Re: 手探り航法・旅日記
Re: 手探り航法・旅日記
msg# 1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.2.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1
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居住地: 兵庫県
投稿数: 650
hideです。謹賀新年、今年もよろしくお願い致します。
秋田空港では、大韓機が誘導路に誤着陸したそうですが、無事で本当に何よりでした。
「冬は、やっぱり北国だ!」という発想で、今回は本州をどんどん北上します。フライトプランは、次のようなものです。
■富山から青森へ■
(マップデータ:e130n30.tgz
e140n30.tgz
e130n40.tgz
e140n40.tgz )
文中のマークの意味は、次の通りです。
◎:空港
△:航空路に設けられたフィックス、または地上の目標
★:VOR局
☆:NDB局
▼:上記を結ぶ各ルートの、磁気方位と距離など
(カッコ内は、風向風速を補正した値)
◎富山空港(VOR 110.85)
▼347deg39nm(344deg184Kt)
◎能登空港(VOR 111.45)
▼59deg23nm(54deg205Kt)
△珠洲岬
▼64deg62nm(59deg207Kt)
◎佐渡空港(NDB 369)新潟VORから289deg34nm
▼109deg34nm(107deg219Kt)
◎新潟空港(VOR 115.50 NDB 253)
▼73deg64nm(68deg210Kt)
◎山形空港(VOR 113.00)
▼357deg91nm(353deg186nm)
★秋田VOR (116.10)
▼0deg18nm()
△八郎潟(秋田VORから180deg18nm)
▼67deg49nm()
△十和田湖(青森VOR 114.10から160deg19nm)
▼339deg19nm()
◎青森空港(VOR 114.10)
さて、富山空港のRWY-20にいます。
今進めている国内フライトは、「航空図と磁気方位を使う、リアルな旅」をテーマにしていますので、以前はよく計器と併用したHUD(真方位を表示)を消して、メニューバーも必要な時以外は消しておきます。
リアルウエザー機能が設定した天候は、視界約1nm。かなり悪いですね。しばらく雑用をして、再起動すると…おおっ、断雲があるだけで晴れ。しかし、よく考えてみたら、LANケーブルが抜けていて、デフォルトに戻っただけでした。まあ今回は、この天候で行きましょう。
北寄りの風が6000ft以下で20Kt。もっと上空では30Kt。低空を飛ぶことにして、「Vertual E6-B」で風速20Ktの場合の補正計算を行い、上記フライトプランのカッコ内に書き加えました。
離陸直前の残量は、機内タンク2059Lbs(ポンド)+補助タンク4554Lbs。ガロンで言いますと、312gal+690galになります。ブロンコはターボプロップですから、ジェット燃料(リッター20〜60円?)を使いますが、全部満タンにすると、20万円ほど掛かってしまう計算です。
ジェット機では普通、燃料をLbsで計るようですが、これは温度による体積の変化が大きいため、ガロンなどの容積表示では都合が悪いのだそうです。私も今後、ジェット燃料はLbsで表記することにします。
ちなみに、以前「補助タンク3本を満タンにすると、重くて150Ktしか出ない」と、改造データの添付メモに書きましたが、ごめんなさい…加速や上昇に少し時間は掛かりますが、ちゃんと200Kt以上出ることが判明しました。
●またまた、「Runtime error!」:
富山を離陸し、快適に能登半島を北上したのですが…輪島のあたりで、地形がスッパリと東西に切れていて、ここから北が極点のように、一面のもやになっているのを発見。マップデータに何か、エラーが起きたようです。もやの上を数分飛んでおりましたら、突然「Runtime error!」のメッセージが出て、アプリケーションが終了してしまいました。うーーーん、がっかりです。
マップデータが壊れた影響か、或いはブロンコに、何か隠れた問題があるのでしょうか。前回追加した、エンジン始動シーケンスは念のため、取り外したのですが。かなり意気消沈しまして、一応、他の機体もテストしておかなくてはと、以前から注目していた双発機「Aerostar-700」を、富山空港で飛ばしてみました。
●Aerostar-700に「試乗」する:
この機体は、私が慣れ親しんだ双発セスナC310を、うんとグレードアップしたような、高速の6人乗り軽飛行機です。以前、「オートパイロットが使えない」とご紹介しましたが、あれは誤りでした…ごめんなさい。実は、床に近いセンター・コンソールに、オートパイロット系統のスイッチ群があり。マスタースイッチをONにすると、ちゃんと自動操縦が可能です。
Aerostarは、スペックによりますと20000ft以上を250Kt前後で巡航できます。航法計器はけっこう豪華ですし、1機でjsbとyasimの両フライトモデルに対応。メニュー欄のスライダーを動かせば、燃料の搭載量も自在に調節できるなど、意欲的に設計された機体です。しかし、いざ操縦してみると若干、使いにくい面があることが分かりました。
まず、凝った作りのオートパイロットが、少々不便です。デザイナーは、下を向かないと見えない、センターコンソールのスイッチを、ぜひ使ってもらいたいらしく、メニューからはほとんど、オートパイロットが操作出来ないようにしています。またDMEの距離表示が出ませんし、エンジン関係の計器が省略されているのは、レシプロ機の場合は(高度によって調整が必要なので)問題です。
アプローチ時はどんどん沈下するため、恐くてなかなか減速できません。プログラムの記述方法も、C310やブロンコとは勝手が違っていて、大きな計器盤を避けるため、操縦席の視点を少し持ち上げる改造を試みましたが、うまく視界に反映されませんでした。以上の結果、着陸には相当神経を使いました。どうも私とは、あまり相性が良くないようです。また改めて、研究してみることにしましょう。
という次第で。気を取り直しまして、問題のあったマップデータを再ダウンロードし、インストールし直したところ、今度はブロンコは、エラーを出さずに飛び回ってくれました。やれやれ!!!
●改めて、北陸の旅を:
富山を南へ離陸し、6nmほど進出しながら高度を上げ、左30度バンク旋回。お馴染みの「リバーサル・ディパーチュア」で、空港VORのハイステーション(直上)に戻り、ここを起点に能登VORへ定針。パネル右のスイッチを操作して、たっぷり燃料の入った、補助タンクに切り替えました。後方はるかに、立山連峰が広がっています。
前回、「富山から見た、冬の立山連峰は素晴らしい」というお話をご紹介しましたが、その後、富山に赴任経験のある人の話を聞いても、「街路越しに見える立山は、雪をかぶると急に近く見えて、すごい迫力」とのことでした。行ってみたいですね。
ブロンコは、3万7000ftくらいまでは上昇できることを確認していますが、高空では速度も燃費も伸びません。またFlightGearではどっちみち、あまり高度を上げると、平らな雲海しか見えなくなりますので、私は10000ft以下で景色を楽しむ方が好きです。今回は、6000ftを超えると向かい風が増すため、5900ftでオートパイロットの高度保持を掛けました。
能登半島は、なるほど景色のいいところですね。あっちが、漆器で有名な輪島かあ…などと見とれながら、能登空港で東へ変針。この空港には日本航空学園輪島校があり、旅客機と滑走路を供用する、日本唯一の航空学校なのだとか。半島東端の珠洲岬から、海の上に出ます。
実世界の日本海は、夏でも冷たいような、真っ青な色。今ごろの季節は、さぞや寒々としているだろうと思いますが…FlightGearが描く風景は、少々くすんで暗い感じなので、いかにも冬の日本海の気分です。前方に、ぽつんと白い月が昇ってきました。
やがて水平線のもやから、じわじわと山が現れて、佐渡島です。佐渡空港で東に向きを変えて、新潟空港VORへ。日本海を渡りながら、メニュー欄の「File」から「Browse Internal Properties」「consumables」「fuel」と開いて、タンクごとの燃料残を確認し、時計を見て1分間の消費量を計りました。離陸直後は、毎分19Lbsの消費率だったのですが、今回は毎分16.25Lbsまで改善。燃料を約680Lbs消費して軽くなった分、燃費が良くなりました。
パワー設定は、オートスロットル任せ。タービンエンジンですから、ミクスチャー・コントロールがないし、プロペラピッチも自動なので、とても楽です。やや物足りないとも言えますが…私はC310ではよく、高空でミクスチャーをリーン状態(薄めの混合気)にしたまま忘れて、そのまま降下してしまい、低空でゴーアラウンド(着陸やり直し)の際にパワーが出なくて、何度も焦りまくっていましたので、今の方が安心です。
新潟空港上空で、いったん飛行をセーブし、後刻再開しました。
●八郎潟…国土改造、夢の跡:
データの再ロード後も、FlightGearは快調です。
新潟から山形空港へ針路を取ると、やがて朝日岳連峰に差し掛かります。航空図で標高を確かめながら、やや高度を上げて、一面の山並みの上を巡航。実世界では、すっかり雪景色のはずですね。
山形で左に変針し、秋田VORへ向かうコースの中間地点付近で、左に鳥海山を見ました。少しなだらかな、とがった富士山、という感じの、すっきりと美しい山容が印象的です。
ここでVORを、山形から秋田に切り替えましたら、ちょっとコースがずれて表示されたので、やや修正を掛けました。途中で2倍速を使ってはいますが…離陸から1時間足らずで、早くも秋田VOR上空に到着。ここから真北に10nm飛ぶと、有名な八郎潟です。
八郎潟は、今でも社会科の教科書に載っているのでしょうか…約1万7000ヘクタールにわたって広がる、日本で一番有名な干拓地。国内第2の湖を、まるごと「海より低い、人工の農地」に変えたのですから、計画が始まった1956年当時は、胸が躍るような、夢の大事業だったろうと思います。
20年後の完成時は、農業政策が変わり、減反が進んでいました。今では大規模干拓工事そのものが、自然破壊と呼ばれる場合もあり、時代の流れを感じます。それはともかく八郎潟は、FlightGearの日本で、人間が造り替えた地形をはっきり観察できる、いい例だと思います。
…コクピットから見る干拓地には、ちゃんと幹線排水路も再現されており、想像力をフルに動員すれば、「超小型のオランダ」みたいな風情も、多少は感じられます。運河のように長大な排水路を目標に、私はゆっくりバンクして、機首を十和田湖に向けました。
●あれれ、十和田湖はどこだ?:
八郎潟−十和田湖間は、太平洋岸にある三沢基地のVORラジアルが使えますが、この区間では、久しぶりに推測航法のトレーニングをする予定でした。ところが…つい、風力補正計算を後回しにしたまま、忘れていたため、飛ぶべき正確な針路が分からなくなりました。ともかく一度、現在地を出さなくては。せっかく航空図があるので、ここは地文航法の要領で、地形を頼りに位置を調べることにします。
周囲を見回すと、まもなく南北に走る道路を越えるところです。左前方の数nm先には道路の分岐点があり、そこから鉄道線路が東西に走っています。航空図に鉛筆で引いたコース上で、似た地形を探すと…どうやら、鷹巣というところ(現・北秋田市)ですね。秋田VORからの距離は30.2nm。秋田空港を中心に、この半径を持つ円弧を考えると、ちょうど推測位置とクロスします。よしよし。これで現在地が分かりました。
さてここで、せっかく予定コース上にいたのに、少し勘違いをしまして、針路を10度ほど左へ修正。これが大失敗で、いつまで経っても十和田湖に着きません。青森空港VORで位置を出したところ、湖は5nmほど南です。あわてて南下して、ようやく湖の上空に到着。(しかしまあ、電波航法のなかった時代のパイロットは、本当に大変ですね)
十和田湖は典型的なカルデラ湖で、なかなか美しい地形です。湖面近くまで降下して、湖上に突き出している「御倉山」の南側をかすめてUターン。上昇しながら青森に機首を向けました。
●セーブが出来ない!:
八甲田山のすぐ西を北上し、青森空港上空に到着。燃料は半分以上残っていますので、このまま北海道へ行きたいのですが、ちょっと時間が足りません。そこでセーブを掛けたところ、1キロバイトしかない不良セーブ・ファイルが出来上がるトラブルが、今回も発生しました。
これはjsbの癖で、以前作ったセーブ・ファイルを、サブフォルダに待避させると、うまく新規セーブが出来る場合もあるのですが、今回は残念ながら、何度やってもダメでした。長旅の場合は、気になる問題です。
結局諦めて、青森空港へ着陸することに決定。風下に回って高度を落とし、フラップを半分下げて100Ktでアプローチ。引き起こしが早すぎて、少々乱暴なタッチダウンでした。
ところで。着陸後にAtlasの航跡を見ましたら、先ほど間違って変針した地点は、ちょうど大館能代空港の真上でした。私の古い航空図には載ってなかったので、まんまと見落としてしまいました。FlightGearの小空港は時々、忍者のように、風景に溶け込んでしまいます(^^;)。
…と、人のせいにしましたが。今回は観光気分で飛んでいますので、世界一周の最中と比べますと、航法に対する集中力が、ちょっと落ちているようです。用心、用心。
まだ2週間ほど、仕事が詰まっていますが、これを乗り切りましたら、次回は真冬を迎えた北海道へ向かいます。
秋田空港では、大韓機が誘導路に誤着陸したそうですが、無事で本当に何よりでした。
「冬は、やっぱり北国だ!」という発想で、今回は本州をどんどん北上します。フライトプランは、次のようなものです。
■富山から青森へ■
(マップデータ:e130n30.tgz
e140n30.tgz
e130n40.tgz
e140n40.tgz )
文中のマークの意味は、次の通りです。
◎:空港
△:航空路に設けられたフィックス、または地上の目標
★:VOR局
☆:NDB局
▼:上記を結ぶ各ルートの、磁気方位と距離など
(カッコ内は、風向風速を補正した値)
◎富山空港(VOR 110.85)
▼347deg39nm(344deg184Kt)
◎能登空港(VOR 111.45)
▼59deg23nm(54deg205Kt)
△珠洲岬
▼64deg62nm(59deg207Kt)
◎佐渡空港(NDB 369)新潟VORから289deg34nm
▼109deg34nm(107deg219Kt)
◎新潟空港(VOR 115.50 NDB 253)
▼73deg64nm(68deg210Kt)
◎山形空港(VOR 113.00)
▼357deg91nm(353deg186nm)
★秋田VOR (116.10)
▼0deg18nm()
△八郎潟(秋田VORから180deg18nm)
▼67deg49nm()
△十和田湖(青森VOR 114.10から160deg19nm)
▼339deg19nm()
◎青森空港(VOR 114.10)
さて、富山空港のRWY-20にいます。
今進めている国内フライトは、「航空図と磁気方位を使う、リアルな旅」をテーマにしていますので、以前はよく計器と併用したHUD(真方位を表示)を消して、メニューバーも必要な時以外は消しておきます。
リアルウエザー機能が設定した天候は、視界約1nm。かなり悪いですね。しばらく雑用をして、再起動すると…おおっ、断雲があるだけで晴れ。しかし、よく考えてみたら、LANケーブルが抜けていて、デフォルトに戻っただけでした。まあ今回は、この天候で行きましょう。
北寄りの風が6000ft以下で20Kt。もっと上空では30Kt。低空を飛ぶことにして、「Vertual E6-B」で風速20Ktの場合の補正計算を行い、上記フライトプランのカッコ内に書き加えました。
離陸直前の残量は、機内タンク2059Lbs(ポンド)+補助タンク4554Lbs。ガロンで言いますと、312gal+690galになります。ブロンコはターボプロップですから、ジェット燃料(リッター20〜60円?)を使いますが、全部満タンにすると、20万円ほど掛かってしまう計算です。
ジェット機では普通、燃料をLbsで計るようですが、これは温度による体積の変化が大きいため、ガロンなどの容積表示では都合が悪いのだそうです。私も今後、ジェット燃料はLbsで表記することにします。
ちなみに、以前「補助タンク3本を満タンにすると、重くて150Ktしか出ない」と、改造データの添付メモに書きましたが、ごめんなさい…加速や上昇に少し時間は掛かりますが、ちゃんと200Kt以上出ることが判明しました。
●またまた、「Runtime error!」:
富山を離陸し、快適に能登半島を北上したのですが…輪島のあたりで、地形がスッパリと東西に切れていて、ここから北が極点のように、一面のもやになっているのを発見。マップデータに何か、エラーが起きたようです。もやの上を数分飛んでおりましたら、突然「Runtime error!」のメッセージが出て、アプリケーションが終了してしまいました。うーーーん、がっかりです。
マップデータが壊れた影響か、或いはブロンコに、何か隠れた問題があるのでしょうか。前回追加した、エンジン始動シーケンスは念のため、取り外したのですが。かなり意気消沈しまして、一応、他の機体もテストしておかなくてはと、以前から注目していた双発機「Aerostar-700」を、富山空港で飛ばしてみました。
●Aerostar-700に「試乗」する:
この機体は、私が慣れ親しんだ双発セスナC310を、うんとグレードアップしたような、高速の6人乗り軽飛行機です。以前、「オートパイロットが使えない」とご紹介しましたが、あれは誤りでした…ごめんなさい。実は、床に近いセンター・コンソールに、オートパイロット系統のスイッチ群があり。マスタースイッチをONにすると、ちゃんと自動操縦が可能です。
Aerostarは、スペックによりますと20000ft以上を250Kt前後で巡航できます。航法計器はけっこう豪華ですし、1機でjsbとyasimの両フライトモデルに対応。メニュー欄のスライダーを動かせば、燃料の搭載量も自在に調節できるなど、意欲的に設計された機体です。しかし、いざ操縦してみると若干、使いにくい面があることが分かりました。
まず、凝った作りのオートパイロットが、少々不便です。デザイナーは、下を向かないと見えない、センターコンソールのスイッチを、ぜひ使ってもらいたいらしく、メニューからはほとんど、オートパイロットが操作出来ないようにしています。またDMEの距離表示が出ませんし、エンジン関係の計器が省略されているのは、レシプロ機の場合は(高度によって調整が必要なので)問題です。
アプローチ時はどんどん沈下するため、恐くてなかなか減速できません。プログラムの記述方法も、C310やブロンコとは勝手が違っていて、大きな計器盤を避けるため、操縦席の視点を少し持ち上げる改造を試みましたが、うまく視界に反映されませんでした。以上の結果、着陸には相当神経を使いました。どうも私とは、あまり相性が良くないようです。また改めて、研究してみることにしましょう。
という次第で。気を取り直しまして、問題のあったマップデータを再ダウンロードし、インストールし直したところ、今度はブロンコは、エラーを出さずに飛び回ってくれました。やれやれ!!!
●改めて、北陸の旅を:
富山を南へ離陸し、6nmほど進出しながら高度を上げ、左30度バンク旋回。お馴染みの「リバーサル・ディパーチュア」で、空港VORのハイステーション(直上)に戻り、ここを起点に能登VORへ定針。パネル右のスイッチを操作して、たっぷり燃料の入った、補助タンクに切り替えました。後方はるかに、立山連峰が広がっています。
前回、「富山から見た、冬の立山連峰は素晴らしい」というお話をご紹介しましたが、その後、富山に赴任経験のある人の話を聞いても、「街路越しに見える立山は、雪をかぶると急に近く見えて、すごい迫力」とのことでした。行ってみたいですね。
ブロンコは、3万7000ftくらいまでは上昇できることを確認していますが、高空では速度も燃費も伸びません。またFlightGearではどっちみち、あまり高度を上げると、平らな雲海しか見えなくなりますので、私は10000ft以下で景色を楽しむ方が好きです。今回は、6000ftを超えると向かい風が増すため、5900ftでオートパイロットの高度保持を掛けました。
能登半島は、なるほど景色のいいところですね。あっちが、漆器で有名な輪島かあ…などと見とれながら、能登空港で東へ変針。この空港には日本航空学園輪島校があり、旅客機と滑走路を供用する、日本唯一の航空学校なのだとか。半島東端の珠洲岬から、海の上に出ます。
実世界の日本海は、夏でも冷たいような、真っ青な色。今ごろの季節は、さぞや寒々としているだろうと思いますが…FlightGearが描く風景は、少々くすんで暗い感じなので、いかにも冬の日本海の気分です。前方に、ぽつんと白い月が昇ってきました。
やがて水平線のもやから、じわじわと山が現れて、佐渡島です。佐渡空港で東に向きを変えて、新潟空港VORへ。日本海を渡りながら、メニュー欄の「File」から「Browse Internal Properties」「consumables」「fuel」と開いて、タンクごとの燃料残を確認し、時計を見て1分間の消費量を計りました。離陸直後は、毎分19Lbsの消費率だったのですが、今回は毎分16.25Lbsまで改善。燃料を約680Lbs消費して軽くなった分、燃費が良くなりました。
パワー設定は、オートスロットル任せ。タービンエンジンですから、ミクスチャー・コントロールがないし、プロペラピッチも自動なので、とても楽です。やや物足りないとも言えますが…私はC310ではよく、高空でミクスチャーをリーン状態(薄めの混合気)にしたまま忘れて、そのまま降下してしまい、低空でゴーアラウンド(着陸やり直し)の際にパワーが出なくて、何度も焦りまくっていましたので、今の方が安心です。
新潟空港上空で、いったん飛行をセーブし、後刻再開しました。
●八郎潟…国土改造、夢の跡:
データの再ロード後も、FlightGearは快調です。
新潟から山形空港へ針路を取ると、やがて朝日岳連峰に差し掛かります。航空図で標高を確かめながら、やや高度を上げて、一面の山並みの上を巡航。実世界では、すっかり雪景色のはずですね。
山形で左に変針し、秋田VORへ向かうコースの中間地点付近で、左に鳥海山を見ました。少しなだらかな、とがった富士山、という感じの、すっきりと美しい山容が印象的です。
ここでVORを、山形から秋田に切り替えましたら、ちょっとコースがずれて表示されたので、やや修正を掛けました。途中で2倍速を使ってはいますが…離陸から1時間足らずで、早くも秋田VOR上空に到着。ここから真北に10nm飛ぶと、有名な八郎潟です。
八郎潟は、今でも社会科の教科書に載っているのでしょうか…約1万7000ヘクタールにわたって広がる、日本で一番有名な干拓地。国内第2の湖を、まるごと「海より低い、人工の農地」に変えたのですから、計画が始まった1956年当時は、胸が躍るような、夢の大事業だったろうと思います。
20年後の完成時は、農業政策が変わり、減反が進んでいました。今では大規模干拓工事そのものが、自然破壊と呼ばれる場合もあり、時代の流れを感じます。それはともかく八郎潟は、FlightGearの日本で、人間が造り替えた地形をはっきり観察できる、いい例だと思います。
…コクピットから見る干拓地には、ちゃんと幹線排水路も再現されており、想像力をフルに動員すれば、「超小型のオランダ」みたいな風情も、多少は感じられます。運河のように長大な排水路を目標に、私はゆっくりバンクして、機首を十和田湖に向けました。
●あれれ、十和田湖はどこだ?:
八郎潟−十和田湖間は、太平洋岸にある三沢基地のVORラジアルが使えますが、この区間では、久しぶりに推測航法のトレーニングをする予定でした。ところが…つい、風力補正計算を後回しにしたまま、忘れていたため、飛ぶべき正確な針路が分からなくなりました。ともかく一度、現在地を出さなくては。せっかく航空図があるので、ここは地文航法の要領で、地形を頼りに位置を調べることにします。
周囲を見回すと、まもなく南北に走る道路を越えるところです。左前方の数nm先には道路の分岐点があり、そこから鉄道線路が東西に走っています。航空図に鉛筆で引いたコース上で、似た地形を探すと…どうやら、鷹巣というところ(現・北秋田市)ですね。秋田VORからの距離は30.2nm。秋田空港を中心に、この半径を持つ円弧を考えると、ちょうど推測位置とクロスします。よしよし。これで現在地が分かりました。
さてここで、せっかく予定コース上にいたのに、少し勘違いをしまして、針路を10度ほど左へ修正。これが大失敗で、いつまで経っても十和田湖に着きません。青森空港VORで位置を出したところ、湖は5nmほど南です。あわてて南下して、ようやく湖の上空に到着。(しかしまあ、電波航法のなかった時代のパイロットは、本当に大変ですね)
十和田湖は典型的なカルデラ湖で、なかなか美しい地形です。湖面近くまで降下して、湖上に突き出している「御倉山」の南側をかすめてUターン。上昇しながら青森に機首を向けました。
●セーブが出来ない!:
八甲田山のすぐ西を北上し、青森空港上空に到着。燃料は半分以上残っていますので、このまま北海道へ行きたいのですが、ちょっと時間が足りません。そこでセーブを掛けたところ、1キロバイトしかない不良セーブ・ファイルが出来上がるトラブルが、今回も発生しました。
これはjsbの癖で、以前作ったセーブ・ファイルを、サブフォルダに待避させると、うまく新規セーブが出来る場合もあるのですが、今回は残念ながら、何度やってもダメでした。長旅の場合は、気になる問題です。
結局諦めて、青森空港へ着陸することに決定。風下に回って高度を落とし、フラップを半分下げて100Ktでアプローチ。引き起こしが早すぎて、少々乱暴なタッチダウンでした。
ところで。着陸後にAtlasの航跡を見ましたら、先ほど間違って変針した地点は、ちょうど大館能代空港の真上でした。私の古い航空図には載ってなかったので、まんまと見落としてしまいました。FlightGearの小空港は時々、忍者のように、風景に溶け込んでしまいます(^^;)。
…と、人のせいにしましたが。今回は観光気分で飛んでいますので、世界一周の最中と比べますと、航法に対する集中力が、ちょっと落ちているようです。用心、用心。
まだ2週間ほど、仕事が詰まっていますが、これを乗り切りましたら、次回は真冬を迎えた北海道へ向かいます。
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手探り航法・旅日記
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Re: 手探り航法・旅日記
(ゲスト, 2006-1-16 21:25)
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Re: 手探り航法・旅日記
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コンコルドのマニュアル訳(前回の続きです)
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コンコルドで初の超音速飛行
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ベルリンを経て、仏ツールーズへ
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サンテグジュペリの郵便飛行
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サンテグジュペリの郵便飛行
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ベルリンを経て、仏ツールーズへ
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新しいブロンコ3種でブラジルを南下
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新しいブロンコ3種でブラジルを南下
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天測航法に挑む(前編)
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天測航法に挑む(後編)
(hide, 2008-6-19 9:28)
- ホンダジェット試乗と大瀑布 (hide, 2008-6-27 21:01)
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天測航法に挑む(後編)
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