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Re: 手探り航法・旅日記

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通常 Re: 手探り航法・旅日記

msg# 1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1
depth:
14
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2006-2-28 5:18
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 650
 hideです。
 少々ご無沙汰をいたしました。今日は引き続き、無線施設を利用
したナビゲーション実習の、ショート・フライトをご紹介します。
その前に、簡単な座学に、お付き合いをお願い致します。

(Hitさん、お励ましをありがとうございました!「IFR について」
のご返事が遅れていて、たいへん申し訳ありません。取りあえず、
こっちを書きかけたので、仮眠の前に送信してしまいます…)

 ■基礎旋回(ベース・ターン)と
            方式旋回(プロシージャ・ターン)■

 空港は通常、滑走路まで残り5〜10nmの進入コース上に、「最終
進入フィクス」と呼ばれる、ファイナルアプローチ開始の目標地点
が設置されています。ここを正しい高度と方位、速度、降下率、エ
ンジン設定で通過すれば、後はストレート・イン(直接進入)方式
でハッピー・ランディングです。(空路が空いていれば、ですが)
 大空港の場合ですと、最終進入フィクスとして、しばしばNDBや
VOR局が置かれています。前回の「サンフランシスコ湾・ナビ訓練」
がこれに当たり、最終進入の空中ゲートとして、空港南方のNDBを
利用しました。

 しかし例えば離島ですと、無線施設を置くための、都合のいい場
所に恵まれるとは限りません。近くの無線標識は、空港そのものに
ある無線局1局だけ、ということも珍しくありません。ではどうす
るか。
 簡単です。空港自体の無線標識を、進入の開始点に使うのです。
つまり進入機は、いきなり空港上空に直行し、そこから決められた
方位に向け、決められた距離だけ、空港から離れて飛びながら高度
を下げ、ある距離まで進出したら「回れ右」をして、滑走路に向か
うのです。

 この特殊な「回れ右」には、2つのやり方があります。
少し模式化してご説明します。正確に、南北に延びる滑走路を思い
浮かべてください。この場合ILSがあるものとします。文中の距離や
高度は、日本の離島に実際にある例です。

 ●基礎旋回●
・進入機は、任意の方向から高度2000ft以上で空港VOR上空を通過。
 (任意と言っても、南方からでないと、次の旋回が鋭角で大変)
・ここで350度の針路を取って北上しつつ、降下開始。
・空港VORから14nm以内で、右に190度旋回し、針路180度で滑走路に
 正対する。旋回終了時の高度は、1500ft以上。すでに1500ftまで
 降りていれば、いったん水平飛行に移る。
・滑走路から4・5nm地点(DMEで測定する)を高度1500ftで通過、
 最終降下を開始し、ILS進入する。

 VORを頂点とした、進入コースの往路と復路の狭角は、この場合10
度で書きましたが、空港によっては、15度前後を指定しています。

 ●方式旋回●
・高度2000ft以上で、空港VOR上空を通過。
・360度で北進し降下開始。(北方からの進入コースを逆走)
・滑走路から14nm以内で旋回しますが…以下の通り、2通りの方法
 があります。

  (1)45度方式旋回。
  いったん右に45度旋回し1分間直進。その後左へ180度旋回し、
  南西へ直進。空港VORのインバウンド・ラジアル180度または、
  空港ILSをインターセプトし、左へ45度旋回して滑走路に正対。
  めんどくさいですが、電波を使う分、正確です。

  (2)80度方式旋回。
  いったん右に80度旋回し、ロールアウト(旋回から直進に戻す
  こと)したら、直ちに左260度旋回して、滑走路に正対する。
  90度・270度ではなく、80度・260度ターンになっているのは、
  右旋回から左旋回に切り替える際、つかの間の直進が挟まるこ
  とによる位置誤差を、補正する目的です。
  この方式の旋回は、操作自体は簡単で、時間も掛かりません。
  ただし後に述べるように、風向・風速や操縦のくせによっては
  かなりの誤差が出る場合があります。

・旋回終了時の高度は、いずれもこの場合、1500ft以上です。
・その後、滑走路から4・5nm地点を1500ftで通過。ILS進入。
 …という具合です。

 ■下地島空港〜宮古空港・ナビ訓練■(マップはe120n20.tgz)
 今回は奄美群島のはるか先、南西諸島の下地島空港と、すぐ隣の
宮古空港が舞台です。下地島空港は長年、国内航空各社の訓練空港
に使われ、3000m滑走路の両側にILSがあって、かなり設備が立派
な印象です。昔のMS-DOS時代のフライトシムには、この空港を初期
訓練に使うソフトがありました。ちょっと懐かしいです…。

 今回は、サンフランシスコの時と同じ、セスナC172Pで下地島を
離陸して南下。東へ旋回して宮古空港上空に入り、空港を通り過ぎ
て基礎旋回で「回れ右」、宮古空港に着陸します。
 滑走路の長さにゆとりがあるので、そのまま離陸。ほぼ逆コース
で下地島空港上空へ。南から進入し空港上空通過後、下地島滑走路
の延長線上を北へ向かい、今度は方式旋回を使って左へ反転、下地
島に着陸します。

 下地島空港(RORS)
     滑走路17(169度)ILS「ISB」111.50MHz
     滑走路35(349度)ILS「ISA」110.90MHz
             空港VOR「SJE」117.10MHz
 宮古空港(ROMY)
     滑走路04(042度)
     滑走路22(222度)ILS「IMY」108.9MHz(一つだけ)
             空港VOR「MYC」117.5MHz
               NDB「MY」 340 KHz
 では、離陸準備に取りかかりましょう。

 ●計器の設定●
 NAV1は、左側が宮古ILS-108.9 右が下地島ILS-111.50
 HDG(針路)は最初222度、のちに169度に変更します。

 NAV2は、左が下地島VOR 117.1 右が宮古VOR 117.5
 HDGは最初168度、のちに042度、最後に349度とします。

 …メニューから風向・風速の確認は、よろしいですか? セスナ
は遅いので、10Ktも吹いていると、けっこう偏流角を生じますから
VORトラッキング時の針路決定は、慎重に行う必要があります。
それでは、コンタクト!

 ●飛行訓練●
 フルスロットルでブレーキを放し、下地島RWY-17を離陸します。
風に流されていなければ、NAV2の針が右から寄ってくるはずです。
このまま下地島VORのラジアル168度に乗って、2000ftまで上昇しま
しょう。(滑走路方位は169度ですが、VOR局が滑走路西側にあるの
で、ビームに乗りやすいよう、HDG設定を1度東へずらしました)

 8nm程度で左旋回し、いったん針路90度とします。ここでNAV2の
OBSを042度に変更し、宮古VORのラジアル042をインターセプトしま
す。このまま進むとストレート・インですが、今日は基礎旋回を練
習するため、空港上空をフライパスします。
 高度2000ftを維持してVOR上空を通過後、針路を57度に変更。
徐々にパワーを絞って、高度1600ftへ。水平飛行に移し、しばらく
針路57度をメインテインします。私は90Kt程度で飛びました。

 この時点では、VORのOBS設定が、まだ進入時の42度のままなので
NAV2の針は、57度への針路保持には使えません。いちいち直すのも
面倒なので、コンパスでいちおう57度を確認しつつ、風で流されな
いよう、宮古NDBを指しているADFの針が、真後ろ付近を向いている
ことを確認しつつ、飛べば楽だと思います。

     ○

 宮古VOR局から5nmほど進出しましたら、左旋回で195度回って、
宮古の滑走路(222度)に正対させます。
 実はこのあたりが、けっこう難しかったです。このターンは標準
旋回(1分間に180度変針する旋回率)よりは、相当大きめに回らな
いと、222度の最終進入コースに乗れません。私は小さく回りすぎ、
大きく南へ逸脱してコースをロスト。いったん北上して、インター
セプトをやり直す羽目になり。かなり、のたうち回ってから、やっと
滑走路をつかみました(^^;)。

     ○

 一息入れたら、帰路のフライトです。
 宮古空港を222度で離陸。高度を2000ftへ上げつつ、270度に変針
します。このへんでNAV2のOBS設定を、下地島349滑走路に直行する
ため、349度に変更します。(忙しいですね)
 あとは、下地島VORのラジアル349をインターセプト。そのまま北
に飛んで空港を行き過ぎ、最後の難関(?)の方式旋回です。私は
さっきの宮古上空の小回りに懲りて、ここで「80度方式旋回」を
行ったのですが…またまた後半の、260度旋回が小さすぎました。
VORのインターセプトを前提とする45度方式旋回のほうが、うまく
回れるかも知れません。
 …冷や汗三斗ながら、やっと下地島へ、ドシンと安着。お疲れ様
でした。イグニッションを切った静けさに、放心する気分です。

(私は昔、FS2000のチュートリアルで、いちおう「自家用操縦士」
のチェック・ライドに合格したのですが。その後、この方式旋回が
よく分からなくて、計器飛行のコースを中退してしまいました。
今頃になって、どっとツケが来ている感じです。わははは)

 ●旋回を巡る付記●
 かなり古い資料になりますが、手元にある両空港の進入データに
よりますと、冒頭に近い「基礎旋回」「方式旋回」のご紹介に書き
ました通り、「VOR局から14nm以内で旋回」となっています。これは
高速のジェット機で進入する場合を想定したものだと思います。

 試みに、下地島空港で基礎旋回を行った場合を想定すると、資料
では、往路と復路の狭角(VOR上空のコース角度差)は10度です。
ラフなタンジェント計算では、セスナが90Ktで飛行中に、標準旋回
(1分間180度変針)をすると、直径1nm弱の円を描くはずです。
するとVORからの進出距離が、わずか3nmあまりで、ちょうど狭角
10度がもたらすコース左右幅に、ぴったりはまります。

 またジェット機で、190Ktのアプローチをした場合も、標準旋回
によるターンは直径約2nmになります。この場合、適切な進出距離
は約7・5nmです。「空港着陸コースマップ」等に記載されている
進入データは、かなり高空から高速で降りることを前提として、
大きな余裕を見込んだものだと分かります。したがって、特に軽飛
行機で飛ぶ場合は、基礎旋回の半径を、通常の標準旋回よりは、大
幅に広げる必要があることが分かります。

 ではなぜ、私がVORから3nm前後ではなく「5nm進出後に旋回す
る」というフライトプランを立てたかと言いますと。旋回終了後に
グライドパスに乗るためには「最終降下開始地点が、滑走路から
4・5nm、高度1500ft」との前提条件があるからでして、むやみに
空港に近いところで、旋回するわけにも行かないからです。

 このジレンマを抜けるには、前述の通り、非常に大きく旋回する
必要があるのですが、その正確な位置取りと言いますが、半径決定
をどうするか。
 このあたりは、けっこう深い研究課題ですね。皆さんのご教示を
ぜひお待ち致します。

 ●感想的な付記●
 航空機操縦のように、非常に専門的な分野では、素人が読書や
ネットで知識を得ることの難しさを、時々身にしみて感じます。
ごく簡単な疑問への、簡潔にして的を射た正確な説明が、なかなか
見つからないのです。玄人に直接質問すれば、5分間で理解できる
ようなことが、たくさんあるのだと思いますが。まあしかし、文句
を言っても仕方がありません! このすばらしいフォーラムに出会
えて、皆さんと勉強できるのは、大変な幸運だと改めて思います。
少々間が開いても、ゆっくりと続けますので、どうぞ引き続き、
お付き合い下さいますよう、お願い申し上げます。
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