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Re: 手探り航法・旅日記

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通常 Re: 手探り航法・旅日記

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depth:
38
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2006-7-17 12:57
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 629
hideです。
 皆さま。この3連休は、どのようにお過ごしでしょうか。私は仕事の合間を縫って、FlightGearでシンガポールからベトナムへ向かいます…(^^)。
(猛烈な睡眠不足で、かなり読みにくい文章になりまして、ごめんなさい。少々描き直しました)

●洋上で偏流角を計る:
 今回は、長距離の洋上飛行。この機会に、風向・風速を補正して飛ぶ推測航法に、新しい要素として「偏流角の測定」を加えてみようと思います。

 偏流とは、針路に影響を与える風のこと。コンパスで狙った方位と、風で吹き流されて、実際に機体が向かう方向との差を、偏流角といいます。例えば真東(針路90度)に向かいたい場合、仮に北風で10度右に流されるとすると、方位90度へ向かうためには、実際は機首を80度に向ける必要があります。
 風によって、何度流されるかを知るためには、
  ・風向風速のデータをもとに計算する。
  ・機上で実際に、何度流されているか測定する。
 …の、2通りの方法があります。

 陸上を飛ぶ場合は、気象情報が豊富です。風向風速をもとに、風の影響を補正した針路が算出できます。でも海上の長距離飛行などでは、実際に流されている角度=偏流角を、機上で測定する必要があります。

 ロランやINS(慣性航法)、GPSが普及する以前は、大洋を渡る旅客機は、NDBなど航法援助無線施設の有効範囲外に出ると、天測をしたり、偏流角を測定して、推測航法の針路修正に使うなど、かなり苦心していました。(そのための航法士も、乗っていた時代があります。国によっては結構、最近までいたようです)
 偏流角の測定には、コクピットの床に取り付けた、偏流計という装置を使いました。回転式の丸い窓ガラスに、平行線を描き入れたもので、地上目標が並行線に沿って移動するように、ガラスを回転させて、角度目盛りを読む仕組みです。一度測定して90度変針し、もう一度計ると、二つの角度の違いから、風向・風速を算出することが出来ます。
 また小型機では、流されている角度を目測し、おおざっぱに風上へ針路を修正する方法も使われていたようです。いまも軽飛行機では、使うのかも知れませんが。
 (旧日本海軍の艦攻や艦爆には、水平尾翼に、お洒落な(?)細いストライプを、何本も入れたものがありますが、あれは実は分度器です。機首の真下を通った目標物が、尾翼のどの場所を通過するのか観察し、偏流角を出すのだそうです)

 私の推測航法では、メニューの「Weather」から、風向・風速を読んで計算をしています。FlightGearの世界では、飛行中に風向・風速が変化しませんので、これで十分に用が足ります。でも推測航法は、やはり偏流の測定までやるのが、ホンモノっぽいと思いまして。何とかFlightGearで再現する方法はないかと、以前から考えていました。

 ふと思いついたのが…6月10日付の本連載でご紹介した「分度器で測りましょ Ver.1.05」を、偏流計に使うことです。飛行中、機体を真上から見る視点を使い、地表の流れる角度を計ればいいのでは…(^^)。
 測定結果から、風向・風速を算出するのは、私の数学的能力(というか、無能力)では不可能ですし、「Virtual E6-B Ver1.4」にも、この機能がないのは残念ですが。針路補正だけでも出来れば、よりリアルなフライトになります。次のようなコースで、実際に試してみることにしました。


 ■シンガポールから、ベトナムへ■
  (マップデータ:e100n00.tgz
           e100n10.tgz )

  フライトプランをご覧下さい。
 ・シンガポール・チャンギ空港(WSSS)(N01.20.42-E103.59.31)
  を出発。359度で10.6nm飛行して、
 ・コンコンNDB(286)(N01.31.16-E103.59.24)通過。
  ここを航法の出発点として、5度で84nm飛び、
 ・南シナ海、ティオマン島のVOR(114.0)(N02.54.57-E104.06.33)
  を通過。さらに洋上を6度で344nm飛行して、
 ・ベトナム南西端のバイブン岬(N8.36.41-E104.43.07)通過。
  さらに陸上を、41度で175nm飛んで、
 ・ホーチミン(旧サイゴン)市の、タンソンニュット国際空港(VVTS)
  (N10.49.03-E106.39.14)に到着。

 …文中に、Atlasで計った緯度・経度を入れているのは、距離と針路を算出するためです。普段なら「斜めものさし Ver1.13」でパッと計るのですが、今回の航路は洋上のレグが長く、Atlasの縮尺が大きくなって、誤差が出そうなので、真面目に「Virtual E6-B v1.4」で計算しました。

●まず、陸上で計ってみる:
 シンガポールを離陸します。
薄雲が何層もあるものの、いちおう晴れ。空港上空を旋回しながら、巡航高度の7500ftまで上昇。巡航速度144Ktにセットし、コースを第1中継地のNDBに向けて(ここだけは無線を使う)、主滑走路上空を通過した瞬間を、航法上の「出発時間」として記録。さっそく偏流測定に掛かりました。

 機体が安定したら、外部視界に切り替えて、ほぼ真上から見下ろします。地上を背景にして、機首が正確に、画面の真上を向くように調整。続いて機首と機尾に「分度器」の90度線か、「斜めものさし」を正確に当てて、地上の目標の動きを追います。「斜めものさし」の場合は、地上目標の動きに合わせて傾け、表示される角度を読み取ります。
 実際にやってみると「分度器」は仕様上、あまり画面の上の方には、置けないことが分かりました。地上目標が機体に隠れないよう、「分度器」を上方にドラッグすると、中央付近へ戻ってしまうのです。他にも不都合があり、結局「斜めものさし」を使うことにしました。
 「斜めものさし」は、画面の上に垂直に立てた位置を「角度ゼロ」と見なして角度測定するので、機体の方を、正確に前へ向けておく必要があります。この機体の首尾線に、垂直にした「ものさし」を正確に合わせ、次に地上の目標が「ものさし」に平行して動くよう、角度を調節。先端に表示される角度の数値(0.1度単位まで設定可能)を読み取ります。
 この場合、FlightGearの画面には多少、広角レンズのような歪曲収差がありますので、「ものさし」を機体から左右にずらすと、誤差が出ます。

 あまり風が吹かなかったり、測定に手間取って、目標のNDBを通り過ぎてしまったり。最初はなかなか、うまく行きませんでした。やっと「右に1・5度の逸出」という数値が取れて、これを航法に使いました。またNDB通過までの経過時間から対地速度を計算。なんと180ktも出ていて、追い風成分36Ktの強風を受けていることが分かりました。
 この数値を基に、第2の中継点・ティオマン島までの針路を、フライトプランから1・5度修正して3・5度に。所要時間も、フライトプランの35分から28分に修正しました。
 風向・風速そのものを、算出しようと思うから難しいので。実用的には、風の影響を「前後の誤差」(速度補正)と、「左右の誤差」(偏流角補正)に分けて、個別に処理すればいいのですね。

 …1倍速のまま、こんなことをやっている間に。愛機はシンガポール北岸の、ジョホールバル水道を横断。マレーシア領内へ入ると、これで中国と地続きとなり、いよいよ本当に、アジアに入った気分です。
 途中から海上に出て、更に進むと右手に島が見え、これがティオマン島。VORが設置されている小島が、そろそろ正面に見えるはず…と思ったら、おお。見事にぴったり、現れました。
 近付くと、地上にゴマ粒よりも小さな白点があり。拡大してみると、これが目標のVOR局舎でした(中継地点に使っただけで、電波は受信していません)。
 この真横を通過する瞬間にポーズを掛けて、時刻などを記録。飛行経路は、西へ1nmくらいの誤差。到着時間は、たった26秒の遅れです。ちょっと自分に酔う瞬間…推測航法って、やっぱり面白いですよ!

 ここで針路を、ベトナムのバイブン岬へ。風による補正値は、先ほどのままとしました。プランでは針路6度のところを、偏流を加味して4・5度に修正。所要時間も風速を補正して、1時間54分の予定。2倍速で飛ぶので、実際は約1時間です。この間、周囲には…ただ青い、孤独の海と空が広がります。


●DC-10、セスナを救う●
 南シナ海横断を、取りあえずオートパイロットに任せて。
 このひとときを利用して、国際線の旅客機が、迷子になったセスナを洋上で捜索し、遭難から救った、珍しい実話をご紹介しましょう。

 1978年12月。アメリカ海軍出身のフェリー(機体空輸業)パイロット、ジェイ・E・プロシュノ(当時36歳)は、カリフォルニアからオーストラリアまで、セスナ188の空輸に出発しました。これは、農薬散布などに使う1人乗り農業機で、巡航速度はわずか110Kt。この飛行のため、補助タンクを付けたので22時間飛べますが、無線航法装置はADFのみです。
 サモア諸島・パゴパゴまで来たプロシュノは、1475nm離れたノーフォーク島に向けて離陸。だが、予定の15時間を飛んでも島が見えません。頼りのADFは故障していることが分かり、彼は無線で助けを求めました。燃料はあと7時間。ニュージーランド空軍の哨戒機が急行しても、島への誘導が間に合うか、微妙な場面です。

 ここに通り掛かったのが、ニュージーランド航空のDC-10、フィジー発オークランド行きTE-103便です。ヴェッティ機長は、セスナの危機を知らされ、乗客にアナウンスを入れて航路を離れ、捜索海域に向かいました。
 幸運なことに、会社の方針で大量の予備燃料を運んでおり、長時間の捜索が可能。またヴェッティ機長はナビゲーションが大好きで、上級機長になっても勉強を続け、航法士の資格を維持していました。さらに客室には、同社の副操縦士で、やはり航法士の有資格者が乗り合わせる、という偶然が重なり。2人のベテラン・ナビゲーターが知恵を絞って、夕闇迫る洋上で、小さなセスナを探す方法を考え始めました。

●太陽を使って、位置を割り出す:
 DC-10は、まず短波でセスナと交信。ヴェッティ機長は「太陽に向かって飛び、機首方位を知らせよ」と指示し、自分も落日に機首を向けました。プロシュノは「機首方位は274度」と返信。DC-10から見た夕日は、270度です。これでセスナがDC-10より、やや南にいることが分かりました。
 ヴェッティ機長は次に、太陽の高度を計ることにしました。プロシュノに「顔の30汰阿房蠅鬚ざし、太陽の高さを、指の幅で知らせてくれ」と依頼。プロシュノは「指4本弱」と回答。DC-10から見た太陽は、指3本弱の高さでした。このことから、セスナの方が仰角で3度あまり、高い太陽を見ており。距離に換算すると、DC-10より約200nm西にいることが分かりました。

 DC-10は距離を詰め、到達距離は短いが、クリアに聞こえるVHFでも交信開始。ここでヴェッティ機長は乗客に、窓からセスナを探すよう要請しましたが、見つかりませんでした。そこで機長は、逆にセスナからDC-10を見つけやすいよう、飛行機雲を出そうと、あれこれ高度を変えましたが失敗。数トンの燃料を放出して、人工の飛行機雲を引きましたが、これも「見えない」との返事。DC-10はこの時、セスナの真上にいたことが、後日分かりましたが、光の関係で見えなかった模様です。

●無線の可聴範囲を利用する:
 ヴェッティ機長は、捜索の模様を刻々と、乗客にアナウンスしながら、次の手を打ちました。「音源方位探索法」という、駆逐艦が潜水艦を、スクリュー音で探すようなテクニックです。
 セスナのVHF無線の到達圏は、半径約200nmの円です。DC-10は、セスナに送信を続けてもらい。まず無線の到達範囲外に出て、再びこの円内に進入し、無線が聞こえるようになった地点を、航空図にマーク。さらに真っ直ぐ飛び続け、今度は受信不能になった地点をマーク。そして図上に、この2つのマークを結ぶ直線を描きました。
 DC-10はこの後、大きく迂回し。さっきとは直角の別コースを取って、再び円内に進入。もう一度、受信可能・受信不能の地点を、航空図にマーク。同様に直線で結びました。
 この2本の直線に、それぞれ二等分線を引くと。2本の二等分線の交点が、すなわち計4つのマークを、すべて含む円の中心になり。これがセスナの推定位置というわけです。ここで日が暮れ、両機から見た日没時刻を比較し、さらに位置のデータが得られました。

●島をめざすか、着水か:
 だが夜に入ってセスナは、いよいよ燃料が欠乏。ここでプロシュノは偶然、曳航されて移動中の石油採掘リグに遭遇しました。彼はリグに現在地を訊ねたところ、ノーフォーク島から、かなり遠い位置を告げられ、いったん不時着水を決意。リグの乗員に、照明と救命艇を準備してもらいましたが、波が高くて断念しました。さてどうするか。

 ここでヴェッティ機長が、重大な発見をしました。リグが報告した現在位置は、間違っていたのです。「不時着しなくて済みそうだ。君は思ったより、ノーフォーク島に近い」と彼は告げました。燃料節約に務めていたので、まだチャンスはあります。だが島に届かなければ…暗夜の不時着水は、自殺同然です。
 プロシュノは、島へ向かおうと決心。ヴェッティ機長が針路を指示し、誘導のためDC-10を200Ktまで減速させたところ、セスナの灯火が見えました。とうとう両機は、お互いのライトを視認。ヴェッティ機長が、待ちわびる乗客に告げました。

  「皆様に、お知らせします! 当機の左下を、ご覧下さい…」

 DC-10は、セスナを航法灯で誘導。そこへニュージーランドから、哨戒機が飛来。誘導を引き継いで…とうとうセスナは、島へ降りたのです。DC-10の機内では歓声が上がり。シャンペンが配られ、乗客がカンパイした…というのは、なかなか洒落た結末ですね。

 この逸話は、英国航空の元機長、スタンリー・スチュワートという人が書いているのですが、すでに絶版です。ある意味、航空ナビゲーション技術の、神髄のようなお話ですので、忘れ去られるのは非常に惜しくて、ここにご紹介しました。

     ○

●巨大なコメどころ、メコンデルタ:
 ふたたび、2006年の仮想空間・南シナ海上空です。
 …この文章を熱中して書いていたら、ついベトナム南西端のブンダン岬を、数nm過ぎてしまいました(^^;)。

 あわてて反転し、航法の誤差などを計算。本来の到着時刻は、予定からほぼ1分以内の誤差に収まり、左右の針路誤差も、約6nm西にそれただけでした。偏流を初めて機上で測定し、344nmも飛んだにしては、いい精度だと思います…そう、自画自賛したとたん、今度はパソコンがフリーズしました。おいおい!

 再起動したら、リアルウエザーの中身が変わって、何層にも厚みのある曇り空。2000ftまで降りて、やっと雲の下に出ると、真っ平らな農地が、地平線まで広がりました。うわあ。これが、メコンデルタかあ。

 でっかいです。川やクリークが、数マイル間隔で縦横に走り。大河も2本。メコン川と、その支流。ではなくって…いま見下ろしている全体が、幅300キロ近い、途方もなく巨大な一つの、メコン川の三角州なのですね。視界丸ごと、世界有数の水田地帯、というわけです。
 低い層雲も。しっとりした地上の色合いも。ちょっと湿ったモンスーン地帯の味。シミュレーションながら、アジアの稲作ゾーンに帰ってきたぞお、と実感しました。私のDNAには砂漠より、こんなのが合ってるのかな。

 しみじみと、そう思っていたら。薄雲の彼方から、地味な都会のテクスチャーが広がり。2本並んだ滑走路が、ぴたり好位置に出現。ホーチミン市、タンソンニュット国際空港です。
 再起動後の偏流角は、少なすぎて測定不能。後で確認しましたら、やはり無風に近い状態。という次第で、ピンポイントの到着になりました。
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