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二つの秘密基地

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なし 二つの秘密基地

msg# 1.2.1.1.1
depth:
4
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2011-10-11 6:20
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 619
hideです。
 前回到着したベルリンから日帰り圏内に、とても興味深い空港が二つあることが分かりましたので、この機会に見物することにしました。レヒリンとペーネミュンデです。

 前者は第三帝国空軍の旧テストセンター、後者はよく知られるように、若き日のウェルナー・フォン・ブラウンが、V2号及び原型機のA4ロケットを開発・試射した場所です。ただ訪れるだけでは面白くないので、ゲテモノ機…じゃなかった、常識にとらわれない設計で知られる、ブローム・ウント・フォス社の試作機2種を飛ばして、コクピットからの視界などを調べてみることにしました。

●「KG200」の基地へ:
 コースは次の通りです。
◎ベルリン テンペルホーフ空港EDDI
   ▼335度55nm
◎RECHLIN LARZ空港EDAX
   ▼35度63nm
◎PEENEMUNDE飛行場EDCP
   ▼188度102nm
◎ベルリン テンペルホーフ空港EDDI

 テンペルホーフでピラタスPC-9M改を起動し、GPSのRoute Managerに上記のコースを入力。打ち終わったら名前を付けて、すぐセーブしておきます。今回は、レヒリンとペーネミュンデでそれぞれ再起動して、別の機体に試乗しますが、終わって移動する際はそのつど、このflight-planファイルをロードすれば、いちいち目的地を入力せずに済みます。今回はたった2地点を経由するだけですが、寄港地の多い長距離フライトの場合は、非常に便利だと思われます。

 この日ベルリンの天候は、高度1100ftに雲量few、305度の風12Ktと、まずまずでした。ピラタスPC-9M改を起動し、燃料はデフォルトに設定している約1000Lbs(477Lbs×タンク2基)のまま、0711時(ローカル0911時)ごろエンジンを始動。機体は12秒の滑走で離陸し、2分半で10000ftに達しました。この高度で全開巡航すると、速度は272KIAS(310KTAS)くらい(おっと、本来は250Kt制限の高度ですね)。燃費は2.816nm/galで、あと430nm飛べる燃料を持っています。GPSモードで針路保持をして、ひたすら広い平野を眺めていると、15分あまりで前方に大きな湖が見えてきました。間もなく、HSIに新設したGPS指針がグルリと回転し、もうレヒリンの上空に着いたみたいです。
 オートパイロットを全部切り、右に90度バンクして真下を見ると、滑走路とABN(飛行場灯台)が確認できました。コンパスと滑走路を見比べ、今日の天候を思い出しながら風下へ。PC-9Mにはスピードブレーキが付いていますから、これを開いてハーフロールを打ち、スプリットSに近い機動で急降下に入れ、どんどん高度を下げて行きます。
 ファイナル・アプローチに入ってから、誤って誘導路を狙って降下していることが分かり、すぐに目標を滑走路に切り替えて、ふんわり着陸。この飛行場にはPAPIがないので、ミスに気付きにくかったようです。0738時、誘導路脇の草地に止めて、エンジンをオフ。残燃料は353Lbs(53.5gal)×2。低地の広い平原に位置して、そばに湖があることといい、日本で言えば旧海軍の土浦航空隊が、或いはこんな感じなのでしょうか。確かに障害物はなく、訓練とかテスト飛行向きの場所です。

 私は、ナチスドイツ空軍のお話には疎いのですが、Wikipediaなど複数のサイトによりますと、ここには大戦中、KG200(第200爆撃航空団)という部隊がいて、新型機のテストや長距離偵察、スパイを運んでパラシュート降下させるなどの特殊任務を行い、捕獲した連合軍機も活用していたそうです。そう言えば20年あまり前、イギリス(?)で書かれた「KG200」という小説を読みましたが、これにも捕獲したB-17でスパイを運んだり、連合軍の編隊に紛れ込もうとする話が出てきました。著名な女性グライダー飛行家にしてテストパイロット、ハンナ・ライチェ(ライチュの表記もあり)の伝記には、彼女が創設に尽力し、志願して参加したライヒェンベルグ(V-1号に操縦席を付けた特攻兵器)部隊のことが書かれていますが、これもKG200の傘下だったことを今回初めて知りました。なかなか大きな組織だったのですね。
 蛇足ながら…彼女の自伝によると、この有人V-1号は、イギリスの港湾施設への体当たり攻撃を目指した兵器だったそうですが、戦局の悪化で時機を失したとして、作戦は取りやめになりました。日本は逆に、敗色濃厚になると特攻一色に走ったのと比べ、冷静な判断だったような気もします。ドイツも負けてくると、木製の「国民戦闘機」を急造し、グライダーしか操縦したことのないヒットラー・ユーゲントを乗せて、B-17の大編隊に突撃させるという、かなり無茶な計画を立てましたが、あの手の機体にも結構、防弾ガラスや脱出装置が付いていたりするのには、脱帽です。
 こうした装備が、実線で本当に役立つかどうかはともかく、搭乗者を人間扱いしようとする姿勢を感じます。それを意気に感じて「よし。俺はあす、命を捨てよう!」と覚悟を固めるか、それとも逆に国家から「死んで来い」と白鞘の短刀を渡されて、腹をくくるか。かつての日独の文化の違い、と言えばそれまでですが。私はどんなに無謀な作戦でも、「任務達成イコール生還」という図式を守ることが、人間の本能に照らして自然であり、従って用兵者の最低のマナーだと思います。

●非対称形の偵察機:
 今回はこの飛行場で、左右非対称の飛行機として有名な、BV-141試作偵察機に試乗します。「双発機並みの、広い視界と射界を持つ単発機」というコンセプトを追求したら、こんな形になった…のだそうですね。ドイツは航空エンジンの生産数で、アメリカに全く太刀打ちできませんでしたから、「2台のところを1台で」という気持ちは、よく分かります。さて性能と乗り心地は?
 まず、スペックを見ましょう。量産型(1937年完成)は1560馬力で3人乗り、全長約14m、全幅約17.5m、自重4.7トン、最高速度438km/h(高度3500m)、航続距離1200キロ。一応武装はあり、50キロ爆弾を4発積んだそうです。前方機銃2挺、旋回機銃2挺を持っていますが、口径は7.92mmですから、とても戦闘機を追い払うような腕力はありません。頼みの最高速度も、同じ時期に開発された「神風」号(九七式司令部偵察機)は500km/hで、大戦初期にサン=テグジュペリが搭乗したブロック174偵察機も530km/h出ますから、本機の438km/hは、かなり見劣りがします。偵察専門の機体にしては中途半端な性能で、爆装できるところをみると、むしろ直接協働機にするつもりだったのでしょうか。

 さて試乗です。パーキングブレーキが外れていて、エンジンを掛けると動き出したため、慌ててブレーキを掛けたところ、一気にノーズオーバー(逆立ち)してしまいました。ううむ、恥ずかしいです。
 再度挑戦してフラップ1段、60Ktくらいでふんわり離陸。順調に高度を上げましたが、まもなく左に傾斜する癖に気付きました。胴体が重いのか、左側にしかない水平尾翼が発生する、ダウンフォースのせいでしょうか。「やっぱりキミは、まっすぐ飛ばないのだね」と呟きながら、エルロンのトリムを調節したところ、案外簡単に修正できました。ロール安定は、FlightGearの機体としては平均で、つまり「ずっと放置すれば、だんだん傾く」という感じです。
 わざわざ機体を非対称にしてまで、手に入れたかった視界は、どんなものかと言いますと。操縦席からは確かに、前方や右側が非常によく見えます。左にはナセルと胴体がありますので、ほぼ目の高さから上しか見えず、けっこう不便です。また風防の棧というか、窓枠が太いものですから、かなり邪魔です。後席から振り向いてみると、後方視界も似たような傾向で、確かに大きく開けていて、偵察機としては便利でしょうが、窓枠が相当気になります。この機体で偵察任務に出撃すると、機体左側から近づく敵機を見張るためには、ひんぱんに大きなバンクを行って、胴体の陰を確認する必要がありそうです。

 最高速度は、実測でせいぜい200Ktくらい(高度20000ft)。上昇力はけっこうあり、急旋回も出来ますが、宙返りとか縦の運動も試そうと思ったところ、離陸後数分にして、スロットルが閉じたまま、まったく開かなくなってしまいました。FlightGearでは初めての体験です。ジョイスティックは生きているし、キーボードでもスロットルは動かないし…どうしようもありません。滑走路の延長線上でぐるぐる旋回降下し、タイミングをみてファイナルアプローチに入り、フラップを出し入れしながら降りて行きました。途中、もう少し間を取ろうと旋回したら、50Ktまで落ちてしまって半分失速。しかし失速特性が良く、急にコントロールを失ったり落下したりせずに、半分舵が効いていまして、そのまま滑走路のすぐ脇に降りて無事でした。癖はありますが、そんなに悪い飛行機ではありません。
 降りたらペラが止まり、すでにエンストしていたことが判明。原因は分かりません。コンソール画面を点検すると、
     WARNING: PUI: Too many live puInterface open at once!
と出ていました。起動Wizardに戻って機体を変更しようとしたら、FlightGearが応答しません。念のため、パソコン自体を再起動。PUIとは何だろうと思って検索したら、japaneseさんが各種設定フォーラムの「Re: マルチプレイヤーに反映されません」(2009年2月16日付)に書いておられたのと同じもののようでしたが、その後は特に異常は見られませんでした。何が何でも、BV-141を徹底的に研究したい…という訳ではありませんので、このへんでペーネミュンデに向かうことにします。

●PC-21でウゼドム島へ:
 ネットをあちこち眺めていたら、ピラタスPC-9Mを作って下さった作者さんが、すでに公開中のPC-21を改良して、ダミーだったグラスコクピットに、基本的な計器を表示する改良を加えているのを発見。すぐさまダウンロードして、レヒリンからペーネミュンデへの移動に使ってみることにしました。

 PC-21のパネルは定石通り、正面にPFD(飛行基本計器)、右にEICAS(エンジン計器など)があって、かなり見やすい作りですが、KTAS計やトルク計など、まだ動かないものも散見されます。左側の航法パネルは未完成で、ピンぼけの地図画像を貼ってごまかしてあります。実際にMap画面がはめ込まれると、感動ものでしょうね。いずれにせよ気分一新で、わくわくします。私はクラシックな航法や機体の話題が多いですけれども、MSFS2000を愛用していた10年ほど前は、主にリアジェット45の長距離改造機を飛ばしていたので、統合電子計器だって結構好きなのです。見やすさと情報量では文句なしに優れており、いまや軽飛行機にもどんどん採用されているのは、もっともだと思います。(かなり高価になりそうですが)

 新しいPC-21は、あまりにも座高が高いので、試しに5儔爾欧討澆泙靴拭ビューの画角は前席が80度、後席75度と、少し後席をズームアップしているのは、視界と計器の見え方を、前後で使い分ける思想のようです。私も同じ考えなので、後席はさらに画角の狭い60度に変更しました。
 前日に、PC-9M改のために作ったflight-planを再びロード。Activateボタンを押してから、現在いるEDAXを選択してJump toボタンを押し、この空港をアクティブWaypointにします。離陸して空港の中心を通過すると、Waypointは次のペーネミュンデ空港に切り替わります。
 1105時、エンジン始動。獰猛な感じの5枚羽根プロペラが回転し、煙を噴いてから安定。4552ftの滑走で離陸し、2分58秒で15000ftに到達しました。パワフルです。速度が乗ってくると、滑走中に少々左右へドリフトする癖が気になりますが、以前に比べるとマシになりました。GPSコース033で自動保針。そのまま全開で加速し、離陸5分半で283KIASをマーク。TASが表示されないのは残念ですが、330度7.7Ktの向かい風でGS352Ktだから、360KTAS近く出ているはずで、わがPC-9M改よりも一段と高速になっています。こりゃすごい!

 離陸後10分で、前方にウゼドム島が見えました。ここはユトランド半島(デンマークの大半があるところ)の根元の東側で、バルト海に面しています。湾や半島、入り江と島が複雑に絡み合い、昔は広大な無人地帯が広がっていて、狩猟にもってこいだったそうです。

●フォン・ブラウンの夢の跡:
 ベルリン工科大学の学生時代、フォン・ブラウンは結成されたばかりの団体「宇宙旅行協会」に加わって、液体燃料ロケットの開発実験中、陸軍兵器局の砲術弾薬部にスカウトされました。ドイツ軍は第一次大戦に負けた結果、口径3インチ以上の重砲を持つことを禁止され、他国が振り向かなかったロケット兵器の開発に、大きく力を入れていたのです。フォン・ブラウンは、宇宙への夢の実現手段と割り切ったらしく、民間人技術者として陸軍に就職。以後どんどんミサイル兵器開発にのめり込んでいくわけですが…北海へ発射していた試作ロケットの射程が伸びるにつれ、人目に付かない、新たな打ち上げ実験場が必要になりました。フォン・ブラウンが実家でこの話題を持ち出したところ、両親が提案したのがウゼドム島でした。彼は現地を見に行って、これこそ適地だと判断。やがて発射台や研究棟、工場、液体酸素の製造施設、発電所、滑走路を2本持つ飛行場などが建設されました。
 何度もの失敗を経て、V-2号の原型となるA4ロケットが、初の完璧な飛行を見せたのは、1942年10月3日のこと。重さ13トンのA4はペーネミュンデから打ち上げられ、ジャイロで姿勢制御を行いながら190キロを飛翔し、針路の左右誤差は4キロにとどまりました。最高高度は約100キロで、それまでの長距離砲弾の記録40キロを2倍以上更新し、史上初めて宇宙空間を飛んだ人工物となりました。ただしフォン・ブラウンが、のちにアポロ計画の立役者として、本格的に宇宙への道に復帰するには、敗戦を挟んでまだまだ非常に長い時間が必要でした。

 さて…FlightGearのウゼドム島は、ペーネミュンデ飛行場の滑走路が1本あるだけで、あとは様々な植物のテクスチャーが広がる、平らな地形です。島の北端の滑走路から東側の部分が、発射台の並んでいた区画で、その南に開発施設や研究者の住居、西に発電所などがあったのですが、これらは旧東独政府が徹底的に破壊したそうで、GoogleEarthで確認すると実世界でも、ほとんどの土地が森に戻っています。

 島の10nmあまり手前で、PC-21のスロットルをオフ。ブレーキを展張し、バレルロールを打ったりしながら減速して高度を下げ、風下に回り込んで、あっさり着陸。飛ばしやすい飛行機ですが、高速なだけにアプローチ速度も速くて、100Ktくらいで最終進入しないと不安です。90Ktまで下げると翼端からヴェーパーを引き、これが失速の前兆なのか、単に一定の迎角で出るのか知りませんが、やや無理をしている気がします。滑らかに進入を続け、フェンス越えぎりぎりで再びスロットルを閉めると、水平までフレアした時点で上げ舵を使い切ってしまい、あとはピッチコントロールが効かない状態で、ストンと接地しました。重心を下げるかなんかして、舵の引きしろを残しておかないと、ゴーアラウンドは危なそうです。ただ、スロットルを開いた際のピッチダウン現象は小さいので、進入時の姿勢変化が少なく、その意味では楽です。
 エンジンを止めてキャノピーを開くと、晴れ間が見える空から、いつの間にか雨が降っていました。ペーネミュンデでは再びブローム・ウント・フォスの、ヘンテコな飛行機に試乗します。

●カンブリア紀の「怪物くん」:
 今度は変形3発機のBV-170。せっかくBV-141が節約したエンジン1台を、さっそく消費しちゃうの?という感じですな。両側のエンジンは、主翼端のナセルに搭載され、これがデッカイものですから一種の3胴機に見えます。ナセル後方に、方向舵付きのウイングレットがある代わり、機尾に垂直安定板はありません。コクピットは胴体のほぼ後端、水平尾翼の直前にありまして、激しい機動を掛けたり乱暴な着陸をすると、ひどい目に遭いそうです。それどころか…ちょっと気流が乱れたり、オートパイロットが頻繁にトリムを動かすだけで、神経質な上下動が発生して、気分が悪くなっちゃいそうです。もっとも、コクピットから地面は非常に近いので、乗り降りだけは楽ですね。
 強烈な違和感の総仕上げを行うのは、主脚の位置です。主胴体と翼端の特大ナセルにそれぞれ1本あり、計3本が平行に並ぶ希有な作例です。この飛行機をひとことで言えば、「カンブリア紀の奇怪な海洋生物」でキマリかも。もっとも大戦中のドイツ試作機群は、まさに「カンブリア爆発」の航空版ですけれども…。

 事前の予想では、この機体レイアウトの場合、主翼とナセルに滑走路が隠れて、着陸はかなり困難になると思いました。起動してみると、はたして水平線のすぐ上が、主翼にカバーされて見えません。後席の爆撃手の方が、わずかに主翼から遠ざかるだけ、前方視界がよいようです。いざとなったら着陸時は、こっちの視界に切り替えて、パイロットの肩越しに前を見よう、と思いました。コクピットは総ガラス張りで、本来は視界が良いはずですが、例によって窓枠が太いので、けっこう圧迫感を受けます。

●ターボプロップ機より速く、しかし大食い:
 エンジン始動。3点姿勢でフラップを1段下げると、ブラインドを少し下ろしたように、ますます前方が見えなくなりました。なにやらもう、笑ってしまいますね、これは(^^;)。地平線は隠れ、滑走路も左右の足もと程度しか見えません。従って離陸滑走は手探りで、非常に心細かったです。

 50Ktでぐんぐんシッポが浮いて、ごくあっさり離陸。いったん飛び上がれば、そう悪くない飛行機です。加速はよく、翼端に大重量がある割には、ロール・レートもまともです。5000ftあたりで少々振ってみましたが、連続宙返りを非常に軽くこなし、バレルロールもドンと来い。ただし、ブラックアウトの連続です。予想外に速度が出るためで、うかつにスティックを引くと、思わぬ高Gが掛かります。
 10000ftで加速を続けたところ、340KTAS(GS391Kt)を指して、まだ加速する気配でした。明らかに、ターボプロップのピラタス軍用練習機シリーズより速い! しかし燃料計の針が、目に見える勢いで落っこちていきます。調べると、タンクは7つ設定されていますが、実際に稼働するのは2基だけで、しかも消費量が大きく、気が付けば残りわずか125Lbs(21gal)しかありません。大変だ!とすぐ反転。10nmほど引き返してファイナルに入ったら、ガス欠でペラが空転を始めました。

 しかし、この機体は滑空比が非常によろしい。フラップを出すと素直に減速・降下し、引っ込めるとスッと加速します。燃料切れの軽い状態では、グライダーに近い印象です。フラップはフルスパンで、そのためエルロンはなく、大型のスポイラーで代用しており、このへんは三菱F-1みたいに現代的。何かと不思議な飛行機です。視界の悪さも、空中ではコクピットビューの視野を、ワイドに引けば相当マシになるので、パイロットが自由に視線を動かし、視界を広く感じる実機の場合は、そう致命的ではないのかも知れません。
 ただし翼端の特大ナセルは、やはり非常に邪魔で、ベースレグ上では滑走路が見えません。実機の場合は多分、ひんぱんに大バンクを振って、必要なところを見たのでしょうね。着地寸前はもっと悲惨で、フラップをいっぱいに降ろすと、前方下向きの視界が広範囲に奪われ、滑走路両側の白線を探すのに必死。おまけに前方は、もともと長い胴体が邪魔になって見えにくいです。あの神風号でも、機首が少々長いため、前方視界に難があり、着陸時は斜めにベースレグを飛んで滑走路を視認し、着地直前に初めて滑走路に正対するという、変則的な飛び方をしたそうですけれど。BV-170は機首どころか、胴体全部が目の前にあるのですからね…。

 視界の問題を除けば、ファイナル進入時の操舵は軽く自然で、50Ktで接地寸前でも、エレベーターの利きしろが十分に残っており、ふんわり降ろすことができました。デッドスティック・ランディング(エンジン停止のまま滑空着陸)という非常事態にあって、この飛ばしやすさは印象的で、私はだんだん、この前世紀の「怪物くん」が好きになってきました。飛行後の印象をひとことで言えば、「強烈な動力性能を持った、高速モーターグライダー。視界に問題ありだが、見かけより素直」でしょうか。
 一瞬、燃料を注ぎ足してベルリンまで帰ろうかとも思ったのですが、窓枠が邪魔で景色が見にくく、従って地文航法がやりにくい機体だし、GPSを使うにしても、どっちみち航続力が足りないので、やはりPC-9M改に乗り換えることにしました。冷静になってみると、動力性能の割に上昇率はとても小さく、得意の加速も水平姿勢を保った場合のみ顕著に発揮されるという、あれこれ癖のある機体でもあります。

     ○

 PC-9M改を起動。大きな曲面ガラスの涙滴型キャノピーに再会し、大空とパイロットがぴったり触れ合う抜群の視界に、改めてホッと安心しました。先ほどと同じflight-planを読み込んで、ペーネミュンデをアクティベート。1215時(現地午後2時15分)に離陸すると、GPSは目標をすぐテンペルホーフに切り替えました。今ではすっかり乗り慣れて、一番快適な飛行機です。もっとも、GPS用に改造したHSIの距離計がうまく動かず、1桁目の数字ドラムしか回転しないという問題を発見。HUDを併用して飛行を続けます。15000ft付近に少し雲が出る中、ベルリンの50nm手前から降下を開始。テーゲル空港を横目に見ながら、無事にテンペルホーフへ舞い降りてタキシーし、大屋根下のエプロンへ滑り込みました。

 馴染んだホテルに、帰ってきたような気分です。さて日本へ向かう、次回の旅路はどうしようかな?
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