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マイルズ・モホーク製作記

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なし マイルズ・モホーク製作記

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2015-6-10 11:22 | 最終変更
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 635
hideです。今回からモホークの製作記をお届け致します。
 機体の自作は長い間の夢でしたが、とうとう1号機が実現しました。本機を作るに当たっては、機体開発フォーラムにあるTatさんの「T-4 製作記」及び、virtflyさんのHP「仮想飛行」にある「自前の飛行機づくりに挑戦」シリーズなどに多くを負っています。大変ありがとうございました。

●●資料集めと機種選定:
 クラシック機から現代機まで、作ってみたい機体は色々あります。しかし初の挑戦ですから、構造が比較的簡単で工数の少ない小型単発機、それも飛行速度域があまり広くないプロペラ機がベターと思い、サンテグジュペリが愛したスマートな高速スポーツ機、コードロン・シムーンあたりが良かろうと、昨年から少しずつ資料を探していました。
 3Dモデルを作るには、最低でも三面図とパネルの写真が、また空力ファイルを書くには寸法と性能諸元が必要です。しかし実際にネットでシムーンの資料を探してみると、なかなかモデル化できる精度の三面図が見当たりませんでした。そこで本棚をかき回したところ、かつて紙飛行機クラブの競技会向けに、セミスケール機を作った時に買った「つばさの図面集 Vol.3」(モデルアート臨時増刊、1990年)を発見。当時私がケント紙で作ったのはロッキード・アルテアでしたが、FlightGearの自作1号機も、一度はこれにしようと思いました。

 アルテアは、ロッキード社が1930年代に木製モノコック構造で作った、高性能の単発民間機シリーズの一つです。高翼のヴェガ、低翼固定脚(またはフロート装備)のシリウス、これを引き込み脚にしたアルテア…の3機種は木造ながら、いずれも強力な星形空冷エンジンや、低抵抗のNACAカウリングなどモダンな装備を持ち、ずんぐりした姿に似合わぬ高速と、大きな航続力を発揮。アメリア・イアハートやリンドバーグ、キングスフォード・スミスら名飛行家に好まれ、冒険的な渡洋飛行などに名を残しました。またアルテアは、民間向け生産7機のうち2機を日本の新聞社が購入。戦闘機より速い連絡機(当時の言い方では「通信機」)として、東シナ海などを飛び回って活躍しました。
 私は嬉々として、三面図を3Dモデリングソフトに読み込んだのですが、間もなく難問に気が付きました。アルテアの主脚構造と引き込み動作は、あまりにも複雑なのです。片脚ごとに4本の柱と10本の補強材で構成され、内側に折りたたむ時は少しだけひねって、やや斜め後方に引き込む仕組みですが、本体とは別に伸縮式の補助支柱が2組あり、脚カバーの一部と一緒に折りたたまれるようになっています。主脚周りを至近距離から、様々な角度で十数枚撮った写真が見つかったのですが、どうも正確な動きが分からず、従ってデフォルメも出来ず、私の能力では恐らくモデル化不能と思われました。

●●三面図サイトあれこれ:
 …ガックリ来ていましたら5月初旬になって、本サイトwikiの「3Dモデルの作成方法」に、かなり充実した三面図データベースが紹介されていることに初めて気づき、2、3の機体の図面を手に入れました。このDBは6月現在、残念ながらアクセスできなくなりましたが、他にも大量の三面図を持つサイトが複数見つかりました。目的の機種名を直接入力せず、単に「3-Views aircraft」でググった方が、ヒット率が高いようです。幾つかのアドレスをご紹介します。
   http://www.rcgroups.com/forums/showthread.php?t=557457
   http://richard.ferriere.free.fr/3vues/3vues.html
   http://aerofred.com/cat54.htm

 こうして三面図を入手した機体の一つが、マイルズ・モホークでした。英空軍用の練習機などで有名な、フィリップス・アンド・ポウィス社(のちのマイルズ社)が、チャールズ・リンドバーグから「ヨーロッパの各首都間を、無着陸で飛べる高速機が欲しい」と注文を受け、1機だけ設計・製造した複座スポーツ機。初飛行は1936年の夏です。倒立エンジンを包む鋭角的な機首、直線的なテーパー翼、そしてスパッツ付きのお洒落な固定脚。昔のラジコンやUコン曲技機を思わせる、スマートかつ優雅な機体は大昔、「リンドバーグ第二次大戦日記」(1974年新潮社、上下2巻)の写真で知って以来、私の心のどこかで爆音を奏でていました。
 リンドバーグは1930年代後半、長男が誘拐され殺された事件に激しい衝撃を受け、しばらく夫妻でヨーロッパに移住。本機で英独仏ソなどを飛び回って国際親善に務めつつ、水面下では各国空軍の戦力バランス分析や、独仏開戦の回避を狙った外交工作などにも尽力しました。大戦が始まると、彼はモホークを英空軍に寄贈して帰国。本機は現在ロンドンで保存されており、レストア中のエンジン周辺とか、コクピットとパネルの詳細などの写真が入手できましたので、初の自作機は二転三転の末、これに決まりました。ネットで見る限り日本では現在なお、ほとんど知られていない飛行機のようです。

●●三面図をモデリングソフトに読み込む:
 ダウンロードした三面図を、まず機体の外寸ぴったりにトリミングし、1ピクセル=1センチの縮尺に合わせてから、3Dモデリングソフト(私の場合はAC3D)にセット。皆さんよくお使いのBlenderではどうなっているのか存じませんが、AC3Dの場合は3面それぞれの下絵の中心が、機械的に座標原点に合います。マイルズ・モホークですと、デフォルトで主翼後縁の付け根に原点が来ます。FlightGearの各機を見ますと、原点の位置は機首先端や主翼前縁、重心位置付近などまちまちですが、果たしてどこがベストなのでしょうか。私は特に変更はせず、そのまま主翼後縁付近を原点としました。AC3D画面とFlightGearの機体acファイル、そして空力ファイルでは、それぞれXYZ座標軸の定義が違いますので、製作作業が本格化する前に、以下のような対照表を作っておきました。
 ●acファイル:
  X: -Front/Rear+
  Y: +Up/Down-
  Z:-Right/Left+
 ●空力xmlファイル:
  X:-Front/Rear+
  Y:+Right/Left-
  Z:+Up/Down-
 ●set.xmlカメラ位置:
  X:+Right/Left-
  Y:+Up/Down-
  Z:-Front/Rear+
 ■度量衡換算
  1インチ =2.54
  1フィート=0.3048m
  1Lbs   =0.453
  1gal   =3.785
  1sq-ft  =0.093m2
  1lb/sq-ft=0.2053kg/m2
  1g/dm=0.1kg/m2

 先ほどお話ししたアルテアのように、紙の三面図を使う場合は当然、デジタイズする必要があります。拙宅にはスキャナがないため、中型三脚の雲台を外して上下逆位置に付け替え、フルサイズのデジタル一眼レフを逆さに吊って接写しました。ひずみの少ないマクロレンズを使うことと、カメラ店で安い水準器を買って正確に鉛直を出すこと、ピンぼけ防止に絞り値を大きく取ることがコツです。レタッチにはPhotoshopを使いました。

●●飛行テスト用の機体を作る:
 Tatさんは「T-4 製作記」で、まずラフな3Dモデルを作って飛ばすことを勧めておられました。私はむしろ最初から舵面が動いた方が、飛行テストがしやすいのではないかと思い、いきなり本番用の精密模型を作るつもりだったのですが、いざ着手してみると、やはり相当な手間が掛かることが判明。ラフと精密の中間を取るような形で、まず本番用の主翼と尾翼を作って、ここから3舵とフラップを切り出し、簡略な多角錘を集めた臨時の胴体を載せて、テスト用の機体としました。

 なにぶん建物作りと機体改造しか経験がありませんので、「T-4 製作記」やYouTubeの映像などを参考に、どんな工程で翼や胴体を整形すべきか、手探りで作業を進めました。初めての経験というのは毎度、大変ではありますが、とても楽しいものですね。当初は、ピラタスPC-9M改のフロートを自作した時のように、
 ・球体や円筒を変形して、必要なオブジェクトを成型する方法。
 ・翼面ならリブ、胴体ならフレーム(胴枠)の輪郭をまず描き、
  3〜4個の頂点を選択しては面を張る、自称「手張り」方式。
…の両者を併用しましたが、「手張り」方式ですと、どうやら各面が個別のオブジェクトになり、動翼などを切り出すのに支障が出そうで、結局すべて作り直しました。私なりにつかんだ機体成型の基本は、以下の通りです。

 ・翼も胴体も、まず多角形の断面を作って「押し出し」を繰り返し、段階的に一体成型する。
  上反角が変化する中央翼と外翼の継ぎ目や、ファストバック式胴体のコクピット直後など
  形状が大きく変わる部分では、断面を同位置にコピペし、そこから先を別部品にする。
 ・オブジェクトの一部を、別部品として取り置くには、「選択範囲を保存」で別ファイルに
  しておき、必要な時にマージすると、切断面が完全に合う。
 ・舵面やキャノピーなど、任意の切断面を使って別部品を切り出す時は、Boolean(集合論の
  ブール代数)機能を使うが、あらかじめテストを重ねて、各種コマンド別に「切るもの」と
  「切られるもの」の関係を整理しておく。
・成型面の「表と裏」に絶えず注意。画面上で不自然に黒くなったら、Flip_normal(法線反転)
  機能ですぐ修正する。
 ・AC3Dでは、ミラーリング機能は使わない方が無難。鏡像部分が完全に独立したオブジェクトに
  ならず、片割れを変形するとその通りに影響を受けてしまう。

●●Aeromaticで、空力プログラムを作る:
 そうこうするうちに試験機が完成。まだテクスチャーもない真っ白ですが、猛烈簡素な胴体を付けたとたん、にわかに飛行機らしく見え始めました。ううう…君はまるで石膏像の女神みたいに、美しいっ!
(写真でも何でもそうですが、とかく私は自分の作品に酔うタイプです、済みません)

 プロペラも最初から回転させたいので、ブレードとスピンナーをこの段階で作りました。図面の形状から見て本機は固定ピッチプロペラで、ブレードは根本部分の幅か相当広く、ポルコ・ロッソの飛行艇に付いていたやつとよく似ています。A・スコット・バーグのリンドバーグ伝によりますと、「アメリカでは、10年も前に使われなくなった旧タイプのプロペラ」で、リンドバーグはイギリス航空技術の後進性に、ちょっぴりがっかりしたのだとか。さて素人細工の「石膏の女神」を、何とか飛ぶようにしなくては。

 複雑な空力プログラムを作るには、例えば類似機のファイルを借用する手もありそうですが、出来れば最初から「ただ一つのオリジナル」を書きたいところです。私が好むJSBSimの場合、Aeromaticと呼ばれるオンライン・ツールを活用すれば、取りあえず原型プログラムを自動生成してもらえることを知り、さっそく活用しました。詳しい使用法は、Tatさんとvirtflyさんの懇切丁寧な記述に譲ります。
   http://flightgear.jpn.org/modules/d3forum/index.php?post_id=1301
   http://www.geocities.jp/virt_fly/fgfs_self-made4.htm

 なるほど、エンジンファイルや空力ファイルがあっという間に生成され、まさに感動的。しかしどこで操作を間違ったのか、重心位置などが相当ずれている模様です。また単位にメートル法を選択したものの、生成されたプログラムの中身はなぜかヤード・ポンド法になっています。取りあえず重心位置やコクピット視点、ギア位置、翼端位置、尾輪位置を手作業で三面図から拾って、メートル単位で再入力しました。最初は機首のストラクチャ設定がなく、このままではノーズオーバー(機首下げ逆立ち)姿勢になると転覆してしまうので、新たにNozeの項目を書き添えました。以下に諸元をお目に掛けておきます。

全長7.77m 全幅10.67m
乾燥重量 1615 Lb(732.55 kg)(或いは、オイル類を含む空虚重量?)
最大離陸重量 2620 Lb(1188.41 kg)
最大速度 298 km/h(160.9Kt)
巡航速度 275 km/h(148.5Kt)
着陸速度
上昇限界
荷重制限
上昇率
エンジン出力 200 hp Menasco Buccaneer B6S engine
プロペラ直径 2.33m(7.64ft)

翼面積 183 sq ft(17.001 sq m) 胴体含む計算値17.73 sq m
翼幅 10.67
空力平均翼弦長(MAC:mean aerodynamic chord) 1.75mくらい。
Wing incidence(迎角) 不明
水平尾翼面積 2.59 sq m(胴体含むと+0.16=2.75)
水平尾翼モーメントアーム 3.9
垂直尾翼面積 1.10+0.5=1.60 sq m
垂直尾翼モーメントアーム 4.05

●●初飛行: 
 怪しげな重心位置などは、あとで細かく修正することにして、とにかく雨の羽田滑走路で機体を起動。スターターを押し続けるとエンジンが掛かって前進開始。歓喜の一瞬…ですが、一応浮揚するものの機首がメチャメチャ軽くて押さえ込めず、とても操縦できません。また尾輪の操舵も向きが反対のようで、2回海に飛び込んでいささか気分を害し、いったん寝ることにしました。

 翌日。まず尾輪の操舵方向を修正。次いで作図を交えて平均翼弦長を算出し直し、前縁から15〜30%の範囲で4種類の重心位置を用意して、それぞれ空力ファイル用の座標を出しておきました。試しに20%を選んで、<location name="CG" unit="M">タグに座標を書き込んでみましたが…この値をいじっても、実際に重心位置が動いたようには思えません。するとこのタグは結局、慣性モーメントの計算に使われているだけなのでしょうか。
 気を取り直して、<pointmass name="Payload"> のタグ(乗員と貨物、燃料の総質量点?)やエンジン位置の座標を手探りで修正し、何とか滑走・離陸可能な状態に持っていきました。再度挑戦しますと、機体は不安定ながら高度1000ft付近まで上がり、100Kt近くを維持して定常飛行を実現。視界を左右に振って羽田周辺を見回しますと、何と言いますか…もう本当に飛んでいるような気分になって、私は映画「風立ちぬ」の冒頭に出てくる次郎少年の、夢の中の飛行シーンを思い出していました。

 堀越氏本人も著書「零戦」(初出カッパブックス、現在は角川文庫)の中で「自分が作った軽い小さい飛行機に乗り、野越え、山越え、低空飛行を楽しんでいる夢をよく見た」と書いていますね。あっちは夢、こっちは仮想現実に過ぎませんが、それでも「とうとう、自分で飛行機を作って飛んだ!」気分は格別です。無事にトラフィックパターンを一周して、元の滑走路に降り立つことが出来ました。
 その後、投稿画像でお目に掛けた外観を仕上げ、操縦安定性も少々改善しましたが、詳しくは回を改めてご報告したいと思います。
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