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The FlightGear Manual Version 1.0

第7章 フライトシミュレータの基本チュートリアル

このドキュメントは http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstartch7.html の日本語訳です。

Table of Contents

訳注: 画像が小さすぎて見にくい場合は、画像をクリックして拡大してください。

7.1 序文

航空というのは両極端なものです。

このチュートリアルで使用する航空機はセスナ 172p です。 これは、現実世界の数多くのフライトスクールで使用されている偉大な航空機です。

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以下の文章は、このチュートリアルを補足し、チュートリアルを読み進めるにつれて生じるかもしれない疑問の多くに答えてくれるでしょう。 特に最初の記事は、航空機の主要な部品や操縦の入門としてためになります。

本チュートリアルはできる限り正確に書かれていますが、いくつかの間違いもきっと含まれていることでしょう。 あらかじめお詫びをします。

7.2 起動

FlightGear を起動する方法は、使っているプラットフォームやディストリビューションにより様々です。

7.2.1 MS Windows

MS Windows では、FlightGear の GUI ウィザードを使って機体や起動位置を選択することができます。 はじめに、以下に示すように、機体としてセスナ 172p を選択します。 本チュートリアルに合わせるには 2D パネルのものは選択しないでください。 (とは言え将来は、2D の方が訓練に適していると感じるかもしれません。) Next ボタンを押して空港を選択します。

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本チュートリアルではどの空港から起動しても構わないのですが、FlightGear のデフォルトの空港であるサンフランシスコ (KSFO) から起動するものと仮定します。

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KSFO を選択して Next ボタンを押すと、シミュレータについてのたくさんのオプションを設定できます。 初めて飛行する場合は noon (昼) で起動することを推奨します。 また、小さめの 800 × 600 の Resolution (解像度) で起動するすることをお勧めします。 あとになってオプションを設定して飛び回ったり高い解像度を使っても良いのですが、明らかにパフォーマンスに悪影響を与えます。 Run ボタンを押すと選択したオプション設定で FlightGear が起動します。

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もし Windows 環境で FlightGear の最新版がうまく動かなければ、グラフィック要件の低い初期のバージョン (例えば 0.9.8) を試してみるのも良いでしょう。 以前のリリースは FlightGear ダウンロード トップページ に記載されている FTP ミラーの中にあります。

もし Windows Me を使っていて、フライトシミュレータが突然つっかえ始めてフレームレートが落ちるなら、Explorer と Systray 以外の全てのタスクを FlightGear の起動前に殺してみてください。 もし殺したタスクの一つがアンチウィルスやその手の保護ソフトである場合は、明らかにセキュリティ上のリスクが生じます。 また、ある Windows ME マシンでは、FlightGear の設定を 800 × 600 にすると良い結果が得られるのに、より低い 640 × 480 の解像度は FPS (フレーム毎秒) の度合いがずっと低くなる要因になっていました。

7.2.2 Linux とその他の Unix 系

Linux とその他の Unix ライクなシステムでは、コマンドラインから FlightGear を実行しなければならないかもしれません。 FlightGear をインストールしてもシステムのメニューに見当たらなければ、以下を試してください。

7.2.3 暗闇の中?

-timeofday=noon オプションをつけないと、FlightGear はサンフランシスコの現在の時刻 (訳注: 機体のいる場所の現地時間) で起動するため、ヨーロッパにいる人には夜になることが多々あります。 シミュレータ内の時刻を昼に変えるには、メニューから Weather->Time of Day を選んで Noon を選択してください。

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もしメニューから FlightGear を実行する場合 (例えば KDE や Gnome 環境)、FlightGear 起動アイコンのプロパティを編集し、単純な fgfs コマンドを fgfs -timeofday=noon -geometry=1024x768 のように、あるいはお望みのコマンドオプションに変更することができます。 コマンドラインオプションについての詳細は第3章にあります。

7.3 最初の挑戦 - 真っ直ぐに飛ぶこと

FlightGear を起動すると、次のようなウィンドウが表示されてエンジン音が聞こえてきます。

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起動すると、航空機は滑走路の端にいて、エンジンがローパワーで動いています。 飛行機は時々少し振動しますが、動くことは無いでしょう。

キーボードについて

vを打って、機体を外側から見てください。 v を繰り返し打って様々な視点 (view) をスクロールし、コックピットに戻してください。 (V を打つと逆向きに視点が循環します。)

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現実世界ならば、全てが動作し、可動部品を邪魔するものが無く、機器の開口部に障害物がないことをチェックするためにあらゆる点から点検していたことでしょう。 シミュレータ内では、これはもう我々のために出発前にやってあります。

Page Up キーを約8秒間押してください。 すると、エンジン音が上昇するのが聞こえるでしょう。

機体が滑走路を加速し始めます。 それにつれて機体が左に流れ、ついに離陸するという前に左に傾き、地面に落下し、墜落します (多分)。

View -> Instant Replay メニューで墜落のリプレイを見ることが出来ます。 ダイアログウィンドウ下部の Replay ボタンをクリックし、それから vV を使って外側から機体を見てください。 以下の図に、フライトの最後の部分を示します。 F3 を打つとスナップショットを撮ることができます。 また、F10 キーを使うとメニューバーのオンオフを切り替えられます。

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自分の墜落を見物し終わったら FlightGear を終了し (File->Quit を使います)、先ほどと同じオプションを使ってシミュレータを再起動します。

真っ直ぐ飛ぶには航空機のコントロール・ヨーク (操縦桿) が必要です。

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ジョイスティック、あるいはマウスを動かすことでヨークを操縦することができます。 マウスで行うには、マウスをヨークモードにする必要があります。 マウスの右ボタンをクリックしてそのモードにしてください。 マウスカーソルが + 表示になります。 マウスを動かし、それに応じてヨークが動作するのを見てください。 v を打って機体を外から見てください。 もう一度マウスを動かすと、尾部のエレベータ (昇降舵) と、両翼の端にあるエルロン (補助翼) が動くのが見えます。 何かが動くのを見るには視点が機体から遠すぎるなら、x を数回打ってズームインします。 X はズームアウトします。 Ctrl-x はデフォルトのズームレベルに視界を戻します。 V を打ってコックピットに視点を戻してください。

マウスの右ボタンをもう一度クリックするとマウスがビューモードになります。 このモードではマウスカーソルが ↔ 表示になります。 これにより、周りを容易に見回すことができるようになります。 マウスの左ボタンをクリックすると視界が中央に戻ります。 さらに右クリックをすると通常のマウスモードに戻ります。

まとめると、マウスを右クリックすると3つのモードが循環します。

マウスでヨークをコントロールしてもう一度離陸を試みます。 右クリックでマウスをヨークモード(ポインタ形状は +)にし、Page Up キーを押し続けてエンジンのスロットルを全開に上げます。 滑走路に対して機体が曲がるのをマウス/ヨークを使って真っ直ぐに保とうとはしないでください。 左に流れるがままにしてください。 空中に浮き上がるまで待ちます。 その後、マウスを使って機体が真っ直ぐに飛ぶようにします。 (もし地上で機体をコントロールしたければ 7.5節 を見てください。)

左に傾いたり...

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右に傾いたり...

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あるいは地面に突進したりするのを防がなければいけないことが分かるでしょう。

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航空機の機首の少し上に地平線が安定するようにして、おおむね真っ直ぐに飛ぶよう努力してください。

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ビデオゲームやより単純なシミュレータに対してあなたがどんなスキルを持っていようとも、多分最初は成功しないでしょう。 恐らく離陸後あっという間に航空機は墜落することでしょう。 この瞬間に、大半の志願者はやる気をなくし、シミュレータまたは実際の航空機を飛ばす努力をすることをあきらめてしまいます。 ちょっとだけ耐えてトライし続けてみてください。 いずれ、必要とされる微妙な制御入力の感覚が養われるでしょう。

一番よくある間違いは、機首を持ち上げようとしてマウスを前に動かすことです。 実は、そうするにはマウスを後ろに動かしてヨークを引かなければなりません。

同様に、機首を下げたいときはマウスを前に動かさなければなりません。 これは奇妙に思えるかもしれませんが、全ての航空機のコントロール・ヨークはこのように設計されています。 やがて、どうして他の方法で動作すると毎回考えていたのか不思議に思うようになるでしょう。 少しマウスを動かすだけで航空機に大きな影響を与えることも分かるでしょう。 初めは、マウスの感度を下げることが役立つかもしれません。

このことを頭に思い描くのが難しければ、次の例えが有用かもしれません。 机の上にサッカーボールがあり、そのてっぺんに手を「接着」したと想像してください。 もし手を前に動かすと、ボールは前に転がり、指先は机を指します。 もし手を後ろに動かすと、ボールは後ろに転がり、指先は天井を指します。 あなたの手が航空機なのです。

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二つ目の間違いは、制御入力がそのまま航空機のバンクに一致すると考えることです。 言い換えると、コントロール・ヨークが水平なら航空機も真っ直ぐに飛ぶと信じることです。 これは真実ではありません。 ヨークが制御するのは航空機のバンクが変化する割合です。 もし航空機が左に20°バンクしていてコントロール・ヨークが水平ならば、航空機は他の力が作用するまでずっと20°でバンクし続けます。 もし水平飛行に航空機を戻したければコントロール・ヨークを少しだけ右に回し (マウスを少しだけ右に動かす)、しばらくの間は少し右に維持する必要があります。 航空機はゆっくりと右に回転するでしょう。 地平線と水平になった時点でコントロール・ヨークも水平に戻します。 すると航空機は水平を維持します (他の力が姿勢を変化させるまでは)。

三つ目の間違いは、ヨーク/マウスの「正しい位置」を探そうとすることです。 当然ながら、ほっといても航空機が真っ直ぐに飛んでいくように微調整したくなるでしょう。 実際は、そのような理想的なヨーク位置は存在しません。 航空機は空中では本質的に不安定なものです。 マウスの微小な動きで航空機の高度を絶えず修正し真っ直ぐに飛ぶように保たなければなりません。 初めはそれにすっかり気を取られるように思うかもしれませんが、ちょうど車の運転と同じように、航空機を真っ直ぐ水平に保つことはすぐに自然に出来るようになるでしょう。 もっと長距離のフライトでは、オートパイロットを使って航空機を水平に保つことにそのうちなるでしょうが、それは本チュートリアルの範囲外です。

必要な制御入力についてのセンスを微調整する手助けとしては、外界の風景に目を向け続け、計器やヨークを見つめないことです。 地平線の角度と、機首の上に対する地平線の高さをチェックしましょう。 地平線と航空機のエンジンカバーがあなたにとっての主飛行計器なのです。 計器パネルはたまに見る程度にしてください。

マウスがヨークコントロールモード (ポインタ形状は +)である間は FlightGear のウィンドウの端にマウスを動かさないでください。 マウスは一度ウィンドウから出ると航空機を操縦することを止めてしまいます。 しかもぎりぎり悪い瞬間であることがしばしばです! ウィンドウの外側でマウスを使いたければ、マウスの右ボタンを2回クリックしてまずはマウスを通常モードに戻してください。

4つのキーボードの矢印キーまたはテンキーの8246キーを使ってヨークを操縦することもできます。 初めはこのほうがマウスよりも簡単に思えるかもしれませんが、正確な飛行をするために必要な繊細な微調整ができないので、マウスで耐え抜くほうがずっと良いのです。

空港の周囲を飛行している間にビープ音が聞こえるかもしれません。 これは着陸援助用の信号です。 当分の間は気にしないでください。

航空機を空に着実に上昇させることができるようになった時点で、これをマスターしたことに気付くでしょう。 次のステップは一定の高度に航空機を保ったりゆっくりと上昇や降下をする操縦を学ぶことです。

== 以下、翻訳中 ==


編集メモ


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