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Re: 手探り航法・旅日記

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通常 Re: 手探り航法・旅日記

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depth:
69
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2007-3-7 14:46
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 650
hideです。
 このフライトでは、松島基地から一気に関東へ帰ります。
磐梯山の周辺や尾瀬を経由し、関東平野へ出て幾つかの飛行場を巡り、埼玉のホンダエアポートをめざします。

 今回も、ABUNAI航法システム(2月18日の本連載に詳報)を使いましたが、単にAtlas画面を見ながら飛ぶだけでなく、飛行中に偏流角(風で流される角度)を計って補正する、リアルな航法をご覧に入れます。たとえGPS航法でも、FMS(フライト・マネジメント・システム=オートパイロット連動の、総合航法コンピュータ)を持たない小型機では、必ず飛行中に、パイロットが何らかの方法で、風の影響を補正すると思います。これと同じことをやってみましょう。
 では以下に、フライトプランをお目に掛けます。

■青春の山々・関東の空■(松島から利根川へ)
  (マップデータ:e130n30.tgz
           e140n30.tgz )
(針路はすべて磁気方位。偏差は「偏西」8度
          としてAtlas上でコース測定)
◎松島基地
    ▼229度21nm
★仙台空港VOR(116.30)
    ▼244度42nm
△吾妻山
    ▼203度17nm
△猪苗代湖(中央)
    ▼252度44nm
△銀山湖(奥只見ダム湖)北端
    ▼181度12nm
△尾瀬・燧ヶ岳
    ▼155度16nm
△日光・中禅寺湖
    ▼136度24nm
☆日光NDB(389)(以後、偏西7度で測定)
    ▼131度33nm
◎百里基地
    ▼213度19nm
◎竜ヶ崎飛行場
    ▼191度3nm
◎大利根飛行場
    ▼288度36nm
◎ホンダエアポート
    計267nm

 松島基地を出発します。時刻は「Time of day」で「noon」を選択し、計器盤のアナログ時計は「2時40分」ごろを指しています。これは協定世界時(UTC=従来のGMTと同義)ですので、日本標準時(JST)では午前11時40分です。
 リアルウエザー機能が自動設定した風力は、320度13Kt前後。雲は5800ft付近に、scatterdレイヤーが1枚あるだけ。しかし3000ftまで昇ると、もやが春霞のように立ちこめ、すっきりしない眺めでした。

 …実はこの飛行は、2度目の挑戦です。1回目は山岳地帯でパソコンの処理が重くなった際に、FlightGearが勝手に終了。2回目は負荷を下げるため、視界を15nmに設定しましたので、マップの端を隠すもやが、やたらに目立つようになりました。
 理想的には、地平線が見える理論上の距離まで、マップを表示させたいものですが、私のパソコン(ペンティアムM 1Ghz)では、とても無理です。ご参考までに、地平線までの距離を求める方法を、以下に示しておきます。

【注:地球の曲率から、見える距離を出すには】
 「自分の視高がHメートルの場合、標高hメートルの目標は何マイル先から見えるか」は、次式で求めることが出来ます。
        (√H+√h)×2.083=距離(nm)
 hをゼロにすれば、水平線までの距離が分かります。もし絶好の快晴でしたら、3000ftで飛ぶ場合は約60nm先まで見えるはずです。ジェット機並みの30000ftでしたら、実に約200nmです。これ以上遠いところは、水平線の下に隠れるわけですね。
 大気の汚染が少ない戦前は、関東平野で1万mまで昇ると、太平洋と日本海が同時に見えたとか、山口県から富士山と朝鮮半島が見えたとか、かつて読んだことがあります。いずれはこんな、すごい画面表示で操縦したいものですね。

●「ABUNAI航法」で、偏流を測定する:
 松島湾を右手に見て、ブロンコ改は快調に南進。すぐ地平から現れた仙台空港を通過後、フライトプラン通り244度を維持します。

 私の「ABUNAI航法」(Atlas画面に、方位・距離の表示機能を加えたもの)では、取りあえず偏流(針路に対する風の影響)を無視して飛び始め、途中でAtlas画面上の目的地を見ながら、コースのずれを逐次補正しても、むろん必ず目的地に着きます。ただし飛行経路は、風下にふくらんだ形になります。
 そこで…もっと正確な航法を試みたい場合は、偏流角(ドリフト・アングル=コンパスが指す針路と、風で流されて飛ぶ実針路の差)を測定し、その分、風上側に針路を修正してやればいいわけです。

 ABUNAI航法では、Atlas画面に描かれる自機の航跡を利用し、実際の針路と偏流角を、飛行中に簡単・正確に計ることができます。手順は以下の通りです。

(1)正確に直線飛行する。
(2)自機から十分離れた航跡上に、マウスポインタを置く。
(3)「斜めものさし」の方位距離ウインドウを参照して、
   自機から見たマウスポインタの方位を読む。
(4)この方位に、180度を足すか引くかして、反方位を
   出す。これが、風に流されつつ飛ぶ実針路である。
(5)この実針路と、コンパス針路の差が偏流角である。
(6)あとに述べる方法で、偏流角を補正する。

 今回は吾妻山に向かう途中、仙台空港から12nmの地点で、航跡の方位を計りました。58度と表示されましたので、180度足して反方位を出すと238度。これが実際の針路ですね。
 フライトプランの針路244度と比べると、差(偏流角)は左6度ですので、風の影響を打ち消すには、プラス6度の修正角をかけて、機首方位を250度に変更します。これで初めてフライトプラン通り、機体は実際に244度の針路を保って飛ぶわけです。
(注:偏流角は、コンパス針路を基準に「右」「左」○度、修正角は「プラス」「マイナス」○度と表現します)

●偏流角を修正する、2つの方法:
(1)適量修正:
 偏流角が小さい場合は、「適量修正」と言いまして、単にコンパス針路に修正角を足して(または引いて)飛びます。これは「コースからのずれは放置するが、これ以上広げない」という飛び方です。
(2)倍量修正
 今回は、かなり流されていますので、コンパス針路に修正角の2倍を足す(または引く)「倍量修正」を使い、のちに適量修正へ移行することにします。これは「一度正しいコース上に戻って、これを維持する」という飛び方です。

 まず吾妻山へのコンパス方位244度に、偏流角6度×2倍=12度の修正角を加え、256度にします。この航程は、仙台空港を基点として始まり、偏流角測定点まで12nmを飛ぶ間、風に流され続けました。従って「倍角修正」でさらに12nm飛べば、本来のコース上に戻ります。ここで修正角を6度に減らせば、コースを維持できます。実際にこうして42nm飛んだところ、目標の吾妻山頂から、南へ約0.8nmの地点を通過しました。まあまあの精度ですね(^^)。

【注】:かつての私の推測航法は、FlightGearで設定した風向風速をもとに、針路の修正値を計算していました。今回は、飛行中に風の影響を実測するという点が、非常にリアルになっています。また以前は簡略化のため、真方位を使っていましたが、ABUNAI航法では磁気方位を使いますので、この点も一段とリアルになりました。そのあたりを踏まえ、今回は風力の補正について、改めて基礎からご紹介させて頂きました。

●天元台って、ここだったのか:
 さて、この吾妻山(2024m)はAtlas画面で最初、磐梯山と勘違いしていたのですが、2回目のフライト前にネット地図で確認して、「ああ、これは吾妻連峰だったのか」ということに。誠に偶然ながら…これは私が高校時代、修学旅行で登った山です(^^)。

 当時は「天元台」と呼ばれる尾根の一帯を、東西2つのコースに分かれて縦走。私は連絡のため、3キロ近い50Mhzのアマ無線機を持参。重くて苦労しましたが、面白い体験でした。
 …今回ブロンコ改で、私は尾根の中央、実世界ならロープウェイの頂上駅のあたりに向かっています。ここは修学旅行で、縦走の本部が置かれた出発点です。思わずオートパイロットを外して減速し、念のためフラップを下げ、私は当時自分が歩いた西コースの縦走路を、尾根すれすれにたどりました。
 途中でちいさなコブを越えて、さらに西にある頂きへ。ここが目的地だった「西大巓」(にしだいてん)と思われます。懐かしいなあ!! あと少し高度を下げると、高校時代の自分が見える…はずはないのですけれど。それでもかなり、胸が躍りました。

 連峰の上を8の字に飛び回り、機首を南へ。磐梯山を横目に見ながら、猪苗代湖に出て、さらに44nm南西の銀山湖をめざします。フライトプランの針路は252度。仙台空港−吾妻山の航程と、針路は10度も違いませんので、偏流修正角はさっきと同じ、プラス6度を使うことにしました。コンパスをにらんで、機首方位を258度に。

●静寂の銀山湖、遙かなる尾瀬:
 銀山湖は、深く切れ込んだ谷の合流点に横たわっています。延々と飛んだあと、薄雲の切れ間から、狙った通りに湖の北端が見えまして、航法が完璧だったと分かりました。(Atlas上で見えていても、航法計算が当たるのは嬉しいです)
 ここは「奥只見ダム湖」とも言います。ダムは1950年代に完成し、貯水量で日本最大。三島由紀夫が小説の舞台にしており、主人公のダム設計技師が、建設前に調査のため、長期の越冬(!)をするストーリーでした。本物の奥只見ダム建設では、凍死を含む44人もの犠牲者を出したそうです。半世紀前の日本では、まだ電源開発や治水は、大変ハードな「闘い」だったのですね。

 またも減速してフラップを下げ、銀山湖へ急降下。上空から細く見えた谷底へ潜り込みますと、そこには別世界のような、静かな湖面が広がっていました。グランドキャニオンの超ミニ版といいますか、思いもよらなかった、非常に美しい秘境です。
 湖面すれすれの低空で、一つの谷間を南へたどると、正面に白いピラミッド型をした独立峰が、絵のように現れました。この山が、有名な尾瀬の湿原の北側にそびえる、燧ヶ岳(2346m)です。

 …この燧ヶ岳も、実は登ったことのある山です(^^)。浪人時代、幼なじみの親友(女性)2人に8月の尾瀬へ引っ張り出され、くたくたになるまで歩き、尾瀬沼や湿原の美しさに心を洗われました。仲間の1人は後に海外へ転居。もう1人は外国よりも、ずっと遠くへ旅立ってしまいましたが…この数日間は、今も記憶の海に輝いています。

 思い出多い、燧ヶ岳山頂をすれすれにかわし、南斜面を急降下しますと、薄雲が切れて、青い尾瀬沼が広がりました。シミュレーションとはいえ…懐かしいです。
 湖面をゆっくり旋回し、昔は登り損ねた、至仏山の上を通過。最後に(尾瀬へ向かって昔、夜間登山した)三平峠付近を飛び、次の目標・中禅寺湖へ、ゆるりと機首を向けました。

●百里基地の「名物」:
 日光一帯を過ぎると、高度を3000ftに下げて、いよいよ関東平野です。筑波山の真上を通過すると、間もなく右に霞ヶ浦が見え始めました。湖の北にある、航空自衛隊・百里基地へ直行します。

 新谷かおる作「ファントム無頼」によりますと、この基地の誘導路は、途中で「くの字」に折れ曲がっているとか。土地の買収が、うまく行かなかったのでしょうね。FlightGearではどうなっているか興味津々で、ただそれだけのために、立ち寄ってみました(^^;)。
 …ありました。本当に「くの字」です。FlightGearの日本マップには、ビルなどはありませんけれど、平面的なデータに関しては、けっこう正確に出来ているのですね。

 ここで、旧海軍のパイロット訓練地として名高い、霞ヶ浦を南へ横断。のどかな春がすみ風の、もやの多い画面表示は、広大な平野の湖には、よく似合います。
 故・坂井三郎氏は、この近所で初飛行をしました。戦前にはリンドバーグが奥さんと水上機でやってきたり、史上最も有名な飛行船「グラフ・ツェッペリン」が飛来したり、航空史の話題がどっさり。しばし思いを巡らしながら、次は飛行場巡りです。

●関東平野の、小飛行場を訪問:
 関東南部は戦前から戦中にかけて、そこら中に陸海軍の航空基地があったお陰で、今も大小の空港がどっさり。また一部が民間機のテスト・訓練空域に指定されているためか、スポーツ航空が盛んな場所ですね。小飛行場の上を幾つか飛んで、ちょっと自家用パイロットの気分を味わいました。

 霞ヶ浦を渡りきると、見渡す限りの関東平野を、ゆったり利根川が走っています。川沿いにグライダー訓練の盛んな、大利根飛行場を見つけ、ここを起点に、竜ヶ崎飛行場を発見して通過。フライトプランでは逆の順序ですが…これは私が最初、竜ヶ崎飛行場を見落としてしまったためです。さて、そろそろ首都圏の市街地テクスチャーが、左手に広がっています。横目で見ながら、私はゴール地点・埼玉県のホンダエアポートへ向かいます。

 ホンダエアポートには昔、モトクロス・コースが併設されていましたが、現在はどうでしょうね。ここで一度、大学二輪同好会の連合組織が開いた、125cc以下の耐久レースに出たことがあります。あえて成績はお話ししませんが…完走しました(^^;)。
 …高度を600ftに下げて、いったん滑走路の中央部を、東から西に通過。反転して型通りに、ダウンウインド・レグの中央部から、トラフィックパターン(場周経路)へ45度の角度で進入。減速、フラップダウン、ギアダウン。滑走路が短いので、更にフルフラップとし、約90Ktまで落としてショートランディング。滑走路北端のエプロンに入れて、両エンジンを切りました。
 今回はすっかり、「思い出巡り」のフライトになってしまいました。お付き合いを頂きまして済みません。さて次は、どこを飛ぼうかな?
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