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Re: 手探り航法・旅日記

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通常 Re: 手探り航法・旅日記

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41
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2006-8-4 6:31
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 629
hideです。
 前回は、「機体の流され方が、風と一致しない。FlightGearは、風による影響を、正確に再現しているかどうか疑問」…という趣旨のお話をしました。やっかいな問題ですが、改善策を思いつきませんし、これまでのところは、風が絡む推測航法でも、実用上問題ない精度が出ていますので、当面は棚上げにしておきます。
 今回は、推測航法の一つの焦点になる、偏流角から風向風速を求める方法を、やっと整理しましたので、ご報告します。また、このテクニックを初めて使って、南シナ海・西沙諸島の孤島へ飛ぶことにします。

●「風力三角形」の図をご覧下さい:
 さて。飛行経路に対する、風の影響を考える基本になるのが、
  ・機体の針路・対気速度ベクトル
  ・風向風速ベクトル
  ・風に流される実際の飛行経路=対地ベクトル
の、3本のベクトルで描く「風力三角形」です。これを見れば、風が針路や速度にどう影響するかが、よく分かります。

 今回は、説明図を準備しました。お手数で恐縮ですが、本サイトの「マイアルバム」メニューから、私がアップロードした画像「風力三角形」を落として、開いて下されば幸いです。(サムネイルをクリックして、一回り大きな画像を出し、もう一度クリックすると、字が読みやすいサイズになります)

 この図は、「東の風30Ktの時、対気速度120Ktで真北へ飛び、次いで南西へ飛んだ場合、どれだけ風に流されるか」を示しています。同じ図から逆に、どんな風が吹いているか不明の場合、風に流された量(偏流角)を基に、どうやって風向風速を求めるか、ということも理解できます。

 まず、左上の(1)図をご覧下さい。
青いベクトルは、針路0度・真対気速度120Ktを表しています。赤いベクトルは東の風(FlightGearの設定メニューを含む、風向表記では90度、吹く方向は270度)が風速30Ktで吹いていることを示します。この2本のベクトルを「加算」した緑のベクトルが、機体が吹き流されながら、実際に飛ぶ経路を示した「対地ベクトル」です。

 ここで、青ベクトルを長さ120ミリ、赤ベクトルを30ミリで作図すると、緑ベクトルの長さは約124ミリ、角度は約14度になると思います。(図が精密ではないので、実際は計算で求めました)
 つまり、風に流された結果、対地速度は124Ktになり、正しい針路から左へ14度ドリフトしたわけですね。この場合、飛行時間は予定より3.3%短くなります。もし120nmの距離を、1時間掛けて飛ぶ計画でしたら、予定より2分早く着きます。また飛行計画通り、真北に向かうためには、計器上(またはオートパイロット)で保持すべき針路を、0度から14度に、修正すればいいことが分かります。

 また左下の(3)図は同様に、南西へ飛んだ時の、風の影響を表します。同じように計算しますと、対地速度は約147ktとなり、偏流角は右約5.9度です。従って、飛行時間は予定より22.5%短くなり。正確に南西へ飛ぶ針路は、225-5.9=219.1度になります。
 (オートパイロットは、小数点以下の針路設定も可能ですが、小さな島などをめざす場合を除き、通常は1度単位の設定で十分です)

 …という具合に、この三角形を使うと、風の影響を作図で求めることが可能です。偏流角から、針路や速度を補正計算する道具は、数多く発明されましたが、多くはこのベクトル作図法と、同じ原理のようです。

●「裏三角」から、風が見えてくる:
 次に、これらの青ベクトル(針路)と赤ベクトル(風)を、それぞれ平行移動して、三角形を「裏返し」にします。すると(2)図と(4)図が得られますが、これらの三角形は「裏三角」と呼ばれており、次にご説明するように、風向風速を求める時などに使います。

 ここで、半径120ミリ(巡航速度120Ktを示す)の円を描き、その上に(2)図と(4)図の、二つの裏三角を乗せてみましょう(図右)。すると二つの裏三角は、同じ一つの赤ベクトル(風)OPを、共有していることが分かります。
 …ということは。赤ベクトル(風向風速)の向きと大きさが不明でも。複数の飛行コースにおける、青ベクトル(計器上の針路)と緑ベクトル(偏流角を足した、対地針路を示すベクトル)さえ分かれば、これらを円の上に記入して、緑ベクトルの交点Pを求め、風向風速を知ることが出来ます。

●作図用紙を使う:
 以上は、三平方の定理と三角関数を交えた、一次方程式で解くことも出来ます。ただしWindowsXPの関数電卓には、平方根もアークタンジェントもないため、私はこの部分だけ、Excelの関数を使いました。専用のワークシートを作ればいいのですが、針路が90度変化するごとに、プラス・マイナスの符号判定が必要になるなど、ちょっと面倒に見えるので、当面は作図に頼ることにしました。
 簡単に描けるように、「風力三角形作図用紙」を作って、「マイアルバム」にアップロードしました。ご覧の通り、360度分度器に、速度ベクトルを計るため、1目盛り10Ktの同心円を組み合わせたものです。

 BMPでアップロードするはずが、容量オーバーになってしまいましたので、JPEGにします。済みませんが…BMPに変換の上、飛行中にWindowsのペイントツールで開いて、説明図の円のように、針路と対地ベクトルを記入すれば、風向風速のベクトルが得られます。(144Ktの円に、赤い線を入れてあるのは、私の愛機C310の巡航速度です)

●風向風速をもとに、真針路を描く:
 FlightGearの飛行中は、次のように活用します。
 このチャートを使って、まず風向風速を求めておき。同じ円内に、任意の方位で、飛びたい針路(新たな青ベクトル)を記入してください。そのベクトルの先端(円との交点)から、P点へ直線を引き。直線の角度を「斜めものさし」か、画面に当てた分度器で計れば、そのまま、風を打ち消す修正角を含んだ、いわゆるTC(True course=真針路)になります。

●注● ここでは二つの裏三角を使いましたが。実機では誤差を小さくするため、三つの針路で偏流角を計り、三つの裏三角を使います。3本の対地ベクトルは、実際はなかなか一点でクロスせず、小さな三角形を描くことが多いのですが、その場合は三角形の重心をP点とします。


■直径1マイル…西沙諸島の小島を探す■
    (マップデータ:e100n10.tgz
            e110n10.tgz )
 では実際に、偏流角の測定結果とコンパスだけを頼りに、洋上の小さな目標をめざします。コースは次の通りです。

◎ダナンVVDN(N16.02.38-E108.12.01 V114.40 NDB212)
  ▼78.8度243.2nm
◎Woody Island空港VH84(N16.50.00-E112.20.42)
◎ドンダオNDB(369)
 (補助目標。VH84から114.6度24.7nmにある)

 目的地のWoody Island空港は、南シナ海・西沙諸島の、直径1nmしかない小島から、全長1.5nmの滑走路が飛び出している、変な空港です。ここには、VORもNDBも設置されていません。
 ドンダオNDB局は、ここから約25nm東の小島にあります。迷った場合はここへ行き、294.6度で24.7nm飛べば、ゴールできるはずです。いずれにせよ、風向風速を補正する必要があります。
(後で分かりましたが…ドンダオNDBは、実際は使用不能でした。従ってこのWoody Island空港は、電波航法では、たどり着くことが出来ない場所です)

●図と計算で、真針路を出す:
 ダナンを出発。
リアルウエザーの天候は晴れ。風のデータを読まずに離陸。吹き流しを横目で見ると、どうやら北寄りの、かなり強い風でした。
 トラフィック・パターンを1周し、2000ftまで上昇。オートパイロットで高度保持を掛け、速度も144Ktにセット。空港上空を通る瞬間に、時刻を記録して、航法上の出発時刻としました。同時に、針路を予定の78・8度にセット。愛機は南シナ海に出て…いよいよ孤島をめざします。

 さて、第1回の偏流測定です。本来の針路と、左60度、右60度の、計3通りの機首方位で偏流角を計ったところ、次のようになりました。精度の高い「Atlas画面法」で測定し、単位は度です。

 針路   偏流角 対地ベクトル 修正角 真針路
 78・8  右4・7  83・5    −4・7  74・1
 18・8  左1・0  17・8
138・8  左4・4 143・2

 念のため、Atlasで経路を確認したところ、機体は正確に、正三角形の「ウインド・スター」を描いて、ほぼ元の針路の延長上に戻りました。

 「風力三角形作図用紙」に、針路と真針路の、ベクトル計6本を記入。風向風速のベクトルを、「斜めものさし」を使って読むと、15度15.5Ktとなりました。飛行コースの偏流角は右4.7度ですから、修正角は-4.7度。これを加えた真針路74.1度を、オートパイロットにセットし直しました。対地ベクトルの長さから、対地速度は130Ktと判明。飛行予定時間は1時間52分、これをもとに、到着予定時刻も出しておきます。

●風のデータを変更する:
 私は、途中で風向風速が変わったと想定し、風の設定を、変更してみることにしました(本当は飛行中に、風がランダムに変わると面白いのですが。ATISで離陸時の風を知って航法を行い、途中から洋上の測定結果を使うという、一段とリアルな飛び方が出来ます…残念)。
 測定や計算を行い、この文章まで書いていると、時間はどんどん経過します。風の変更を予定した、離陸後1時間目がやってきました。

 実はこの時が来るのを、ちょっと恐れていました。設定変更のためメニューを開くと、今の風向風速が見えるわけですが。FlightGearが、もし正確に風の影響を再現していないと、かなり大幅な、誤差が出る可能性があります。すると先日来、苦心して編み出したこの航法技術は、使えないことになってしまいます。

 さて。設定欄を眺めると、3000ft以下では、10度の風14.112Ktになっており…やったあ!!! 風向5度、風速約1.5度の誤差で済みました。なにぶん小さな作図です。これなら、よしとしなくては(^^)/。
 ただ問題は、これで島が見つかるかどうかです。後日、航法精度を評価するため、HUD表示の緯度経度(N16.26.163-E110.24.616)を、「洋上中継点A」としてメモしておき、風向風速を60度15Ktに書き換えて、2回目の偏流測定をしました。

 針路   偏流角 対地ベクトル 修正角 真針路
 78・8  右4・7  83・5    −4・7  74・1
 18・8  左1・1  17・7
138・8  右4・4 143・2

●ピンチ!! 大誤差が出た:
 このデータで、改めて風向風速を計算すると…23・5度13・5Kt。風速は今度も1・5度の誤差で済みましたが、風向はなんと、36・5度も狂って驚きました。作図を確認しましたが…3本のベクトルは、ほぼ一点で見事にクロスしているし、どうも間違いが、見つかりません。

 ううううん、なぜでしょうねえ。ともかく、測定と計算に掛かった25分間、誤った進路を飛んでいます。推測航法では、正確な位置が分かっているのは、出発時だけ。あとは計算で、ベクトルを「接ぎ木」していく技術ですから、いったん狂うと、どんどん誤差が広がります。何とかしなくては!!!

 考えている間にも、機体は進みます。
 緯度経度をもとにして、「洋上中継点A」から目的地への正しい距離・方位を「Virtual E6-B」で算出すると、79・1度112・85nmと出ました。これに、メニューの風力欄に入力した、正しい風向風速を加えてE6-Bで針路計算をすると、針路は77・1度、対地速度は129・7Ktになりました。これは、まず正解と考えていいはずです。

 25分間に飛んだ距離は、25分÷60分×129・7Kt=54nm。
残りは58・85nmで、所要時間は27分。これで到着予定時刻は、ほぼ正確に分かります。島は小さい目標で、通り過ぎる恐れがあるため、速度の補正は重要なのです。
 もっと大きな問題は、針路です。偏流計算の結果は、緯度経度から出した正確な針路計算とは、3度違います。この3度が、どの程度の誤差になるか。関数電卓の出番です。

  sin3度×112・85nm=5・9nm
 というのが答で。針路の右約6nmに、島が現れるはずです。燃料はたっぷりあるし、ここは下手に修正を掛けず、27分飛んで島が見えなければ、右旋回を考えることにしましょう…Here we go!
 火事場の馬鹿力的スピードで計算をこなし。私はZキーで水平線付近のモヤを消して、深い青緑の海を見つめました。心なしか、いつもより暗く冷たく見えます。

 (実はこのあと。いくら探しても、島が見つかりませんでした。原因は…必要なマップデータを一つ、入れ忘れたからです(笑)。目指す島をロストし、溺死したパイロットは数知れませんが、彼ら・彼女らはさぞや、半狂乱になったと想像します。私は幸い、風向風速を入れ直した時点で、フライトをセーブしていたので、すぐにやり直しが利いたのですけれど)

●まだ道は遠く:
 …到着予定時刻の10分前。やや右に、かすかな線が見えました。5分後、視野を高倍率にして眺めると、ぺちゃんこの小さい島と、そばの海上に伸びた滑走路が見えました。あったぁ…やれやれ。
 真横を通過して距離を計ると、誤差は左へ5nm。到着時刻は、3分ぐらいの誤差でした。ルール通り、場周経路のダウンウインド・レグ中央に、風上側から45度で進入。ぐるっと回ってスムーズに降りましたが、今日のフライトはかなり課題が残り、どうも気が晴れません。

 最初の偏流測定は、まあ成功ですが。2回目には大誤差が出て、まだ原因も分からず。冒頭でも触れました「風の影響の再現問題」が、ことによると絡んでいる可能性も捨てられず…最初は「推測航法、完成か!!」と思ったのですが、まだ道は遠いようです。
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