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Re: 手探り航法・旅日記

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通常 Re: 手探り航法・旅日記

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80
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2007-9-19 0:31
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 629
hideです。
 今回の旅で、文字通り「山場」の一つとなる、チベット高原とヒマラヤの横断飛行をする日がやってきました(^^)/。

 中国西部にある、シルクロードの要衝・蘭州を離陸。チベット自治区の首都・ラサまで大高原を横断。そのままエベレスト山頂を越えて、ネパールのカトマンズまで、世界で最も高い地域を1081nmにわたって、無着陸飛行します。

【注:世界最高峰の名称】
 エベレストとは、イギリスのインド測量局長の名だそうで、あまり芸のない命名ですね。近年はチベットの呼び方に基づく、中国政府の決めた「チョモランマ」が多用されて来ましたが、ネパールでは「サガルマータ」と名付けており、他にも呼び方がありますので、本稿では地図やネットにも多い「エベレスト」の表記にさせて頂きました。

     ○

 エベレスト越えは8年前、マイクロソフトのFS98で試したことがありますが…このソフトは或る意味、傑作でした。まず、テクスチャーの張り方が間違っていて、低い山では雪景色なのに、アルプスやヒマラヤは、なぜか一面の緑に覆われていまして、「こりゃ、温暖化を先取りしたのかな?」とびっくり。エベレストの位置は本来の緯度経度から100nm以上ずれており、標高も約34000ftあるなど、まるで造山運動がはるかに進んだ、何億年も未来の地球を見るようで…なかなか圧倒されました(^^;)。
 FlightGearの地形は、地域やバージョンによっては解像度が粗いものの、総じてかなり正確ですので、ヒマラヤがどう見えるのか、以前から一度は飛びたいと思っていました。

●世界最大、航空の「空白地帯」:
 …そこで半年ほど前、ヒマラヤ主要部と周辺の地形データをダウンロードして、Atlasのmap.exeで地図を展開しましたが、北に隣接するチベット高原(東西約2000キロ、南北約1000キロ)の高さと広さに、改めて驚きました。
 チベット高原は、Atlas画面では全域が、標高10000ft以上を示す青白いカラー表示で覆われています。地図帳などで調べますと、標高5000メートルの地点に幹線鉄道が通っていたり、ヒマラヤと合わせれば、7000メートル級の山だけで100座以上あったり、途方もないところですね。黄河と揚子江、ガンジス川とインダス川は、すべてこの大山系に源流を持っています。
 ヒマラヤは、昔から「世界の屋根」と呼ばれますが、実際はチベット高原と一体になって、世界一広大な山岳地帯を形成していることが、よく理解できました。

 ここは巨大な「天候の製造エンジン」でもあります。夏はインド洋からの湿った季節風が、この大高原へ上昇し、上空で冷えて雪や雨を降らせます。これがモンスーンで、アジア一帯に雨期をもたらし、日本の梅雨にも影響しているのですね。水分を吐き出して乾いた風はさらに北上し、ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠にフェーン現象となって吹き付け、カラカラに保っているわけです。冬は逆に風が吹き、また雪を大量に降らせます。
 従ってヒマラヤの登山シーズンは、モンスーン直前の5月〜6月初旬と、秋の9〜10月ごろ。FlightGearのリアルウエザーを使う場合、気象は起動時に決定され、飛行中は変化しませんが、ある程度はシーズンを意識した方がよさそうです。
 (私は当初、5月に飛びたかったのですが、多忙で果たせないまま、ちょうど秋のシーズンを迎えました)

     ○

 もう一つ驚いたのは、この広大な地域には、空港や無線標識がないことです。実世界のチベットは、首都ラサのクンガ空港(ZULS)など2カ所に民間空港があり、軍用飛行場も何カ所かあるでしょうが、FlightGear上では再現されていません。VORやNDBも、外周部に数カ所あるだけで、この高原は南極大陸を除けば、世界最大の「航空の空白域」になっています。
 さてこの大空白を、どうやって飛ぶか。

●燃費は、航法は、パソコンの負荷は?:
 ブロンコ改などのプロペラ機で、この大高山地帯を横断する場合、燃費面で不利な高空を、約1000nmにわたって無着陸で、しかも電波誘導なしに飛ばなくてはなりません。一面の山岳地帯ですから、パソコンが大きな負荷を受け、FlightGearが再び異常停止する恐れもあります。あれこれ、対策を考えました。

 まず上昇力と燃費ですが、ブロンコ改は何とか、3万4000ftくらいまでは昇れます。また今年5月に行った高度別の燃費測定データによりますと、なるべく山脈をかすめて低空を飛び、徐々に高度を上げれば、強い逆風が吹かない限り、カトマンズまで行けそうに思われました。
 燃料が欠乏した場合は、ラサ郊外に降りる手もあります。VORと市街のそばには、必ず道路がありますから、ブロンコ改の短距離離着陸性能を生かして、強行着陸してしまうわけです。燃料はあらかじめ現地へ、輸送を手配しておいたとの想定で、メニューバーの「File」「Browse Internal Property」「Consumables」を使って給油するのも、また面白いでしょう。

 次は、パソコンの安定性の問題です。
華北地方の旅では、2度にわたってFlightGearの異常停止を経験していますので、今回はパソコンの負荷を最少にするため、Atlasの使用を断念。代りに手元の古いWin98ノートにAtlasをインストールして、簡易航空図として使うことにしました。

 航法については幸い、私は無線施設に依存しない、推測航法に習熟していますが、精度をさらに上げるため、今回は次のような工夫を加えました。
 ・各飛行区間の針路を決める際、偏差(真北とコン
  パスの指す北との差)は通常、出発地のデータを
  使うが、今回は出発地と到着地の平均を取る。
 ・最長区間の蘭州〜ラサ間は、中間点を設けて2区間
  に分割し、中間点の偏差も航法に使う。
 ・ブロンコは、オートパイロットに磁気方位で針路
  を入力する「Heading Bug」モードが使えないが、
  今回はここに小数点以下まで針路を打ち込む。
  するとHSI盤面の、赤い「Bug」が設定針路を正確
  に指すので、画面を拡大表示し、精密な機首方位
  の決定に役立てる。
 ・風の少ない早朝に出発し、風力による針路補正値
  を最少に抑える。

  【注:全地球の磁気偏差表】
  「Almanac Online…」というサイトでは、世界の
  偏差が精密に計れます。世界地図にマウスポイン
  タを乗せ、計りたい地点の緯度経度表示に合わせ
  ればOK。アドレスは以下の通り。(改行しました)
 http://www.pangolin.co.nz/almanac/magvar.php?
LatDeg=0&LatMin=0&LatNam=N&LngDeg=0&LngMin=0&Lng
Nam=E&DeltaHr=0&DeltaMi=0&DeltaNa=A

 …では、フライトプランをお目に掛けましょう。
記載事項は前回同様、空港の緯度経度、偏差、滑走路標高と方位、VOR周波数など。▼マーク部分は針路と距離、高度です。
 針路は、最初に書いたのが真方位。「Mag」は偏差を加えた磁気方位。●印は、風力補正を加えたコンパス針路です。


■「世界の屋根」ヒマラヤ・チベット大高原をゆく■
          (蘭州〜エベレスト山頂〜カトマンズ)
マップデータe100n30
       e90n30
       e90n20
       e80n20

◎蘭州(ランチョウ=Lanzhou)ZLLL
36°30'54.87"N 103°37'14.79"E 6388ft
偏差=偏西1度38分 RWY-18/36
VOR-DME 114.3 NDB 198
     ▼真方位235.7度384nm 
     ▼飛行高度15000ft
     ▼偏差は平均を取り、偏西1度。
     ▼Mag237度●風力修正=237.2度
△ラサへの中点 
N32°54'28" E97°18'41" 偏差=偏東0度10分。
(バヤンハル山脈の南、金沙江=チンシャー川の北)
     ▼真方位235.7度384nm 高度20000ft
     ▼Mag236度●風力修正=236.2度
★チベット・ラサVOR(113.10)偏東0度20分
29°18.05N 91°00.08E
NDB 435(29°15'30.00"N 091°45'54.00"E)
     ▼真方位249.7°228nm 高度30000ft
     ▼Mag250度●風力修正=250.7度
△エベレスト(北緯27度59分303、東経86度56分197)
     ▼真方位258.35°85.3nm 高度3万未満。
     ▼Mag258度●風力補正=258.9度
◎カトマンズ(kathmando=Tribhuvan空港。VNKT
27°41'47.70"N 085°21'32.76"E 4390ft Var000°E
02/20(L=3050m) 4313feet 000E VOR 112.30 NDB 318
(全行程:1081nm、必要な総燃料:5163Lbs)

 起動時の風向風速は以下の通り、追い風微風に恵まれました。さすがは秋の、登山シーズン…(^^)/。
9000 50 5.69kt
6000 40 5.17kt
3000 30 4.70kt
 また雲高と雲量、雲の厚さは以下の通りでした。
8688 broken 750 Thickness

 前置きが長くなりましたが、大飛行は往々にして、準備に当てるエネルギーが9割です。いったん出かけてしまえば、あとは計器と下界を眺めるだけ。では出発しましょう。

●蘭州を離陸、いよいよ大高原へ:
 「…30回転も低い!」。
 1927年5月。パリへの大飛行が始まる朝、リンドバーグは低気圧に見舞われて、エンジンの不調を嘆きました。
 私の出発地・蘭州は滑走路の標高が約7000ftです。快晴ながら低い気圧に、私もエンジン計器を眺めて、
 「…20%も、トルクが低い!!」
と呟きました。
 先日はテスト中、この空港上空を一周したところ、着陸進入時に珍しくも失速してしまいました。空気が薄いと、無理は禁物です。長い滑走路を十分に使って離陸し、大きく左へ一周。Bugを237.2度に合わせ、画面拡大表示でコンパスを正確にセット。ラサとの中間点に向け、15000ftへ上昇を開始します。

 2倍速に入れて、機体は層雲を突破。眼下の約半分を埋める雲の上に多数の山頂が浮かんで、多島海のような景色です。

●大波のように、打ち寄せる山々:
 ひたすら飛び続けると、HSI盤上のBugの位置が、たまに設定針路からずれてきます。オートパイロットに直接方位を入力した場合と、私のようにウイングレベラーで針路保持を掛ける場合では、同じ「直進」でも、FlightGearの演算プロセスが違うのでしょう。これを時たま修正しながら、あとは台風の時のうねりのように、延々と地平線から現れては押し寄せる山並みを見て、徐々に高度を上げる旅が続きます。

 中国・青海省を南下。山がだんだん高くなり、高度は20000ftを突破。一方速度は全開でも200Ktを割ります。山だらけで計算量が多い中、パソコンは時々動作が引っかかりますが、何とか無事に動いてくれています。がんばれ、落ちるな!!
    …あ。まばらに雪景色が見えてきたぞ…。

 ラサとの中間点を無事に通過。まだ350nm以上あるのですが、22000ftまで昇ったためか、VORが入ってびっくりしました。

     ○

 3倍速を交えながら、離陸して約1時間。雪と氷のテクスチャーを持つ高峰が、視界をきりりと彩るなか、眼下に美しい谷間が広がりました。このどこかに、ラサのVORがあります。さあ、航法精度が気になる場面です。
 嬉しいことに、離陸以来768nmも飛んだにも関わらず、VORから1.6nmの至近を通過しました。FlightGearを始めて以来、これは最良の推測航法精度で、大いに満足を味わいました。

●…これより高い、場所はない…:
 高度を24000ftに上げると、ブロンコは次第に、パソコンが引っかかった際、ピッチングを起こし始めます。3倍速の維持が難しくなってきたため、2倍速に落として、いったん20000ftまで降下。ちょっと、山々すれすれですがね。
 北緯28度25分、東経88度21分、前方に湖。左手の地平にピラミッド型の高山群。あれはもう、ヒマラヤ連山です。カンチェンジュンガの北あたりを、飛んでいるのでは…。
 やがて正面に、ひときわ高い「ピラミッド」が見えました。

     ○

  「これ、本番ですか?」
というのが、日本人で初めて宇宙を飛んだ、秋山豊寛さん(TBS)の第一声でしたけれど。私がやっとエベレストを見た感想は、
  「これ、本物かな?」
でした。
 ここで山を間違えては、お話になりません。上昇して山頂ぎりぎりを飛ぶと、高度は約27000ft。位置は北緯27度59分、東経86度56分。いずれもデータとぴったり。周囲に、これより高い場所はない。間違いないです。エベレストです。

 わくわくしながら旋回し、ナイフのような稜線を持つ、主峰の北側を通過。小さな峰が付属しており、北がノースピーク、南がローツェでしょう。ローツェと主峰の間の鞍部は、登山史によく出てくるサウスコルですね。小学生のころ、1953年にヒラリーとテンジンによる初登頂を果たした、イギリス隊・ハント隊長の登山記を読んだ時の、高揚感を思い出しました。FlightGearでもなかなか、荘厳な眺めを味わうことができまして、一見の価値ありですよ。(コクピット・ビューを、UPしておきます)

 ちなみに、最初のエベレスト上空飛行は1933年。イギリスのクライスデール侯爵らが、ウエストランド複葉機2機で行いました。同機は全長10.4m、670馬力。最高速度278キロ、最大到達高度10450mだそうです。

     ○

 スナップショットを撮った後、カトマンズへ定針。空港の約25nm手前で、地平線が丸く見えそうな高空から、一気に8000ftまで急降下。スポンと雲の層を抜けると、緑の大地が広がりました。農地と川、市街地。雪と氷と岩を見た後では、とても目に優しい眺めでした。
 着陸後に測定すると、使用燃料は総計4294Lbsと、補助タンクだけで済みました。燃費の悪い高空だったのに、1ポンドあたり0.2517nmも飛んでいて、これまたベスト記録です。弱いとは言え、追い風を受けたお陰でしょうね。

 記録を塗り替える大長文になりまして、失礼しました。次回は、もう少しコンパクトに、カラコルム山脈を越えます。
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