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アルプスを越えて

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なし アルプスを越えて

msg# 1.2.1.1
depth:
3
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2011-10-3 12:59 | 最終変更
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 619
hideです。
 今回は、toshiさんにご紹介いただいた、新しいピラタスPC-9Mベースの改造機に、幾つか計器類の改良を加えてから、旅の空に戻ります。
 ジュネーブを出発して、スイス・アルプスのメインストリートを駆け足で楽しみ、プラハを経由してベルリンに進出するコースです。途中、v2.4.0の新しいGPSの機能に付きましても、やや詳しく触れます。

●人工水平儀と昇降計を改良:
 では、計器改造のお話から始めましょう。
 ここ数週間、スイス領内でPC-9M改のテストを重ねましたが、前回ちょっと触れましたように、この機体はなぜか20000ftを越えますと、AI(Attitude Indicator=姿勢計/人工水平儀)のロール表示が不正確になり、35000ftではピッチ/ロールともロックしてしまいます。PC-9M/Models/Instruments/AI/AI.xmlファイルを開いても、特に高度関係の記述はなく、原因不明です。これをまず、何とかしたいと思いました。
 「プログラム上は傾くはずがないのに、計器が傾斜する」という経験は、実は以前にもあります。天測用のフライト・コードラントを開発中、本来はジンバルに乗った状態で水平を保つはずの方位リングが、数度傾斜したままになって、困ったことがあります。このリングには当時、6分角単位で3600本の目盛りを立体オブジェクトとして組み込んでいましたが、あれこれ調べたところ、モデリングソフトの操作を誤って、多数のパーツを同一のグループ名で、何重にも階層状にグループ化していたことが分かりました。そのため、無用の再計算が何度も行われ、演算の端数が積み重なって、一定の誤差を生んだものと想像しています。グループをすべて解いて、1回の操作で全部品を一つのグループにしたところ、あっさり解決しました。

 …この記憶があるので、立体オブジェクトに何か問題があるのかと疑って、人工水平儀の球体を、ちゃんと作動していた旧型PC-9Mのものと交換してみました。しかし残念ながら、この方法では効果がなく。結局のところ、現行OV-10ブロンコの人工水平儀を移植して使うことにしました。
 これは完璧に動作しますが、一点だけ問題がありました。PC-9Mでは、ILSのグライドパス指針が水平儀に付いており、ブロンコ用に取り替えると、針が無くなってしまうのです。しかし、進入時に後席の計器盤を使えばクリアできます。後席は視界がやや悪く、滑走路が隠れますけれども、Foggle(IFR訓練用の一部目隠しゴーグル)を掛けたみたいに、計器進入の練習に集中できる面もあり、これはこれで新鮮な気分です。接地時は手探り同然で少々不安ですが、再び前席へビューを切り替えれば済むお話です。
 この応用として、後席のビューは計器盤をアップ気味にしておき、ワイドレンズ気味の前席と切り替えて使う、という手も時々試しています。ズーム調節の手間が省けて便利です。将来は「前席は主にVFR、後席はIFRと航法中心」といった風に、用途も装備も使い分けることになるかも知れません。

 次は昇降計の改良です。
私のピラタスPC-9M改は、その後もパワーや操縦性の調整を重ね、現在のエンジン出力は、デフォルトの3割増しで落ち着いています。上昇力はかなり強く、低空でしたら6000ft/min以上を維持できます。昇降計のフルスケール(4000ft/min=実機の上昇力と同じ)を振り切ってしまいますので、感度1/2の指針を新設し、盤面の目盛りに2倍の補助数字を書き加えて、毎分8000ftまで読めるようにしました。
 改造内容は、計器の3Dオブジェクトに、太さゼロの直線を1本描き加えて「VSI.needle2」とオブジェクト名を付けることと、PC-9M/Models/Instruments/VSI/SI.xmlを開き、本来のVSI.needleを動かすための記述をそっくりコピペして、作動角度の数値を半分に書き換えるだけです。「太さゼロの針にする」というのは、少し前に発見したコツで、ズームで拡大してもワイドに引いても、画面上は常に太さ1ピクセルに表示され、高い精度で読み取り可能です。赤い発光色にしておくと、細くても非常に鮮やかに見えます。

●新しいGPSとRoute Managerについて:
 前回も少しお話ししましたが、v2.4.0のGPS機能は、v2.0.0から仕様の多くを受け継いでいます。そのためか本家Wikiには、前バージョンの説明文しか見あたりません。が、実際は以下のように使い勝手が変化しています。まず、大幅に改良された点を挙げます。

(1)Route Managerのバグフィックスが進み、異常終了しなくなった。
(2)コース入力手順が少し変わり、機能が増えた。Route Managerの基本操作は次の通り。
    (■注■:以下◎印は、新しい機能を含む操作手順)
   ・起動時に選択した空港が、「Departure」欄に表示されていることを確認。「Arrival」
    欄に目的地の空港を入力して、リターンキーを押す。
   ・「Waypoint」欄に次々と中継地(以下Waypoint)を入力し、そのつど「Add」ボタンを
    押す。この作業を繰り返して、Waypointのリストを作る。FlightGearではこのリストを
    「flight-plan」と呼んでいる。(実際はnavigation log=航法計画書かも)。
   ◎Waypointは、自動的に選択することもできる。目的地をクリックして「Route」ボタン
    を押すと、リスト上に数カ所から数十カ所のVORや空港、フィックスなどが、中継地と
    して表示される。また飛行コースが、ピンクの折れ線となってMap画面に現れる。
   ・flight-planが出来上がったら、「Activate」(アクティブ化)ボタンを押す。すると
    GPSは、デフォルトの「OBS」モードから、長距離飛行に適した「LEG」モード(リスト
    に並んだ中継点を、順次示す状態)に切り替わる。
    (参考:GPSには、計3種類の作動モードがある。詳しくは英文Wikiを参照。2010年3月
    26日付の本連載「その2」に拙訳あり)
   ◎任意のWaypointを、クリックで選択し「jump to」ボタンを押すと、そこが次の中継地
    になる。途中のWaypointは無視される。プルダウンメニューの「Previous Waypoint」
    と「Next Waypoint」を使っても同じ。
    また従来のGPSは、飛ぶにつれて中継地がリスト上から消えたが、v2.4.0では飛行後も
    リスト全体がそのまま残る。
   ◎flight-planは「Save...」ボタンで保存できる。ファイル名は、ローマ字なら何でも
    OKらしい。拡張子はxmlでもnavでもいいし、付けなくても読み取り可。
   ◎保存したflight-planは、エディタで自由に再編集できる。Route Manager上で再編集
    する場合は、リスト上で修正の必要なWaypointを選択し、「Remove」で1地点を丸ごと
    消して、再入力する必要がある。
(3)オートパイロットの使い方が変わった。
    コース(或いは目的地)を入力してアクティブ化すると、オートパイロット・ウィンド
    ウの針路保持(Heading Control)機能に、新たに「GPS/FMS Heading」という選択肢が
    独立して現れるようになった。このため、GPSの動作中(目的地への針路を表示中)でも
    任意の針路保持モードが使用可能になり、航法の自由度が大幅に増えた。
    例えば「GPSで飛行中、眼下の街を見物したくなった。ウィングレベラーやOBSを使って
    自由に飛び回り、終わったら所期のコースに戻る」といった飛行が可能になった。

以下は反対に、不便になった部分です。
(4)デフォルトでは、Route Managerの「Departure」に起動空港が選択されているが、
   HUD上に空港コードが表示されなくなった。また飛行中も、目的地や中継地の名称が
   画面に出ない。HUDには常に「OBS:U**」と表示されるが、意味不明。
(5)テスト版「v20110530」から、HUD画面に矢印マークが現れて、アクティブWaypointの
   方角を指していた。便利だったが、v2.4.0では常に起動空港の方角だけを指し、あまり
   役に立たなくなった。
(6)これによく似た機能として、従来はGPS Settings画面の下部にある、「NAV1 Slave」に
   チェックマークを入れると、HSIのCDI指針が、常にGPSコースの方位とクロス・トラック
   エラー(横方向への逸脱度)を表示し、便利だった。しかしv2.4.0では、NAV1 Slaveが
   OBSモードのみで有効になるらしい。使用頻度の高い「LEG」モードでは使えなくなった。

●HSIに、GPS指針を追加する:
 以上に見るように、GPSの機能は強化されましたが、不便になった点もあります。特に飛行中、目的地や中継地の方位がデジタル数字のみで示され、計器の針で表示されなくなったのは、GPSをメインに航行する場合かなり不便です。そこでHSIを改造し、Waypointの方角を常時指す針を追加しました。
 この機能は、何年も前から欲しかったのですが、作り方が分かりませんでした。今回は、昇降計の追加針と同様に、幅ゼロピクセルの赤い「GPSneedle」を作り、次にPC-9M/Models/Instruments/HSI/A-10-HSI.xmlに、次のような一文を追加しました。(CDI指針を動かす記述を基にしています)
<!-- GPSneedle -->
<animation>
<type>rotate</type>
<object-name>GPSneedle</object-name>
<property>orientation/heading-magnetic-deg</property> ■1
<axis>
<x>1.0</x>
<y>0</y>
<z>0.0</z>
</axis>
</animation>

<animation>
<type>rotate</type>
<object-name>GPSneedle</object-name>
<property>instrumentation/gps/wp/wp[1]/bearing-mag-deg</property>■2
<axis>
<x>-1.0</x>
<y>0</y>
<z>0.0</z>
</axis>
</animation>

 まず■1の記述で、針を機首方位(磁気方位)に向け、続いて■2の記述で、Waypointへの方位角だけ逆向きに回転させています。この「逆向き」というのがミソで、「機首方位-Waypoint方位」という引き算を、回転式の計算尺のように、アナログな動作で実行しているわけですね。このテクニックは、遅まきながら今回初めて理解して、おおいに感心しました。
 この針は最初RMIに取り付けたのですが、HSIのほうが方位目盛りが細かく、またコクピットビューの真正面にあるため、ずっと読み取り精度が高いことが分かり、作り直しました。その後、Waypointへの距離表示も欲しくなり、HSIの左上に組み込まれたDMEのドラム式数字表示器を利用して、アクティブWaypointへの距離を示すようにしました。パネルには独立したDME表示器がありますので、VOR使用時も問題はありません。

 これで、欲しかった道具がすべて手に入りました。ないのはレーダー・スコープくらいですが、Map(事実上のFMS)画面が兼用しており、ターゲットへの方位と距離を測る機能までありますので、特にスコープを新設する必要はありません。では旅を再開することにします。

●アルプスを駆ける:
 以下に今回の、コース全体をご紹介します。
◎ジュネーブ コアントラン空港LSGG
  ▼86°71nm
  (実際は直航せず、レマン湖沿いにローヌ渓谷へ)
◎ラーロン空港LSTA(アルプス銀座・ローヌ渓谷の小空港。東6nmにブリーグ 46.19N-8.0E)
  ▼197°21nm
◎ツェルマット45.58N-7.40E(すぐ南南西にマッターホルン)
  ▼17°21nm
◎ラーロン空港LSTA
  ▼83°8nm
◎ブリーグ 46.19N-8.0E(ここから、北のアレッチ氷河へ)
  ▼0°14nm
◎メンヒ山頂 46.33.30N-7.59.51E(北北東にアイガー、南西にユングフラウ)
  ▼322°10nm
◎インターラーケン 46.41N-7.51E
  ▼52°29nm
◎ブオクス・シュタンス空港LSZC(ピラタス本社)
  ▼57°57nm
◎ザンクトガレン・アルテンハイム空港LSZR(ピラタス支社)
  ▼59°104nm
◎ミュンヘン フランツ・ヨゼフ・シュトラウス空港EDDM
  ▼42°143nm
◎プラハ ルジニェ空港LKPR
  ▼348°146nm
◎ベルリン テンペルホーフ空港EDDI

 アルプスは、ご存じのように、フランス東部からオーストリアへ、約1200キロ延びる大山脈群です。このうちスイス・アルプスは、おおむねスイスの国土の南半分を占めています。中心軸に当たるのが、ほぼ東西に走るローヌ川の巨大渓谷です。
 今回のフライトでは、スイス西端のジュネーブからローヌ渓谷に入り、渓谷の中央付近にある街・ブリークまで進みます。ここを起点に、渓谷の南方と北方の山脈群にそれぞれ分け入り、幾つかの名峰を間近に眺めることにしましょう。

 ジュネーブのコワントロン空港で、0700時(現地9時)に起動。雲量は6900ftにscatterd、25度の風1Ktという素晴らしい天気です。燃料の搭載量は、満タンの約3分の1に当たる509.1Lbs(77.1gal)×2としまして、上記のコースを入力し、エンジンを始動。西へ向かって離陸し、上昇しながら東へ反転します。
 ジュネーブから、「アルプス銀座」(?)のローヌ渓谷へ向かうには、大ざっぱに二つのルートがあります。一つは、市街地からよく見える最高峰・モンブランを目指すコース。もう一つは、ローヌ川の氷河が彫ったレマン湖に沿って東進するコースで、今回はこっちを選びます。
 余談になりますが…ヨーロッパ観光の主役が中国人でも日本人でもなく、まだアメリカ人であった1960年代、ジュネーブに降り立った彼らは、誰もがせっかちに「モンブランは、どれだ?」と訊ねたそうです。しかしモンブランは直線でも100キロ先で、見えるのは快晴の日だけ。そこでジュネーブの人たちは、しばしば手前の低い山を「あれがモンブラン…」と指さしたそうです。この山を大昔、アメリカモンブランと呼ぶのだと教わったのですが、実際はどの山だったのか、数十年ぶりに調べてみると、約半分の距離にあるフランス領オート・サヴォア県の「ル・モール」山(1863m)だと判明しました。前回、マイアルバムの画像でご紹介しましたが、説明が抜けていたので、唐突ながら触れておく次第です…(^^;)。

●霊峰マッターホルン:
 レマン湖は、ヨーロッパで3番目の規模を持つ淡水湖。その東端から南へ向け、たおやかなU字断面を持つローヌ渓谷に入った途端、幸運にも大快晴になりました。GPSをサブに使っていますが、山を見分けるには地文航法を行う必要があるので、無数に並ぶ峰々のトップ近くまで上昇し、Atlas画面(機体連動なし)を地図代わりに開いて、うきうき気分で現在地を確認します。
 とにかく周囲は、絶景です。以前は視界を100nmにしていたため、アルプス山中は重すぎて、FlightGearがシーナリーを読むたびに2、3分停止しましたが、50nmに落とした現在は快調です。それにしてもv2.4.0は、非常に安定が良くなりました。以前なら、とっくに異常終了していたでしょう。大感謝しております。
 やがてイタリアに通じる、シンプロン峠越え道路の起点・ブリーグの街を発見。かつて世界一周フライトの途中に、2007年11月8日付の本連載で、ペルー人飛行家ジョルジュ・シャヴェーズが1910年にブレリオ機で行った、初のアルプス横断を再現しましたが、あの出発点の街です。今回は2nm西で別の谷筋に入り、20nmほど南下してツェルマット上空へ。ご存じ名峰マッターホルンの登山基地です。

 前回飛んだ時もそうでしたが、あの山は意外に、FlightGearのシーナリー上では見つけにくいです。絵はがきで有名な、尖ったピラミッド状の姿は、かなり限られた角度からの風景なのですね。あのアングルですと、右手前に見える鋭い尾根は垂直に近く見え、高度な人工登はん具を使わない限り、絶対に登れないだろうと感じられます。が、真横に当たる西側の氷河から眺めると、実はこの尾根はゆったりと、相当なだらかに伸びています。アルプス登山の先駆者の一人、エドワード・ウィンパーは若き日にこの発見をして、1856年に度重なる挑戦のすえ初登頂に成功。しかし下山時に、7人中4人が滑落死する悲劇に見舞われました。
 フライトシミュレーター上で山探しをする場合、あらかじめ接近ルートを決めておき、目的の山がどう見えるのか、確かめておくのがベターです。この日もそうしたのですが、かなりウロウロしたあげく、やっと緯度経度を基に、マッターホルンの山頂を確認しました。

●大氷河を遡航して:
 山頂上空で記念写真を撮影後、機首を巡らして再びローヌ渓谷へ。今度は谷の北方に広がる、ベルナー・オーバーラント(首都ベルンに近い、スイス中央高地)へ向かいます。ブリーグから、北側の山腹を東へ巻いてゆく谷筋に入ると、間もなく谷底は氷のテクスチャーに覆われます。ヨーロッパでは最大規模という、アレッチ氷河の最下部に取り付きました。
 白っぽいテクスチャーは、フラットな谷底のみに貼り付けてあって、なかなかうまく氷河の実感が出ています。かなりわくわくしながら、緩やかな左旋回で遡上を続けますと、やがて機体は「ベルナー・アルプスの屋上」…と呼びたいような、多くの山頂に囲まれた、広くて平らな鞍部に出ました。北端に並ぶアイガー、メンヒ、ユングフラウの3名山が、アレッチ氷河の源流です。ここまで快晴ですと、実世界なら、少なからぬ登山客の姿が見えたかも。アイガーとメンヒ山頂の間の稜線をすれすれに飛び抜けると、いきなり下界が開けて湖が見え、北方はるかに平野が広がりました。二つの湖…トゥーン湖とブリエンツ湖の間に見える、山岳観光の中心地・インターラーケンの上空を通過。さらに東へ二つの湖をたどり、ピラタスの本社があるブオスク・シュタンス空港を目指します。
 マッターホルンで迷いすぎたのか、ここで燃料警告灯が点いたので、ブオスク空港に臨時着陸。このあとデューベンドルフ空港LSMDに立ち寄って、タッチアンドゴーをしました。ここは来年に世界一周飛行を計画している、ローザンヌ大学で開発中の太陽電池飛行機「ソーラー・インパクト」が、最初のテスト飛行を行ったところです。
 離陸から約2時間後、ミュンヘンに到着。さんざん山国を飛んだ後ですので、ドイツ国内が平らなのに驚きました。ミュンヘンもなかなか立派に作り込まれた空港です。日を改めて、プラハ経由でベルリンへ。

●テンペルホーフ空港、いまだ開業中:
 ミュンヘンで0830時(現地10時半)に起動。205度3.6Ktの微風、快晴の中を0838時に離陸しました。
30秒足らずでGPSの空港座標に達し、HSIに新しく設けた赤いGPSターゲット指針が、くるりと回転してプラハを指しました。間もなく高度10000ftでGPS方位、250KIAS(287KTAS)にセット。快適なフライトが始まりました。世界は相変わらず平らで、耕地と原野が半々というところ。強いて言えば、チェコ領が近づいてからは、空港の数が非常に減りました。西ヨーロッパにはウジャウジャあったABNが、視界50nm以内にはほとんど見あたらないのです。やがて地平線に、巨大な湖のようなものが見えたので、思い切り望遠ビューで眺めると大都会。プラハでした。
 0910時、空港真上でGPSの目標が、ベルリンに切り替わります。オートパイロットを外して、市街地へ旋回。川が屈曲してきらりと光り、中州が二つ…ヴルタヴァ川。ドイツ語ではモルダウですね。私は昔から、スメタナの交響詩「我が祖国」(モルダウは、有名な第二楽章)が大好きですので、けっこう感激しました。

 眼下は都市テクスチャーが広がりますが、現物は赤茶色の屋根瓦に覆われた、旧市街地が美しいはずで、塔がたくさんあるのだとか。その塔の一つから1577年、ある男が巨大彗星(のちのハレー彗星)を観測し、彗星という現象が「月よりも遠くで起きている」ことを確認。天動説を覆す材料の一つとなりました。この男…ティコ・ブラーエの最後の望みは、「歴史に名前を残したい」だったそうですが、彼の名前は現在、月面最大のクレーターに残されています。
 市街地を旋回し、何度もモルダウ川を撮影。北に機首を向け、ベルリンのGPS方位に合わせます。30000ftを目指して緩上昇。0930時ごろ、左前方の平野に、かなり大きな都市が見えました。Mapによるとドレスデン。大戦中の空襲被害の大きさは歴史的で、死者は2万5000人とも10万人とも言われますが、FlightGearのドレスデンには、なぜか10カ所以上も教会があり、煙突もやたらに立っていたのが印象的でした。

 前方にベルリンの都市圏が広がり、間もなく3空港が視界に入りました。私の好きなテンペルホーフは、3年前に廃港になったのですが、FlightGearの世界では、ABNを2基も回して、いまだに堂々と営業中であります。ここも世界一周の時に訪問して以来ですが、しばらく見ない間に、ますます細部まで作り込まれ、機体や車両もたっぷり並んで、すごい空港になっています…うれしいなぁ。名物の大屋根の下へタキシングし、スイス・インターナショナル・エアラインズやKLM機のそばで、そっとエンジンを停止しました。久しぶりに距離を稼ぎましたが、やはり旅は、楽しいものですね。
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