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マイルズ・モホーク製作記

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2015-6-10 11:22 | 最終変更
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 635
hideです。今回からモホークの製作記をお届け致します。
 機体の自作は長い間の夢でしたが、とうとう1号機が実現しました。本機を作るに当たっては、機体開発フォーラムにあるTatさんの「T-4 製作記」及び、virtflyさんのHP「仮想飛行」にある「自前の飛行機づくりに挑戦」シリーズなどに多くを負っています。大変ありがとうございました。

●●資料集めと機種選定:
 クラシック機から現代機まで、作ってみたい機体は色々あります。しかし初の挑戦ですから、構造が比較的簡単で工数の少ない小型単発機、それも飛行速度域があまり広くないプロペラ機がベターと思い、サンテグジュペリが愛したスマートな高速スポーツ機、コードロン・シムーンあたりが良かろうと、昨年から少しずつ資料を探していました。
 3Dモデルを作るには、最低でも三面図とパネルの写真が、また空力ファイルを書くには寸法と性能諸元が必要です。しかし実際にネットでシムーンの資料を探してみると、なかなかモデル化できる精度の三面図が見当たりませんでした。そこで本棚をかき回したところ、かつて紙飛行機クラブの競技会向けに、セミスケール機を作った時に買った「つばさの図面集 Vol.3」(モデルアート臨時増刊、1990年)を発見。当時私がケント紙で作ったのはロッキード・アルテアでしたが、FlightGearの自作1号機も、一度はこれにしようと思いました。

 アルテアは、ロッキード社が1930年代に木製モノコック構造で作った、高性能の単発民間機シリーズの一つです。高翼のヴェガ、低翼固定脚(またはフロート装備)のシリウス、これを引き込み脚にしたアルテア…の3機種は木造ながら、いずれも強力な星形空冷エンジンや、低抵抗のNACAカウリングなどモダンな装備を持ち、ずんぐりした姿に似合わぬ高速と、大きな航続力を発揮。アメリア・イアハートやリンドバーグ、キングスフォード・スミスら名飛行家に好まれ、冒険的な渡洋飛行などに名を残しました。またアルテアは、民間向け生産7機のうち2機を日本の新聞社が購入。戦闘機より速い連絡機(当時の言い方では「通信機」)として、東シナ海などを飛び回って活躍しました。
 私は嬉々として、三面図を3Dモデリングソフトに読み込んだのですが、間もなく難問に気が付きました。アルテアの主脚構造と引き込み動作は、あまりにも複雑なのです。片脚ごとに4本の柱と10本の補強材で構成され、内側に折りたたむ時は少しだけひねって、やや斜め後方に引き込む仕組みですが、本体とは別に伸縮式の補助支柱が2組あり、脚カバーの一部と一緒に折りたたまれるようになっています。主脚周りを至近距離から、様々な角度で十数枚撮った写真が見つかったのですが、どうも正確な動きが分からず、従ってデフォルメも出来ず、私の能力では恐らくモデル化不能と思われました。

●●三面図サイトあれこれ:
 …ガックリ来ていましたら5月初旬になって、本サイトwikiの「3Dモデルの作成方法」に、かなり充実した三面図データベースが紹介されていることに初めて気づき、2、3の機体の図面を手に入れました。このDBは6月現在、残念ながらアクセスできなくなりましたが、他にも大量の三面図を持つサイトが複数見つかりました。目的の機種名を直接入力せず、単に「3-Views aircraft」でググった方が、ヒット率が高いようです。幾つかのアドレスをご紹介します。
   http://www.rcgroups.com/forums/showthread.php?t=557457
   http://richard.ferriere.free.fr/3vues/3vues.html
   http://aerofred.com/cat54.htm

 こうして三面図を入手した機体の一つが、マイルズ・モホークでした。英空軍用の練習機などで有名な、フィリップス・アンド・ポウィス社(のちのマイルズ社)が、チャールズ・リンドバーグから「ヨーロッパの各首都間を、無着陸で飛べる高速機が欲しい」と注文を受け、1機だけ設計・製造した複座スポーツ機。初飛行は1936年の夏です。倒立エンジンを包む鋭角的な機首、直線的なテーパー翼、そしてスパッツ付きのお洒落な固定脚。昔のラジコンやUコン曲技機を思わせる、スマートかつ優雅な機体は大昔、「リンドバーグ第二次大戦日記」(1974年新潮社、上下2巻)の写真で知って以来、私の心のどこかで爆音を奏でていました。
 リンドバーグは1930年代後半、長男が誘拐され殺された事件に激しい衝撃を受け、しばらく夫妻でヨーロッパに移住。本機で英独仏ソなどを飛び回って国際親善に務めつつ、水面下では各国空軍の戦力バランス分析や、独仏開戦の回避を狙った外交工作などにも尽力しました。大戦が始まると、彼はモホークを英空軍に寄贈して帰国。本機は現在ロンドンで保存されており、レストア中のエンジン周辺とか、コクピットとパネルの詳細などの写真が入手できましたので、初の自作機は二転三転の末、これに決まりました。ネットで見る限り日本では現在なお、ほとんど知られていない飛行機のようです。

●●三面図をモデリングソフトに読み込む:
 ダウンロードした三面図を、まず機体の外寸ぴったりにトリミングし、1ピクセル=1センチの縮尺に合わせてから、3Dモデリングソフト(私の場合はAC3D)にセット。皆さんよくお使いのBlenderではどうなっているのか存じませんが、AC3Dの場合は3面それぞれの下絵の中心が、機械的に座標原点に合います。マイルズ・モホークですと、デフォルトで主翼後縁の付け根に原点が来ます。FlightGearの各機を見ますと、原点の位置は機首先端や主翼前縁、重心位置付近などまちまちですが、果たしてどこがベストなのでしょうか。私は特に変更はせず、そのまま主翼後縁付近を原点としました。AC3D画面とFlightGearの機体acファイル、そして空力ファイルでは、それぞれXYZ座標軸の定義が違いますので、製作作業が本格化する前に、以下のような対照表を作っておきました。
 ●acファイル:
  X: -Front/Rear+
  Y: +Up/Down-
  Z:-Right/Left+
 ●空力xmlファイル:
  X:-Front/Rear+
  Y:+Right/Left-
  Z:+Up/Down-
 ●set.xmlカメラ位置:
  X:+Right/Left-
  Y:+Up/Down-
  Z:-Front/Rear+
 ■度量衡換算
  1インチ =2.54
  1フィート=0.3048m
  1Lbs   =0.453
  1gal   =3.785
  1sq-ft  =0.093m2
  1lb/sq-ft=0.2053kg/m2
  1g/dm=0.1kg/m2

 先ほどお話ししたアルテアのように、紙の三面図を使う場合は当然、デジタイズする必要があります。拙宅にはスキャナがないため、中型三脚の雲台を外して上下逆位置に付け替え、フルサイズのデジタル一眼レフを逆さに吊って接写しました。ひずみの少ないマクロレンズを使うことと、カメラ店で安い水準器を買って正確に鉛直を出すこと、ピンぼけ防止に絞り値を大きく取ることがコツです。レタッチにはPhotoshopを使いました。

●●飛行テスト用の機体を作る:
 Tatさんは「T-4 製作記」で、まずラフな3Dモデルを作って飛ばすことを勧めておられました。私はむしろ最初から舵面が動いた方が、飛行テストがしやすいのではないかと思い、いきなり本番用の精密模型を作るつもりだったのですが、いざ着手してみると、やはり相当な手間が掛かることが判明。ラフと精密の中間を取るような形で、まず本番用の主翼と尾翼を作って、ここから3舵とフラップを切り出し、簡略な多角錘を集めた臨時の胴体を載せて、テスト用の機体としました。

 なにぶん建物作りと機体改造しか経験がありませんので、「T-4 製作記」やYouTubeの映像などを参考に、どんな工程で翼や胴体を整形すべきか、手探りで作業を進めました。初めての経験というのは毎度、大変ではありますが、とても楽しいものですね。当初は、ピラタスPC-9M改のフロートを自作した時のように、
 ・球体や円筒を変形して、必要なオブジェクトを成型する方法。
 ・翼面ならリブ、胴体ならフレーム(胴枠)の輪郭をまず描き、
  3〜4個の頂点を選択しては面を張る、自称「手張り」方式。
…の両者を併用しましたが、「手張り」方式ですと、どうやら各面が個別のオブジェクトになり、動翼などを切り出すのに支障が出そうで、結局すべて作り直しました。私なりにつかんだ機体成型の基本は、以下の通りです。

 ・翼も胴体も、まず多角形の断面を作って「押し出し」を繰り返し、段階的に一体成型する。
  上反角が変化する中央翼と外翼の継ぎ目や、ファストバック式胴体のコクピット直後など
  形状が大きく変わる部分では、断面を同位置にコピペし、そこから先を別部品にする。
 ・オブジェクトの一部を、別部品として取り置くには、「選択範囲を保存」で別ファイルに
  しておき、必要な時にマージすると、切断面が完全に合う。
 ・舵面やキャノピーなど、任意の切断面を使って別部品を切り出す時は、Boolean(集合論の
  ブール代数)機能を使うが、あらかじめテストを重ねて、各種コマンド別に「切るもの」と
  「切られるもの」の関係を整理しておく。
・成型面の「表と裏」に絶えず注意。画面上で不自然に黒くなったら、Flip_normal(法線反転)
  機能ですぐ修正する。
 ・AC3Dでは、ミラーリング機能は使わない方が無難。鏡像部分が完全に独立したオブジェクトに
  ならず、片割れを変形するとその通りに影響を受けてしまう。

●●Aeromaticで、空力プログラムを作る:
 そうこうするうちに試験機が完成。まだテクスチャーもない真っ白ですが、猛烈簡素な胴体を付けたとたん、にわかに飛行機らしく見え始めました。ううう…君はまるで石膏像の女神みたいに、美しいっ!
(写真でも何でもそうですが、とかく私は自分の作品に酔うタイプです、済みません)

 プロペラも最初から回転させたいので、ブレードとスピンナーをこの段階で作りました。図面の形状から見て本機は固定ピッチプロペラで、ブレードは根本部分の幅か相当広く、ポルコ・ロッソの飛行艇に付いていたやつとよく似ています。A・スコット・バーグのリンドバーグ伝によりますと、「アメリカでは、10年も前に使われなくなった旧タイプのプロペラ」で、リンドバーグはイギリス航空技術の後進性に、ちょっぴりがっかりしたのだとか。さて素人細工の「石膏の女神」を、何とか飛ぶようにしなくては。

 複雑な空力プログラムを作るには、例えば類似機のファイルを借用する手もありそうですが、出来れば最初から「ただ一つのオリジナル」を書きたいところです。私が好むJSBSimの場合、Aeromaticと呼ばれるオンライン・ツールを活用すれば、取りあえず原型プログラムを自動生成してもらえることを知り、さっそく活用しました。詳しい使用法は、Tatさんとvirtflyさんの懇切丁寧な記述に譲ります。
   http://flightgear.jpn.org/modules/d3forum/index.php?post_id=1301
   http://www.geocities.jp/virt_fly/fgfs_self-made4.htm

 なるほど、エンジンファイルや空力ファイルがあっという間に生成され、まさに感動的。しかしどこで操作を間違ったのか、重心位置などが相当ずれている模様です。また単位にメートル法を選択したものの、生成されたプログラムの中身はなぜかヤード・ポンド法になっています。取りあえず重心位置やコクピット視点、ギア位置、翼端位置、尾輪位置を手作業で三面図から拾って、メートル単位で再入力しました。最初は機首のストラクチャ設定がなく、このままではノーズオーバー(機首下げ逆立ち)姿勢になると転覆してしまうので、新たにNozeの項目を書き添えました。以下に諸元をお目に掛けておきます。

全長7.77m 全幅10.67m
乾燥重量 1615 Lb(732.55 kg)(或いは、オイル類を含む空虚重量?)
最大離陸重量 2620 Lb(1188.41 kg)
最大速度 298 km/h(160.9Kt)
巡航速度 275 km/h(148.5Kt)
着陸速度
上昇限界
荷重制限
上昇率
エンジン出力 200 hp Menasco Buccaneer B6S engine
プロペラ直径 2.33m(7.64ft)

翼面積 183 sq ft(17.001 sq m) 胴体含む計算値17.73 sq m
翼幅 10.67
空力平均翼弦長(MAC:mean aerodynamic chord) 1.75mくらい。
Wing incidence(迎角) 不明
水平尾翼面積 2.59 sq m(胴体含むと+0.16=2.75)
水平尾翼モーメントアーム 3.9
垂直尾翼面積 1.10+0.5=1.60 sq m
垂直尾翼モーメントアーム 4.05

●●初飛行: 
 怪しげな重心位置などは、あとで細かく修正することにして、とにかく雨の羽田滑走路で機体を起動。スターターを押し続けるとエンジンが掛かって前進開始。歓喜の一瞬…ですが、一応浮揚するものの機首がメチャメチャ軽くて押さえ込めず、とても操縦できません。また尾輪の操舵も向きが反対のようで、2回海に飛び込んでいささか気分を害し、いったん寝ることにしました。

 翌日。まず尾輪の操舵方向を修正。次いで作図を交えて平均翼弦長を算出し直し、前縁から15〜30%の範囲で4種類の重心位置を用意して、それぞれ空力ファイル用の座標を出しておきました。試しに20%を選んで、<location name="CG" unit="M">タグに座標を書き込んでみましたが…この値をいじっても、実際に重心位置が動いたようには思えません。するとこのタグは結局、慣性モーメントの計算に使われているだけなのでしょうか。
 気を取り直して、<pointmass name="Payload"> のタグ(乗員と貨物、燃料の総質量点?)やエンジン位置の座標を手探りで修正し、何とか滑走・離陸可能な状態に持っていきました。再度挑戦しますと、機体は不安定ながら高度1000ft付近まで上がり、100Kt近くを維持して定常飛行を実現。視界を左右に振って羽田周辺を見回しますと、何と言いますか…もう本当に飛んでいるような気分になって、私は映画「風立ちぬ」の冒頭に出てくる次郎少年の、夢の中の飛行シーンを思い出していました。

 堀越氏本人も著書「零戦」(初出カッパブックス、現在は角川文庫)の中で「自分が作った軽い小さい飛行機に乗り、野越え、山越え、低空飛行を楽しんでいる夢をよく見た」と書いていますね。あっちは夢、こっちは仮想現実に過ぎませんが、それでも「とうとう、自分で飛行機を作って飛んだ!」気分は格別です。無事にトラフィックパターンを一周して、元の滑走路に降り立つことが出来ました。
 その後、投稿画像でお目に掛けた外観を仕上げ、操縦安定性も少々改善しましたが、詳しくは回を改めてご報告したいと思います。
投票数:2 平均点:0.00
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2015-6-12 13:50 | 最終変更
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 635
hideです。マイルズ・モホーク製作記の第2回をお届け致します。
 今回は外観がほぼ出来上がり、先日お目に掛けた投稿画像の状態に追いつきました。

●●エンストを解決、プロペラ回転表示を改善:
 初の自作機モホークは、ひとまずスムーズな離着陸と定常飛行に成功しましたが、まだ加速や上昇率が悪く、操縦安定性もフワフワして節度を欠き、胴体は簡略でインテリアもない「仮建築」のまま。試しにToDoを書き出してみたところ、完成まで前途はまだまだ遠いようです。

 飛ばしてみて気になったのが、頻繁にエンストすること。それと、プロペラ回転面をボカして描いた、いわゆるプロップディスクの出来が悪く、クルマ掃除の毛バタキ(笑)か何かに見えることでした。
 まずエンストですが、スロットルをアイドルまで絞ると止まります。オートバイなら、スロットルストップ・スクリューをちょっと戻せばいいのですが、FlightGearでは初体験です。エンジンファイルを開いてみると、Aeromatic が自動設定したアイドリングは700回転。もっと下げた方が止まりにくくなることが分かりましたが、これだけではエンスト防止になりません。そこでファイル冒頭の、
<minmp unit="INHG"> 6 </minmp>
<maxmp unit="INHG"> 28.5 </maxmp>
という記述に注目。単位が水銀柱インチですから、これはキャブレターの最大・最小吸気圧ですね。最小値をあれこれ変更し、8.3にセットするとエンジンは無事、回転を続けるようになりました。

 またプロップディスクは、Photoshopで濃淡2種の扇形を重ね描きしてぼかし、かなりマシなものをリメークしました。見た目が一段と薄い巡航用バージョンも作って、3Dプロペラ模型→濃い目のディスク→薄いディスク、の順で3段階に表示を切り替えたところ、満足できる見栄えになりました。まだ Rembrandt に対応していませんが、当面はこれで十分です。

●●本番の胴体と、エンジンを作る:
 YouTubeで紹介されている機体工作例を見ると、胴体は長い円筒を加工し、徐々に絞りを掛けて流線型を表現するようですが、私は三面図に載っていた胴体断面を利用して、まず基本となる数個の輪切りフレーム(胴枠、或いは隔壁)を作っておき、ひたすらExtrude(押し出し。たぶんBlenderも共通)を重ねて胴体を成型しました。全体を一体とせずに、最前部のカウリングとエンジンマウント部分、コクピットのある中央部、ファストバック型の後部胴体…の3ピースに分けています。理由は、日本では珍しい直列空冷・倒立エンジンの模型を、ぜひ作って搭載したくなったからです。

 日本機で空冷と言いますと、星形エンジンを思い浮かべますが、かつて欧米では練習機などに、しばしば直列の空冷エンジンが使われました。機首が尖ってカッコいい反面、オーバーヒートは大丈夫なのか気になりますけれども、例えばデハビランド社のジプシーエンジン(120馬力など各種)は、戦前・戦中の名機タイガーモス練習機などに使われ、「決して飛行中にエンストしない」と好評でした。
 今回作ったマイルズ・モホークは、アメリカ製のメナスコB6Sバッカニア・エンジン(倒立6気筒、空冷8リッター200馬力)を搭載。冷却は三面図や写真によると、細い機首正面に空気取り入れ口があります。星形エンジンの零戦などに比べると、いささか開口面積が小さいのですが…モホークのカウル後方には、胴体との間に数センチの段差が全周に設けられ、このスリットからプロペラ後流を利用して、カウリング内の熱気を吸い出すようです。とは言え機首からスリットまでが長いので、あまり吸い出し効果は強くないはず。シリンダーごとに温度むらもあるでしょうから、直列空冷はせいぜい200馬力台までのエンジンにのみ、通用する技術ではないかと思います。
 モホークのパネルにはシリンダ温度計があり、これを監視しながら、何らかのカウルフラップを操作して温度調節したはずですが、詳しい構造や方法は分かりませんでした。倒立エンジンとなると、潤滑システムも気になりますが…恐らく(冷却にも有利な)ドライサンプだろうと想像しています。

 3Dオブジェクトの工作は、スピンナーからカウリングにつながる、流れるような曲線を出そうと、何度もやり直しました。ようやく仕上がってから、盾状の最前部カバーとアンダーカバー、そして両サイドを広く覆う左右カバーの4枚に分割。写真によりますと、左右カバー下部には大きな留め金があり、これを緩めるとガルウィング・ドア風にパックリ開くか、或いは取り外せるものと思われます。私は「投稿画像」でご紹介しましたように、ガルウィングドア説を採って、Ctrl+Bで開閉するようにしました。(カウルのドアはキャノピーと違い、デフォルトではinternal propertiesに作動項目として存在しませんし、私にはNasalを記述して新設する技術もありませんので、スピードブレーキの項目名を転用しました)
 ダミーエンジンは、実物の写真を眺めながら、プラグや高圧コードを含めて楽しく工作。同系統のメナスコ・エンジンの側面写真が見つかったので、テクスチャーとして張り込んでいます。

●●不思議な「縦スライド式」風防:
 以後、工夫を重ねながら中央部と後部胴体も成型したのですが、キャノピーを作るに当たって、予期せぬ難問が横たわっていました。最初この風防の開閉部は、一体どんな風に動くのか、まったく分からなかったのです。
 零戦の風防は、大きく見れば3分割で、中央部が前後にスライドしますよね。タンデム複座のモホークの風防は前後4分割になっており、前席と後席の可動部が、それぞれ独立して開閉します。問題は、どの方向にどう動くかです。最初は三菱「神風号」風の横開き式か、零戦風の前後スライド式だろうと思ったのですが、前席を開放したまま飛んでいる写真があるので、横開きではなく。後方へスライドした可動部が写っていないので、スライド式でもないのです。一体何なんだぁ?これは。

 数々の実機写真と図面をにらんでいるうちに、風防の可動部と固定部の間に段差がなく、どうやら可動部は窓枠ごと動くのではなくて、透明なガラス部分だけが上下に動くらしいことが分かりました。決め手になったのは、実機のコクピット内を上下180度+左右360度、オンラインでパイロット視点から見ることの出来るパノラマ映像です。これによると可動部のガラスは、てっぺんで2分割になっており、左右別々にガイドレール状の窓枠に沿って、コクピット内側へ引き下ろす構造のようです。1930年代半ばの風防ガラスは、かなり薄いアクリルで弾力があり、湾曲した窓枠の形に沿って上下動が出来るのでしょうが、こんな設計があったとは、今回始めて知りました。
 さて…このガラスの動きを、どうモデル化したらいいのでしょう。窓枠のカーブ通りにスライドさせるとなると、例えばキャタピラのように、小さなオブジェクトに分割すべきでしょうか。しかし、一体どうプログラムしたらいいのか、想像も出来ません。
 結局。左右2分割した可動部を、胴体から少し離した仮想の回転軸を中心に、大きな半径で17度だけ回転させると、ひいき目に見れば、さも上下にスライドしたように見えることが分かり、一安心。ガラス面のオブジェクトに、chrome シェーダーを指定して表面反射を与えると、すっかり風防らしくなりました。自作中つくづく感じたのですが、機体のモデル化は工作技術より、むしろデフォルメの能力がカギを握っているような気がします。FlightGear用の零戦など、あれほど見事に実機の雰囲気を再現しながら、acファイルを開いてみると、ピラタスPC-9Mなどよりシンプルですからね。デフォルメも、ここまで来れば芸術です。

●●タイヤには、ちょっと砂ぼこりを:
 パネルなどコクピット内部の製作は、工数が多い一大事業ですので、後日に回します。ここまで来ますと、早く皆様に写真で製作発表を行いたいので、「飛んで、その辺を回って、降りられること」「いちおう外観が出来上がっていること」を優先しました。
 塗装は、何枚もデジタルカラー写真が手に入るため、あまり問題がありません。テクスチャー張り込みに必須の全機展開図を描くのは初めてですが、張り込み用エディタの操作に多少習熟したため、思ったより簡単に、下絵となる線画を作ることが出来ました。唯一残念だったのは最初、登録記号を実機通りに、輪郭だけの文字にする方法が分からず、画像アップ時はただのゴシック体でごまかしたこと。現在は、もっと実機に近い書体になっております。

脚柱カバーとタイヤのスパッツを作ると、いよいよモホークらしくなってきました。本機のタイヤはせっかく回転させても、スパッツに隠れてよく分からないため、トレッド面にブラシツールで砂ぼこりを着色。また機首下面にある、バーテンダーさんのメジャーカップ(ラッパ型をした、ウィスキーなどの計量器)そっくりのベンチュリー管も再現。ピトー管のスタティック・ラインだと思いますが、なぜ二つもあるのかは謎です。併せて右翼下面のピトー管も作っておきました。これで機体の一期工事は一段落、あとは動力・空力性能などを煮詰めながら、パネルを始め残された工作を進めていくつもりです。

 もう少し完成に近づいたら、何らかの形で機体データを公開したいのですが、例えば「JPオリジナルダウンロード」に登録するには、どうしたらよろしいのでしょうか。ご教示をよろしくお願い致します。
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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2015-6-14 21:45
toshi  長老   投稿数: 1307
hideさん、こんばんは。toshiです。

tetsuさんが書いてくださった説明をご覧下さい。
JPオリジナルダウンロードへの登録方法 - FlightGear JP Wiki
http://www.flightgear.jpn.org/wiki/index.php?JP%A5%AA%A5%EA%A5%B8%A5%CA%A5%EB%A5%C0%A5%A6%A5%F3%A5%ED%A1%BC%A5%C9%A4%D8%A4%CE%C5%D0%CF%BF%CA%FD%CB%A1
投票数:0 平均点:0.00
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2015-6-16 0:34
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 635
toshiさん、こんばんは。hideです。
 アップロードの件、さっそくご教示をありがとうございます。ご案内の説明文は、見落としておりました。未完成ながら2、3日中に、最初の試作バージョンをお目に掛けようと思っています。
投票数:0 平均点:0.00
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2015-6-19 1:07
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 635
 hideです。
モホーク製作記の第3回は、重心などの調整のお話です。ある程度まともに飛ぶようになったと思いますので、制作中の機体をJPオリジナルダウンロードに初登録しました。3Dモデルも作りかけで、正直まだα版かプレαといった段階ですけれども、皆様に試して頂けましたら幸いです。

●●まず、離陸可能にする:
 これまで調整に関しては具体的に触れませんでしたので、少しお話が前後しますが、初飛行のあたりから簡単に振り返ってみます。
 JSBSimの機体を作る場合、空力的な形態や性能を決めるファイル(本機ではAircraft/Mohawk/Mohawk.xml)は、オンライン設計支援ツール「Aeromatic」が基本形を作ってくれますが、最初の内容は相当メチャメチャでした。機首エンジンのプロペラ単発機を指定したのに、エンジンとプロペラ位置を示す座標は後部胴体にあり、AEROPR(主翼の空力中心)と重心位置、主車輪は尾翼付近に、尾輪は機体の3.5mも後ろの空中に出現しました。最初から合っていたのは、尾翼関係のモーメントアームくらいです。
 あとで分かったのですが、Aeromaticは機体の座標原点を、デフォルトでは機首先端に置くよう想定しているようですね。私は第1回でご紹介しましたように、AC3Dに読み込んだ下絵の中心点(主翼後縁付近)をそのまま原点にしましたので、各種の座標が3m以上ずれたのでしょう。VRPという項目(デフォルトではゼロ)に数字を入れれば、原点を好みの位置に設定できますが、仮に原点の設定が正しくても、どっちみち重心位置が主翼半ばに来るなど、かなり調整が必要です。

 そこで初飛行に先立ち、AC3Dの画面を設計図代わりに参照して、プロペラや重心などの位置設定を、おおむね正しい値に書き換えました。これと平行して、acファイルのパスやview設定を書いたMohawk-set.xmlなど、最小限度の機体ファイル集を作って起動。最初は機体が垂直に立ったり、pilot-viewの視点が垂直尾翼に来たり散々でしたが、ギア接地点の調整やset.xmlの修正などで解決しました。
 まずは飛ぶ状態にするだけで精一杯。舵の利きも安定も悪く、燃料搭載量やタンク位置、パイロットの着座位置を決める作業にも手が回りませんでした。解決するには山勘ならぬシステマチックな方法で、マスバランス(重量配分)を巡る一連のファクター、特に重心位置をきちんと煮詰める必要がありそうです。

●●重心位置を確認する:
 飛行機の重心位置を確認するには、紙飛行機やライトプレーンですと、指で翼を支えて釣り合う点を見つけますよね。FlightGearでは起動後「Fuel and Payload」メニューを開いて、「Center of gravity:」の値を読めば良かろうと思います。本機の場合、燃料3割搭載の起動時には「-52.6in」と表示されますが、これは「座標原点から機首方向へ56.2インチ(142.7僉砲両貊蠅重心点」という意味です。
 重心位置はご存じの通り、普通は主翼前縁から後縁までの長さの、何%の位置にあるかで表します。模型飛行機ですと、多くは18〜33%あたりでしょうか。先ほどの「-56.2in」を%に換算するには、機体の座標原点から前方へ56.2インチの場所に印を付けて、主翼前縁からの距離を計り、翼弦長で割れば良さそうですが、主翼には大抵テーパーやら後退角があるため、実際は単純に前縁から計ったのではダメで、MAC(平均空力翼弦長=前縁から後縁までの平均値)を正確に求めて、物差しに使う必要があります。

 MACはどっちみち飛行に必須で、Aeromaticに入力しなくてはなりませんが、不明の場合はAeromaticが推定値を算出します。本フォーラム「T-4 製作記 - Step3」で紹介された、空力計算ツール「ASC」を使えば正確に出ると思いますが、私の環境ではなぜか、数値入力の際に必ずカナ固定になってしまったので、単純に実機の翼面積をスパン(翼幅)で割って算出し、この長さの線分をAC3Dの平面図上に置いて左右に動かして、主翼前縁と後縁の間にぴたりとはまる位置を探しました。この線分の前端と後端の座標が、平均翼弦長を使って表した、空力計算上の仮想の主翼の、それぞれ前縁と後縁の位置に当たります。
 あとは足したり引いたり割ったりすれば、CG=-56.2inというデータから、実際の重心位置は31.9%にあることが分かります。モホークは両主脚の間の中央翼が矩形になっており、外翼だけがテーパー翼なので、この方法でMACを求めますと何僂誤差が出るかも知れませんが、実用上は問題なさそうです。

●●重心位置の調整:
 次は調整です。FlightGear機の重心を移動させるには、
 ゞ力ファイルにある<location name="CG" unit="M">タグ内の座標を変更する。
 ▲僖ぅ蹈奪箸簀確船織鵐、もしあれば調整用に作ったバラストなどの質量点を動かす。
…の、二つの方法があります。,CG(重心)座標を具体的に指定しているのに、△鯤四僂垢襪判顛完銘屬亮詑値が動くのは矛盾に思えますが、,鉢△隆愀犬鬚匹考えればいいのか、まだ私には理解できていません。,虜舵犬砲弔い童什澆里箸海蹇
 ・機体の慣性モーメントの中心点を表す。
 ・AEROPR(主翼の空力中心)と重心点の相対位置も規定する(らしい)。
 ・重心位置そのものの決定要素でもある(が、詳しくは不明)。
…という風に、取りあえず理解しています。

 重心点はAEROPRより前方に置くと、機体のピッチ軸が安定し、飛行中のトリム調整幅も小さくて済むそうですので、私はまずAEROPRの座標を、一般的とされる平均空力翼弦長の25%に設定し、次いで,離織阿CGを20%位置に設定しました。さらに△料犧遒魏辰┐董◆Fuel and Payload」に表示される(実測上の)重心位置を微調整し、一般的な許容範囲(18〜33%程度)の中で、出来るだけ後方に来るようにしました。その結果が前述の31.9%です。重心がこのくらい後方にあると離陸しやすくなりますし、本機のような尾輪式の機体では特に、グラウンドループを防止するための3点着陸が容易になります。取りあえずうまく飛ぶようになりましたが、FlightGearの重心位置調整は本来、こんなやり方でいいのでしょうか…。

●●機体全体の重量配分:
 本機の空虚重量は1615Lbs、最大重量は2620Lbsですから、差し引き1005Lbsがさまざまな用途に使えるわけです。Aeromaticが生成した空力ファイルには当初、マスバランス関係の項目は、CGと「Payload」しか記載がありませんでした(燃料は別項目)。この書き方ですと、パイロットの体重が有価重量の中に入っているようで、なんだか釈然としません(^^;)。
 そこでPayloadの項目は消して、正副パイロットの体重各180Lbsと手荷物(後席背後に収納部を想定)30Lbsを新たに設定し、残り390Lbsを燃料に回して、重心位置直後のタンク2基に割り当てました。が、なぜかこの配置では、うまくモーメント計算が行われなかった模様で、起動時にノーズオーバー(機首を地面に突っ込んで逆立ち)してしまいます。そこで重心を後ろに下げようと、手荷物の重量を胴体後端付近まで移動したり、燃料の搭載量を増やしてみたのですが、「Fuel and Payload」が示す重心実測値は、逆にそのつど前進するという不思議な現象が起きました。
 結局古いファイルの内容に戻し、「Payload」の項目を復活したところ、重量物の移動と重心の関係は正常に戻りました。新たにパイロットの体重(150Lbs×2人)を新設し、Payload(つまり手荷物)は2人分で100Lbsとして後席直後に置いたのですが、重心位置に近いにも関わらず、今度はバランスが取れてノーズオーバーは発生しませんでした。どうもマスバランス関係は、理解出来ないことが多いです…。

 上記の重量配分では、差し引き605Lbsを燃料に割り当てるわけですが、実機の航続力は1400法定マイル(2253辧1216nm)もあり、わが試作機の燃費(この時点では、低空全開で毎時130Lbs程度)を考えると、とても搭載量が足りません。実機は巡航時速170法定マイル(273.5/h=147.7Kt)、最高速は185マイル(297.7/h=160.8Kt)も出るそうで、低空全開110Ktくらいの私の機体とは、あまりにも差があります。このあたりから搭載燃料増と燃費の改善、速度の増大が、調整作業の大きな課題になってきました。

●●速度と航続力を伸ばすには…可変ピッチに感動:
 羽田で毎日のように離着陸を繰り返し、他機を参考に重量や舵のバランスを詰めながら、速度を上げる手を考えました。まず定格200馬力のエンジンを、思い切って250馬力に増強。ところが低空(高度1000ftでテスト)の最大速度は122Ktと、約10Ktしか増えませんでした。出力増大に合わせて固定ピッチプロペラも作り直しましたが、わずかに2Ktを上積み出来ただけでした。

 パワーアップで効果が上がらないなら、次は抵抗を減らすとしましょう。モホークはタンデム複座機ですから、胴体がセスナ172より結構細く、風防の断面なんかパイロットの頭ぎりぎり。視点を真横に振ると、必ずカメラ位置が風防側面を突き抜けるほどです。ただし木製モノコック構造のため、現代機より厚翼を使っているので、主翼の抵抗はむしろ大きいはず。しかし主翼の誘導抵抗は速度が増えると逆に減り、胴体の有害抵抗は増えますので、抵抗を削るのはそれなりに、理にかなっているのではないか…というのが、私の言い訳です(^^;)。
 徐々に空気抵抗係数を調整し、最終的にデフォルト4割引の「大特売?」状態にセット。プロペラも効率を上げるため、直径を15%増しに再設計。これではブレード先端と地上のクリアランスは、機体水平時に20僂肇リギリで、邪魔なPファクタも増えてしまいますが…背に腹は代えられません。これで最高速は138Ktまで大幅アップしましたが、まだ実機の巡航速度にも及ばないのです。

 とうとうヤケクソ的に、エンジン出力をデフォルト5割増しの300馬力に増強。実機はRAFに寄贈されたあと、フェアリー・リードの可変ピッチプロペラに換装していますので、最後の手段として私も可変ピッチに変更しました。これが…利いたのなんの。ローピッチのままで全開160Kt、ハイピッチにしますと180Ktを叩き出しました。可変ピッチプロペラって、偉大な発明だったんですね。
 しかし「当時の速度記録機も、こんなだったかな」と思うほど不安定で、実機ですと恐らく、超過禁止速度を超えてしまっている感じです。おまけにパソコンの電源が突然落ちてしまい、ここでテストをいったん中断しました。

●●ようやく少し、実機に近い性能に:
 私のパソコンの電源は最近、何度も落ちています。チップが過熱して安全装置が働くのではないかと思い、底面にあるマザーボードの蓋を外して、ヒートシンク関係を清掃しましたが、あまりホコリは溜まっていませんでした。しかし蓋を付けないと再発しませんので、やはり過熱なのでしょう。
 テストを続行。エンジン出力を250馬力に戻し、大直径の可変ピッチプロペラを使うのが、現状におけるベストチョイスのようです。低速ピッチで全開138Kt、高速ピッチにしますと、最高速145Ktくらいで燃料流量が90Lbs毎時。スロットルを9割まで戻すと122Ktに減速しますが、燃料流量も61Lbs毎時まで低下します。いずれも固定ピッチを大幅に下回ります。仮に満タンで900Lbs積めると、単純計算では15時間近く滞空し1800nmも飛べることになります。実際はここまで重量が増えると抗力も増し、かなり航続力が落ちるはずですが、それでも実機の航続力1216nmは、大きな余裕を持ってクリアできることでしょう。

 さて最大燃料搭載量ですが、現状では914Lbsとしました。パイロットを降ろすわけにも行かず、暫定的に空虚重量を80Lbsあまり削って、帳尻を合わせてあります。むろん本来は、最大離陸重量(2620Lbs)のほうをオーバーさせるべきですね。実機のコクピット映像を精査したところ、シート座面下を左右に貫通する翼の主ケタにシールが見え、「燃料やオイルを含め、総重量は2700ポンドを超えてはならない」と印刷してあることが分かったので、まさに私が必要とする約80Lbsの余裕があります。今後これを生かして調整を詰めたいと思いますが、現在は航続力が目標より過大で、逆に速度が小さくなっており、何とか逆転させたいものです。そのためには、さてどういう手があるでしょうか。ややリアリティーを損ないますが、主翼面積を少し切り詰めるとか…?

 デフォルト燃料搭載時の離陸距離は、GoogleEarthの「定規」機能で測定したところ、次の通りでした。手間が掛かるので、まだ1回しかやっていませんが(^^;)。
出発地点 35度32分11.9秒N-139度47分08.3秒E  経過時間 滑走距離
浮揚地点 35度32分18.5秒N-139度47分03.8秒E  15.6秒  756ft
高度35ft 35度32分22.2秒N-139度47分00.8秒E  19.2秒  1208ft
 同じく失速速度はノーフラップで45Kt付近、フルフラップですと40Kt付近です。上げ舵で無理に吊っていると、水平姿勢のままドンドコ墜ちますのでご用心。130Ktくらい出すとループが可能で、エルロンロールはもっと低速から、ラダーの助け無しに可能です。が、まだまだ舵の切れが悪いし、中立に戻す時も、期待するほどスッと姿勢が安定しません。
 今後は更なる調整と平行して、パネルを含むコクピットの製作へ進んでいく予定です。
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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2015-7-15 2:13 | 最終変更
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 635
hideです。猛烈な暑さになって来ましたね。
 自作1号マイルズ・モホークに計器類を装備し、内装を仕上げました。飛行特性も再調整し、最高速度と巡航速度を実機並みにアップ。安定性も増して、懸案だったオートパイロットによる巡航が可能になりました。不細工だった風防とフィレットも作り直し、少しはマシになったようです。まだ調整の余地があると思いますが、一応の完成状態に達しましたので、改めて「JPオリジナルダウンロード」に、β版としてアップロードさせて頂きました。ご試乗頂けましたら幸いです。
 視界が悪く操縦に癖のある尾輪式といい、やたらに狭い機内といい、現代機に比べると荒削りな飛行機ですが、70年以上前のオーダーメード自家用機には、空を飛ぶことへのピュアな夢や愛情が詰まっているようで、完成が近づくにつれてますます可愛くなりました。

 モホークの実物は英空軍博物館に展示され、ネットでコクピット内のパノラマ画像を見ることが出来ます。計器などをここまで高画質、かつ詳細に見られるクラシック機は珍しく、機内を作り込むのは楽しい作業になりました。特に計器類は、現在のものと構造が違っていたり、正確な使い方がよく分からなかったりして、謎解きの面白さがありました。では、その計器のお話から始めましょう。

●●ジャイロ計器の歴史ロマン:
 最初に作ったのは、人工水平儀(今風に言えば姿勢計)とジャイロコンパスです。モホークのパネル中央には黒い皮革パネルが張り込まれ、二つの計器を麗々しく飾っています。パネルには「Sperry」のロゴがあり、初期の航空ジャイロ計器を発明した、米国スペリー社(船舶用ジャイロコンパスで、ドイツのアンシュッツと世界市場を二分したメーカー)の製品と判明。大いに感銘を受けた私は、黒いパネルの画像をそのままテクスチャーに使って、計器盤に張り込みました。
 寄り道で恐縮ながら、人工水平儀の生い立ちに触れますと…米陸軍航空隊のジミー・ドゥーリットル(戦前はエアレースで、開戦後は東京初空襲で有名)が1929年、世界初の完全計器離着陸に挑むため、スペリー社のエルマー・スペリー・シニア博士(旋回計の発明者)に新型計器の相談をしたのが、開発のきっかけでした。ドゥーリットルのアイディアは、球体の表示器に飛行機の姿勢と方位を同時に表示させるものでしたが、スペリー博士は、機能を二つの計器に分けた方がいいと提案。視界ゼロでも自機の姿勢が分かる人工水平儀と、加速度やバンクに影響されず安定して方位が読めるジャイロコンパスが生まれました。

 モホークの水平儀はバンク目盛りが下にあるなど、現在のものとデザインが上下逆です。FlightGearのビーチクラフトC18Sにも、まったく同型に見える計器が使われており、最初これを借用しようと思いましたが、バンク目盛りが機能しないため断念し、PC-9Mの姿勢計をベースに自作しました。ジャイロコンパスはC18Sの磁気コンパスを改造し、方位盤を動かすプロパティを、安定のいいジャイロコンパス用に書き換えました。他の計器もすべて全面的な改造品か自作で、丸ごと流用はありません。

 興味深かったのがモホークの旋回計。横滑りをボールではなく指針で示すタイプで、こちらも現代のものをベースに改造しました。実物は旋回指針の目盛りが今とは違い、表示単位が分からないため、秘蔵の航空計器解説書(昭和7年、岩波書店発行)を調べたら、意外な発見をしました。当時の旋回計には、現在のようなジャイロ式の他に、気圧式のものもあったのだそうです。機体の左右2カ所に気圧センサーを設け、圧力差を検出して拡大し、旋回角速度を表示する仕組みですが…それで分かった! モホークの機首下面には、ピトー静圧管らしいベンチュリー管が2本もあって、なぜ1本ではないのか不思議でたまらなかったのですが…これは旋回計のセンサーだったのですね。

●●速度計と高度計:
 次に作ったのは速度計と高度計。どちらも現代機と違ってゼロ点が下にあります。本物は不等間隔目盛りが付いており、このままモデル化は難物に思えました。実際は、計測数値と針の指示角度を簡単な案分表にするだけで動くのですが、作った時点ではそれを理解しておらず、平凡な等間隔目盛りに置き換えてしまったのは、結果的に残念でした。
 速度計はセスナ用を改造しましたが、指針と盤面がホットスポットになっており、クリックするかマウスポインタをかざすと、指示対気速度をデジタル表示する仕組みになっていることを、初めて知りました。面白い工夫ですが、このままでは大して意味はないので、航法に欠かせないTAS(真対気速度)を表示するよう改造しました。従来もPC-9M改などにはTAS指針を増設していましたが、一時的な表示のほうが、リアリティーを損ねずに済みます。
 2針式の高度計は、パイパーカブ用を改造しました。モホークの高度計目盛りは、1周が1万8000ftという珍しいもので、針の角度から直感的に高度を知ることが困難です。そのため文字盤の高度表記は、奇数と偶数を色分けしてありますが、かえってゴチャゴチャして見える気もします(笑)。「人間工学が分かっていない!」と切り捨てるのは簡単ですけれど、開発途上の機械というのは、設計者の苦労や「どや顔」、時には笑っちゃうような人間くささを、あれこれ感じさせるものでもあって。こうした計器をモデル化する作業は、はるか昔のエンジニアたちと、声にならない声で、親しく対話するような味があります。

●●磁気コンパスの謎を解く:
 私はナビゲーションが好きですから、モホークの磁気コンパスには特に興味をそそられました。現代のコンパスは大抵高い位置に設けられ、方位目盛り(コンパスカード)自体が回転しますが、モホークのものはパイロットの両足の間に低く置かれ、ハイキング用のコンパスみたいに磁針だけが回転し、方位目盛りは腕時計のように、筐体の外周に付いています。この目盛りリングは任意の角度に手で回転可能で、表面のガラスには南北方向に2本の平行線が入っています。明らかに針路をプリセットするための構造で、ぜひ使用方法を確かめたいと思いました。スピットファイアなども、同系統のカーソル付きコンパスを乗せていますが、これはイギリス式の設計なのでしょうか。何となく、船舶用のコンパスを思わせます。

 英文サイトでさんざん調べた結果、モホークの磁気コンパスは、戦前のイギリス航空省が開発した爆撃機用のP4A型であることが判明。「投稿画像」の写真でお分かりのように、磁針は(たぶん慣性バランスを取るために)棒形ではなく十文字になっていて、北向きの針の先端には識別のため、短い横棒が付けてあります。使用法ですが、まず目標への磁気方位を計算し、目盛りリングを回して目的地の方位を真正面に合わせます(三角印を付けたのに、写真では見えず残念です)。後は上部のガラス面に設けられた平行線カーソルに、南北磁針が入るように操舵すれば、常に目的地を向くことになります。私のコンパスも盤面クリックで方位リングが回るようにして、磁気コンパスとしての機能はもちろん、オートパイロットの針路設定に使えるようにしました。

 問題は、コンパスが(たぶん磁気ノイズを避けるため、計器盤から離して)床面近くに取り付けてあること。実際に使ってみて分かったのですが、コンパスを斜めに見下ろすと、飛行方向によっては北を示す横棒が隠れてしまい、現在の方位がまったく分からなくなるのです。実機ですと、パイロットが少し姿勢を変えれば見えますが、FlightGearでは無理なお話。ハリケーンやスピットファイア用のP8やP11コンパスは、磁針とカーソルがT字型に改良されていて、Tの縦棒が北を指します。南北が非対称形なので、常に向きが分かる仕組みです。
 以前、このT字型カーソル付きコンパスの写真を見たことはありますが、「南北を間違わない工夫」などと書いてあっても、実際の使い方までは分かりませんでした。シミュレーターとは有り難いもので、実際に針路を合わせてみると、P4A型コンパスの欠点がよく分かりますし、さらにFlightGearのハリケーンを操縦してみると、P11コンパスの便利さも体感出来ます。こりゃモホークにもP11を借用するしかないな、と思ったのですが。まてまて…やはり史実優先、自作パーツ優先。あえてリンドバーグも使ったP4Aコンパス(完全自作)を搭載することにしました。ただし間違わないよう、北向き磁針だけ赤く塗っています。

●●エンジン計器など:
 だんだん工作のコツが分かったので、回転計からブースト計、油温、油圧、シリンダー温度、燃料計、電流、電圧計あたりは快調に製作が進みました。表示項目の多くは internal properties の中に参照数値が見つかりましたが、ブースト圧は見当たらず、かといって吸気圧では少し意味が違うので、推力の数値を当てはめています。ごまかしではありますが、プロペラピッチと混合比を調整する時には、回転計よりずっと敏感に反応するため、高度5000ft以上に上昇する時など、大いに役に立っています。
 エンジン始動は、当時の日本ならイナーシャー・スターターや始動車を使ったのでしょうが、モホークは計器盤左下のマグネトー・スイッチ近くに、「PRESS BUTTON TO START」と書いた押しボタンがありますので、セルモーターを積んでいたようです。私の機体でも、マグネトー・スイッチの筐体を連続左クリックすると、スナップスイッチが上下に順次動いて、イグニッションが左右オンになり、押しボタンクリックでエンジンが始動出来ます。スロットルは全閉のままでも大丈夫です。マグネトーとミクスチャーを戻す時は、マウスのセンターボタンかキーボードを使います。
 なおスロットル及び、これと同軸のプロペラピッチレバー、その下にある駐機ブレーキのレバー、コクピット右壁のフラップレバーは、飛行中はクリックしにくいためホットスポットを設けておらず、ポジション・インジケーターとしてのみ機能します。従ってこれらの装置は、標準的なキー操作でご使用下さい。

●●FlightGearには、女性の人形もあったんですね:
 このあたりで、そろそろパイロット人形が欲しくなりました。セントルイス号には、やせ形でリンドバーグにちょっと似た人形が乗っていて、借用の有力候補です。FlightGearのデータフォルダを調べたところ、くだんのリンドバーグ風人形も入っており、一種の汎用パーツ扱いのようですので、そのまま使わせて頂くことにしました。(自作も試みましたがすぐ断念。理由ですか?…あっはっは)
 データフォルダには、女性の人形も入っていました。v3.4.0のリリース前、本家サイトの紹介記事に、機体を降りてシーナリーの中を歩き回る機能の話がありましたが、そのためのキャラクターのようですね。モホークの後席には、出来れば(アン夫人みたいに)女性の副操縦士を乗せたかったので、うち一体のおつむを借りて、やや縮小したリンドバーグ風人形の胴に移植し、操舵と連動して向きを変えるようにしました。これで同じ顔をしたおっさんが二人並ぶ、不気味なシーンを避けられます(^^;)。

 …本機のコクピットは相当狭く、後席のラダーペダルは前席の両脇にあり、後ろのパイロットは足を開いて、前席と側壁の間に押し込んで操舵します。バイクのタンデム走行みたいな感じですが、機体及び前席パイロットとの一体感はあって、これはこれでいいのかも。ただし長時間飛行は、姿勢が変えにくいので疲れそうです。リンドバーグ夫妻は1937年に機体を受け取ると、さっそく英国からインドまで往復したのですが…ガッツがあるなぁ!と感心します。
 私の機体も後席にパイロット・ビューを設けているので、一応は後席の視点から操縦可能ですが、前のパイロットが非常に邪魔なのと、スペースが無くて後席用の計器を特に設けていないため、離着陸などは困難です。実機は果たしてどうなっていたのか、後席の写真がまったく見つからないだけに、興味のあるところです。ことによるとロッキード・シリウスのように、アン夫人が操作する無線電信機が積まれていたかも知れません。余談ながら、装備品やパイロットの細かい位置決めをするため、コクピットのモックアップを作ったところ、工作を進める上で非常に役立ちました。

●●飛行性能向上のカギは、主翼面積にあった:
 ここで飛行性能を再び手直します。大きな目標は、飛行速度を実機並みに引き上げることと、3軸の舵の利きと安定性を両方とも改善すること。この段階ではふらつきが大きく、まだオートパイロット任せで巡航することが出来なかったのです。
 速力アップは、本来200馬力のエンジンを、すでに250馬力にかさ上げしていますし、実機で途中から採用された可変ピッチプロペラも取り入れ、空気抵抗係数まで削っているので、スピードを上げる手はあまり残されていません。そこで主翼面積を少々切り詰めることにしました。

 過去の改造経験から言いますと、主翼をスパン(翼の左右)方向に切ると、ロールスピードが上がる反面安定が悪くなり、エルロン操舵の細やかさも失われます。そこでコード(翼の前後)方向に1割、主翼を縮めてみたところ、結果は非常に良好で、最高速が10Kt近く向上し、上昇力も目に見えて増えました。また翼面荷重が増えたことにより、幾らか操縦性にメリハリが出たようです。もう一息速度を上げようと、同じ方法で2割主翼を切ったところ、今度はピッチ方向に強い操舵を加える際、機首が大きくガクンと向きを変える傾向が現れて、不快な印象でした。まるで何年も前のyasim機のようです。

 この時点では、主翼のコード寸法しか変更していませんでしたが、主翼を前後に切り詰めると当然、空力中心(FlightGear風に言えば「AERORP」)が移動するはずです。空力中心と重心の相対位置が狂ったことが、恐らく不審な挙動の原因でしょう…。そこで、主翼を前後方向に1割、左右方向にも1割縮小することにして、実際に縮めたモックアップを作り、平均翼弦長を計り直して正しい空力中心位置を求め、Aeromaticによる空力計算からやり直して、重心位置も再度調整したところ、ピッチ方向の癖は解決しました。速度性能も、3000ftの最高速が160Kt近くまで上がり、スロットルを90〜95%まで開けば150Ktの巡航も可能になって、ほぼ実機の性能レベルに到達しました。いや…正確に言いますと、うっかりKIAS(Kt表示の指示対気速度)で速度を測ったため、実質的には実機を少し上回ってしまった感じです。

 また、3軸の操縦特性プログラムをピラタスPC-9M改のものと照合しながら、ロール軸を中心に操舵力を増やす一方、ダンパーの利きも増強しました。こんな具合です。
 <description>Roll moment due to roll rate</description>(ロールのダンパー)を2倍増。
 <description>Roll moment due to yaw rate</description>はPC-9Mに合わせて減少。
 <description>Roll moment due to aileron</description>(エルロン操舵力)は2倍弱に。
 <description>Pitch moment due to pitch rate</description>(ピッチのダンパー)1.5倍増。
 <description>Yaw moment due to yaw rate</description>(ヨーのダンパー)33%増加。
 <description>Yaw moment due to rudder</description>(ラダー操舵力)1.5倍増。
 <description>Adverse yaw</description>PC-9Mに合わせて3分の1に落とす。

まだ完全とは言いかねますけれども、6月にアップロードさせて頂いた内装無しのα版に比べて、操縦の感触が良くなった気がします。よろしければ、どうかお試しを。末筆ながら、起動時にはコクピットは無人ですが、dキーを押すとパイロットがカップルで出現します。
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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2015-10-13 11:32 | 最終変更
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 635
hideです。自作機 Miles Mohawk の最新バージョン(1.0)を先日、JPオリジナルダウンロードで公開させて頂きました。すでに何人かの方に、試して頂けましたようで光栄です。遅ればせながら、こちらでもご報告致します。
 新たに手を加えたのは以下の点です。
  ・一応、Rembrandt に対応しました。
  ・パイロットの頭部や機体の一部が、ビリビリ振動して見える問題を解決しました。
  ・操縦性、安定性を大幅に改善。離陸やトリム調整が楽で、しっとり安定し、舵の利きもよくなりました。

 まだ改良の余地はあるものの、ひとまず完成形になったかなと感じています。よろしければ、ぜひお試し下さい。
 (Miles Mohawk Ver1.0のダウンロードは下記から)
  http://flightgear.jpn.org/modules/d3downloads/

●●Rembrandt への対応:
 モホークには、高速用と低速用のプロップディスク(回転中のボケたプロペラを表現する、半透明の円盤)があり、回転数によって表示を切り替えています。仮にプログラム上、何も対策を取らずに Rembrandt 機能をオンにすると、ご承知のようにプロップディスクは不透明に見えてしまいます(しばらく前のFlightGearでは確か、風防ガラスも不透明に見えたと思います)。本機ではこのほかにも、後述しますように、空いちめんに謎の白い六角形ノイズが発生する、他機では見たことのないトラブルが生じました。これらを解決しないことには、とてもVer1.0を名乗ることは出来ません。

 プロップディスクを Rembrandt に対応させるのは割に簡単です。他機のファイルを参考に、Models/Mohawk.xml(アニメーションファイル)に、
<effect>
<inherits-from>Effects/model-transparent</inherits-from>
<object-name>group-prop-disk</object-name>
<object-name>group-prop-disk3</object-name>
</effect>
…と追記したところ、機外視点では半透明に見えるようになりました。でもガラス越しの cockpit view では、Rembrandtを使おうが使うまいが、完全透明になってしまいます。上記<object-name>タグに風防ガラスのパスも書き込めば、プロップディスクは正常に見えますが、今度は風防ガラスの反射光が消えてしまう、という問題が起きました。
 モホークの風防は、ごくオーソドックスに、shader機能の crome 指定で表面反射を入れてありますが、なぜか無効になってしまうのです。風防ガラスは、1枚の平面を裏表両面表示で使っていますので、一時はこれが原因かと思って、ガラスの内側表面を(他機によくあるように)片面表示の独立ファイルにしてみましたが、効果なし。新たにガラスを作り直してもダメ。となると、プロペラ回転面と風防ガラスの反射の、どちらかを選ばざるを得なくなります。
 風防内に反射光を仕込むと正直、操縦の邪魔になります。どちらかと言えば、ない方が好きです。ただし、これを消してしまうと困ります。モホークの風防は窓枠が固定式で、開閉部分は左右2分割の樹脂ガラスだけが上下にスライドする仕組みです。零戦のように窓枠ごと動くわけではないし、実機通り透明ガラスにしましたので、表面の反射が消えると全然見えなくなり、風防の開閉動作も楽しめなくなってしまうのです。

 また本機の風防は、パイロットの頭すれすれに、低く細く設計されています。本機同様リンドバーグの注文で開発されたロッキード・シリウスにも、似た風防が付いており、この時期の彼の好みのようです。視界を犠牲にして空気抵抗を減らし、高性能をアピールしている感じですが、はっきり言って狭苦しいです。この狭さをFlightGear でも表現したいと思い、あえて邪魔なガラス反射を入れました。(15分も操縦すると、つい風防を開いてしまいますが、このときの開放感は素晴らしく、風が吹き込んで来るような気がします。戦前は、風防を開けたまま飛ぶのを好むパイロットが大勢いたそうですが、こんな気持ちだったのかな…と)(笑)

●●「謎の六角形」および「ビリビリ現象」との戦い:
 Rembrandt 使用時の宿題は、まだあります。8月にデスクトップ機を自作した際にご報告しましたが、空に六角形の白いタイルが多数チカチカ表示される、謎の現象を退治しなくてはなりません。この症状が映っている画像のアドレスを、以下に再掲しておきます。
   http://flightgear.jpn.org/modules/myalbum/photo.php?lid=326
 「謎の六角形」の集団は、天頂を中心に渦を描いて分布します。Rembrandt を使わないと現れませんので、最初は風防ガラスが絡んでいるのかと思いましたが、風防全体を外しても変化なし。オブジェクトのどこかに無理があるのかと、成形に苦心したフィレットを外したり、中央部を残して主翼を切り捨てたり、尾翼や後部胴体を順次消したりして、とうとうエンジンとペラとコクピットの丸裸になりましたが、やはり六角形の嵐は収まりません。

 そこでアプローチを変えることにして、最初のモックアップから最新版まで、保管してある細かなバージョン46種のすべてを対象に、いつから「六角形」が出現したのか検証しました。まず、飛行可能な最古のバージョンを起動。これは大丈夫でした。しかし直近のβ2版では現れます。次に両者の中間の日付のモデルを調べて、更にその中間をテスト…という風に絞り込んだところ、コクピット内壁を作り込んでいた7月3日製の機体までは無事ですが、翌日セーブした型では「六角形の嵐」が起きることが分かりました。明らかに、このとき何かが起こったのです。
 継ぎはぎ的な成形を重ねるうちに、オブジェクトの頂点の数と面の状態に矛盾が生じたとか、何か問題があったのでしょうが、残念ながら原因は分かりませんでした。しかし改良作業のスタート地点は判明したわけで、前記の7月3日バージョンを土台に、付いていなかった計器を改めて組み込んだり、特に工作の汚い部品を作り直したり、一歩ずつ最新版に近づけながら Rembrandtの 起動テストを重ねて、「六角形」が出現しない完成機を手に入れました。

 ここで、嬉しい発見がもう一つ。モホークは Rembrandt を使わない状態でも、画面表示に少々問題がありました。主脚タイヤや風防の窓枠など、一部のパーツの輪郭が、駐機中にビリビリ震えるのです。こうした振動は他機でもまれに見かけますので、あまり気にしていなかったのですが、モホークでは特に前席パイロットの頭に頻発し、段々ひどくなりました。飛行帽がまだらにハゲて素肌が見えたり、一瞬で元に戻ったり。かなり悲惨な状況でしたので、何とかしたいと思っていました。
 起動時のコンソール画面を精査したら、削除済みの計器前面ガラスに関する記述が、プログラム内に残っていたのが原因で、エラーメッセージが一つ出ていました。この問題をつぶしたら、ややビリビリが少なくなりましたが、根絶には至らず悩みのタネでした。幸いこの「ビリビリ現象」も「六角形の嵐」が解決した時点で、ほぼ完全に収まりました。おそらく共通の原因だったのでしょう。
 実機の開発では、機械的・空力的な振動の収束に苦心するようですが、立体オブジェクトに発生する「ビリビリ現象」もデリケートで厄介です。防止のコツはよく分かりませんが、オブジェクトの面と面が重なり合うのを極力避け、マクロには複雑な機体に見せかけつつ、ミクロには出来るだけシンプルな構造として、1工程ずつていねいに仕上げること…あたりでしょうか。

●●操縦性を煮詰める:
 当面の課題をクリアしたので、最後に操縦性と安定性を見直しました。
現代では決して、足が速いとは言えないモホークは、巡航中に風の影響を大きく受けるため、地文航法と推測航法のおさらいに向いています。正確な航法を行うには、偏流(風でコースから横滑りする角度)を正確に観察して修正角を決める必要があり、そのためには横滑りを起こさず直進できることが条件となります。
 本機は当初、オートパイロットで直進中に浅くバンクして飛ぶ癖が見られ、旋回計でもかすかな横滑りが確認できましたので、まず直線飛行のバランスを見直しました。バンクを解消するにはエルロン調整だけでなく、ラダーのトリムも変化させて試行錯誤を重ねたいので、他機を参考に Mohawk-set.xml ファイルをいじって、トリム調整の項目を書き加えました。
<controls>
 <flight>
  <aileron-trim>0.035</aileron-trim>
   <elevator-trim>-0.01</elevator-trim>
  <rudder-trim>-0.0</rudder-trim> <!-- fixed -->
 </flight>
</controls>
 このうちエルロンとエレベーターのトリムは、飛行中にジョイスティックから変更可能ですが、ラダー調整は私の環境では無理なようですので、上の記述が唯一の手段です。実機で言うと、地上で調整する「固定タブ」に当たります。最初はラダーを少し切ってバンクを消しましたが、途中から Mohawk/Mohawk.xml(空力ファイル)の調整作業も進めまして、舵の利きと復元力、操舵に対するダンピング特性などを各種いじって、操縦安定性全体のバランスが変わりました。その結果ラダートリムは、最終的には中立に戻りました。

 一連の調整作業で狙ったのは、「舵を使えば切れ味よく運動し、中立に戻せばしっとり安定する」という、いいことずくめの飛行特性ですが、先のVerβ2に比べれば、ある程度実現できたと思います。
 モホークVer1.0は、以前より速い角速度でエルロンロールし、今回初めてスナップロールもこなせるようになりました。140KIAS以上に加速すれば、連続宙返りも不可能ではありません。本機はもともと、オーナーが自分で操縦を楽しんで旅行にも使う、練習機より高性能を狙った長距離自家用機で、曲技機に近い系統ではありませんが、気が向けばちょっと振り回してみることは可能で、以前よりさらに楽しい飛行機になったかと思います。

●●13日午後の付記:
 あとで思い出したのですが、「ビリビリ現象」にはもう一つ、別の要因が絡んでいました。パイロットの視点の問題です。
最近のFlightGearは、pilot view で大きく視線を横に振ると、パイロットが首を横に突き出したみたいに、カメラ位置が横移動しますね。お陰で斜め下が見えやすくなって、便利ですし大変リアルだと思いますが…風防が非常に狭いモホークの場合、カメラ視点がガラス面に近づきすぎて、風防ガラスの一部が消えてしまいます。理由は、viewカメラがパイロットの頭部に遮られずに外界を見る目的で、至近距離の物体は無視するように設定されているからです。
 設定距離はデフォルトで10〜12僂らいだと思いますが、以前toshiさんに教わった記述を、機種名-set.xml に追加すると変更可能です。
<rendering>
<camera-group>
<znear type="double">0.005</znear>
</camera-group>
</rendering>
Mohawkβ2では、上記のように設定値を0.005(スケールサイズで5ミリ)まで縮め、ほぼガラスが消えずに済みましたが、この設定ではビリビリ現象が悪化することが後日判明。バージョン1.0では0.025(25ミリ)まで緩めています。目一杯後ろを見ると一部ガラスが消えますが、斜め後ろ40度くらいでしたら大丈夫。実機でも後ろを見る時は、風防を開けて頭を突き出したと思いますので…これでいいのでは(笑)。
 以上、view の最小距離を調整する場合のご参考でした。

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