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バイカル湖を渡る

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なし バイカル湖を渡る

msg# 1.2.1.1.1.1.1.1.1
depth:
8
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2011-12-18 10:19 | 最終変更
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 632
hideです。
 すっかり年の瀬になってきました。ロシアを東進する旅を急ぎます。今回は西シベリアの大都市・ノヴォシビルスクから、中央シベリアのバイカル湖へ向かいます。
 この区間は、前回ご紹介した大正時代のブレゲー19型複葉機「訪欧大飛行」と、ほぼ同じコースを反対向きに飛びます。当時のブレゲー機にとって、天候が急変するバイカル湖と、その西に広がる不時着不可能なタイガ(大森林)は有数の難所だったとか。当時をしのんで、バイカル湖の横断区間では、スタンプSV-4複葉機を使いました。全体に、若干のトラブルとスリルに見舞われたものの、ここぞという場面で天文航法が威力を発揮し、なかなか楽しいフライトを味わいました。

 コースは以下の通りです。
◎ノヴォシビルスク・トルマチョーヴォ空港UNNT 55-00-45.44N 82-39-02.36E
   ▼78.2度341.6nm
◎クラスノヤルスク・イェメリャノヴォ空港UNKL
   ▼109.1度236.8nm
◎ニツェユーディンスク空港UINN(タイガの中)
   ▼129.6度246.5nm
◎イルクーツク空港UIII(バイカル湖西岸)RWY113(ILS111.30)/293(ILS110.30)Elev1577ft →824.9nm
   ▼103.7度116.1nm
◎ムキノ空港UIUU(バイカル湖東岸奥)RWY08(True078)/26(ILS110.30) Elev1680ft
計941nm
 ほぼシベリア鉄道沿いの「へ」の字型コースです。ピラタスPC-9M改を使って第1区間は東北東、第2・第3区間はおおむね南東へ。バイカル湖南西岸の都市イルクーツクに着いたら、スタンプSV-4に乗り換えて、琵琶湖の50倍近い巨大湖を横断し、東岸の山あいにあるムキノ空港へ滑り込みます。地上が見える間は地文航法で位置を確認し、天候が悪ければ推測航法を使って、可能なら天文航法で補正する、という段取りです。

●●暗いシベリアの冬:
 画像は省略しますが、例によってAtlas画面を利用したコース図を区間ごとに作成。最初の区間では、出発から1時間後に太陽の高度を測定して、推測航法の精度を確認しようと思いました。となると、その時点で太陽を真横に見る(コースと重なるようにLOP=位置の線を描く)必要がありますので、あれこれ逆算して、出発時刻はUTC(協定世界時)の0401時(現地時間1101時)と決定。FlightGearを起動後、パソコンのクロックを調節し、やや余裕を見て0345時とします。
 まだ北緯55度にいて、季節は冬至が近いのですから、お昼前なのに早朝並みの暗さで、太陽は地平線から約5度にあります。しかし、雲は20000ftにscatterdのみ。風は高度10000ftで120度6.2Kt、24000ftでも125度6.3Ktと穏やかです。よろしい。燃料は念のため2800Lbsの満タンとして、ピラタスPC-9M改を始動。離陸後、高度10000ftまで左旋回上昇し、0355時に滑走路真上を横断して航法を開始。風が弱いので、針路の修正角は1度弱です。
 出発地・ノヴォシビルスクの市街地を東へ通過すると、シベリア鉄道の鉄橋が目に入りました。先が長いので、0400時から毎分2000ftで上昇を開始。巡航速度を稼ぐため、高度を30000ftに上げておくことにします。

 この区間の主な目印は、165nm先にあるケメロヴォ空港UNEEです。すぐそばを飛ぶはずなので、ちゃんと視認できればフィックス(確定位置)が得られ、天測は必要ないかも知れません。0408時に30000ftまで上昇して加速に転じ、間もなく206KIAS(342KTAS)に達しました。
 0420時、右アビーム(真横)に空港を視認。フライト・コードラントで俯角を計ると33度。この時点の電波高度計の示度(約29000ft)を基に、空港までの距離を計算すると、ざっと7nmでした。予定より少し早いけどオビ川の支流も見え、ケメロヴォ空港に間違いないでしょう。となると航法はかなり正確です。風をチェックすると、195度6.3Ktに変化していましたので、針路を微調整。対地速度は346KTASも出ていて、39分後の0459時にはクラスノヤルスクに着きそうです。よしよし、順調…。

●●大ショック、パソコンが勝手に再起動:
 位置が確定できたので、天測は当面必要ありません。のんびり飛行メモをタイプしていたのですが、どうもエディタの調子がおかしくて、時々勝手に改行してしまいます。原因はWindowsのようで、さっきから「更新ファイルをインストールしろ、再起動しろ」と、しつこくダイアログを表示していますが、長距離飛行の最中に、とんでもない!まだ数時間は、このまま動いてもらわなくてはダメです。再起動を断りながら続航していましたが、カーソルがジャンプしたはずみか、勝手に「OK」ボタンが作動してしまい…
              「ああああああああああっ!」
…と叫ぶ間に、FlightGearが終了しました。
休日の朝から針路計算し、コース図を作って、やっと離陸して、実時間のお昼前まで飛んだのに。モチベーションが、それこそガタッと落ちました。面倒な航法はもうヤメヤメ、さっさと最短時間で伊丹へ帰ろう、モンゴルあたりまでGPSオートで直線飛行だ、目覚ましを掛けて寝ちまうぞ…と一時は本気で思い。しかし一応気を取り直して、システムの手当をしてから、さっき視認したケメロヴォ空港で再起動しました。

 天文航法の誤差を小さくするため、シミュレーション内の時刻を、パソコンのクロック調整で決定している関係上、すぐに再起動すると機内時計も天体位置も、ほぼ「先ほどのお話の続き」の時刻になります。幸い風は205度3.8Kt、雲量は6400ftにscatterdと、引き続き飛行日和です。燃料を、ここまでの消費量を引いた程度の搭載量に再調整し、0456時に離陸。クラスノヤルスクまで、あと223nmもあるのは残念ですが、元気が出て来ました。再び毎分2000ft上昇を開始し、0515時に35000ftでレベルオフ、330KTASまで加速。
 太陽がほぼ真横に来ましたので、0514時00秒に天測したところ、予定コースの右わずか2.72分(=2.72nm)の線上にいることが分かりました。快調です。その後、風の変化による針路修正を行いながら、0542時にめでたくクラスノヤルスクの、イェメリャノヴォ空港UNKLを発見。ぐるりと旋回して空港真上を正確に通過し、次の区間の航法を開始しました。眼下を蛇行するのはエニセイ川。よく見ますと、シベリア鉄道と幹線道路が、互いにもつれ合うようにして、ほぼ川沿いに延びています。

●●タイガ上空、真昼の星を計測:
 風は35度3.8Ktと、引き続き穏やかです。下界はひたすら、広くて平らな荒野が続いています。計算では0624時に、次の中継地・ニツェユーディンスク空港UINNに到着の予定。0554時、さらに風速が1.3Ktに落ちました。イルクーツクまで500nm近いフライトですが、順調に飛べそうです。
 仮に天候が悪化しても、こちらは雲の上。昼間の星が幾つか見えます。右後方を振り返ると、お馴染みアークトゥルスが光っており、ニツェユーディンスク付近に着くころには、もっと真後ろ近くまで回り込むので、高度角を計れば、ほぼコースと直交するLOP(位置の線)が得られるため、前後方向の進出距離が分かると思われました。太陽と金星も視界内にあり、いわばNDBを3本受信しているようなもの。頼もしい限りです。

 …さて、順調に推移したフライトでしたが、だんだん雲量が増えてきて。私は0625時ごろ、ニツェユーディンスクの上空を通ったはずでしたが、空港を視認できませんでした。これは計算外で、あれこれズームを調整し、後方を探しましたが見あたらず。ロシアの空港には時々、ABN(飛行場灯台)がない所もあります。そのうち眼下に道路と線路が見えはじめ、向きから考えてシベリア鉄道および、ほぼ並行する幹線道路だと思われますので、一応オンコースと判断しました。
 実世界ではそろそろ、針葉樹の巨木が密生する「タイガ」地帯です。かつては空き地というものがなく、シベリア鉄道の線路上にまで枝が伸びていたそうで、不時着場所はゼロ。エンジンが止まったら最後、梢に衝突して墜ちるしかなく、多くのソ連パイロットが犠牲になったそうです。現在はどうかというと、鉄道の支線や道路などが相当たくさん視界に入りますので、少なくとも軽飛行機なら、何とかなりそうです。

 イルクーツク到着は0720時くらいになるはずですが、通り過ぎてもバイカル湖が見えるし、北からはエニセイ川の支流・アンガラ川が近づいてくるはずなので、少しでも雲に切れ間があれば、まず迷わないでしょう。しかし念のため、天測をしておく方がベターです。周囲の空を見渡すと、金星とアークトゥルスが、ほぼ直角の位置関係になっています。これはうまい。LOP(位置の線)をプロッティング・シート(天測位置決定用図)に描き込めば、ほぼ直角に交わります。恒星や惑星の天測は本来、3天体かそれ以上を測定するのですが、位置関係が直角なら2天体でも、かなり高精度の測位が出来そうです。
 0650時に金星を、2分後にアークトゥルスの高度角を取って、素早く計算。結果を位置決定用図に作図し終わったのが0706時でした。図から得た緯度経度(53-38.7N 101-26.5E)を、Atlas画面利用のチャート上に落としたら、自機はゴールのイルクーツクから見て、予定コースの5度南にいました。これに従って針路を変更し、一連のドタバタ作業が終わって、やっと機外を見たら、いつの間にか天候急変。眼下は一面の雲海で、地表はまったく見えませんでした。天測と計算をしておいて良かったと、つくづく思いました。予定では0715時にイルクーツクに着くはずです。

●●ピンポイントで空港ヒット:
 どこまで飛んでも雲また雲。やがてイルクーツク到着予定の0715時がやってきました。ゼロ秒の瞬間、一気にスロットルを絞ってブレーキ展開、60度近い急バンクで左旋回降下を開始。シベリアには高い山がありませんから、このまま同一地点で螺旋降下を続け、雲海を突き破る作戦です。23000ft付近でovercastの雲に入りましたが、天候メニューの表示では厚さ1000ftしかないはずの層が、実際はずっと厚くてなかなか抜けず、3000ft近く灰色の世界を降下しました。万一、シーナリーの描画異常が起きていて、雲を抜けても薄青い虚空しかなかったらどうしよう、と思ったくらいです。ようやく下に抜けると、高度11600ftにまだbrokenの雲が広がっており。これが割に密度のあるレイヤーで、うまく地上が見えません。ふと右(バンク中なので実際は上)を振り返ると、いま抜けてきたovercastの雲が、黒く覆い被さっていて不気味な光景。旋回急降下のまま、もう一層雲を突き破ります。さて、下は平野かバイカル湖か、それともイルクーツクか。

 おおおおおっ?…ありゃなんだ、話がうますぎるぞ(^^;)。
キャノピーの左、主翼付け根のすぐ前、つまり機体の真下近くに、滑走路がぐるぐる回転しながら、せり上がってくるのが見え。予測外の高精度で、イルクーツク空港に的中しました。二つの星から位置を出すには、観測の間が開いてはダメです。また位置決定後は直ちに進路修正しないと、時間経過と共にどんどん誤差が累積して、せっかくの測定が無意味になります。なので、突っ走るように観測・作図・計算を進め、ドタバタで修正値を出して推測航法し、最後に手探りで雲中降下した結果が、ピンポイントの標的ど真ん中。これは感激でした。高精度であったことはもちろん、最近は何度観測しても大外れをしなくなり、天文航法に信頼性が備わってきたことが、さらに嬉しいです。
 蛇行する川の彼方に、ちらりと鉛色のバイカル湖が見えました。さらに降下し、市街地の上で反転して東向きに滑走路へ進入。この空港も…グライドパスのそばに、邪魔なビルがありますな。うまく降りて誘導路で停止し、燃料残を計ると377.1Lbs(57.1gal)×2。まだ1時間くらい飛べる感じでした。FlightGearが落ちたとき、計画を変更して、GPSオートでモンゴルへ抜けたりしなくて、本当に良かった。今回の旅で、もっとも印象的な体験を逃すところでした。

●●バイカル湖を越え、谷間の街へ:
 イルクーツクからは、スタンプSV-4複葉機を使います。胴体に書いた愛称「初風」は、86年前の朝日新聞「訪欧機」2機のうち、1機の名前と同じです。3000Lbs近く燃料を積むピラタスPC-9M改に慣れると、満タンで142Lbs(23.7gal)というのは、さすがに頼りない感じがします。風も11Kt出て、少々天気が心配。テール・ドラッガー(尾ぞり機)の操縦は久しぶりですので、荒れて欲しくありません。

 0735(現地1535)時にエンジン始動。3000ftにbroken、11000ftにovercastの雲がありますが、今回は層がやや薄く見えます。まあ、たぶん大丈夫…行くかぁ。
 0749時、7000ftに上がって150度100ノットを維持。上昇に燃料の1割を使ったので、85Ktまで減速しました。この状態でスロットル開度は70%くらいです。0757時、いよいよ凍結した湖上へ。
 バナナみたいな形の湖の南西岸から、湖の中央付近に出て少し北上し、東岸へ渡って、湖に流れ込むセレンガ川の河口デルタを探す予定です。この川を遡上すれば、そのまま低い山筋の背後に回って、ムキノ空港UIUUが見つかるはず。海岸からいきなり、山一つ越えてしまえばすぐですが、バイカル湖は天候が激変するところだそうで、もし荒れまくってシーリング(雲底高度)が地面すれすれに下がったら、どうなるかと心配です。航法無線が全くない複葉機に乗っているので、ここは慎重にAtlas画面のプリントアウトを見ながら、低空で川沿いに迂回コースをたどることにします。

 湖面は凍結して、暗い鉛色。頭上には一面に雲があり、下方にもだんだん雲海が広がって、サンドイッチの具になった気分です。背後も雲に閉ざされ、出発した西岸は見えません。正確な機位はつかめないものの、全部で52〜3nmも飛べば、取りあえず陸に上がるはずです。雲の下に出ておこうと、付近の山より高いはずの5500ftを指して降下。ふわりと霧に吸い込まれ、白い空間を手探りで飛行。数分後、スポンと晴れ渡った空に飛び出し、はるか前方に陸岸が見えました。
 その後も、雲に視界をふさがれたり晴れたりを繰り返し、やっと陸上へ。いつの間にか陽が傾き、地上に明かりが点きました。シベリア鉄道が再び眼下に見え、やがてセレンガ川を発見。川に沿ってゆっくり東進すれば、もう迷う心配はなさそうです。
 風が強まる夕焼けの中、低い山をかわして東の谷間へ進入。セレンガ川の中州や周辺に、ウラン・ウデの街の灯が広がります。夕焼けの照り返しが、山肌に微細に反射して映え、美しい光景です。現在のFlightGearは色彩の変化も豊富かつデリケートで、夕景はつくづく手の込んだものになりました。

 0908時、空港を視認。ABNはありませんが、主滑走路の明かりが見えます。しかし風向がまずく、16Ktの風を真横から受ける形です。横風用滑走路はあるものの…照明がありません。折しも黄色い夕焼けが、赤紫に変化する時間で、山陰の地表は刻々と暗くなって行きます。ほとんど見えない横風滑走路に風下から進入し、何とか1回バウンドしましたが、それ以上うまく減速してくれません。
 ゴーアラウンドして、ますます暗くなる滑走路に接近。機外ビューなら、まだ何とか路面が見えますが、肝心のコクピットビューは風防ガラスが暗く、ずっと見えにくくなります。再び路面にタッチしたものの、どうしてもバルーニングして、行き足が止まりません。
 やっと気付いたのですが、スロットルが開度約30%で固着していました。もう横風用滑走路は見えないので、主滑走路で勝負するしかなく、燃料コックのチェックマークを外してエンストさせ、機首を高く上げて尾ぞりから落とす気持ちで、デッドスティック・ランディング(無動力着陸)を決行。軽く3バウンドしただけで、何とか機体を止めました。これが3車輪機でしたら、横風30Ktでも大丈夫ですが。テール・ドラッガーとなると、半分の風速でも緊張します。あかね色の残照が、つくづく目に染みる気分でした。
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