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北西航路を行くだ弔ざ、緑の海

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なし 北西航路を行くだ弔ざ、緑の海

msg# 1.6.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1
depth:
13
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2013-11-23 0:28
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 634
hideです。
 グリーンランドから、カナダ北方に広がる「北極諸島」を抜けて太平洋に至る、「北西航路」の旅もそろそろ最終段階。今回は、正午も陽が昇らなくなったアラスカ最北端・バロー岬から南下して、明るいベーリング海に面した港町ノームへ進みます。離着陸は吹雪の中でしたが、ようやく北極圏から脱出を果たし、比較的短いフライトながら印象深い旅になりました。

 北極圏とは何か。定義は一つではないようですが、基本的には、北緯66度33分から北のこと。地球の自転軸は公転面に対して約23度26分傾いているため、これ以上北へ行くと、太陽がまったく昇らない「極夜」と、太陽がまったく沈まない「白夜」が、年に最低1日は発生します。そういう場所が北極圏です(ただし、太陽の視半径や大気の屈折率、観測者の眼高を補正してないので、この緯度は厳密なものではありません)。

 前回のフライトで着陸した、バロー岬近くのワイリーポスト・ウィルロジャース記念空港は、北緯71度16分で、れっきとした北極圏です。到着時は十分明るかったのに、その後何度かFlightGearを起動して、現地の日の出・日の入り時刻をチェックしていたところ、中間の「昼」がどんどん短くなり、先日ついに正午でも、太陽が昇らなくなりました。この緯度では、もう極夜が始まったのですね。飛行に支障はありませんが、景色が暗いと気分も晴れず、私はこの季節が嫌いです。陽の差す地域まで、さっさと南下しなくては。
 (余談ながら、天文学における日の出・日の入りは、「太陽の上辺が地平線に一致したとき」を指します。いっぽう月と星々の出入りは「中心が地平線に一致したとき」です。FlightGearでは単純化して、日の出日の入りも「中心が地平線に一致したとき」に統一しているようです。理由の一つは恐らく、太陽の視直径が現実世界とは異なるからでしょう)

●●雪の中を南へ:
 sambarさんのお陰で、ツインオッターのオートパイロットが使えるようになり、コクピット視界で正常に雪が降るフライトが可能になったので、どうせ飛ぶなら雪の日にと、何日かチャンスを狙っていました。人工的に雪を降らせてもいいんですが、出来るならリアルウェザーの方が、気分がいいですね。

 先日、午前5時過ぎ(日本時間。UTCは20時過ぎ)に目が覚めまして、FlightGearを起動。アラスカ時間は午前11時過ぎでしたが、ワイリーポスト・ウィルロジャース記念空港は、ほぼ真っ暗です。気になる天候は、しめしめ…ばんばん雪が降っております。雲量は1800ftがscatterd、6000ftだとbroken。地平線付近は空が見え、右の地平に満月が掛かり、左の地平はほのかな黎明に染まって、風は低空から成層圏まで325度20Kt、地表は15Kt。多少風が強いですが、今回は悪天候がテーマってことで、よし決行!
 以下がフライトプランです。■は離陸前及び飛行中に計算した、風力修正済みの磁気針路です。

★バロー岬VOR116.2BRW ワイリーポスト・ウィルロジャース記念空港PABR
   71°16'23N-156°47'18W
   The magnetic dip angle is 80.78 degrees down
   The magnetic variation is 17.49 degrees E
   ▼239.77度116.84nm 平均偏差16.1E ■230.2度MAG
△Icy Cape Afs空港(2AK8) 70°17'34N-161°54'05W
   The magnetic dip angle is 79.65 degrees down
   The magnetic variation is 14.72 degrees E
   ▼200.81度258.96nm 平均偏差13.3E ■191.2度MAG
☆シシュマレフ空港NDB365SHH 66°15'30N-166°03'18W
   The magnetic dip angle is 76.23 degrees down
   The magnetic variation is 12 degrees E
   ▼227.02度62.33nm 平均偏差11.5E 風力修正232.5度→■221度MAG
☆TINCITY-NDB347TNC(65度33N-167度55W)
   The magnetic dip angle is 75.52 degrees down
   The magnetic variation is 10.93 degrees E
   ▼133.45度92.95nm 平均偏差11.5E 風力修正131.8度→■120.3度MAG GS226kt
◎ノーム空港PAOM VOR115.0 OME 64°29'05N-165°15'12W
 RWY28 ILS108.7 278Mag
   The magnetic dip angle is 74.88 degrees down
   The magnetic variation is 12.19 degrees E

 暗い滑走路で、燃料を満タン2583Lbsにセット。この機体は軽輸送機なので、デフォルトで貨物を1800ポンド余り積んでいるのですが、上昇力を稼ぐため、スライダーをゼロにします。QNHは30.14inHgで、さっそく高度計をセット。最初の航程は、平均磁気偏差が偏東16.1度ですので、HI offset をマイナス16.1に合わせました。ツインオッターの巡航速度は約165KIASと記憶していますが、真対気速度だと、常用高度の20000ft前後ではどのくらい出るのか、なかなかピンと来ません。むかし速度換算表を作った気もするのですが、見つからないので…控えめに180KTASと仮定し、風向風速から修正針路を算出して磁方位に変換。答は230.2度と出ました。次の変針点までのETE(予想飛行時間)は、ざっと39分というところです。
 この時点でやっと気付いたのですが、パネルにはVOR指示器が1台しかなく、DMEも付いていません。RMIもなくADFのみで、結構不便な飛行機ですが、まあ何とかなるでしょう。UTC2052時(現地1152時)に離陸。暗い滑走路を突っ走って、ふわりと吹雪の空に浮かびました。

●●薄明からオレンジの空へ:
 空港を見下ろしながら、左旋回で高度を上げていきます。昇降計のフルスケール2000ft/min を簡単に振り切って、減速の気配も見せずぐんぐん上昇。これが本機のいいとこですね。8000ftで雪が止み、10000ftを超えたころ、水平線下にいた太陽が姿を現して、空はオレンジ色に染まりました。鳥と機上の人だけに見える、高度がもたらした「朝」…地表は暗いけど、機体は陽光を浴びて、とても快適です。
 離陸9分後、高度20000ftでレベルオフして、空港真上を通過しながら所定の針路にセット。真対気速度は予想を超えて207KTASも出たため、航法計算をやり直す必要がありました。ありがたいことです。

 ようやく落ち着いて、きちんと巡航態勢を整える気分になり、プロペラピッチをいじってみましたが、どうやら逆効果。レバーをどこに合わせても減速するため、離昇位置のまま(言わばローギア)としました。雲が結構じゃまで、地表の目標は見えたり隠れたりですが、最近は慣れてきて、チャート代わりのAtlas画面を地形と照合すると、かなりうまく機位を決定することが出来ます。
 2123時、さっそく眼下に二つの空港が見え、フィックス(確定位置)が手に入りました。同時に、風が変わっていないことも分かったので、次の航程の針路計算を進めます。やがて最初の中継地 Icy Cape Afs空港が近づき、そろそろ海岸線に沿って、細長いラグーン(砂州に囲まれた浅瀬、湖沼地帯)が見えるはずなんですが、窓外には岬とオレンジ色の雲ばかり。
 おかしい、おかしいと思っているうちに…ああ、分かった! FlightGearでは、ラグーンは(海水なのに)湖や川と同じ内水面(淡水の領域)扱いなので、冬景色を選択すると凍ってしまい、地表と区別がつきにくいのです。そう思って眺めると…眼下の風景はチャートとうまく一致し、航法はほとんどぴたり、合っていました。Icy Cape とは、氷だらけの岬ってことですかね。FlightGearの世界には、氷山がちょっぴり出るだけですが、実世界では真夏を除いて、このあたりの海は氷に閉ざされているはずです。

 目標の空港を過ぎ、次の中継点シシュマレフへ変針。忘れがちなコンパスの偏差も、再調整しておきます。引き続き、あちこちの空港NDBを受信。カナダからアラスカ州に入ってからは空港が多くて、迷う暇がありません。これだけNDBが受かるなら、チャート上に複数の受信方位線を記入して交点を求める、いわゆるクロスベアリングで、簡単に正確な機位が求められそうです。
 あいにくAtlas画面上には、何も記入できないので、まず画面上に自機の予定直線コースを思い浮かべ、特定のNDBのアビーム(真横)を通過した時点で、NDB局から自機コースに伸びた直角の線を想定し、交点にあたる場所にAtlasのポインタを置いて、緯度経度を読む方法を実験してみました。過去何度か、似たような方法を試しているのですが、あまりちゃんと精度を検証したことはありません。
 今回はNDBがアビームに来た瞬間、HUDの緯度経度表示をキャプチャーしておき、自分で求めた位置と比較しました。すると、緯度は約5分角(約5nm)の誤差で済んだものの、経度は残念ながら37分もずれました。距離にすると20nmかそこらでしょうか、これではとても実用になりません。残念だなぁ…恐らく高緯度のため、経度方向は地図が派手に歪んでいるのでしょうね。

●●雲と雪の向こうは、アジア:
 その後もNDBをあれこれ受信して2219時、海岸にある小飛行場の一つ、キヴァリナ空港の真上を通過。やはり完全に予定コース上です。ここまでは前回に引き続き、ほぼリンドバーグ夫妻のロッキード・シリウス水上機と同じコースを進んできたわけですが、以後は寄り道を計画しました。
 間もなく到着するシシュマレフから先は、予定のノーム直航はやめて、西方のプリンス・オブ・ウェールズ岬(北アメリカ最西端)に向かい、ベーリング海峡の最狭部を眺めたいのです。うまく行けば85キロ先のアジア大陸、チュコト半島のデジニョフ岬が見えるかも。ダメでも中間のダイオミード諸島は見えるかな。プリンス・オブ・ウェールズ岬には、ティン・シティー空港とホエールズ空港があり、前者にはNDBがあって迷いっこありません。新針路を計算し、ADFをティン・シティーに合わせます。
 余談ながら、カナダやアメリカ領の北極圏には、いかにも開拓地らしい、素朴な地名が目につきます。ティン・シティー(スズの街)や、コパーマイン(銅山)など採掘系、イエロー・ナイフは道具系。レッド・ドッグにデッド・ホースといった家畜系があり、ポーラーベアにベルーガ(チョウザメ)となると、言わば獲物系でしょうか。もっと南下すると、なぜかウラニウム・シティなんて、物騒なのもあります…。

 2241時、中継点のシシュマレフ空港が視界に入り、間もなくティン・シティー空港に向けて変針。2256時、薄雲をついて空港が見えました。水平線への視界を稼ぐため、降下を始めましたが、雲はだんだん厚くなる様子です。また7000ft以下では降雪が続いており、視界はさらに悪化。3000ftでやっと雲を抜けましたが、雪のお陰でろくに景色は見えません。眼を皿のようにして機外を見つめ、チャートと照らし合わせ、ようやく2313時ごろ岬に到着。残念ながら、あいにくの雪と雲で、とてもロシアの岬を見るどころではありません。

 雪が、無数の白い弾丸になって空中を埋め、広く機体を包み、ときどき平衡感覚がおかしくなります。ブリザードの中を運転すると、風向きが変わった瞬間、地を這う雪がザッと一斉に向きを変えて、車が横滑りや急加速・減速をした錯覚に襲われますが、あれとちょっと似ています。ツインオッターはYasimですので、ピッチ方向に一定以上の操舵力を掛けると、いきなりガクッと機首が踊って、レッドアウトを起こしたりしますが、雪で平衡感覚が怪しくなった時に、これが起きると一瞬、姿勢が分からなくなります。墜落しそうな不安も感じ、しばらく水平儀と気速計、高度計をしっかり確認して操縦しました。
 アジアの切れっ端が見えなかったのは残念至極ですが、たまにはこういうスリリングな目にも遭ってみたくて、わざわざ雪の日を選んだのですから、よしとしましょう。

●●青い空、緑の海:
 機首を巡らしてノームに進路を取り、上昇に移ります。
吹雪を通して、陽光を浴びたベーリング海が、ちらりと目に入り、鮮やかなグリーンが印象的です。どんどん上昇していくと、今度は空がいつの間にか、これまた鮮やかなブルーに染まっています。上の方は藍色に近くて実に美しい。近くの山地の標高が気になりますので、そのまま10000ftまで昇り、チャートをにらみながら東へ。やがて大きく湾曲した砂嘴が現れ、先端にはポート・クラレンスという小空港があって、なかなか風流な景色でしたが、視界が悪く風も強い中、ノームへの最終進入方法を考えていると、あまり見とれる気分ではありません。

 現在、ノームのVORを受信中。VOR局は私から見て空港の向こう側、東の進入路に設けられたアウターマーカーの近くにありますが、ローカライザのコースからは、少々ずれています。4nmほど内側にNDBもあるけれど、これもコースからずれていて、コンパスロケーターとしては使いにくそうです。
 行く手にILSがあるので、悪天候でも着陸は楽勝だと思いましたが、思えば私はここ数カ月、ILSを使っていません。アメリカでは確か、何カ月か計器進入をしないと、セーフティ・パイロット同乗で再訓練を義務付けられるそうです。FlightGearも、ブランクがあると技量が落ちる点は全く同じですから、パスに乗るまでは案外苦心するかも。最悪の場合、着水して市街地まで滑走するかな。しかし断雲が海面に足を引きずっており、海上の視界も悪そうです。やっぱり正攻法で…最初から滑走路を狙うべきでしょう。

 2334時、オートパイロットを全部切って降下開始。雲だけでも困るのですが、7000ftを割ると再び雪が舞い、それもひどい降り。ですが4000ftまで降りると、視界は少しましになりました。落ち着け落ち着け。こういう時は、出来るだけシステマチックに飛ぶのだぞ…と身構えて、計器でグライドパスの高さを確認しながら空港をフライパス。NDBのハイステーションを基点に、オーソドックスなベースターンを描いて最終進入するコースを、頭の中に描きます。海岸から少し沖を(DMEがないので)ざっと10nm近く、東に進んでから左旋回。大きく涙滴形に反転し、雪の彼方の滑走路に正対しました。コースも高度もいい感じ。
 クロスポインタ指示器は滑らかにセンターに寄り、ILSは正常に受かっている模様です。グライドパスにぴったり着けると、ひとしきり雪がひどくなりましたが、滑走路は何とか視認できます。やがて高度300ftでスッと視界が開け、空の青さと海の緑が、再び目に飛び込んで…そのまま無事にタッチダウン。2357時、誘導路に機体を駐めてエンジンを、ついで電源を切りました。燃料残は1309Lbs、約半分使った計算です。

 ノームでは、都市テクスチャーのアーバンエフェクトにも再会して、懐かしかったです。最後にビル群を見たのはアイスランドのレイキャビクで、考えてみると1カ月前。その後はもっぱら、雪と氷と荒れ地、灰色の海を眺めていました。ノームは北緯64度30分、ついに北極圏脱出です。もう、陽の出ない日はありません。
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