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Re: 手探り航法・旅日記

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通常 Re: 手探り航法・旅日記

msg# 1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.2.1.1.1.1.1.1
depth:
34
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2006-6-3 11:08
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 650
hideです。
 ここんところ私は、ずっとセスナC310で、低空を飛んでいますので、
昔はMSFS2000などで馴染んだ、ジェット機の操縦感覚を、すっかり
忘れてしまいました。搭乗機があまり偏っては、皆さんのフライトと
だんだん、かけ離れてしまいますし、せっかくのFlightGearの世界が、
それだけ狭くなってしまいます。普段は、

 「こんなに操縦が下手なのに、旅客機を飛ばすなんて、リアリティー
がないなあ!」

 …と思って、大きなジェット機は、なるべく避けていましたが、先日、
B737-300型のコクピットから、真後ろを見たら、フライトデッキ後部の
隔壁がなく、空っぽの胴体内部が見えました。ちょっと興ざめですが
カーゴ仕様だと思えば、客席がない分、かえって気楽です(^^;)。
貨物機なら、「C310も主翼を外して、搭載してあるつもり」になれば、
何かと便利ですしね。
 jsbフライトモデルの飛行特性も、以前のバージョンより、ずっと改善
されているようですし、急に長距離を操縦してみたくなりました。
 という次第で、今回の使用機は、珍しくB737です。


 ■赤道直下、火山列島上空をゆく■(その1)
  (マップデータ:e130s10.tgz
           e120s10.tgz
           e110s10.tgz )
 コースは、インドネシアの旅。ニューギニア西部のソロン空港(WASS)
を出発し、南西へ飛んでバリ島を目指します。経由地は、

  ・バンダ海の小島にあるアンボンVOR局(AMN)
  ・チモール島のディルVOR局(DIL)
  ・スンダ諸島・フローレス島のマウメラVOR局(MOE)
  ・スンバワ島のビマVOR局(NMA)

 …など、メラネシア南部を、東西へ弓状に延びる島々です。
ゴールまでの全行程、約1190nmのほとんどが、環太平洋火山帯。
もしニューギニアからフィリピンへ直行すると、後はすぐ台湾、日本です
から、ちょっと物足りなくて、今回の世界一周・後半戦は、東南アジア
を経由することにしました。

 フライトプランは、例によってAtlasで、出発地や中継地の緯度・経度
を出しておき、お馴染みの航法ツール「Virtual E6-B V1.4」を使って、
飛行方位と距離を算出し、Excelのフライトプラン用紙に記入しました。
ナビにはGPSを使いますが、これは記録を残す意味もあります。
 今回は、35000ftを飛ぶ予定ですので、目的地手前の降下開始点は
いわゆる「3対1ルール」に従って、

    ・飛行高度(ft)÷100÷3= 116.6nm手前から降下

 …となります。
また目的地・バリ島の、「Denpassar Ngurah Rai」国際空港(WRRR)に
進入する際、滑走路方位(磁気方位)が必要です。これはあらかじめ、
同空港に、機体を出現させて計りました。
 真方位は268度、メニュー「Equipment」の「Instrument Settings」に
ある、「Hi offset」(偏差表示)を見ると、偏東約1・7度。従って、磁気方
位は266度。これをNAV1の、ベアリング(方位)欄に入力すれば、ILSに
乗れるはずです。

 さて、737-300の操縦法ですが。オートパイロットの使い方は、詳しい
Readmeが同梱されているものの、各種の速度設定などは、見あたらな
いので、以前買った、FS2000の操縦ハンドブックを参考にしました。もし
「こうやった方が飛びやすい」「実機に近い」などの、アドバイスを頂けま
したら、幸いです。

●さすがに、速い:
 出発地のソロン・ジェットマン空港(WASS)は、薄曇り。完全な無風。
これは、幸先がいいですね。
 中継地を、GPSにウェイポイント入力。途中の「DIL」局は「データベース
に見あたりません」と言われてしまい、次の「MOE」も、「NMA」もだめ。
どうも無線局は、GPSには使えないのが、結構あります。結局、中継点
は1カ所のみ。このあとに、目的地の「WRRR」を入れました。

 フラップ5度でエンジン全開、滑走開始。
 130Ktでローテーション、ギアアップ。200Kt少々でフラップアップ、1分
半で、もう雲の上に飛び出します。
 針路はGPSを選択、高度目標は35000ft。速度は、まだ10000ft以下で
すから、規則通りに250KIASにセット…などと、書いている間に16000ftを
突破。ここでやっと、気速を300Ktに合わせました。離陸後10分程度で、
あっという間に、約60nmも進出してしまいました。

 指示対気速度は、300KIASですが、対地速度(GS)は、実に503Kt。
さすがに、速いですね。
 28000〜29000ftに広がる、オーバーキャスト(全天)の雲を突破。一面
の雪原のような、雲上は快晴。27分後に、高度35000ftでレベルオフ。
実世界で乗っている旅客機は、確かにこんな、雰囲気ですよね…。

●トルク反動なし、ジェット機のありがたさ:
 離陸で印象的だったのは、トルク反動も、Pファクター(プロペラ・ピッチ
角の影響による、推力アンバランス。機首が左に触れる)もないことです。
なんと、滑走が楽なことか。
 だいぶ昔、あるヘリコプター・パイロットと飲んだとき。以前は北海道で、
海上自衛隊・P-2J対潜哨戒機のコーパイをしていた、という彼に、
 「P-2Jは、ターボプロップなのに、わざわざターボジェットを併用してい
て、なんだか、非効率な機体に見えますね」と言ったら、
 「ターボプロップを止め、ジェットエンジンだけで飛ぶ訓練がありますが、
トルクの影響がないので、操縦が非常に楽。ジェットエンジンは、いいもの
ですよ」との返事でした。FlightGearは、プロペラの影響が、かなり大きく
表現されるシミュレータですので、久しぶりにジェット機を体験すると、彼の
言葉を思い出します。

 電波高度計が、激しく揺れます。下は島のようですね。Atlasを見ると、
セーラム島を通過。倍速モードを使う暇もなく、227nmを飛んで、バンダ海
に入りました。ゴールまで、あと833nmです。外界は、ひたすら雲海。
 試しに雲を全部消してみると、もやはありますが、かすかに島が見える
ようになりました。

●機体の状態は、すべてモニター可能:
 このへんで、燃料の残量をチェック。あわてて飛び立ってしまったので、
実はまだ、計器の読み方がよく分からないし、2Dパネルの文字表示は
小さくて、私の速度優先の表示サイズ(800×600)では、読み取り困難
です。そこで最近見つけた、各種システムのモニター機能を使いました。

 メニューバーの「File」から、「Brouse Internal Properties」を選んでくだ
さい。「autopilot/」「engines/」など、25項目の表示があります。試しに、
「consumables/」(消耗品=燃料)を、開いてみましょう。

    ・
    ・・
    fuel/

…と表示されますので、fuel/を選ぶと、3つのタンクごとに、燃料の容量
(gal)と重量(Lbs)、現在の液温がモニターできます。これは、階層表示
になっていまして、上のディレクトリに戻るには「・・」をクリックして下さい。

 またengines/を選ぶと、燃料流量から、ノズルの状態、イグニッションが
オフであること、推力…など、計21項目のパラメーターが、手に取るように
分かります。例えば、エンジンを止めてから20分くらい経っても、まだ油温
が、少しずつ冷めていく様子まで、リアルタイムで確認できまして、なかな
か感動的です。
 これらの数値を、ゆっくり解析すれば、機体の各種設定ファイルの、どこ
をどう調整すれば、どんな結果が出るか、ある程度は推測できるかと思い
ます。オープン・ソースならではの、素晴らしい贈り物ですね!!!

 ちなみに私の燃料流量は、1時間当たり2895ポンド。残りは6500ポンド
×2タンク。余裕は十分だと確認できました。

●もう降下開始です:
 ここまで書いていたら、バリ島まであと17分。3倍速を少々使いました
が、大半は、リアルタイムで飛んでしまいました。「3対1ルール」の降下
開始点まで、少しゆとりを残し、125nm手前から降り始めました。

 着陸準備に、ゆとりが欲しいので、はやばやと250Ktにセット。高度は
15600ft、残る距離は65nmです。その後も段階的に降下し、バリ島まで
あと40nmの地点で、8000ftに到達。速度を200Ktに変更。ここで滑走路
の延長線をインターセプトするため、針路をやや南よりの、230度に変更
しました。
 本来は、55nm手前のVOR局を、最終進入の開始点に使うはずだった
のですが、なぜかうまく、受信出来なかったのです。あれこれやっていた
らGPSが切れてしまい、空港までの距離が、分からなくなりました。
ええい、あとはAtlasが頼りだっ!

 NAV2でバリのVORを受信し、距離情報を得たいのに、うっかり周波数
をメモし忘れました。Atlasの画面は、数字がダブって表示されており、
周波数が読めません。さあ困った!(改善の方法は、ないでしょうか)

●オートパイロットに救われる:
 高度目標を1500ftにセット。予定では、いったん空港を過ぎて降下し
ながら、10nm先でベースターン(基礎旋回)し、きっちりアプローチする
つもりが…DME(VOR距離情報)が読めないとなると、すっかり当てが
外れました。
 幸いここで、NAV1がILSを受信。Atlasで機位を確認しながら、ローカラ
イザとグライドスロープを、オートパイロットにセット。このままストレート・
インする腹を決めました。
 だが、高度が高すぎる! 速度も速すぎる! 空港はもう、近いのに!
ああ、ジェット機操縦の…これは毎度、お馴染みの悩みです。アプローチ
をやり直すべきですが、737はコクピットの視界が、さほど良くないので。
「やっと進入コースに乗ったのに、着陸復航は面倒」という気分が、つい
優先します。

 それにしても、B737のオートパイロットは優秀ですね。
私の操縦のボロを隠して…かなり急降下の、ILS自動進入に成功。大き
くバウンドしましたが、滑走路端の数字の上で、強引に止めることができ
ました。ブレーキの効きも、また優秀。
 あっ、737のエンジンは…どうやって、止めるんでしたっけ(^^;)。
楽しかったけど、練習不足もしっかり、痛感するフライトでした。


●おまけ物語: ブライ船長の奇跡●
 今回の飛行ルート沿いにあるチモール島は、1789年にイギリス海軍で
起きた、有名な「バウンティ号の反乱」ゆかりの地です。この帆船はタヒチ
から西インド諸島へ、食用にする「パンノキ」を移植する任務の途中でした
が、トンガ諸島で、一部の乗組員が反乱を起こしました。首謀者たちは、
全長6mのボートに、ウイリアム・ブライ船長ら、計19人をすし詰めにし、
わずかな食料を与えて、海へ追い払いました。

 ブライ船長と部下たちは、もっとも助かる可能性の高い目的地として、
タヒチより3倍も遠いが、比較的島伝いに行ける、チモール島を選びまし
た。甲板もないボートで、帆船時代の難所だった、ニューギニア・豪州間
のトレス海峡を突破。42日間を生き抜き、赤道から実に日本までの距離
より長い3701nmの大航海のすえ、チモール島へ到着しました。
 彼らは六分儀を1台持っていたものの、経度を計るクロノメーター(航海
時計)も、海図さえ持たずに、この長距離航海で正確なナビゲーションを
やり遂げました。当時のイギリスの船乗りが、どれほど筋金入りの男たち
であったか。想像すると胸が熱くなります。

 この事件では、反乱派の乗組員18人も、数奇な運命をたどりました。
南太平洋のはてへの逃亡劇。タヒチ妻を伴い、無人島へ入植の試み。
仲間割れと、相次ぐ殺し合い。ついに地球の裏側から伸びた、イギリス
官憲の捜査網。
 逮捕をまぬがれ、最後まで生き残った反乱者、アレグザンダー・スミス
一等水兵は、絶海の孤島・ピトケアン島で、仲間が遺した女性たちと子
供ら37人を守って、この小さな共同体の家長となり。敬虔なクリスチャン
として、平和な晩年を過ごしました。約20年後、偶然この島を見つけて
寄港したアメリカ人船長は、島民たちがキングズ・イングリッシュを話す
ことに、大変驚いたそうです。
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