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世界一周「海鳥の旅」ゴールイン

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なし 世界一周「海鳥の旅」ゴールイン

msg# 1.6.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1
depth:
14
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2013-12-9 10:03 | 最終変更
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 634
hideです。
 お陰様をもちまして、水上機/飛行艇による西回り世界一周「海鳥の旅」が、やっと伊丹空港RJOOへゴールしました。皆様のご支援並びにご愛読を、心より感謝申し上げます(^^)。(済みません、以下大長文です)

 先月到着したアラスカのノームから千島列島をたどり、一気に北海道・釧路空港に到着。日を改めて列島を半日で縦断し、伊丹へ帰還しました。
 最終航程のうち、アラスカ=北海道の区間は例によって、リンドバーグ夫妻がニューヨーク=日本=中国を飛んだ、空の「北西航路」開拓飛行(1931年)のコース再現をめざしました。以下のように、ベーリング海を越えてシベリア東端近くへ渡り、カムチャツカ半島を経て千島列島へ抜けます。

◎アラスカ州ノーム空港PAOM VOR115.0 OME 64°29'05N-165°15'12W
 RWY28 ILS108.7 278Mag
   The magnetic dip angle is 74.88 degrees down
   The magnetic variation is 12.19 degrees E
   ▼256.05度174.87nm 平均偏差10.48E
☆アラスカ州セントローレンス島・ガムベルNDB369GAM 63°46′55N-171°44′13W
   The magnetic dip angle is 73.82 degrees down
   The magnetic variation is 8.76 degrees E
   ▼259.43度244.87nm 平均偏差6.31E
☆ロシア・チュコト自治管区・ベリンゴフスキーNDB640BE 63°2′00N-179°18′00E
 (西はコリャック山地)
   The magnetic dip angle is 72.79 degrees down
   The magnetic variation is 3.86 degrees E
   ▼241.4度509.33nm 平均偏差
△カラギンスキー島北西岸の集落 58°58′12N-163°54′06E
 (カムチャツカ半島の付け根・パラポリスキー地峡の南)
   The magnetic dip angle is 69.46 degrees down
   The magnetic variation is 4.19 degrees W
   ▼193.33度169.40nm
☆ウスチ・カムチャツスクNDB410UK 56°13′22N-162°41′11E
   The magnetic dip angle is 67.13 degrees down
   The magnetic variation is 4.45 degrees W
   ▼214.97度235.96nm 1313.5nm
☆カラクティルカNDB685HY 53°00′N-158° 47′31E
   The magnetic dip angle is 64.51 degrees down
   The magnetic variation is 5.75 degrees W
   ▼302.8度12.53nm 1326nm
◎ペトロパブロフスク・カムチャツキーのエリゾヴォ空港UHPPコンパスロケーター535PR。
   RWY34R MAG341°ILS110.3 53°06′48N-158°30′E
   The magnetic dip angle is 64.64 degrees down
   The magnetic variation is 5.9 degrees W
   ▼206.79度150.79nm
△カムチャツカ半島南端・ロバートカ岬 50°52′12N-156°39′35E
   The magnetic dip angle is 62.75 degrees down
   The magnetic variation is 6.25 degrees W
   ▼217.88度282.12nm
△新知島の武魯頓湾入り口 47°09′32N-152°15′17E
 (北東に計吐夷島=ケトイ島)
   The magnetic dip angle is 59.69 degrees down
   The magnetic variation is 7.09 degrees W
   ▼235.17度340.58nm
△国後島の東沸湖 43°55′N-145°36′E
   The magnetic dip angle is 57.32 degrees down
   The magnetic variation is 8.27 degrees W
   ▼182.30度36.03nm
△根室市 43°19′N-145°34′E
   The magnetic dip angle is 56.7 degrees down
   The magnetic variation is 8.1 degrees W
   総飛行距離:2135.5nm

 …以上のうち、ペトロパブロフスクと根室がリンドバーグ機の給油・宿泊地点で、ほかに悪天候のため、千島列島の中間点付近にある新知(しむしる)島の武魯頓(ブロトン)湾と、国後島の東沸湖に立ち寄っています。私も、根室までノンストップは航続力ぎりぎりで、向かい風になれば燃料が欠乏するとみて、当初はペトロパブロフスクと武魯頓湾に降りようと思っていました。しかし、飛んでみるとなかなか好調で…北海道まで足が届きそうに思えてきまして、結局は後述のように計画を変更し、一気に宵闇の釧路空港に滑り込むことになったのです。では、旅日記に進みましょう。

●●シベリアからカムチャツカ半島へ:
 ノームでUTC-2308時にピラタスPC-9Mを起動。低い太陽。現地の正午を30分ほど過ぎています。
千島列島をどこまで飛べるか。バロー岬までは、487nm飛んで燃料を1100ポンド使いました。私のPC-9Mは満タンにすると、フロートの予備タンクまで含めて4500Lbsなので、2000nm飛べるかどうかは微妙なところ。風は地表で360度7Kt、上空はほぼ全高度で30度10Kt。一応は追い風です。
 雲はscatterdが3400ftと4500ft、brokenが6500ft。気圧29.96inHg。最初の区間の針路計算を済ませ、2325時からタキシング。ノームの最長滑走路は1800m程度しかなく、風も弱いので少々不足気味。なので誘導路の端から草地を越えて海に入りました。満タンの機体は重く、フロートがほとんど水に浸かります。1分18秒も走ってやっと浮揚。ゆっくりと、ぶどう色の薄暗い空へ上昇していきます。

 離水後すぐ、雲の表示がリアルな Detailed weather を選択しますと、強いタービュランスに揉まれました。先日から32インチのテレビ画面を使っていますので、少々気分が悪くなりそうです。8500ftくらいからやっと静かになり、青空が目に染みて「世界って…美しい!」という気分に。眼下は土色に近い、のっぺりした雲海で、事実上何も見えませんが、しばらくはアメリカ領のVORが使えるので、特に不安はありません。

 ロシアに入ると一転、航法援助無線はNDBだけになります。不便ですが、時々海岸線が見えるようになったので、地形から正確な針路を維持していることを確認。あとは各NDB局のアビーム(真横)を通り過ぎるたびに進出距離が確認できますので、常に機位がつかめていました。

 しかし…雲が何層も広がっているため、コクピットから細かい地形や小空港を視認するのが結構大変です。やむを得ず機外視点も使いましたが、どうも何か真下を見る道具が欲しくなってきます。
 古い航空小説で、原因不明の振動を起こした旅客機のクルーが、偏流計で機体下面の脚カバーや点検ドア類がちゃんと閉まっているか、点検するシーンを読んだことがあります。オーソドックスな偏流計は、ただ真下を見る望遠鏡的な機械ですが、逆さにした潜望鏡みたいに、床下から色々な方角を見ることが出来るタイプもあるようです。いずれ調査研究・開発をしなければと、頭の中のToDoリストに書き込んで続航。途中でフライト・コードラントを使って太陽を天測し、位置の線を1本だけ取りました。太陽はほぼ正面にあり、位置の線は天体と直角の方向に描かれますので、この線から進出距離を確認することができます。

 コース前半の圧巻は、0343時に通過した、カムチャツカ半島中部のクリュチェフスカヤ山(4750m)です。活火山としてはユーラシア大陸で最高峰だそうで、富士山が3姉妹になったみたいな、きれいな連山の真ん中の峰でした。80nmほど南にも、とても見事な円錐形をした独立峰があり、こっちも印象的でした。写真を撮ろうとしましたが、どかっと雲が湧いて手遅れに。こりゃ風が変わったな…調べると25度の6.3Kt。まだ追い風ですが、だいぶ弱まってきました。

 0405時、燃料の残りは2070Lbs(全体の46%)です。間もなく通過する、カムチャツカ半島の要港・ペトロパブロフスクに降りるかどうか迷いました。ここで足を止めるより、さっさと千島列島の武魯頓(ブロトン)湾へ向かいたいのですが、ここはGoogleEarthで拡大しても、旧原潜基地の廃墟ばかりで人の気配が見えず、給油地としてあまりリアルではありません。しかしカルデラ湾で天然の良港になっており、降りてみたい地形ではあります。ううむ、自作の支援船オセアニック・ギア号を、配置しておけばよかったなぁ…。
 計算では北海道まで燃料が保ちそうですが、向かい風にならなければの話。一抹の不安を感じたまま、いよいよカムチャツカ半島南端のロバートカ岬から、オホーツク海へ。

●●火山の飛び石・千島列島:
 ロバートカ岬で印象的だったのは、たった4nmほどの海峡を隔てて、すぐ目の前に旧日本領の占守(シュムシュ)島があったことです。以後、国後島まで約1000舛砲錣燭蝓⊂さな島が飛び石状に切れ目なく並んでいて、飛行中は前にも後ろにも2、3の島影が見えました。今さら仕方ないことですが、昔は全部日本のものだったのですね。今で言えば沖縄を含め、南西諸島をすっかり取られちゃうようなもので、つくづく馬鹿な戦争をしたものです。

 FlightGearの千島列島には、択捉(エトロフ)島の単冠(ヒトカップ)湾に一つだけ小空港があるものの、約500nmもの間、VORやNDBは1カ所もありません。従って、天文航法が大活躍するだろうと楽しみにしていたのですが、実際は雲の切れ目から時々ちらりと島が見え、十分に機位が分かりました。私が地文航法に慣れたせいもありますが、火山列島ですので、多くの島に地獄の一丁目みたいなクレーターや、カルデラ湖など特徴があり、判別が容易なのです。低空まで overcast の雲や霧に覆われない限り、迷子にならないことが分かりました。
 それで思い出したのですが…敗戦の時、千島列島のどこかに駐屯していた海軍の搭乗員たち(確か艦爆か艦攻乗り)が、命令を待たずチャート類を持ち出して、ぼんぼん燃やしてしまった、という話を読んだことがあります。気の立った搭乗員たちは「こんなもん無くても、北海道くらい帰ってみせる!」と息巻いて、指揮官の制止を聞きませんでした。実際彼らはチャート無しで、1機も欠けずに撤収フライトに成功したそうで、私は大いに感心しましたが、現地の地形を見て納得しました。終戦時は夏ですから霧も少ないでしょうし、視界さえあれば迷いようがない。こう実感できるのも、フライトシミュレーターの楽しさの一つですね。

 残念だったのは、途中からますます雲が増え、ちょうど武魯頓湾に差し掛かるころ、地形がよく見えなかったこと。リンドバーグゆかりのカルデラ湾に降りたら面白そうでしたが、撮影すら困難でした。0558時、ちらりと新知島の一部が見え、ほんの1、2分前に武魯頓湾を飛び越えたことが判明。だんだん地文航法が難しくなってきます。雲のレイヤーが非常に厚く、37000ftにいても頭上にモヤが掛かるため、天測も精度が出ません。最後は北海道のVORとNDBが頼りになってきそうです。

 私はカムチャツカ半島のNDBが、なるべく遠くまで受信できるよう、出来るだけ大出力の局を選んでおきました。Atlas画面に表示されるVORやNDBは、周囲に描かれたコンパスローズ(方位盤)や、放射状マークの直径が大きいほど出力が大きく、遠くから受信できます。この時点で実際、ペトロパブロフスク付近のカラクティルカNDB685HYが、まだ受かっていました。日本側で一番強力なのは釧路NDB194KSなので、そろそろ受信を試みます。紋別VORも強力そうなのでチューニングしましたが、まだいずれも受かりません。
 前方には時々、微かにウルップ島が見えます。機体の前後を見比べて、新知島とウルップの中間付近にいると判断し、根室までの距離を再計算。1619時、日没が近づいてきました。世界はオレンジ色と青に染まって美しいが、雲に囲まれて天測も出来ず、下界もいよいよ見えにくい…。
 …と突然、釧路NDBが入感! 紋別VORも中標津VORも入感。これで航法の問題は消えました。1634時、DMEが束の間、中標津から186nmの距離を示してくれました。これで位置が確定し、まだウルップ島の西の端です。が、ともかく日本が近づきました。燃料あと824Lbs。毎時495Lbsの流量なので、残り1時間40分。1815時くらいまで飛行可能で、このまま計算上470nmくらい行けそうです。さて、どこに着けましょうか。

●●あれが、中標津の灯だ…:
 当初の目的地は、リンドバーグ機が着水した根室港でした。しかし北海道到着は確実に夜になるので、目印のない根室沖に降りて、手探りで陸岸まで滑走してビーチングするよりも、きちんとした航法を継続し、釧路空港にILS進入するほうが、質の高いフライトに思えます。ここはもう北極圏ではなく、文明国を飛んでいるのですからね(^^;)。

 0651時、いま択捉島の南岸沖、あと105nmで中標津。相変わらず上にも周囲にも雲があり、ついに雪か雨か見分けの付かないパーティクルが、前方から水平に降ってきました。日没前後の数分は、オレンジ色の雲が波状的に機体を包んで輝き、次の瞬間グレーに変わり、死んでは生まれ変わる炎のようでした。やがて全てがおき火のように、暗い灰色に沈んでしまい。世界ではっきり見えるのは、次第に操縦席の灯だけになっていきます。
 さあ、作戦を決めよう。
チャート代わりのAtlas画面をにらんで、中標津VORを基点に釧路空港へ降りるプランを考えました。
 釧路空港からは、北にILS進入コースが伸びています。コースの端には阿寒NDBがあって、ファイナルアプローチの開始点を示す、コンパスロケーターの役割を担っています。では、中標津VORから阿寒NDBに中間アプローチを行うには、どんな針路を取ればいいか。飛行経路上のMEF(地形の最高標高)は何フィートか。

               MEF 5300ft
               中標津から阿寒ロケーター 磁方位241度 36nm
               RWY-17 2500m 標高300ft
               磁気方位167度 
               ILS108.9
               ロケーターAKAN221KOから 距離5nm

 航法援助施設や空港の緯度経度をもとに、必要な針路と距離を算出し、磁気方位に換算して、慌ただしくメモを打ち終わると0706時。100nm手前から降下を始めたかったのに、DMEはもう中標津の30nm手前を指しています。時間がない! 急いで5000ft目指して降下を開始。22000ftで雲から出た途端、眼下に広がる灯火が目に飛び込んできました。中標津の街の灯だ、空港の灯だ、日本の灯だ。嬉しかったです。

 7000ftで中標津VORのハイステーションを通過。阿寒NDBへ定針して振り向くと、中標津空港の滑走路灯や、湾を挟んで根室市街地、また国後島西岸の灯まで一望できました。この「国境の海」一帯をじっくり味わうため、やっぱり根室か中標津に降りるかな、とも一瞬思ったのですが、せっかく釧路へのルートを決めたことですし、続航して日没過ぎに計画通り、釧路の滑走路に接近しました。
 着陸時、ILSのゴースト信号にたぶらかされましたが、滑走路が視認できたのですぐ修正。ファイナルはオートパイロットにアラインして貰って、着地直前に手動に戻し、機体が軽いのでほとんどグラウンド・エフェクトでフレアを行い、実にフンワリと着地しました。0738時、ランプインしてエンジン停止。燃料残は298.2Lbsしかなかったので、全開飛行なら48分相当であり、もしものダイバートや予備燃料を考えると…実世界ではちょっとやはり、まずい分量のような気がします(^^;)。
 こうしてアラスカのノームから、何とか一発で国内に帰ってきました。飛行時間8時間9分は、ピラタスPC-9Mとしては自己最長記録だろうと思います。以下にこの日の、ほかのデータも挙げておきます。
  ノームからの総飛行距離は2140.5nm。区間平均GS262.6Kt。
  使用燃料4500Lbs-298.2Lbs=4202Lbs(離陸とタキシー、アイドリング含む)。
  燃費は毎時525Lbs、1nm当たり1.963Lbs(同)

●●東から西へ、135度の子午線を通過:
 日を改めて行った伊丹への帰還飛行は、次のようなコースでした。私にとって実質的な空の冒険は、すでに釧路到着で終わっているとも言え、「海鳥の旅」の最終区間は、Skyvector で調べた大圏コースをルートマネージャーに打ち込み、珍しくもGPSを使ったフライトになりました。
KSE
KUSHIRO (112.50 KSE )222° (213°T)78.9nm16.9min
   ▼223.3度 対地286Kt
GPS
N41°55.44' E143°14.92'215° (206°T)136.8nm29.3min
   ▼
MQE
MIYAKO (116.600 MQE )205° (197°T)152.9nm32.8min
   ▼
GPS
飛行禁止区域(半径3キロ5000ft以下) N37°25′18″ E141°1'56″ 213° (206°T)92.8nm19.9min
   ▼
TLE
AMI (116.000 TLE )235° (228°T)29.6nm6.3min
   ▼
GPS
東京都心にある池 N35°41.19' E139°45.55'186° (179°T)7.4nm1.6min
   ▼
HME
TOKYO HANEDA (112.200 HME )248° (241°T)42.8nm9.2min
   ▼
GPS
N35°12.87' E138°59.95'261° (254°T)105.2nm22.5min
   ▼
XMC
KOWA (113.500 XMC )274° (268°T)85.7nm18.4min
   ▼
KCE
KOBE (111.250 KCE )284° (277°T)11.4nm2.4min
   ▼
GPS
N34°39.18' E134°59.97'079° (072°T)23.5nm5.0min
   ▼
OWE
OSAKA (113.900 OWE )
Total767.2nm2h44.4m

 上記の表で、飛行禁止区域(半径3キロ5000ft以下) とあるのは福島第一原発のことです。ここを通らないと良かれ悪しかれ、「日本に帰った」気がしないように思えました。飛行は順調で、HUDを起動してMapとAtlas、ルートマネージャーを広げておくと、区間ごとの残距離も、ETEもクロストラック・エラーも苦もなく表示され、航法は私の手を離れた感がありました。レーダーを頼りに自機とすれ違うANA機を見つけたり、すっかり乗客気分で列島の景色を堪能しまして、いつの間にか大阪平野。自作のJR大阪駅が懐かしいです。
 オートパイロットをディスエンゲージし、明石海峡に向かって降下。以前作った明石市立天文科学館がなかなか見つからず、90Ktで3回くらいフライパス。手違いで表示されないのか、するとこの最終フライトは台無しじゃないか…と焦るなか、やっとアーバン・エフェクトのビルに埋もれて建つ、天文科学館を発見しました。わがゴールラインはこの、東経135度線上の時計台。とうとう通過しました。

  もとより伊丹発=伊丹着約2万8000nmの世界一周ではありますが、途中イギリスに半年も滞在し、この9月に出発する際、ロンドンに寄ってわざわざ世界時のシンボル・グリニッジ子午線を通過していますので、帰国フライトのゴールにも、日本標準時子午線を選んだ次第です。かつてご紹介した「GMTからJSTへ グリニッジ=明石間 子午線の旅」(2011年7月〜2012年1月)では、グリニッジ子午線をスタート後、東回りで明石へゴールしましたが、今回は同じゴールラインを当時と逆向き、つまり東から西に向けて越えました。これで経度ゼロから東経135度までの旅を、天文航法を一部使いつつ、西回りと東回りの両方で達成したことになります。今回は経度差が225度もあったので、冬ですが思い切って高緯度のコースを選びました。

 伊丹に向けて神戸市沖を飛行中、イギリスで作ったフロートを、ちょっとだけ大阪湾に降ろしたくなりました。神戸空港の東あたりに着水して停止し、すぐまた離水。実世界では、新明和工業甲南工場(US-1飛行艇の製造所)の近所かな。六甲山の東のシッポを飛び越えて伊丹に向かい、ILSを受信しながら主滑走路に着陸。これで本当にゴールインです。ゆっくりタキシングして、自分の格納庫にピラタスPC-9Mを納めました。
  アラスカ出発時は74.88度だった磁気俯角計も、伊丹着陸時は48.47度まで戻っていました。改めて北極地方の緯度の高さを感じます。

●●気分はブルー・スカイ派:
 私のFlightGear世界一周は、UFOを半分ほど使った南北両極縦回り「プロジェクト・南十字星」(2005年10月?〜2006年11月)と、完全に飛行機で西回りした「プロジェクト・ハイフライト」(2007年8月〜2010年2月)に続いて3回目です。前2回は、いずれも航法や飛行法の基礎研究に一大観光旅行がドッキングしたような、各着陸地にゆっくり滞在するフライトでした。外洋ヨットを楽しむ人々は、速度を競うオーシャン・レース派と、タイムとは無関係に長距離航海と寄港を楽しむ「ブルー・ウォーター派」に分かれるそうですが、私はさしずめ後者に近い、バーチャル「ブルー・スカイ派」かな? とよく考えたものです。

 とは言え、世界一周のたびに2、3年掛かるのは大変ですので、旅の期間を劇的に短縮する方法を探しました。そして思いついたのが、過去にご紹介して来ました通り、睡眠中もオートパイロットで飛び続ける、という手です。距離稼ぎと航法の楽しみを両立させるのが目的ですから、GPSは使わず一定針路を保持しておき、目が覚めたらVORやNDB、はたまた天文航法で必死に機位を計り、なんとか中継地にたどり着いて給油する…といったイメージです。使用機はカタリナ飛行艇を改造し、足は遅いが一晩飛べるようにしまして、早ければ3カ月程度、遅くとも半年くらいで世界一周を達成するつもりでした。
 実際は、昨年6月にRJOOを出発して以来、すでに1年半も経っています(^^;)。時期ごとのフライト進捗状況をまとめると、次のようになりました。
 ■伊丹=ナイロビ   (2012年6月15日〜7月2日)5区間6695nm 65時間58分 平均101.5Kt
 ■ナイロビ=ケープタウン(7月21日〜8月31日) 5区間2762nm 19時間51分 平均139.1Kt
 ■ケープタウン=パリ  (9月19日〜12月25日) 9区間8001nm 68時間09分 平均117.4Kt
 ■パリ〜英サウサンプトン(2013年3月26日)   1区間204.5nm 1時間38分 平均237Kt
 ■英サウサンプトン〜伊丹(9月21日〜12月3日) 9区間10344nm 43時間39分 平均143.1Kt
---------------------------------------------------------------------------------------
                      計 29区間27802nm 197時間37分 平均140.7Kt
(サウサンプトン〜伊丹間が特に速いのは、カタリナの代わりにピラタスPC-9M水上機を使用したため)

 第1期のナイロビまでは非常に順調でしたが、アフリカをゆく第2期以降は、過去のフライトに比べて、さほど速いとも言えません。飛んで寝て起きて働いて、帰宅後また離陸して…式の強行軍は、最初は実人生と仮想飛行と、二つの並行世界を同時に生きているようで面白かったのですが、ずっと続けるには、いささか地球は大き過ぎました。やはり趣味ですから、たっぷり無駄に見える時間を取って、下調べをしたり寝たり夢見たり、工夫を重ねながら仮想の旅をしたいものです。というわけで、パリから後はごく普通に、睡眠時間でないときに飛行しています。

 フライトの中身を申し上げれば、今回は初めてアフリカを広範囲に飛び回り、喜望峰が「アフリカ最南端」ではないことを確認し、ケニアのグレート・リフト・バレーやキリマンジャロ、タンガニーカ湖などを満喫して、私の中でアフリカは以前よりも近い国になりました。イギリスからアイスランド、グリーンランド、カナダ北極圏を経て日本へ向かう「北西航路」の空の旅は、一部区間が数年前からの懸案でもあり、大いに達成感がありました。
 技術的な面で特筆したいのは、これまでは面倒で避けることが多かった、磁気方位によるナビゲーションを、アイスランドのレイキャビク出発時から全面的に使用し、航法と操縦をよりリアルにしたことです。またAC3Dを勉強し直して、サウサンプトンに水上機整備工場を建て、夢だったピラタスPC-9Mの水上機版を作ったり、天文航法用のフライト・コードラントを大改修して、計測精度や使い勝手を大幅に改善したのも、私としては嬉しい成果でした。
 5期にわたる飛行の間には、長短それぞれ休止期間がありますが、ヨーロッパに着いてから、特にフランスの精細シーナリーを組み込んで飛び回った、パリからリヨンとフランス・アルプス、スイスのジュネーブ方面の旅は、実に楽しい休暇でしたし、このほか航法ワークシートの改良や水上機に関する資料探しを進めるなど、けっこう実り多い時間でした。

        ○

 さて、FlightGearの新シーナリーが登場しましたね。来春リリースされるVer.3.0も、多くの改良点がありそうで楽しみです。環境が変わるといずれ、また新たな目で「FlightGearの全世界」を見に行きたくなってしまうのはほぼ確実で、困ったものです(笑)。何とかもっと、時間的にも体力的にも楽な方法で、しかも充実した仮想世界の旅をする方法はないものか、引き続き考えていきたいと思います。同時に多分…自分が作り上げてきたバーチャルフライトの世界に、閉じこめられてもいけない。自分の飛び方以外、受け付けなくなっても面白くありませんので、どうやって、どの部分を壊すか。こういう視点もまた重要だろうと思います。
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