード(カッコ内は緯度・経度とVOR周波数)
  ▼この区間の針路と距離(カッコ内は、地上目標と距離)
   その下段の数字:各目標までの所要時間(単位・分)
 …となっています。

 「32湖」とは、「出発地から32nm飛んだら、湖に差し掛かる」
 「6細島」は、「6nm飛んだら、細長い島を越える」
 「17.5右岬」は、「17.5nm飛んだら、真右に岬がある」
 …という程度の意味です。

 これらは、次に詳しくご紹介させていただく、対地速度の計算=追い風や向かい風の影響の測定=に使う、地上の目標です。また「32湖」などの真下の数字は、空港出発からの予定飛行時間。分単位で入れてみました。

●地上目標を使って、推測航法を補正する。
 電波航法や天測では「いま、どこにいるか」を直接、測定します。これが出来ないときに使う推測航法では、基本的には、出発後の経過時間を頼りに、「コース上を、どこまで進んだか」「目的地まで、あと何マイルか」「どのくらい時間が掛かるか」を知るわけですね。
 無風なら、これらはフライトプラン通りですが、風が吹いている場合は、フライトプランの速度と飛行方位に、それぞれ風の影響が加わり、誤差を生みます。前後方向(速度)と、左右方向(針路)の両方に加算された、風のベクトルの大きさが分かれば、この誤差を修正できるわけですね。
 左右方向(針路)の誤差は、偏流角を計って、流されている角度の分だけ、機首を風上に向ければ、簡単に処理できます。また前後方向(速度)の誤差も、(追い風・向かい風の影響を含む)対地速度を出し、これと対気速度の割合を算出すれば、すぐ補正できます。

 具体的には…巡航速度120舛糧行機が、フライトプランで15分掛かる区間に、実際は20分掛かったとしますと、
 対地速度=(予定時間÷実時間)×巡航速度
       =(15分÷20分)×120Kt
       =0.75×120Kt
       =90Kt
 …となり。この場合は、30Ktの向かい風成分を受けています。他の区間の飛行時間を予測したい場合は、フライトプランの飛行時間を、この「0.75」という係数で割れば、相当正確に算出できます。

 この計算をするには、本来でしたら…航空図に、出発地から目的地までの直線を引き、線上にある、目立つランドマークに印を付けて利用します。必要に応じて、出発地からランドマークまでの距離を、プロッター(縮尺物差し)を使って計り、さっきの式に当てはめれば、いいわけです。FlightGearには、特に航空図の機能がありませんから、私はフライトプランにあらかじめ、幾つかのランドマークと、それぞれの出発地からの距離をメモしました。さっきの「32湖」や「41海」などがそれです。

 ●注釈● 先日、自家用パイロットのための、VFRナビゲーションの初級教科書を取り寄せてみました。実機の場合は、鉄道駅や岬といった目立つ地上目標を、フライトプラン作成用紙にそれぞれ、中継点として記載。これらの地点ごとに、予定到着時刻(ATE)、実到着時刻(ATA)や、各区間の予定飛行時間(ETE)、実飛行時間(ATE)を算出して、所定欄に書き込むようになっています。最終的には、こうするのが恐らく最も正確、かつ便利でしょうが、いささか煩雑なので。現在のところは、先ほど示しましたように、適当に略記しながら、FlightGear上で最も使いやすい、フライトプラン(及び飛行記録)の記載法を模索しています。

     ●

 では、飛んでみましょう。
ホーチミン市、タンソンニュット空港を出発します。
 ここはベトナム戦争中、盛んに米軍機が発着し、世界中からジャーナリストが詰めかけ。そして旧サイゴン陥落とともに、多くの人が脱出していった所ですね。「地獄の黙示録」の、ヘリコプターの爆音を思い出しながら離陸します。

 リアルウエザー機能が、提供してくれた天気は曇り。
旋回上昇していくと、1700ftで雲に入りました。思ったより厚い。2500ftでトップに出まして、それより上は快晴ですが、眼下の雲量は8くらいあって、地上が見えません。これでは偏流が測定できません…少々燃費が悪くなるでしょうが、思い切って高度1550ftを選択。低空を這う旅となりました。

●偏流を測定し、針路修正:
 機体を見下ろす視野に切り替え、「斜めものさし」を使って、第1回の偏流測定。ドリフト角はゼロのようです。13分飛んで、予定の目標の湖に差し掛かりました(湖というより、褐色の沼沢地かな)。この区間の飛行時間は、計画より18秒遅れただけ。ほぼ無風でしょうか…でも湖のど真ん中を通るはずが、右に寄っていました。コクピットから見た地上も、何となく、かすかに右にずれる気がします。

 もう一度、ていねいに偏流を計ったら、1度右に流されていました。次に、海岸に差し掛かったところで、2回目の区間飛行時間を計りました。17分経過しており、予定よりわずか15秒の遅れ。つまり前後方向には、ほとんど風の成分がありません。
 ここで、正しい針路に乗るため、「倍角度修正」を行いました。出発以来、右に1度それたまま17分間飛んだわけですから、まず左に誤差の2倍の2度変針。この状態で17分間飛び、その後は右に1度戻して、フライトプランより左へ1度切った針路を取ればOK。これで機体は、かすかに横滑りしながら、フライトプラン通りのコースを、ほぼ正確に飛んでくれます。

 …眼下は地平線まで、どこまでも平らな国。褐色の沼沢地が、いちめんに広がる中を、大きく蛇行する河が、何本も流れています。雲の下を、ひたすら飛び続けると、やがて河の両側に道路が現れ。そろそろ、到着時間も近いようです。私は前方に、大きな街と空港を探し始めました。

 …ない。空港が、ない…。
 正確無比に飛んできて、眼下に都市が広がったのに、ない。
目を皿のようにして、市街地を右に1周。Zキーでモヤを払って、数分間探したのに、まだない。VORを使おうと、何度も思いました。
 もう少し我慢して見張ると…まるで、偽装された軍用飛行場みたいに、ほとんど周囲の景色と見分けの付かない、グレーの線が1本あって。PAPIの白い灯火が見えて、これが空港でした。いったん目を離すと、またしばらく見失ってしまったほど、とことん目立たない空港です。
 やれやれと着陸準備をして、滑らかにタッチダウン。プノンペンです。

■プノンペン番外編■
 …60年ほど前。これと同じコースを、同じような航法で飛んで、プノンペンに到着し。それが人生最後のフライトになった、ある日本人パイロットのことを思い出します。ここで皆さんを、ちょっと航空史の世界へご案内しましょう。

●若い飛行家の死:
 1941年12月11日。真珠湾攻撃から3日後のこと。日本軍が進駐した、ここプノンペンの空港を、一人の若いパイロットが歩いていました。彼は日本陸軍の、新しい戦略偵察機「百式司偵」を空輸して、サイゴン(現ホーチミン市)から着いたばかり。
 駐機場には、陸軍の98式直協機(地上部隊を支援し、銃撃や偵察など、何でもこなす軽爆撃機)が50機並んでおり、ちょうど発進するところでした。司令部へ報告に向かうため、列線の間を歩いていた彼の背後で、1番機がゆっくり動き始めたとき。彼の姿は機首に隠れて、操縦席からは見えませんでした。プロペラの一撃が、若いパイロットの命を奪いました。彼の名は、飯沼正明。あの「神風号」の、元機長です。

●:15000キロの彼方、ロンドンへ:
 朝日新聞社の航空部員だった飯沼は、3年前の1937年(昭和12年)4月、陸軍の単発偵察機を改造した、高速連絡機「神風号」のパイロットに26歳で抜擢され。機関士の塚越賢爾とともに、東京・ロンドン間15,357kmを、94時間17分(このうち実飛行時間は、51時間19分)で結んで、世界記録を樹立しました。
 この飛行は出発当時、国際的には無視されましたが…インドを過ぎるころ、あらゆる速度記録を破っていることに、イギリスの特派員が気づき。欧米のマスコミが大きく報じて、到着時は熱烈な歓迎を受けました。日本の航空機の性能が、初めて世界に広く認知された瞬間です。ちょうど零戦の設計が始まった年でした。
 神風号の飛行は、イギリス国王の即位を祝う、親善飛行の名目で計画されたのですが、大記録を樹立しただけでなく。帰路にはちゃんと、即位式のニュースフィルムを東京へ空輸。これが全国の映画館で、船便で届いたフィルムより、ずっと早く上映され。朝日のいわゆる「特ダネ」になっています。
 国民あげての熱狂の陰で、新聞社機の、本来の任務もごく淡々と、こなしていたわけで…これはなかなか、立派なことだと思います。(大記録飛行のゴール後は、乗員も機体も、船で帰るケースが結構ありました)

●ライバル毎日は、世界一周:
 ライバルの東京日日新聞(現・毎日新聞)は、2年後の1939年、海軍の九七式陸攻を改造した、長距離機「ニッポン号」で、日本初の世界一周に成功。国内では、またも大騒ぎになりました。
 だが航空界の進歩は早く。すでに世界的に見れば、めぼしい航空路は開拓済み。長距離飛行が、真に冒険だった時代は、なかば終わろうとしており。欧米では従来の郵便飛行に加え、安全で速い旅客機の開発や、本格的な商業輸送を目指していました。

 ニッポン号の乗員たちは、アメリカ国内を飛行中、日本では試験段階の電波航法施設(中波ビーコン)が、すでに広く整備されていることに驚いたのですから…機体では追いついても、インフラを含む航空全般では、実はまだ相当な差がありました。
(日本の新聞社が、競って飛行機を持ったのも、民間航空が未熟なため。欧米紙と違い、手軽にチャーター機が使えなかったからです)

●鳥人たちの、見果てぬ夢:
 朝日新聞は次に、日本を起点とする、残り少ない未踏破の大飛行に挑もうと、東京・ニューヨーク無着陸親善飛行を計画。成層圏を巡航する、高速長距離機「A26」の開発に取りかかりました。機長には、飯沼飛行士が予定されていましたが、日本は戦争に突入。ニューヨークで大歓迎を受けるのは、もはや夢でした。
 朝日・毎日の連絡機が、自由に東シナ海や、中国大陸を飛べた時代も終わりを告げ。軍に徴用されるという形でしか、連絡機を運行できなくなっていました。飯沼飛行士も軍属となって、空輸などに動員され。ロンドンでの大歓迎から、わずか3年後、プノンペンで殉職したのでした。(その死は、「敵弾を受け重傷を負ったが、よく操縦を続けて帰還を果たし、地上で力尽きた」という英雄談に、作り替えられました)

 「神風号」の僚友、塚越謙爾も、のちに大戦中、このA26で、ドイツへの連絡飛行に出発。英空軍が待ち受けるインド洋を、白昼横断するという、無茶な計画の犠牲となり、消息を絶ちました。
 東南アジアの地図を眺めていると、ふと、そういうことも思い出します。(余談ながら。百式司偵もA26も、機首が「段なし風防」になった流線型の胴体を持ち。異様なまでに美しい双発機でした)

     ●

 プノンペンから、ダナンまで333nmのコースは、低空では風向・風速に変化はなく。同じ修正データを使って順調に消化。滑走路から1・5nmの地点に着き、針路は完璧でしたが、予定より5分ほど早い到着でした。
 カンボジアからベトナムへの国境線上に山脈があり、最終段階で7500ftまで上昇したため、風向と風速が少し変化して誤差が出たようです。(一応、雲から飛び出た山を利用して偏流を計りましたが、ちょうど追い風で偏流角がゼロになり、風速変化までは分かりませんでした)
 次は、もう少し悪条件を作って、航法の精度を試してみたいものです。さて、どんなコースにしようかな?
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