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グリーンランド縦断

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なし グリーンランド縦断

msg# 1.4.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1
depth:
21
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2013-10-11 10:33 | 最終変更
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 632
hideです。
 今回はアイスランドのレイキャビクを出発し、「世界最大の島」グリーンランドを縦断して、北西端に近いチューレ米空軍基地へ進出します。FlightGear Ver.2.12から、グリーンランドのシーナリーは独自の配色になり、なかなか寒そうな雰囲気が出ていました。

 このフライトは当初、珍しくもGPSを使いまして、チューレからそのまま一気にバフィン湾も飛び越え、カナダ北方に広がる、北極諸島の真ん中付近にあるレゾリュートベイまで、約8時間の無着陸飛行を行いました。秋の北極地方は日照がどんどん短くなるので、先を急いだのです。
 しかし前回の書き込みで、六分儀代わりの自作フライト・コードラントに必要な、マウスの分解能を向上させる改造について相談させて頂いたところ、「FlightGear用の気泡六分儀」の掲示板でご覧のように、さっそくtoshiさんからていねいな技術援助を頂きました。お陰様でVer.2.12でも引き続き、天文航法が可能になりましたので、これを使わない手はありません! またこの飛行と相前後して、植村直己さんの北極圏犬ぞり旅行の本を何冊か読み返していたら、何の苦労もせずに飛べるGPSに甘えては申し訳ない…という殊勝な気分がムクムク湧いて、抑えることが出来なくなってきました。

 そこでもう一回休みをつぶして、無線標識の少ない大雪原や氷の海を推測航法で越え、天文航法でバックアップし、使える場所だけVORやNDBを利用してゴールするという、私の好きな伝統的スタイルのナビゲーションで、もう一度(カナダ進出は次に回して、チューレまでですが)飛び直すことにしました。今回は、その二度目のフライトのご紹介です。

●●操縦が簡単な、近似的大圏コースを作る:
 GPSを使わずに、高緯度地方の長距離フライトをするには、少々準備が必要です。緯度が上がるほど、経線は極に向かって集中度を増すため、特に東西方向のフライトは、航法の基本であるラームライン(等角航路。メルカトル地図上は直線)でコースを引くと、南へ丸く張り出した緯度の線に沿って飛ぶことになり、コースが歪んで遠回りになります。かといって歪みのない大圏コースを選ぶと、コンパス上で針路を刻々と変えなくてはならず、オートパイロットの針路保持機能では飛べません。こういう場合、大圏コースを幾つかに割って、折れ線状のラームラインに置き換え、近似的に歪みを解消するのが古くからのやり方です。

 今回は、出発点アイスランドのレイキャビクから、まずグリーンランド南東岸のクルスク(小空港とNDBあり)まで進出し、ここを起点として縦断コースをたどり、一気に北西部のチューレに向かいます。以前お話ししたコース計算サイト「SkyVector」を使って、まず画面上にクルスク=チューレ間の大圏コースを描きました。次に、この線上に数カ所の中継点(変針点)を設けますが、今回は南北寄りの方向に飛ぶため、高緯度の影響によるコース歪み(遠回り)が少ないことから、中継点は2カ所のみとして、画面から緯度経度を読み取りました。あとは普段の長距離フライト通り、各地点の緯度経度を航法フリーウェア「virtual E6-B」に打ち込めば、地点間の距離と針路が出ます。これで大圏コースは、クルスク→中継点A→中継点B→チューレという、針路一定のラームラインを使った近似的な分割コースに置き換えられたわけです。

(注:NDBとVORの後の数字と記号は、周波数とコールサイン)
◎レイキャビク空港BIRK 64°07'48N-21°56'30W(64.1300-21.9415) VOR112.0KEF
   ▼282.5deg 398.63nm(397.66deg 289.36nm)
☆クルスクNDB377DA 65°34'14N-37°12'25W
   ▼326.97度 377.85nm
△中継点A(グリーンランド山中)70°51'N-46°30'W
   ▼318.75度265.14nm
△中継点B(グリーンランド西岸)74°10.37N-56°13.48W
   ▼308.02deg 230.81nm
★チューレ空軍基地(BGTL)VOR 76°32'32N-68°14'23W 空港は5nm西
 VOR111.0THT ILS109.5-08T(132Mag)←Tは真方位、Magは磁気方位。

 以上の全航程は1272.43nm。うちグリーンランド縦断のクルスク=チューレ間は、3区間の合計が873.80nmです。両地点間の飛行距離を、使用する航法別に比較すると、次のようになります。
正規の大圏コース:872.77nm
近似的分割コース:873.80nm
ラームライン直航:882.31nm

 わずか2カ所を変針点とした近似コースでも、滑らかに変針を続けながら飛ぶ正規の大圏コースと比較して、たった1.2nm(0.14%)のロスで済み、この方法の正しさが改めて裏付けられました。

●●真方位か磁方位か:
 実際にフライトをするには当然ながら、次のような作業が必要です。
・まず偏流修正。真方位の針路に、virtual E6-B などで風向風速のベクトルを加え、修正針路と
 対地速度を算出。ついでに、次の中継点までの予定時間を出しておく。
・次に、各飛行区間の中点の地磁気偏差を調べ、真方位の針路に足し引きして、磁針路を出す。
・実機ではさらに、自差=機体磁気によるコンパス誤差も要修正(幸い、FlightGearでは不要)。
・離陸前に、ディレクショナル・ジャイロやHSIを、正しい磁方位に調整し、コースバグがあれば
 コンパス針路に合わせておく。
…やっと、1区間の針路が決まりました。短距離のフライトでしたら、これで出発ですね。しかし長距離の場合は、変針点を通過したり、「おおっ、雲の高度と形が変わった。ということは、風向風速が変化したな!」と気付くたびに、上記の偏流修正から順にやり直すことになります。結果、航法計算に費やす時間と労力が非常に大きくなるため、これまで私は多くの場合、不本意ながら真方位を使って飛んでいました。

 ご存じのようにFlightGearでは、HUD最上部のコンパスは真方位ですので、これとデフォルトのオートパイロットに設けられた「True Heading」モードがあれば、どこにでも行けます。また2010〜11年の北極越え「オーロラ・フライト」の際は、極地向けに人工的な「南北」を設定するグリッド航法を近似的に再現しましたので、極周辺のややこしい磁方位で悩まずに済みました。とは言え、シミュレーションを面白くするためにGPSの利用を避けるのなら、磁北極が近くて計算が困難であればこそ、やはり本来はきちんとディレクショナル・ジャイロを更正しながら、磁方位で飛ぶべきなんでしょうね。よりリアルにやる方が面白いのですが、それではちっとも飛行距離が伸びない! このあたりは私の航法のジレンマです。

 今回も一応、磁方位でグリーンランドが縦断できそうか検討しました。航法精度上の不安は当面二つです。縦断コースは経差11度、距離にして800nm近くあり、飛行中に偏差が約15度も動きます。たった2カ所の中継点で磁方位を計算したのでは、恐らく精度が粗すぎるでしょう。この問題はまあ、中継点を増やせばいいのですが。第2に、使用する磁気偏差をどうやって正確に求めるか。近年、磁北極の移動速度はどんどん速くなっているのだそうで、手元の古いデータでは大丈夫かな?
 そこで、米国NGA(National Geospatial-Intelligence Agency=国家地球空間情報局)から、新たに地磁気偏差図をダウンロードしてみました。最初の問題については、偏差の勾配がほぼ均等だと分かったので、もう少し中継点を増やせば、粗い案分計算でも大丈夫と思われました。入手した図は2000年版ですが、偏差の経年変化の年率分布も曲線で描いてあるので、今年の偏差が計算できます。これで第2の問題もクリアしたと思いました。ところが…試しにチューレで機体を起動して internal properties の磁気偏差を読み、NGAの偏差図から試算した値と照合したところ、約1度ずれており、あまり精巧なものではないようです。

 もちろんFlightGear内部の偏差処理法を十分勉強すれば、何か手はあるはずですが、今回そこまで時間とエネルギーを費やすかどうか。結局、完全にリアルな磁気方位による高緯度飛行は先の楽しみとして、当面は引き続き真方位ベースで旅をすることにしました。

●●灰色と暗緑色の大地:
 UTC(協定世界時=GMTと同じ)の朝、日本時間で言えば午後に、レイキャビク空港で FlightGearを起動。使用機は引き続き、ピラタスPC-9M改水上機です。
 現在のピラタスPC-9Mには、Hydeさんが開発された高性能のオートパイロットが載っており、英国からのフライトでは、高度や上昇率、磁方位の針路(SkyVectorでコースを描くと、区間ごとに自動計算)を打ち込みながら、ごく快適に飛んできました。一方、デフォルトのオートパイロットも操作が超簡単で、真方位でも針路が入力できるうえ、「Ctrl+W」さえ押せば、ウィングレベラーによる簡略な針路保持も可能、といった長所があります。私はHydeさん版とデフォルト版、それぞれのオートパイロットを組み込んだPC-9M水上機を用意しており、以後しばらくは真方位の方がずっと楽ですので、デフォルト版の出番となりそうです。

 例によって、燃料をフロートタンクまで4500Lbsの満タンに。エンジンを始動し、無線標識の周波数や方位をセットします。これまでの経験によると、わがピラタスPC-9M改水上機は満タン時、陸上では2000mクラスの滑走路が必要ですが、レイキャビク空港の最長滑走路は1500m級。そこで今回も海から出発することにしました。誘導路を移動し、RWY-19の南端西側に見つけておいた、天然の水上機用スリップウェイと言いますか、なだらかな傾斜をゆっくりタキシングして、穏やかな海面へ。
 シミュレーション時刻のUTC-0940時ごろ、約1分間の滑走をして離水。約20nm西にある KEFLAVIK 空港VORのアウトバウンド・ラジアルをインターセプトし、西北西へ向かいながら、ゆっくり高度を稼ぎます。かなり上昇率を抑えても、機体が重くて減速が続くため、途中で2回ほどレベルオフして再加速し、また上昇。1000時ごろ、なんとか18000ftに着けました。55度9Ktの風を受けているので、対地速度は266Ktも出ている計算です。クルスク通過は1100時ごろでしょうか。

 太陽とほぼ直角の方向に、昼間の星が見えます。これはありがたい! 天文航法には複数の星の観測が必要ですが、星を視認する方位の狭角が大きいほど、正確な測位計算が可能です。天測計算ソフト「Navigator」の索星図(星座早見の電子版)を開いてみると、どうやら金星のようでした。
 1024時、金星と太陽の天測を試みました。さきごろ徹底改良したフライト・コードラントは、高精度かつ非常に使いやすくなり、toshiさんのお陰で拡大・微動操作も小気味よく決まって、素早く高度角と時刻が得られ大満足です。ここで飛行時間と方位から、チャート代わりのAtlas画面上で、おおざっぱな推測位置も出し、測位計算の出発点としました。
 算出した位置は北緯64度42分、西経28度26分で、このときのインターセプト(推測位置と、実測で得た「位置の線」の距離。これを基に実測緯度経度を算出する)は金星が約4nm、太陽も約13nmにとどまっており、計算ミスや大きな測定誤差はありません(何か間違っていれば、100nm以上ずれるものです)。かくして最初の天測はスパッと決まり、第1中継点クルスクまで、ちょうど半分ほど来たことが分かりました。

 やがて右前方に、直線的な海岸線を発見。Atlas画面と各種資料によれば、陸岸ではなくて流氷帯の端の部分です。しかしテクスチャーは緑っぽく、なかなか氷には見えません。また岸辺のあたりには、白いアイスキューブのようなものが十数個、点在しているのが見えました。現バージョンから登場した、お待ちかねの氷山です。
 そのうち流氷ならぬ、本当の陸岸や島々が見えてきて、NDBを受信しながらクルスク空港上空を通過。はるかなるチューレに向かって定針しました。リアス式の海岸を越え、緩やかな丘の広がる内陸へ。湖が点在する灰緑色の土地と濃い緑の森林が、独特のまだら模様を描いて入り交じり、印象的な眺めでした。

●●大雪原:
 濃緑色の森林の彼方に、明るい灰色の大雪原が見えてきました。森林との境界は、不思議な細かいボツボツ模様になっており、初めて見る光景です。今度のFlightGearは、METARの気温データと緯度情報をもとに、雪線の標高を自動計算しています。なので、起動するたびにその日の気温を反映して、積雪範囲が微妙に異なるのですが、森林部分のテクスチャーはシェーダー効果によりデコボコに見えますので、ちょうど積雪が始まる標高では、森の緑と雪の白が入り交じって、無数のドットを形成するのだろうと思います。くっきりした境界線ではないため、上空から見ると、なかなか自然な感じがします。

 1135時ごろ、このボツボツに見える森林境界を越えて、広大なグリーンランドの大部分を平たく占める、内陸の大雪原に入りました。何分か飛び続けると森林は見えなくなり、明るい太陽のもと、ひたすら地平線まで360度の雪景色が広がります。シミュレーションとはいえ、なかなか圧倒的な光景でした。以前飛んだ北極海は冬、つまり夜でしたので、氷原なんてあんまり見なかったし。緩やかな丘陵もあるシベリアのツンドラとも違って、ここは本当に地平線まで白くて平らです。「Ajust LOD file」の設定を調整し、大視界が得られるようにしておいて良かったと思いました。
 現実のグリーンランドは、ほぼ内陸全域にわたる大雪原が巨大な氷床で出来ており、一番厚い部分は3000mくらいあるそうです。その下の岩盤は沈んで一部は海面下になっており、厚みも構造も南極大陸によく似ています。大氷床に覆われた内陸は、沿岸や北極海よりも寒冷で、人は住んでいません。植村直己さんはオーストラリア縦断に匹敵する距離の酷寒地獄3000キロ、それもほぼ前人未踏のコースを、よくまあ一人で犬ぞり旅行したものだと、改めてつくづく感心しました。
 そろそろもう一度、天測をしましょう。

●●天測計算をめぐる「画期的な」アイディア:
 2度目の天測では、今回初めての試みとして、航法計画にある「中継点A」の座標を、そのまま推測位置(位置計算の基点)として利用することにしました。

 どういうことかと言いますと…天文航法では理論上、三つの天体の高度角と時刻が分かれば、自分の緯度経度が算出できます。ただし複雑な三角関数の連立方程式になるので、コンピューターが現れるまでは、数学者でない限り、船上で素早く解を出すのは困難だったと思います。
 ならば、作図で現在地を出したらいいのでは? 実はこれもダメです。特定の天体を、測定結果通りの高度角で見上げる場所は理論上無数にあり、これらを結んだ線は直径数千キロの円になります。現在地を出すには、こうした円を三つ描いて交点を求める必要がありますが、そんな大きな円は地図上で歪みますので、使い物になりません。じゃあ地球儀に円を描いたらどうか。ごめんなさい、これも「ブー」です。最低でも1マイル=1ミリ相当の縮尺が必要ですけれども、これでは地球儀の直径が、約7mになってしまうのです。

 現実の天文航法では、逆の発想をします。まず、とにかく仮の推測位置を出しておきます。緯度経度さえ決めれば、あらかじめ用意された数表(天測暦)を使って「この地点ではいま、あの星は高度角XX度XX.X分に見えるはず」という理論値を、比較的簡単に求めることができます。この理論値を実測高度角と比較して、実測値が大きければ、自分の立ち位置は推測位置より天体に近いし、小さければ遠くにいます。この「遠い近い」の数値を、線分の形でチャートに記入したものを「位置の線」と呼び、天体1個の観測で1本が得られます。従って二つ以上の天体を計り、チャート上に複数の線を描いて交差させると、自分の緯度経度が出ます。

 以上、説明が長くなって申し訳ありませんが(^^;)…要するに、あまり正確でなくてもいいから、推測位置がどうしても必要です。ところが飛行中、推測位置を任意のタイミングで用意するのは、案外おっくうなものです。適当な縮尺の紙製チャートがあれば、飛行コースを直線で記入して、時計を見て暗算で距離を案分し、鉛筆で推測位置を入れて、緯度経度を読み取るのは簡単でしょう。しかし、チャート代用のAtlas画面には何も書き込めないので、推測位置はそのつど、数値解として算出するしかなさそうでした。
 では、いちいち緯度経度を出すのはやめて、ずっと同じ値(例えばコース中点の緯度経度)を使って天測計算をしたら? 推測位置は単なる計算上の出発点ですので、案外一定の精度が得られるのでは? こう思いついたのは7月中でした。さっそくVer.2.10 のイングランド西岸地方で、太陽とアークトゥルスを天測し、機体の実際の緯度経度を「推測位置」と見なして測位計算したところ、誤差3nm程度という、一応実用になる精度で緯度経度を得ました。次に、このとき使った推測位置のデータを、緯度経度方向にそれぞれ1〜5度および10度の範囲で変化させながら、計15通りの値で現在地を再計算したところ、

 ・緯度方向には5度以下の変化まで許容可能。
     (測位結果は、東西はほぼ正確。南北は1nm以内の誤差)
 ・経度方向には3度以下の変化まで許容可能。
     (測位結果は、東西はほぼ正確。南北は4nm以内の誤差)
 ・緯度経度を同時に動かす場合、緯度は3度、経度は2度の変化まで許容可能。
     (測位結果は、東西は5nm以内、南北は3nm以内の誤差)
…という結果が出ました。

 このことから、天測計算に使う推測位置は、特に緯度方向には最大で180nm程度ずれていても、これを基に算出した実測位置は十分に有意な数値になる、ということが分かりました。そこで…やっとお話が元に戻りますが、推測航法で中継点A・Bを越えて進む場合、実際に通過する緯度経度は、計画から180nmも外れるとは思えません。なので、この2点の座標はそのまま天測計算の推測位置として使っても、問題はないはずです。これで航法作業がずいぶん楽になるはずですので、初の実証試験をしようと思った次第です。

     ○

 ところが。今回の(自画自賛によれば画期的な)実験は、非常にみっともない理由で、お流れとなりました。飛行中に、どうもA点までの所要時間が長すぎるような気がして、検算してみたところ…なんとAとBの緯度経度を取り違えていたことが判明。あわてて計算に次ぐ計算を重ね、航法計画表を作り直しました(本稿でご紹介したのは、もちろん正しい方です)。

 第2変針点のA点は、少し前に通り過ぎたばかりのようです。A点の位置は再計算で動いたものの、そこまでの推測航法は一定の針路を飛んでいますので、チャートをにらんで目分量の現在位置を出し、そこからB点へ暫定コースの方位角を計算しました。次は…ともかく天測しなくてはと、まず金星を観測。インターセプトは約15nmと、十分信頼できる位置の線が得られました。ところが太陽で取った線は、何と200nmくらいの誤差を示しています。慌てているときの常で、何度見直しても、どこが間違っているのか分かりません。

 幸い、機体がそろそろ中央高地を外れて西岸に出るタイミングでした。海岸線にたどり着けば、幾つもNDBがあります。1300時ごろ、ウペルナビクNDB399UPがほぼ正面に取れまして、同時にマルモリリックNDB322MARが機首左手45度に入感。Atlas上でおおざっぱに両局からの方位線を(描けないけれども)思い浮かべ、現在の機位は北緯71度03分、西経49度59分くらいと判断しました。ここを暫定的にC点と呼んで、チューレへの方位・距離を virtual E6-B で再計算。1435時到着と見当を付けて、何とか航法を立て直しました。

●●磁石も下を向く、北緯76度の滑走路:
 最終段階は、チューレ基地東方のVORをトラッキング。この局のハイステーションから左旋回し、ダウンウインドレグを下ってILSを受信。ていねいに周回してファイナルに入りましたが、どうもグライドパスは上下に振れるし、ローカライザはCDIが外れっ放しだし、変な感じです。着陸後、機体のMap ウィンドウで確認したら、ビームが120度くらいずれた欠陥品と分かり、本当に視界が悪かったら困るところでした。

 1445時、ランプインしてエンジン停止。残燃料は1852.6Lbsと、まるまる4割ありました。ここはアメリカ軍が大戦中、気象観測用に設けた基地だそうで、冷戦中に拡張されて、ソ連との最短コース・北極をにらむ早期警戒/反撃網の一翼を担い、戦略爆撃機が常駐していたとか。現在も、ミサイル警戒と人工衛星の追跡管制が任務だそうです。
 ご当地の磁気偏差は-47度、磁気俯角は何と85度。地方時の正午少し前なのに、太陽高度は9度しかありません。「地の果て」の印象がある北緯76度…ここはもう、北極圏の入り口なのでした。
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