Re: 手探り航法・旅日記
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居住地: 兵庫県
投稿数: 650
hideです。
南半球から、四国・松山空港へ帰還を目指す、前途はるかな空の旅。
今回は、オーストラリアを後にしてサンゴ海を横断し、パプアニューギ
ニアの首都・ポートモレスビーへと足を伸ばします。
●ああ、幻のラバウル基地:
このへんは、太平洋戦争の激戦地ですね。往年の撃墜王・坂井三郎氏
の名著「大空のサムライ」(わが中学時代、最高の愛読書)に描かれた
多くの空戦を、懐かしく思い出します。
ポートモレスビーには昔、連合軍の航空基地がありまして、ここから
発進した米軍戦闘機やB-17、また豪空軍機が、オーエン・スタンレー山
脈を越えて北岸にある、日本海軍の前進航空基地・ラエに分遣された零
戦隊と、激戦を重ねていました。坂井氏らの本隊・台南航空隊(台湾の
台南基地で発足したため、この名があります)の本拠地は、ラエから東
北東へ約350nmのニューブリテン島にある、あの有名なラバウルです。
戦闘機基地だった「東飛行場」は戦後、国際空港になっているはず…。
「ここまで来たんだ。いっそ、ラバウルへ行こう!」
…と燃え上がったのですが、Atlas地図データのどこを探しても、その
ラバウル空港がありません。よーく考えるとラバウルは、約10年前の大
噴火で、市街地も空港も火山灰の下敷きになり、放棄されてしまったの
でした。だからFlightGearの、地形データにはありません。残念です。
●3Dパネル機を改造する:
その代わり…ではありませんが、今回は、使い慣れた双発セスナC310
Yasim版をやめて、試験的に、3Dパネルの「C310-3aw」機で飛んでみ
ることにしました。
同機は、計器板の中央部が高く、両端は切れ込んでいて、アプローチ
の際に滑走路がよく見えます。サイド・ウインドウも広いため、視界を
「Shift+x」キーで広角レンズ気味にすると、けっこう後方が見えまし
て、扱いやすい機体です。また「x」キーで計器板を拡大表示できるの
で、計器類の目盛りが細かく読める上、Yasim機では故障している、EGT
(排気温度計)がちゃんと作動。混合気の調整を、非常に精密に行うこ
とが出来ます。あれこれと、居心地のいいコクピットです。さらにサス
ペンションが適度に硬く、横風のある離陸時も、滑走中にあまりロール
しないのも、うれしいですね。あっ、それにフライトデータが、ちゃん
とセーブできるのは、大きな魅力です。(Yasimはこの機能が不全)
欠点としては、後述のようにパワー不足のうえ、燃料の搭載量が6割
程度に固定されており、実は満タンに出来ません。これでは、あんまり
なので…機体データをあちこち調べ、何とかデフォルトで満タンになら
ないかと、先日から工夫しました。
すると「c310」フォルダの「c310-base.xml」ファイル内に、以下の
ような項目を発見しました。
●consumables>
●fuel>
●tank n="0">
●level-gal_us archive="y">50●/level-gal_us>
●/tank>
●tank n="1">
●level-gal_us archive="y">50●/level-gal_us>
●/tank>
●tank n="2">
●level-gal_us archive="y">31●/level-gal_us>
●/tank>
●tank n="3">
●level-gal_us archive="y">31●/level-gal_us>
●/tank>
●/fuel>
●/consumables>
(この引用部分は当初、書こうとしても消えてしまいました。掲示板の
書式に制限があって、プログラムと判定されると、受け付けないのかと
想像します。とすると、私のマナー違反なので、各行の「<」マークを
「●」に書き換えました。どうかご了承下さい)
consumablesとは「消耗品」で、各タンクの燃料搭載量の、デフォル
ト設定です。引用部分の「50」はチップ(翼端)タンク、「31」は翼内
タンクの搭載量。単位はガロンです。もとは別の数字が入っていたので
すが、それぞれタンク容積いっぱいの数字に書き直しました。起動して
みると…おおっ、燃料計が見事に、フルスケールになっています。
うれしいなあ!
●実は「密航者」がいた:
ところが、テスト飛行をしてみると、重すぎるのです。正規のローテ
ーション(離陸上げ舵)速度=80Ktで地面を離れると、よろよろと上昇
を渋り、滑走路へ逆戻り。やっと再離陸しましたが、なかなか90Ktから
加速しません。Yasim機は満タンでも、十分な加速・上昇力があるのに、
jsbモデルは、どうしてこんなに、パワー不足なんでしょうね。
そこで、さらに「c3103a」フォルダ内の「c310.xml」ファイルを調べ
たら、以下のような記述を発見しました。
MASS AND BALANCE
----------------------------------------------------------
Moments of Inertia
Ixx (SLUG*FT2) 8884
Iyy (SLUG*FT2) 1939
Izz (SLUG*FT2) 11001
Empty Weight (LBS) 2950
Center of Gravity (CG) Location: (IN) 46 , 0 , 8.6
Pilot Weight (LBS): 180
Position (IN): 37 , -14 , 24
Co-Pilot Weight (LBS): 0
Position (IN): 37 , 14 , 24
Pilot's wife Weight (LBS): 0
Position (IN): 61 , -14 , 24
Co-Pilot's husband Weight (LBS): 0
Position (IN): 61 , 14 , 24
Luggage Weight (LBS): 20
Position (IN): 90 , 0 , 24
…これは重心位置を決めるため、機体の乾燥重量(?)と、搭乗者や
手荷物の重量、これら各質量点の位置を定義した部分です(たぶん)。
よく見ると、パイロット(180ポンド)の他に「パイロットの奥さん」
「副操縦士」「副操縦士のご主人」が乗っているでは、ありませんか。
私は、一人旅のつもり…だったんですけれど(笑)。
この3人には、残念ですが、降りてもらうことにして、体重をゼロに
書き直しました。また手荷物も、計100ポンドあったのを、私の分だけ
(20ポンド)にしたので、計560ポンドの節約に。これはガソリン約93
ガロンに当たる重量です。(上記のファイル引用部は、すでに書き換え
たものです)
この改造後、私のC310は、やっと満タンでも、かなり楽に操縦できる
ようになりました。(機体設計者が、なぜ満タンにしなかったか、これ
で分かりました)
■スタンレーの魔女…高峰だらけのニューギニア■(その1)
(マップデータ:e140s20.tgz
e150s20.tgz
e140s10.tgz
e150s10.tgz )
さあて。行くぞ、ポートモレスビー。
世界地図帳やネットで、この辺の地形を調べてびっくり。ニューギニア
島は、すごい高山が並んだ島なのですね。中央部を東西に走る、オーエ
ン・スタンレー山脈は、高い所は5000m峰さえあって、jsbのC310では
越せるかどうか。
最初は、松本零士氏の佳作「スタンレーの魔女」(ラバウル発の一式
陸攻が、モレスビーを空襲し被弾。片肺飛行になって、スタンレー山脈
を命がけで越えるお話)を思い出し。片エンジンを止めたまま、山越え
してみようかと思ったのですが。とても無理だと分かりました(^^;)。
ニュージーランドと、タスマニア海の旅では、私は硬派のナビゲータ
ーを気取って、ひたすら、推測航法の精度を自慢してきましたが、今回
はオーストラリア飛行に続いて、Atlas地図をフル活用し、GPSと併用
する、らくちんナビゲーション…いや、「現代的な」飛び方です。
●こまめに混合気を調整:
豪州北東岸の、ケアンズ空港(YBCS)を離陸します。
リアルウエザー機能が選んだ天候は、高空に薄い絹層雲、4000ftに断
雲はあるが上天気。南の風18Kt。やや強風で、滑走に手間取りますが、
巡航中の追い風となるので、大変ありがたいです。
少々軽量化したものの、まだ機体は重い感じです。Yasim機みたいに、
一気に巡航高度まで、駆け上がる芸当は無理。これが推測航法の場合で
すと、出発飛行場の上空を(ちゃんと巡航速度で)通過し、その時刻を
正確に記録しておかないと、現在地が分からなくなります。今回はGPS
航法ですから、いきなり目的地へ針路を合わせても、なんら問題はあり
ません。確かに便利ですね。
というわけで、離陸後まもなく、最初の中継地・クックタウンNDB局
(CKN)を、ウェイポイントに入力。オートパイロットの設定は、針路は
GPS任せ、高度は8000ft、速度は135Ktです。
高度と速度がなかなか伸びないので、ここは安全上、速度を先に稼ぐ
ことにして、高度設定を「目標8000ft」から「上昇率500ft」に変更。
これでパワーにゆとりが生まれ、やっと135Ktに加速しました。上昇につ
れて速度は落ちるので、この後、上昇率を毎分300ftまで落とし、何とか
8000ftに到達しました。
空気が薄くなる分、赤いミクスチャー・コントロール・レバーを、こ
まめにリーン(薄い)方向へクリック。EGT(排気温度計)の針が、敏感
に反応して跳ね上がりますので、最高の燃焼温度になったところから、
2〜3クリックだけ戻して、安定した燃焼を図ります。
このへんのコツは、ラジコン機などのグローエンジンの、ニードルバ
ルブの調整と、まったく同じです。(あれも、ミクスチャーコントロー
ルですからね)
こうやって、混合気の濃度を、常に高度に合わせると、最大の出力と
最良の燃費が得られるわけです。零戦の場合はAMCと言って、混合比は
いちおう自動調節のはずですが、スロットルの横に、手動の「高空弁」
が設けられており、こちらも飛行中、まめに調整したようです。
●快調な倍速飛行:
途中から3倍速モードを使いましたが、Yasim機よりも安定。例の危険
な「不意の大揺れ」が、ほとんど発生しません。快調にクックタウン上
空を通過し、ポートモレスビー空港(AYPY)をGPSにセットして、サンゴ
海上空へ。
名高い「グレート・バリア・リーフ」の一角でしょうか、リザード・
アイランドという、小島の上を飛翔。小さな空港がありまして、避暑地
風の楽しそうな所ですが、FlightGearでは、珊瑚礁までは見えません。
(余談ですが。MSFSの次期バージョン「X」は、極端にリアルな風景が
売りのようですね。フライトシムは、プレーヤーの豊かなイマジネーシ
ョンを映す鏡だと心得ておりますので、私はFlightGearで十分満足です
が、ちょっとだけ羨ましくもあります。ああ…珊瑚礁が見たかった!)
やがて薄曇りの、ポートモレスビー空港上空に到達。
まだ燃料が減っていないので、このままスタンレー山脈を飛び越えて、
172nm先にある、大きな湾の入り口に面した、ナザブ空港(AYNZ)へ
向かうことにしました。ここは、かつてのラエ基地(今はNDBのみ)の
近くです。
地図データの継ぎ目を越えたのか、前方と横に、どっと高峰が出現。
うわぁ、なかなかの絶景です。機上で周囲を忙しく鑑賞しながら、高度
を10000ftにセットしました。
「大空のサムライ」によりますと、スタンレー山脈は(松本零士氏の
マンガとは違って)積雪はなく、ひたすらジャングルに覆われた、山並
みの連続…とのことでしたが、まさにその通りです。
ついでながら、ポートモレスビー通過後、いきなり対空砲火でも浴び
たみたいに、ドカンと機体が大揺れし、焦りまくりました。原因不明で
す。或いは「スタンレーの魔女」の、たたりだったりして…(^^;)。
●動かない燃料計:
気になるのは、なかなか燃料が減らない…のかと思ったら、燃料計が
まったく動かないことです。
どうも私の改造に、どこか間違ったところがあるようです。このまま
では燃費が分からず、エンストの心配がありますが、周囲は険しい山で
不時着できそうなところはありません。コース上の最高峰は約4000mも
あるので、目標高度を15000ftに変更。徐々に上昇しましたが、速度は
110Kt、105Ktと低下し、はらはらします。ローピッチで全開のまま、
ひたすら忍耐の上昇タイムです。
地平線から、白いもやに包まれた峰が、続々と出現。素晴らしい眺め
です。これを乗り越え飛び越え、深い谷に見とれつつ、ようやく高地を
突破。ほっとして高度を下げ、小さなナザブ空港に到着しました。
アプローチの最中に、さっぱり機首が上がらず、ジャングルが迫って
きて焦りました。パワーを掛けても、上昇してくれないのです。うっか
りミクスチャーを、高空に合わせたままだったので、ガスが薄すぎたと
判断。慌てて戻したら、エンジンは生き返りました。強い横風のなか、
今回もひどい着陸です…(^^;)。
エンジン停止後、フライトをセーブして、セーブファイルを読み取っ
たところ、満タンの半分近い、78.2galの燃料残を確認。山越えのため
ローピッチで、さんざん全開飛行したのに、優秀な燃費です。これで、
もうちょい推力が出てくれると、いい飛行機なのですが。
●セーブは、どんなファイル名でもOK?:
ところで、ちょっと発見をしました。
フライトデータのセーブ名は、「任意の名称.sav.xml」だと理解してい
ましたが、実は拡張子さえ省略した「1」とか、かなり任意の形式でも
構わないようです。ちゃんとロードが可能でした。
ただし「FlightGear」フォルダ内には、セーブファイルは、一つしか
有効に保存されない模様です。複数のセーブをしようとすると、2つ目
以降のファイルは、冒頭の数行しか内容が記録されず、従ってロードし
ようとしても、無効になってしまいます。このため1件セーブしたら、
サブフォルダを作って、その中に移すようにしています。ご参考になり
ましたら幸いです。
南半球から、四国・松山空港へ帰還を目指す、前途はるかな空の旅。
今回は、オーストラリアを後にしてサンゴ海を横断し、パプアニューギ
ニアの首都・ポートモレスビーへと足を伸ばします。
●ああ、幻のラバウル基地:
このへんは、太平洋戦争の激戦地ですね。往年の撃墜王・坂井三郎氏
の名著「大空のサムライ」(わが中学時代、最高の愛読書)に描かれた
多くの空戦を、懐かしく思い出します。
ポートモレスビーには昔、連合軍の航空基地がありまして、ここから
発進した米軍戦闘機やB-17、また豪空軍機が、オーエン・スタンレー山
脈を越えて北岸にある、日本海軍の前進航空基地・ラエに分遣された零
戦隊と、激戦を重ねていました。坂井氏らの本隊・台南航空隊(台湾の
台南基地で発足したため、この名があります)の本拠地は、ラエから東
北東へ約350nmのニューブリテン島にある、あの有名なラバウルです。
戦闘機基地だった「東飛行場」は戦後、国際空港になっているはず…。
「ここまで来たんだ。いっそ、ラバウルへ行こう!」
…と燃え上がったのですが、Atlas地図データのどこを探しても、その
ラバウル空港がありません。よーく考えるとラバウルは、約10年前の大
噴火で、市街地も空港も火山灰の下敷きになり、放棄されてしまったの
でした。だからFlightGearの、地形データにはありません。残念です。
●3Dパネル機を改造する:
その代わり…ではありませんが、今回は、使い慣れた双発セスナC310
Yasim版をやめて、試験的に、3Dパネルの「C310-3aw」機で飛んでみ
ることにしました。
同機は、計器板の中央部が高く、両端は切れ込んでいて、アプローチ
の際に滑走路がよく見えます。サイド・ウインドウも広いため、視界を
「Shift+x」キーで広角レンズ気味にすると、けっこう後方が見えまし
て、扱いやすい機体です。また「x」キーで計器板を拡大表示できるの
で、計器類の目盛りが細かく読める上、Yasim機では故障している、EGT
(排気温度計)がちゃんと作動。混合気の調整を、非常に精密に行うこ
とが出来ます。あれこれと、居心地のいいコクピットです。さらにサス
ペンションが適度に硬く、横風のある離陸時も、滑走中にあまりロール
しないのも、うれしいですね。あっ、それにフライトデータが、ちゃん
とセーブできるのは、大きな魅力です。(Yasimはこの機能が不全)
欠点としては、後述のようにパワー不足のうえ、燃料の搭載量が6割
程度に固定されており、実は満タンに出来ません。これでは、あんまり
なので…機体データをあちこち調べ、何とかデフォルトで満タンになら
ないかと、先日から工夫しました。
すると「c310」フォルダの「c310-base.xml」ファイル内に、以下の
ような項目を発見しました。
●consumables>
●fuel>
●tank n="0">
●level-gal_us archive="y">50●/level-gal_us>
●/tank>
●tank n="1">
●level-gal_us archive="y">50●/level-gal_us>
●/tank>
●tank n="2">
●level-gal_us archive="y">31●/level-gal_us>
●/tank>
●tank n="3">
●level-gal_us archive="y">31●/level-gal_us>
●/tank>
●/fuel>
●/consumables>
(この引用部分は当初、書こうとしても消えてしまいました。掲示板の
書式に制限があって、プログラムと判定されると、受け付けないのかと
想像します。とすると、私のマナー違反なので、各行の「<」マークを
「●」に書き換えました。どうかご了承下さい)
consumablesとは「消耗品」で、各タンクの燃料搭載量の、デフォル
ト設定です。引用部分の「50」はチップ(翼端)タンク、「31」は翼内
タンクの搭載量。単位はガロンです。もとは別の数字が入っていたので
すが、それぞれタンク容積いっぱいの数字に書き直しました。起動して
みると…おおっ、燃料計が見事に、フルスケールになっています。
うれしいなあ!
●実は「密航者」がいた:
ところが、テスト飛行をしてみると、重すぎるのです。正規のローテ
ーション(離陸上げ舵)速度=80Ktで地面を離れると、よろよろと上昇
を渋り、滑走路へ逆戻り。やっと再離陸しましたが、なかなか90Ktから
加速しません。Yasim機は満タンでも、十分な加速・上昇力があるのに、
jsbモデルは、どうしてこんなに、パワー不足なんでしょうね。
そこで、さらに「c3103a」フォルダ内の「c310.xml」ファイルを調べ
たら、以下のような記述を発見しました。
MASS AND BALANCE
----------------------------------------------------------
Moments of Inertia
Ixx (SLUG*FT2) 8884
Iyy (SLUG*FT2) 1939
Izz (SLUG*FT2) 11001
Empty Weight (LBS) 2950
Center of Gravity (CG) Location: (IN) 46 , 0 , 8.6
Pilot Weight (LBS): 180
Position (IN): 37 , -14 , 24
Co-Pilot Weight (LBS): 0
Position (IN): 37 , 14 , 24
Pilot's wife Weight (LBS): 0
Position (IN): 61 , -14 , 24
Co-Pilot's husband Weight (LBS): 0
Position (IN): 61 , 14 , 24
Luggage Weight (LBS): 20
Position (IN): 90 , 0 , 24
…これは重心位置を決めるため、機体の乾燥重量(?)と、搭乗者や
手荷物の重量、これら各質量点の位置を定義した部分です(たぶん)。
よく見ると、パイロット(180ポンド)の他に「パイロットの奥さん」
「副操縦士」「副操縦士のご主人」が乗っているでは、ありませんか。
私は、一人旅のつもり…だったんですけれど(笑)。
この3人には、残念ですが、降りてもらうことにして、体重をゼロに
書き直しました。また手荷物も、計100ポンドあったのを、私の分だけ
(20ポンド)にしたので、計560ポンドの節約に。これはガソリン約93
ガロンに当たる重量です。(上記のファイル引用部は、すでに書き換え
たものです)
この改造後、私のC310は、やっと満タンでも、かなり楽に操縦できる
ようになりました。(機体設計者が、なぜ満タンにしなかったか、これ
で分かりました)
■スタンレーの魔女…高峰だらけのニューギニア■(その1)
(マップデータ:e140s20.tgz
e150s20.tgz
e140s10.tgz
e150s10.tgz )
さあて。行くぞ、ポートモレスビー。
世界地図帳やネットで、この辺の地形を調べてびっくり。ニューギニア
島は、すごい高山が並んだ島なのですね。中央部を東西に走る、オーエ
ン・スタンレー山脈は、高い所は5000m峰さえあって、jsbのC310では
越せるかどうか。
最初は、松本零士氏の佳作「スタンレーの魔女」(ラバウル発の一式
陸攻が、モレスビーを空襲し被弾。片肺飛行になって、スタンレー山脈
を命がけで越えるお話)を思い出し。片エンジンを止めたまま、山越え
してみようかと思ったのですが。とても無理だと分かりました(^^;)。
ニュージーランドと、タスマニア海の旅では、私は硬派のナビゲータ
ーを気取って、ひたすら、推測航法の精度を自慢してきましたが、今回
はオーストラリア飛行に続いて、Atlas地図をフル活用し、GPSと併用
する、らくちんナビゲーション…いや、「現代的な」飛び方です。
●こまめに混合気を調整:
豪州北東岸の、ケアンズ空港(YBCS)を離陸します。
リアルウエザー機能が選んだ天候は、高空に薄い絹層雲、4000ftに断
雲はあるが上天気。南の風18Kt。やや強風で、滑走に手間取りますが、
巡航中の追い風となるので、大変ありがたいです。
少々軽量化したものの、まだ機体は重い感じです。Yasim機みたいに、
一気に巡航高度まで、駆け上がる芸当は無理。これが推測航法の場合で
すと、出発飛行場の上空を(ちゃんと巡航速度で)通過し、その時刻を
正確に記録しておかないと、現在地が分からなくなります。今回はGPS
航法ですから、いきなり目的地へ針路を合わせても、なんら問題はあり
ません。確かに便利ですね。
というわけで、離陸後まもなく、最初の中継地・クックタウンNDB局
(CKN)を、ウェイポイントに入力。オートパイロットの設定は、針路は
GPS任せ、高度は8000ft、速度は135Ktです。
高度と速度がなかなか伸びないので、ここは安全上、速度を先に稼ぐ
ことにして、高度設定を「目標8000ft」から「上昇率500ft」に変更。
これでパワーにゆとりが生まれ、やっと135Ktに加速しました。上昇につ
れて速度は落ちるので、この後、上昇率を毎分300ftまで落とし、何とか
8000ftに到達しました。
空気が薄くなる分、赤いミクスチャー・コントロール・レバーを、こ
まめにリーン(薄い)方向へクリック。EGT(排気温度計)の針が、敏感
に反応して跳ね上がりますので、最高の燃焼温度になったところから、
2〜3クリックだけ戻して、安定した燃焼を図ります。
このへんのコツは、ラジコン機などのグローエンジンの、ニードルバ
ルブの調整と、まったく同じです。(あれも、ミクスチャーコントロー
ルですからね)
こうやって、混合気の濃度を、常に高度に合わせると、最大の出力と
最良の燃費が得られるわけです。零戦の場合はAMCと言って、混合比は
いちおう自動調節のはずですが、スロットルの横に、手動の「高空弁」
が設けられており、こちらも飛行中、まめに調整したようです。
●快調な倍速飛行:
途中から3倍速モードを使いましたが、Yasim機よりも安定。例の危険
な「不意の大揺れ」が、ほとんど発生しません。快調にクックタウン上
空を通過し、ポートモレスビー空港(AYPY)をGPSにセットして、サンゴ
海上空へ。
名高い「グレート・バリア・リーフ」の一角でしょうか、リザード・
アイランドという、小島の上を飛翔。小さな空港がありまして、避暑地
風の楽しそうな所ですが、FlightGearでは、珊瑚礁までは見えません。
(余談ですが。MSFSの次期バージョン「X」は、極端にリアルな風景が
売りのようですね。フライトシムは、プレーヤーの豊かなイマジネーシ
ョンを映す鏡だと心得ておりますので、私はFlightGearで十分満足です
が、ちょっとだけ羨ましくもあります。ああ…珊瑚礁が見たかった!)
やがて薄曇りの、ポートモレスビー空港上空に到達。
まだ燃料が減っていないので、このままスタンレー山脈を飛び越えて、
172nm先にある、大きな湾の入り口に面した、ナザブ空港(AYNZ)へ
向かうことにしました。ここは、かつてのラエ基地(今はNDBのみ)の
近くです。
地図データの継ぎ目を越えたのか、前方と横に、どっと高峰が出現。
うわぁ、なかなかの絶景です。機上で周囲を忙しく鑑賞しながら、高度
を10000ftにセットしました。
「大空のサムライ」によりますと、スタンレー山脈は(松本零士氏の
マンガとは違って)積雪はなく、ひたすらジャングルに覆われた、山並
みの連続…とのことでしたが、まさにその通りです。
ついでながら、ポートモレスビー通過後、いきなり対空砲火でも浴び
たみたいに、ドカンと機体が大揺れし、焦りまくりました。原因不明で
す。或いは「スタンレーの魔女」の、たたりだったりして…(^^;)。
●動かない燃料計:
気になるのは、なかなか燃料が減らない…のかと思ったら、燃料計が
まったく動かないことです。
どうも私の改造に、どこか間違ったところがあるようです。このまま
では燃費が分からず、エンストの心配がありますが、周囲は険しい山で
不時着できそうなところはありません。コース上の最高峰は約4000mも
あるので、目標高度を15000ftに変更。徐々に上昇しましたが、速度は
110Kt、105Ktと低下し、はらはらします。ローピッチで全開のまま、
ひたすら忍耐の上昇タイムです。
地平線から、白いもやに包まれた峰が、続々と出現。素晴らしい眺め
です。これを乗り越え飛び越え、深い谷に見とれつつ、ようやく高地を
突破。ほっとして高度を下げ、小さなナザブ空港に到着しました。
アプローチの最中に、さっぱり機首が上がらず、ジャングルが迫って
きて焦りました。パワーを掛けても、上昇してくれないのです。うっか
りミクスチャーを、高空に合わせたままだったので、ガスが薄すぎたと
判断。慌てて戻したら、エンジンは生き返りました。強い横風のなか、
今回もひどい着陸です…(^^;)。
エンジン停止後、フライトをセーブして、セーブファイルを読み取っ
たところ、満タンの半分近い、78.2galの燃料残を確認。山越えのため
ローピッチで、さんざん全開飛行したのに、優秀な燃費です。これで、
もうちょい推力が出てくれると、いい飛行機なのですが。
●セーブは、どんなファイル名でもOK?:
ところで、ちょっと発見をしました。
フライトデータのセーブ名は、「任意の名称.sav.xml」だと理解してい
ましたが、実は拡張子さえ省略した「1」とか、かなり任意の形式でも
構わないようです。ちゃんとロードが可能でした。
ただし「FlightGear」フォルダ内には、セーブファイルは、一つしか
有効に保存されない模様です。複数のセーブをしようとすると、2つ目
以降のファイルは、冒頭の数行しか内容が記録されず、従ってロードし
ようとしても、無効になってしまいます。このため1件セーブしたら、
サブフォルダを作って、その中に移すようにしています。ご参考になり
ましたら幸いです。
投票数:19
平均点:4.21
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手探り航法・旅日記
(hide, 2006-1-14 7:08)
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Re: 手探り航法・旅日記
(ゲスト, 2006-1-16 21:25)
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Re: 手探り航法・旅日記
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Re: 手探り航法・旅日記
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Re: 手探り航法・旅日記
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Re: 手探り航法・旅日記
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コンコルドのバーチャル・クルーたち
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コンコルドのマニュアル訳(前回の続きです)
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コンコルドで初の超音速飛行
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Re: コンコルドで初の超音速飛行
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ベルリンを経て、仏ツールーズへ
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サンテグジュペリの郵便飛行
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サンテグジュペリの郵便飛行
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ベルリンを経て、仏ツールーズへ
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コンコルドで初の超音速飛行
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コンコルドのマニュアル訳(前回の続きです)
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コンコルドのバーチャル・クルーたち
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新しいブロンコ3種でブラジルを南下
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新しいブロンコ3種でブラジルを南下
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天測航法に挑む(前編)
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天測航法に挑む(後編)
(hide, 2008-6-19 9:28)
- ホンダジェット試乗と大瀑布 (hide, 2008-6-27 21:01)
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天測航法に挑む(後編)
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Re: 手探り航法・旅日記
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