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Re: 手探り航法・旅日記

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通常 Re: 手探り航法・旅日記

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depth:
47
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2006-9-23 13:42
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 650
hideです。
 無沙汰しました。ここんとこ仕事が増えまして、なかなか「飛んだり書いたり」出来ずにいました。今後も少々、間が空いたりするかも知れませんが、どうぞ引き続き、よろしくお願い申し上げます(^^)。

     ○

 先日、マカオ空港への進入(8月22日付)と、「マカオ名物…オフセット進入路を飛ぶ」(9月1日付)の連載時に、ホールディング・パターン(空中待機経路)への進入法を、少しご紹介しました。フライトシムの世界では今のところ、あまりホールディングの必要はありませんが、たった一つの無線標識、もしくはフィックスを基点にして、正確な楕円を描く…という飛び方を初めて体験して、これは計器飛行の上達に、非常に役立つと思いました。そこで今回は最初に、ホールディング・パターンへの進入方法を、簡単にまとめてみることにします。そのうちFlightGearでも、「ガス欠のAI機に、着陸順を譲るため、ホールディングを指示される」といった場面を、体験できるようになると面白いでしょうね。

●ホールディング・パターンへのエントリー:(説明図付き)
 教科書によると、ホールディング・パターンは、右回りが基本だそうです。VORやNDBまたはフィックスを基点とし、まず右180度旋回(1分間)して、アウトバウンド・レグ(基点から離れる直線)を1分間直進。再び右180度旋回(1分間)して、インバウンド・レグ(基点に向かう直線)を1分間飛び、元の基点に戻る…というパターンを繰り返します。

 パイロットはどの方向からも、このパターンにエントリー出来なくてはなりません。エントリー方法は、航空機の飛来方向によって3通りあり、いずれも無線標識のラジアルを頼りに、まず基点を通過します。文章では分かりにくいので、例によって図を作り、「マイアルバム」にアップロードしました。どうぞ、ご覧頂けましたら幸いです。

 ホールディング・パターンは図のように、基点(ホールディング・フィックスと呼ぶ。無線局など)を通る70度の線で、三つのセクタに分かれます。第1セクタは図の左上で、この方面からの航空機は、パラレル・エントリー(赤線)をします。第2セクタは左下で、オフセット(ティアドロップ)・エントリー(緑線)をするゾーン。第3セクタは70度線の右側全部で、こっちから来る航空機は、ダイレクト・エントリー(青線)をします。もちろん進入角度によっては、フィックス通過直後から、レグにぴったり乗るのは困難ですので、飛行経路は多少歪んでも許容されます。
 例えば、第1セクタの端(図の下の方)から、上に向けて基点を通過した場合は、パターンに沿って、わざわざ左寄りに旋回するわけではなく。基点からすぐ右旋回を起こして、1分より少し短く直進し、2回目の旋回を終えて、ホールディング・フィックスからの無線ラジアルを受信しながら、最終的にアウトバウンド・レグに合流する時点で、正確にレグに乗ります。
(実際の空港では、ホールディング用の空域は、パターン自体のサイズよりも、かなり広く設定されており。その外側に、さらに幅5nmの緩衝帯があるそうです)。

■香港から台湾・高雄へ■(コンパス偏差=偏西約2度)
  (マップデータ:e110n20.tgz
           e120n20.tgz )

 さて、今回は香港を出発し、台湾の高雄空港へ向かいます。高雄空港のアプローチ・チャートは手に入らなかったため、洋上のフィックスから空港へコースを引きましたが、空港の最終進入フィックスに当たるNDBを基点として、自分なりに、ホールディング・パターンを設定してみました。

 フライトプランをお目に掛けます。
(*度は真方位=オートパイロット設定値。
*degは磁気方位=VORラジアル設定値)
◎香港国際空港
   ▼73deg3.9nm
★Siu Mp To-VOR(SMT 114.80)1500ftで通過。
   ▼162deg7.5nm
★Cheung Chau-VOR 3000ftで通過。
 (CH 112.30 N22.13.10-E114.01.48)
   ▼87.4度(089deg)99.8nm (空路=A1/G581)
△MAGOG(N22.17.46-E115.49.31)7500ft
   ▼88.6度(091deg)93nm (A1/G581)
△ELATO(N22.20.00-E117.30.00)7500ft
(SWA-VOR 112.60 R151-77.5nm×CH-VOR R87.97度 192nm)
   ↑これはラジアルの交点で出したフィックスの位置。
   ▼97度(99deg)142nm ここから台北管制(空路=G581)
△PARPA(N22.01.57-E120.02.11)
  (CO-NDB24度-HCN-VOR 113.70 98度45nm)
   ▼23.9度(26deg)35.7nm
☆CO-NDB(220 N22.34.36-E120.17.48)
  (ここを起点にホールディング・パターンを設定。
   COで88度を向いて右180度旋回→1分間268度直進
   →右180度旋回→1分間88度直進→CO-NDB)
  (PARPAから、ここへパラレル・エントリーするにはCO通過後、
   右180度旋回し203度で15秒直進、右旋回してアウト
   バウンドに入り、268度で1分直進→右180度→1分直進
   →CO)
   ▼COからRWY-09端まで88度4.6nm
◎Kaoshung intl.(高雄国際空港 西ILS108.30 東109.70)
 (N22.34.37-E120.21.00 RWY92度=94deg)

 …出発。香港国際空港を、東に向けて離陸します。
 リアルウエザーの天候は、低空に3層の薄雲。風は北寄りで、高度によって概ね10nm前後でした。
 C310のオートパイロットに、真針路70度、速度110Kt、高度保持1500ftを入力して自動離陸。愛機はうまく横風を処理しながら、今日も軽々と舞い上がります。

●旋回も、フィックス通過も快調:
 空港周辺のVORを二つ経由して、沖へ出ます。先日ご紹介しました「標準旋回ベースターン表」記載のリード量が役立ち、旋回位置はほぼぴったり正確。高度を7500ftまで上げ、台湾行き航空路「A1/G581」に乗って、洋上を東へ向かいます。
 (念のため申し添えますと。リード・ターンを行った場合は、機体の飛行経路は、VORの真上は通らず、直前で旋回する形になります。旋回前の直線路と、旋回後の直線路の、それぞれの延長線が、VORの真上で交差する形が、ここで言う「正確な旋回」です)

 ネットで見つけた、香港周辺のフライトシム用エンルート・チャートには、航空路の「交差点」に当たる、多数のフィックスが記載されており。大部分は、Atlas記載のフィックスと合致します。ただしチャートには、フィックスの位置を示すVORのラジアルが、表記されていませんでした。最近はVORを使わず、GPSでフィックスへ直行する人が多いのでしょうね。これでは電波航法の訓練にならないので、事前にAtlasで各フィックスの緯度経度を測定し、どのVORのラジアル交点に当たるのか、計算しておきました。

 例えば、フライトプランのELATOフィックス(北緯22度20.00-東経117度30.00)には、「SWA-VOR 112.60 R151-77.5nm×CH-VOR R87.97度 192nm」と注意書きを入れておきましたが、これは「SWA-VORのラジアル151度と、CH-VORのラジアル87.9度との交点」という意味です。(いずれも真方位。ラジアルの数値に当てはめるには、2度加えて磁気方位にします)

●無線局が、故障中:
 この巡航では、電波航法だけに頼らず、推測航法の要領で、風向風速の修正計算も行いましたので、VORで確認したフィックス2カ所の通過時刻、位置とも、極めて正確でした。私の計器飛行も、少しはサマになりつつあるようです(^^)。

 台湾手前のPARPAフィックスでは、ちょっと問題発生。フィックスの位置を決める、高雄NDBと台湾南端のVORが受信不能でした。FlightGearには、たまに受信できない無線標識があります。まあ…実世界でも故障はあるでしょうから、ここは「リアルだなあ!」とつぶやきながら、我慢するしかありませんね。幸い台湾東岸のVORが受かったので、位置確認が出来ました。高雄空港に向けて変針します。

●ホールディング・パターンに入る:
 高雄空港の故障NDBの代わりに、もっと滑走路に近いSK-NDBを受信。これを基点に、ホールディング・パターンを想定してエントリー。最終進入への変針コースとして利用しました。

 具体的に申し上げますと…3000ftでNDBに接近。NAV1にILS周波数を入れ、さらに1500ftまで降下。ホールディング・パターンのインバウンド・レグ延長上にある、ILS局までの距離をDMEでモニターしながら、基点のNDBを通過。パラレル・エントリーで、ホールディング・パターンに進入。旋回計を見つめながら、マニュアルで右180度の「針幅旋回」を行います。
 計画外のNDBを使ったため、私はすでに滑走路の端にいて、ILSに乗れません。そこで、本来は1分間直進のアウトバウンド・レグを、3分間飛んで、沖合へリードを取りました。

 沖合で180度旋回を終えると…ILSを受けるVOR1の指針が、左寄りを指しています。アウトバウンド通過中、8Ktの横風を甘くみたため、南に流されたのですね。風の補正計算をするか、偏流角を計って、もっと大きく修正すべきでした。Atlasの軌跡も、かなり歪んでしまいました。
 まあしかし。ホールディング・パターンを何度か飛ぶと「これで、どんな進入チャートに出会っても、大丈夫!!」という安心感がわいてきます。

     ○

 …着陸です。風下から、ちょっと斜めにアプローチ。私はWin-XPに使えるジョイスティックがなく、タッチパッドでコーディネート操舵をしている関係上、本格的なクラブ(横滑り)降下が出来ないのですが…やや斜めに進入し、接地点直前で変針して滑走路の軸線に乗り。風上に少しバンクを掛けて、そっと片足を降ろし。次いで全車輪を着けると、大体スムーズに降りられます。


■高雄から、台北へ■(コンパス偏差=偏西約2.5度)
 もう一息がんばって、台北の「蒋介石国際空港」に向かいます。この飛行では、台湾西部を南北に貫く、航空路「W-4」を進みます。

◎Kaoshung intl.(高雄国際空港)
   ▼RWYから、東か西へ進出してベースターン。
☆SK-NDB(330)のハイステーションを通過。
   ▼W-4 334deg 34nm
★SHIKANG-VOR(TNN 113.30 N23.08.08-E120.12.08)
   ▼W-4 22deg(19.5度) 95.7nm
★HOUNG-VOR(HLG 114.90 N24.38.24-E120.47.00)
   ▼W-4 55deg(41.6度) 32.1nm
△TP234(N25.02.23-E121.10.30)
   ▼48度4.3nm
★Chang Kai Shek-VOR
(TIA 114.30 N25.05.18-E121.14.00)
◎Chang Kai Shek(蒋介石)国際空港
 RWY48度(ILS-111.10)-229度(109.30)

 …目的地は首都の空港ですから、実際のアプローチは、ややこしいパターンになっていると思いますが。今日は単純極まる、ストレートな進入コースを設定。もし反対向きに降りる場合は、空港VORのハイステーションを通過してから、ベースターンを打つ予定です。

 自分で言うのも変ですが、前回(9月9日)の連載時に、「標準旋回ベースターン表」を作っておいて、本当によかったと思います。いつでも、直ちにベースターンが使えるため、着陸の組み立てが、単純かつ弾力的になりました。思えば…計器飛行は「飛行を、幾つものパーツに切り分けて、規格化する」行為でもあります。問題にぶつかるたびに、悩むのではなく、あらかじめ準備した手段を、組み合わせて対応できるわけですね。「次にやるべきことが、分かっている。データもそろっている」というのは、とてもありがたいことです。
 (例えば。空港へストレートに進入する計画を立てていたのに、降下開始時期の計算を間違い、高度が高すぎて着陸できない…という事態があり得ますが。風向風速さえ許せば、この場合もそのまま、空港を通過してベースターンを打ち、反対側から簡単かつ正確に、進入をやり直すことができます)

●台湾上空、暗夜の旅:
 このフライトは久しぶりに、夜間飛行にしました。
北寄りの風3nm、曇り。夕暮れの高雄空港を離陸する際、滑走路の真っ正面に、半分沈んだ入り日が見え。高度を上げるにつれて、海面から昇ってくる姿が、実に素敵でした。

 ネットで得た、「台北飛航情報區飛航指南」(エンルート・チャート)に従って、最初のVORをめざしたのですが、どうも方位が合いませんでした。目標のラジアルに、いつまでも合流できないので、OBSを少し回して、ホーミング飛行に切り替えました。(何が間違っていたのか、不明です)
 しばらくマニュアルで操縦しましたが、月のない(そういえば日本でも、昨夜の月齢は0.6)曇りの夜は、機体の姿勢がつかめませんね。小さな水平儀や旋回計、コンパスを頼りに、ちょっとふらつきながら、文字通りの「計器飛行」になりました。
 途中で、台南空港の管制区を通過。戦争中は日本海軍の基地があり、零戦のエース・坂井三郎氏の「台南航空隊」が結成されたところです。今の空港は、昔の基地跡にあるのでしょうか…?

     ○

 VORを中継して延々と、暗夜の飛行が続きます。幸い無風に近いので、小さな補正だけで、ほぼ正確に飛べました。でも計器以外に何も見えないフライトは、非常に気疲れしました。特に台北のVORへ向けた、長い雲中の降下は重苦しく。一つ勘違いしたら、航法の収拾がつかなくなりそうで不安になってきました。FlightGearでは道に迷っても、レーダー誘導のリクエストは出来ません…。

●輝く滑走路:
 VORは中央ぴったり。あと8nmで空港…あと5nm…というところで、暗黒の中に、何か見えました。最初は、画面の汚れ(笑)じゃないかと思ったのですが。間もなく、実にかすかな滑走路の灯が、もやを通して、手前の部分だけ見えました。2本あります。間違いなく、台北です。

 ちゃんと計画通り、計器通りに着いたのですが。はらはらしただけに、なかなか感動しました。サンテグジュペリが著書のなかで、これと同じ情景を「沈黙の中から、金が生まれたのだ。それは、航空港の灯火の中に輝いている」と描写したことを、ふと思い出しました。

 元気を出して、正念場を迎えます。
 ちょっと計算違いがあって…高度が高すぎるので、空港の反対方向からの進入に切り替えます。NAV1を、北側のILS周波数に変更。滑走路方位セット。110Ktに減速。空港VORのハイステーションを3000ftで直進し、1500ftへ降下を開始。滑走路は機体の影になり、周囲は再び一面の闇。
 標準旋回ベースターン表に従い、6.7nm進出して、差角10度の右ターン。ロールアウト時に、ローカライザ指針が、ぴったり中央に合致。

 フラップ1段ダウン。オートパイロットに、グライドパスをセット。スロットルが自動的に開いて、パスへ上昇。ローカライザもセットしたいですが、C310は危険な「首振り運動」に入るくせがあるので、コース保持はマニュアルです。ギアダウン。フラップ2段ダウン、3段目ダウン。
 ほっそりした、おとなしい蛇のように、ぼんやり光っていた滑走路が、次第に輝きを増し、くっきり近づいてきます。滑走路とCDI指針、水平儀をにらんでコースを微調整。これに結構、緊張しました。水平線が見えないというのは、こんなに苦しいものだったのですね。練習不足を感じます。

 やがて絢爛豪華な灯火群が、足元に滑り込んできました。パスがちょっと高すぎます。グライドパス保持と、速度保持を解除。エンジンをアイドルに絞って、そっとタイヤを地面に着けました。

     ○

 夜間飛行とは、奥深いものですね。今回は月がなく、雲の影響で初めて体験するような暗夜となり。思ったより操縦に苦労して、結果的に、持てる力をすべて出し切ったような進入・着陸になりました。いささか憂鬱な暗夜のフライトは、まことにハッピーな気分で終わりました。
 ほんの1カ月ほど前でしたら…滑走路が見えた時点で、「これを見失ったら、大変だ」と舞い上がり。3000ftも下の滑走路に向かって、むりやり機体をひねり込むという、無謀な誘惑に、勝てなかったかも。しかしIFRアプローチを少しだけ学んだ今は、ちょっぴり自信がついてきました。
 いよいよ次回は、日本領空の端っこをめざします。
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