FlightGearマニュアル/第2章
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訳)スクリーンショット
訳)スクリーンショット/v0.9.10
訳)スクリーンショット/v1.0
訳)スクリーンショット/v1.9
訳)ダウンロード
訳)トラブルシューティング
訳)動作環境
訳)特徴
鐃緒申鐃緒申鐃淑リー鐃塾ワ申鐃藷スト¥申鐃緒申
[[FrontPage]] > [[FlightGearマニュアル]] > 第2章 RIGHT:The FlightGear Manual Version 3.0.0 *第2章 空を自由に飛びたいな 「ハイ!フライトギアー」 [#d3ba4e87] このドキュメントは http://mapserver.flightgear.org/getstart/getstart-enpa1.html#x4-70002 の日本語訳です。 #contentsx ---- **2.1 もう一つのフライトシミュレータ? [#h18697d7] あなたは自分で飛行機を飛ばしてみたくてもそんな資金や能力は無いと思ったことはありますか? あなたは空に飛び立たずに自分の技能を上達させたいと思っている本物のパイロットですか? あなたは命を賭けずに危険な操縦を試してみたいですか? あるいは単に、全く暴力のない、もっと本格的なゲームを楽しみたいですか? 以上の質問のどれかが当てはまるなら、PCフライトシミュレータがあなたにぴったりです。 Microsoft (c) Flight Simulator やその他市販のPCフライトシミュレータをもう使ったことがあるかもしれません。 たいていは50ドルの範囲内で売ってるので、本格的なPCフライトシミュレータが必要とするPCハードが(安くなってきたとは言え)1500ドルの範囲内であることを考えると、どれか1つを買うことはたいした問題ではありません。 とても多くの市販のフライトシミュレータがある中、私達はなぜプログラミングとデザインに何千時間も費やしてまで自由なフライトシミュレータを作っているのでしょうか? まぁ、多くの理由がありますが、その主なものを挙げてみます。 -市販のシミュレータには全て、重大な欠点があります。市販のシミュレータは少数の開発者によって作られており、彼らにとって何が重要かによって特性を決め、限られたインタフェースをエンドユーザに提供します。開発者に連絡しようとしたことがある人は誰でも、あなたの意見を取り入れてもらう事が主な試みでしょう。対照的に、FlightGearは人々の為にそして人々によってデザインされ、全てが公開されておりオープンです。 -市販のシミュレータは決まって特徴とユーザビリティを妥協しています。ほとんどの市販シミュレータの開発者は、本物のパイロットや初心者、カジュアルなゲームプレイヤーにも供給したいと思っています。しかし、資金と納期のため妥協しているのが現状です。FlightGearはフリーでオープンであるので、そのような妥協をする必要もありません。私達にはあれこれ言われる出版社も居ません。そして、私達ボランティアは締め切りを自分達自身で決めます。また、市販ソフトの開発者でない人が、成功しそうであると考える市場を支持するのも、自然科学のコミュニティのように自由です。 -市販のシミュレータでは、ソースを公開しない事によって、製品に貢献することから素晴らしいアイディアと技能がある開発者を守っています。 FlightGearであれば、すべてのスキルレベルの開発者やアイディアがプロジェクトで巨大な衝撃を与える可能性があります。FlightGearと同じくらい大きくて複雑なプロジェクトへの貢献は、とてもやりがいのある事で、私達がすばらしいシミュレータの未来を形成しているのを知る際に、開発者に大きな誇りを与えます。 -それよりも何よりも、ただ単純に楽しい! あなたはスクラッチ若しくは組み立て飛行機を造る本物のパイロットと私達を比較することができたと思います。勿論、私達は出来上がった航空機を買いに行くことができます。しかし、自分でそれを造ることにまさしく何か特別なものがあります。 上記の言及は、私達がFlightGearを作成した理由の土台を作っています。それらの動機を心に留めて、私達は、民間、マルチプラットフォーム、オープン、ユーザによって支持され、ユーザが拡張することができるプラットホームであることを目指し、高品質なフライトシミュレータの作成に着手しました。これらのそれぞれの特性を注意深く見てみましょう: -''民間:'' このプロジェクトは主として民間フライトシミュレーションを目指します。それは民間航空機と同様に一般的な航空をシミュレートするのに適しているべきです。私達の長期の目標はFlightGearが飛行訓練装置としてFAAの承認を受ける事です。数人のユーザをがっかりさせたのは現在FlightGearはコンバットシミュレータでない事です。しかしながら、これは明白に排除されたものではありません。ただ、私達には、真剣にコンバットシミュレーションに必要なシステムに興味を持っている開発者が居なかっただけです。 -''マルチプラットフォーム:'' 開発者は、できるだけプラットフォームからコードを独立している状態をキープしようとしています。これはフライトシミュレーションに興味を持っている人々がかなりの種類のコンピュータハードウェアとオペレーティングシステムを動かすという資料に基づいています。現在のコードは以下のオペレーティングシステムをサポートしています: --Linux (ディストリビューションやプラットフォームは問いません) --Windows NT/2000/XP (Intel/AMD プラットフォーム) --Windows 95/98/ME --BSD UNIX --Sun-OS --Mac OS X -~ 現時点において、このように広範囲のプラットフォームをサポートするフライトシミュレータは(商用、無償問わず)他に知られていません。 -''オープン:'' プロジェクトは覇気の無い組織の中枢の開発者に制約される事はありません。プロジェクトに貢献してくれそうな人はたいてい歓迎され、コード(ドキュメンテーションを含む)はGNU General Public License(GPL)の条件下で頒布できます。 ~ GPLは度々誤解されます。 簡単に言えば、そのライセンス下で自由にコピーをしてプログラムを配布することができると述べています。 お望みならプログラムを改変できますし、変更されたプログラムやオリジナルのプログラムを頒布する上で好きなだけ課金することすらできます。 ただし、ソフトウェアを配布する際にはソースコードも同様に利用者が入手できるようにしなければなりません。 かつ、オリジナルの著作権を保持しなければなりません。 要するに: CENTER:'''それを非フリーにすることを除いて、あなたはソフトウェアをどうにでも出来る。''' ~ GPLの全文は、FlightGearソースコードから、若しくは以下からを得ることができます。 > http://www.gnu.org/copyleft/gpl.html (英語) -''ユーザサポートとユーザ拡張性:'' 大半の市販のシミュレータと違って、FlightGearのシーナリー、航空機形式、内部変数、API、その他のどれもユーザがアクセスしやすく、当初から文書化されています。 少しも分かりやすい開発ドキュメンテーションがなくても(それは当然どこかに書かれているべきです)、何がどう働いているかソースコードをいつでも見に行くことができます。シーナリーデザイナー、パネルエンジニア、恐らく冒険又はATCのルーチン作成者、サウンドアーティスト、その他が信頼できる基本的なエンジンを作るのが開発者の目標です。開発者とエンドユーザを含め、このプロジェクトが世界中に何百もの有能な「沸騰寸前」の創造性と考えから利益を得るのは、私達の望みです。 間違いなく、Linus Torvaldsによって開始されたLinuxプロジェクトの成功は数人の開発者を奮い立たせました。 また、Linuxは、インターネットの上で非常に洗練されたソフトウェアプロジェクトの分散開発が可能であることを示すだけでなく、それは、そのような努力が競合する商業製品の品質のレベルを凌ぐことができると立証しました。 #ref(http://mapserver.flightgear.org/getstart/getstart-en1x.png,center,nolink,355x267) CENTER:図1: UNIX環境下のFlightGear: サンフランシスコ国際空港への悪いアプローチ - このマニュアルの作者の一人によるものです... **2.2 システム要件 [#zc2e2888] 最近の他のフライトシミュレータと比較すると、FlightGear のシステム要件は贅沢ではありません。 中速の AMD Athlon64 または Intel P4、あるいはそこそこの AMD Athlon/K7 または Intel PIII であっても、適切な 3D グラフィックカードを積んでさえいれば FlightGear を動かすのに十分なはずです。 FlightGear を実行する上で重要な必須条件は、グラフィックカードのドライバが OpenGL をサポートしていることです。 OpenGL が何であるかをご存知なければ、OpenGL ウェブサイト > http://www.opengl.org/ (英語) < にある概要に最も良く書かれています。 「1992年の導入以来、OpenGL は業界で最も広く使用されサポートされている 2D 及び 3D グラフィックス用アプリケーション・プログラミング・インターフェイス (API) となっており...」 現在(そして、これから先も)FlightGearはDirect3D/DirectXだけをサポートするグラフィックスボードで実行することはできません。OpenGLとは逆に、Direct3Dはウインドウズ・オペレーティングシステムに制限されている独占的なインタフェースだからです。 あなたはOpenGLのハードウェアアクセラレータ非対応の3Dビデオカードを搭載したコンピュータで(そもそも3Dグラフィックスハードウェアのないシステムに関してさえ)FlightGearを実行させることができるかもしれません。しかしながら、OpenGLのハードウェアアクセラレーションのサポートが無ければ最も速いマシンでさえ屈服するかもしれません。フレームレートが1秒あたり1フレーム以下になるのはハードウェアアクセラレーションが無いという典型的な印です。 OpenGL をサポートしている最近の3Dグラフィックスカードであればどんなものでも動くでしょう。 OpenGL をサポートする Windows 用ビデオカードドライバーに関しては、あなたのビデオカードメーカーのホームページを見てください。 OpenGL ドライバーがボードのメーカーではなくグラフィックスチップのメーカーから提供される場合があることに注意してください。 もしも FlightGear を実行するためにグラフィックカードを買おうとしているなら、NVIDIA GeForce の方が AMD/ATI Radeon よりも OpenGL への対応が良い傾向があるのでお勧めします。 256MByte のグラフィック専用メモリがあれば十分でしょう。 それより少ないメモリでも多くの人が FlightGear を楽しんでいます。 実行ファイルと基本的なシーナリーをインストールするためには、およそ500MBの空きディスクスペースが必要です。 あなたが自分でプログラムをコンパイルしたい場合は、ソースコードとコンパイルの間に作成される一時ファイルのため、それに加えて500MB必要になります。これは開発環境を含んでいません。それはオペレーティングシステムに依存するサイズと使用される環境によって異なります。Windowsユーザは、開発環境におよそ300MBの追加ディスクスペースが必要だと思います。Linuxと他のUNIXマシンは開発ツールの大部分が既にインストールされているはずなので、それらのプラットホームでは、追加スペースはほとんど必要ないでしょう。 音響効果に関しては、どの能力のあるサウンドカードも十分なはずです。そのフレキシブルなデザインのため、FlightGearはLinuxとWindowsにおけるラダーペダルと同様に広範囲のジョイスティックとヨークをサポートしています。また、FlightGearはフルモーションフライトシミュレータにインタフェースを提供しています。 FlightGearは主としてLinuxの下で開発されています。FlightGearはそれ自身に似た精神で、インターネット上において協力して開発されているフリーなUNIXクローン(多くのGNUユーティリティと共に)の下で開発されています。FlightGearは各種Windowsでも一部開発され、実行されています。 また、Mac OS X といくつかの UNIX/X11 ワークステーションの上でもビルドする事が可能です。 あなたが適当なコンパイラをインストールすれば、これらすべてのプラットホームの下でFlightGearをビルドすることができます。これらのプラットホームでの主なコンパイラは無料のGNU C++コンパイラです(Win32環境下のCygnus Cygwinコンパイラ)。 Mac OS X で FlightGear を実行するには Mac OS X 10.4 またはそれ以降が必要です。 最小のハードウェア要件は Power PC G4 1.0GHz あるいは intel Mac ですが、快適に飛ぶためには MacBook Pro か intel iMac、Mac Pro、Power Mac (Power PC G5) を推奨します。 **2.3 バージョンの選択 [#a72ed738] 最新の公式リリースを実行することをお勧めします。 公式リリースは大抵は年1回作られており、コンパイル済みバイナリの作成に用いられています。 以下から入手できます。 > [[訳)ダウンロード]] (日本語) > http://www.flightgear.org/Downloads/ (英語) ごく直近の、そして素晴らしい(そして、時には、バグだらけの)コードをもし本当にお望みならば、最新のソースコードを以下から複製する事ができます。 >http://www.gitorious.org/fg (英語) FlightGear用のセットアップ方法に関する詳細な説明は以下にあります。 > http://wiki.flightgear.org/GIT (英語) **2.4 飛行力学モデル [#g1eebf31] 歴史的に見ると、FlightGear は LaRCsim から (Navion の飛行機と一緒に) 受け継いだ飛行モデルに基づいていました。 これにはいくつかの制限があったので (最も重要な事は、設定ファイルを用いるのとは対照的に、多くの特性が組み込まれてしまっている事でした)、代替の飛行モデルを開発または盛り込もうとする試みがありました。 その結果、FlightGear は数個の異なった飛行モデルをサポートしており、実行時に選択することができます。 - おそらく最も重要なモデルは Jon Berndt によって開発された JSB 飛行モデルです。 JSB 飛行モデルは '''JSBSim''' と呼ばれる独立したのプロジェクトの一部です。 > http://jsbsim.sourceforge.net/ (英語) < - Andrew Ross はもう一つのシミュレータ ('''Yet Another Simulator''') '''YASim''' と呼ばれる別の飛行モデルを開発しました。 '''YASim''' は、他の大多数の FDM (''訳注:'' 飛行力学モデル) とは根本的に異なったアプローチを取っており、空力係数ではなく形状情報に基づいています。 '''YASim''' にはヘリコプターに特化した FDM があります。 - Christian Mayer は熱気球の飛行モデルを開発しました。 続いて、Curt Olson は特別な「UFO」回転モードを統合しました。 A地点からB地点にすばやく飛行するのに便利です。 - 最後に、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のチームによって開発されたUIUC飛行モデルがあります。 この研究が当初対象にしたのはアイシング条件下での航空機のモデル化でしたが、現在は「非線形な」空気力学を包含しており、大きな迎え角での飛行や失速といった、極端な姿勢においてより現実的な結果をもたらします。 この能力を例証する2つの好例はAirwave Xtreme 150ハンググライダーと1903Wright Flyerです。 UIUC 飛行モデルに関する詳細は以下にあります。 > http://www.ae.illinois.edu/m-selig/apasim.html (英語) (''訳注:'' リンク先修正) FlightGearの風景を、別のコンピュータで走っている外部のFDMを使用して表示をする事さえ可能です。 但しこれはFlightGearに触れたばかりの方に推奨する設定ではないかもしれません。 **2.5 このガイドについて [#pd72e382] このガイドで紹介されている資料はほんの一部です。まさにモンテーニュの言うように、私達が「ただここに持ち寄った大きな花束は、私自身には何ももたらさない。しかし、その一片が彼らをお互いに繋ぎとめている」と言えます。ほとんど(しかし、幸いすべてでない)を以下のFlightGearウェブサイトから入手できます。 > http://flightgear.jpn.org/ (日本語) > http://www.flightgear.org/ (英語) この'''FlightGearマニュアル'''は完全なFlightGearドキュメンテーションに向けた第一歩となることを意図しています。 対象としている読者は、OpenGLによる内部の作業や自分用のシーナリー作成に興味を持っていないエンドユーザです。 いつの日か、'''FlightGear Programmer's Guide'''や、現在'''TerraGear'''としてパッケージ化されているシーナリー作成ツールについて書かれた'''FlightGear Scenery Design Guide'''、そして'''FlightGear Flight School'''パッケージが添付されるようになることが私たちの願いです。 ''どうか、校正、改良、および提案を提供する事よってこのドキュメントの改善に協力していただくようお願いします。'' ''別のセットアップ(オペレーティングシステムやグラフィックカードなど)に関する記述の投稿を全てのユーザから募集します。'' '' '''FlightGearマニュアル'''の将来のバージョンの中にそれらを含められれば何よりも嬉しいことです(もちろん著者リストに記載します)。'' ---- 編集メモ - 新規作成。2007/06/07〜14 toshi -- [[旧Getting Started 第1章の翻訳>第1章]]を使わせていただきました。 - 画像ファイルを#refでリンクする際にサイズを明示するようにしました。2007/06/22 toshi - マニュアル v1.0 への改訂を行いました。2008/01/10 toshi - ページの階層を変更しました。2008/01/22 toshi - リンク先を新サーバに変更 2008/06/15 toshi - 原文の更新を反映しました。また、ページ最下部にコメント欄を新設しました。 -- toshi &new{2008-12-23 (火) 22:33:27}; - SPAM が増加しているため、コメント欄を削除 -- toshi &new{2009-02-25}; - 2.0.0向けに更新 --sambar 2010/03/13 - マニュアル v2.0.0 への改訂。 -- toshi &new{2010-03-13}; - マニュアル v2.10.0相当に改訂(章番号除く) sambar &new{2013-02-04}; - 図のリンク先をmapserver.flightgear.orgに変更 --sambar &new{2013-02-11}; - 章番号振り直し --sambar &new{2013-04-09};
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[[FrontPage]] > [[FlightGearマニュアル]] > 第2章 RIGHT:The FlightGear Manual Version 3.0.0 *第2章 空を自由に飛びたいな 「ハイ!フライトギアー」 [#d3ba4e87] このドキュメントは http://mapserver.flightgear.org/getstart/getstart-enpa1.html#x4-70002 の日本語訳です。 #contentsx ---- **2.1 もう一つのフライトシミュレータ? [#h18697d7] あなたは自分で飛行機を飛ばしてみたくてもそんな資金や能力は無いと思ったことはありますか? あなたは空に飛び立たずに自分の技能を上達させたいと思っている本物のパイロットですか? あなたは命を賭けずに危険な操縦を試してみたいですか? あるいは単に、全く暴力のない、もっと本格的なゲームを楽しみたいですか? 以上の質問のどれかが当てはまるなら、PCフライトシミュレータがあなたにぴったりです。 Microsoft (c) Flight Simulator やその他市販のPCフライトシミュレータをもう使ったことがあるかもしれません。 たいていは50ドルの範囲内で売ってるので、本格的なPCフライトシミュレータが必要とするPCハードが(安くなってきたとは言え)1500ドルの範囲内であることを考えると、どれか1つを買うことはたいした問題ではありません。 とても多くの市販のフライトシミュレータがある中、私達はなぜプログラミングとデザインに何千時間も費やしてまで自由なフライトシミュレータを作っているのでしょうか? まぁ、多くの理由がありますが、その主なものを挙げてみます。 -市販のシミュレータには全て、重大な欠点があります。市販のシミュレータは少数の開発者によって作られており、彼らにとって何が重要かによって特性を決め、限られたインタフェースをエンドユーザに提供します。開発者に連絡しようとしたことがある人は誰でも、あなたの意見を取り入れてもらう事が主な試みでしょう。対照的に、FlightGearは人々の為にそして人々によってデザインされ、全てが公開されておりオープンです。 -市販のシミュレータは決まって特徴とユーザビリティを妥協しています。ほとんどの市販シミュレータの開発者は、本物のパイロットや初心者、カジュアルなゲームプレイヤーにも供給したいと思っています。しかし、資金と納期のため妥協しているのが現状です。FlightGearはフリーでオープンであるので、そのような妥協をする必要もありません。私達にはあれこれ言われる出版社も居ません。そして、私達ボランティアは締め切りを自分達自身で決めます。また、市販ソフトの開発者でない人が、成功しそうであると考える市場を支持するのも、自然科学のコミュニティのように自由です。 -市販のシミュレータでは、ソースを公開しない事によって、製品に貢献することから素晴らしいアイディアと技能がある開発者を守っています。 FlightGearであれば、すべてのスキルレベルの開発者やアイディアがプロジェクトで巨大な衝撃を与える可能性があります。FlightGearと同じくらい大きくて複雑なプロジェクトへの貢献は、とてもやりがいのある事で、私達がすばらしいシミュレータの未来を形成しているのを知る際に、開発者に大きな誇りを与えます。 -それよりも何よりも、ただ単純に楽しい! あなたはスクラッチ若しくは組み立て飛行機を造る本物のパイロットと私達を比較することができたと思います。勿論、私達は出来上がった航空機を買いに行くことができます。しかし、自分でそれを造ることにまさしく何か特別なものがあります。 上記の言及は、私達がFlightGearを作成した理由の土台を作っています。それらの動機を心に留めて、私達は、民間、マルチプラットフォーム、オープン、ユーザによって支持され、ユーザが拡張することができるプラットホームであることを目指し、高品質なフライトシミュレータの作成に着手しました。これらのそれぞれの特性を注意深く見てみましょう: -''民間:'' このプロジェクトは主として民間フライトシミュレーションを目指します。それは民間航空機と同様に一般的な航空をシミュレートするのに適しているべきです。私達の長期の目標はFlightGearが飛行訓練装置としてFAAの承認を受ける事です。数人のユーザをがっかりさせたのは現在FlightGearはコンバットシミュレータでない事です。しかしながら、これは明白に排除されたものではありません。ただ、私達には、真剣にコンバットシミュレーションに必要なシステムに興味を持っている開発者が居なかっただけです。 -''マルチプラットフォーム:'' 開発者は、できるだけプラットフォームからコードを独立している状態をキープしようとしています。これはフライトシミュレーションに興味を持っている人々がかなりの種類のコンピュータハードウェアとオペレーティングシステムを動かすという資料に基づいています。現在のコードは以下のオペレーティングシステムをサポートしています: --Linux (ディストリビューションやプラットフォームは問いません) --Windows NT/2000/XP (Intel/AMD プラットフォーム) --Windows 95/98/ME --BSD UNIX --Sun-OS --Mac OS X -~ 現時点において、このように広範囲のプラットフォームをサポートするフライトシミュレータは(商用、無償問わず)他に知られていません。 -''オープン:'' プロジェクトは覇気の無い組織の中枢の開発者に制約される事はありません。プロジェクトに貢献してくれそうな人はたいてい歓迎され、コード(ドキュメンテーションを含む)はGNU General Public License(GPL)の条件下で頒布できます。 ~ GPLは度々誤解されます。 簡単に言えば、そのライセンス下で自由にコピーをしてプログラムを配布することができると述べています。 お望みならプログラムを改変できますし、変更されたプログラムやオリジナルのプログラムを頒布する上で好きなだけ課金することすらできます。 ただし、ソフトウェアを配布する際にはソースコードも同様に利用者が入手できるようにしなければなりません。 かつ、オリジナルの著作権を保持しなければなりません。 要するに: CENTER:'''それを非フリーにすることを除いて、あなたはソフトウェアをどうにでも出来る。''' ~ GPLの全文は、FlightGearソースコードから、若しくは以下からを得ることができます。 > http://www.gnu.org/copyleft/gpl.html (英語) -''ユーザサポートとユーザ拡張性:'' 大半の市販のシミュレータと違って、FlightGearのシーナリー、航空機形式、内部変数、API、その他のどれもユーザがアクセスしやすく、当初から文書化されています。 少しも分かりやすい開発ドキュメンテーションがなくても(それは当然どこかに書かれているべきです)、何がどう働いているかソースコードをいつでも見に行くことができます。シーナリーデザイナー、パネルエンジニア、恐らく冒険又はATCのルーチン作成者、サウンドアーティスト、その他が信頼できる基本的なエンジンを作るのが開発者の目標です。開発者とエンドユーザを含め、このプロジェクトが世界中に何百もの有能な「沸騰寸前」の創造性と考えから利益を得るのは、私達の望みです。 間違いなく、Linus Torvaldsによって開始されたLinuxプロジェクトの成功は数人の開発者を奮い立たせました。 また、Linuxは、インターネットの上で非常に洗練されたソフトウェアプロジェクトの分散開発が可能であることを示すだけでなく、それは、そのような努力が競合する商業製品の品質のレベルを凌ぐことができると立証しました。 #ref(http://mapserver.flightgear.org/getstart/getstart-en1x.png,center,nolink,355x267) CENTER:図1: UNIX環境下のFlightGear: サンフランシスコ国際空港への悪いアプローチ - このマニュアルの作者の一人によるものです... **2.2 システム要件 [#zc2e2888] 最近の他のフライトシミュレータと比較すると、FlightGear のシステム要件は贅沢ではありません。 中速の AMD Athlon64 または Intel P4、あるいはそこそこの AMD Athlon/K7 または Intel PIII であっても、適切な 3D グラフィックカードを積んでさえいれば FlightGear を動かすのに十分なはずです。 FlightGear を実行する上で重要な必須条件は、グラフィックカードのドライバが OpenGL をサポートしていることです。 OpenGL が何であるかをご存知なければ、OpenGL ウェブサイト > http://www.opengl.org/ (英語) < にある概要に最も良く書かれています。 「1992年の導入以来、OpenGL は業界で最も広く使用されサポートされている 2D 及び 3D グラフィックス用アプリケーション・プログラミング・インターフェイス (API) となっており...」 現在(そして、これから先も)FlightGearはDirect3D/DirectXだけをサポートするグラフィックスボードで実行することはできません。OpenGLとは逆に、Direct3Dはウインドウズ・オペレーティングシステムに制限されている独占的なインタフェースだからです。 あなたはOpenGLのハードウェアアクセラレータ非対応の3Dビデオカードを搭載したコンピュータで(そもそも3Dグラフィックスハードウェアのないシステムに関してさえ)FlightGearを実行させることができるかもしれません。しかしながら、OpenGLのハードウェアアクセラレーションのサポートが無ければ最も速いマシンでさえ屈服するかもしれません。フレームレートが1秒あたり1フレーム以下になるのはハードウェアアクセラレーションが無いという典型的な印です。 OpenGL をサポートしている最近の3Dグラフィックスカードであればどんなものでも動くでしょう。 OpenGL をサポートする Windows 用ビデオカードドライバーに関しては、あなたのビデオカードメーカーのホームページを見てください。 OpenGL ドライバーがボードのメーカーではなくグラフィックスチップのメーカーから提供される場合があることに注意してください。 もしも FlightGear を実行するためにグラフィックカードを買おうとしているなら、NVIDIA GeForce の方が AMD/ATI Radeon よりも OpenGL への対応が良い傾向があるのでお勧めします。 256MByte のグラフィック専用メモリがあれば十分でしょう。 それより少ないメモリでも多くの人が FlightGear を楽しんでいます。 実行ファイルと基本的なシーナリーをインストールするためには、およそ500MBの空きディスクスペースが必要です。 あなたが自分でプログラムをコンパイルしたい場合は、ソースコードとコンパイルの間に作成される一時ファイルのため、それに加えて500MB必要になります。これは開発環境を含んでいません。それはオペレーティングシステムに依存するサイズと使用される環境によって異なります。Windowsユーザは、開発環境におよそ300MBの追加ディスクスペースが必要だと思います。Linuxと他のUNIXマシンは開発ツールの大部分が既にインストールされているはずなので、それらのプラットホームでは、追加スペースはほとんど必要ないでしょう。 音響効果に関しては、どの能力のあるサウンドカードも十分なはずです。そのフレキシブルなデザインのため、FlightGearはLinuxとWindowsにおけるラダーペダルと同様に広範囲のジョイスティックとヨークをサポートしています。また、FlightGearはフルモーションフライトシミュレータにインタフェースを提供しています。 FlightGearは主としてLinuxの下で開発されています。FlightGearはそれ自身に似た精神で、インターネット上において協力して開発されているフリーなUNIXクローン(多くのGNUユーティリティと共に)の下で開発されています。FlightGearは各種Windowsでも一部開発され、実行されています。 また、Mac OS X といくつかの UNIX/X11 ワークステーションの上でもビルドする事が可能です。 あなたが適当なコンパイラをインストールすれば、これらすべてのプラットホームの下でFlightGearをビルドすることができます。これらのプラットホームでの主なコンパイラは無料のGNU C++コンパイラです(Win32環境下のCygnus Cygwinコンパイラ)。 Mac OS X で FlightGear を実行するには Mac OS X 10.4 またはそれ以降が必要です。 最小のハードウェア要件は Power PC G4 1.0GHz あるいは intel Mac ですが、快適に飛ぶためには MacBook Pro か intel iMac、Mac Pro、Power Mac (Power PC G5) を推奨します。 **2.3 バージョンの選択 [#a72ed738] 最新の公式リリースを実行することをお勧めします。 公式リリースは大抵は年1回作られており、コンパイル済みバイナリの作成に用いられています。 以下から入手できます。 > [[訳)ダウンロード]] (日本語) > http://www.flightgear.org/Downloads/ (英語) ごく直近の、そして素晴らしい(そして、時には、バグだらけの)コードをもし本当にお望みならば、最新のソースコードを以下から複製する事ができます。 >http://www.gitorious.org/fg (英語) FlightGear用のセットアップ方法に関する詳細な説明は以下にあります。 > http://wiki.flightgear.org/GIT (英語) **2.4 飛行力学モデル [#g1eebf31] 歴史的に見ると、FlightGear は LaRCsim から (Navion の飛行機と一緒に) 受け継いだ飛行モデルに基づいていました。 これにはいくつかの制限があったので (最も重要な事は、設定ファイルを用いるのとは対照的に、多くの特性が組み込まれてしまっている事でした)、代替の飛行モデルを開発または盛り込もうとする試みがありました。 その結果、FlightGear は数個の異なった飛行モデルをサポートしており、実行時に選択することができます。 - おそらく最も重要なモデルは Jon Berndt によって開発された JSB 飛行モデルです。 JSB 飛行モデルは '''JSBSim''' と呼ばれる独立したのプロジェクトの一部です。 > http://jsbsim.sourceforge.net/ (英語) < - Andrew Ross はもう一つのシミュレータ ('''Yet Another Simulator''') '''YASim''' と呼ばれる別の飛行モデルを開発しました。 '''YASim''' は、他の大多数の FDM (''訳注:'' 飛行力学モデル) とは根本的に異なったアプローチを取っており、空力係数ではなく形状情報に基づいています。 '''YASim''' にはヘリコプターに特化した FDM があります。 - Christian Mayer は熱気球の飛行モデルを開発しました。 続いて、Curt Olson は特別な「UFO」回転モードを統合しました。 A地点からB地点にすばやく飛行するのに便利です。 - 最後に、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校のチームによって開発されたUIUC飛行モデルがあります。 この研究が当初対象にしたのはアイシング条件下での航空機のモデル化でしたが、現在は「非線形な」空気力学を包含しており、大きな迎え角での飛行や失速といった、極端な姿勢においてより現実的な結果をもたらします。 この能力を例証する2つの好例はAirwave Xtreme 150ハンググライダーと1903Wright Flyerです。 UIUC 飛行モデルに関する詳細は以下にあります。 > http://www.ae.illinois.edu/m-selig/apasim.html (英語) (''訳注:'' リンク先修正) FlightGearの風景を、別のコンピュータで走っている外部のFDMを使用して表示をする事さえ可能です。 但しこれはFlightGearに触れたばかりの方に推奨する設定ではないかもしれません。 **2.5 このガイドについて [#pd72e382] このガイドで紹介されている資料はほんの一部です。まさにモンテーニュの言うように、私達が「ただここに持ち寄った大きな花束は、私自身には何ももたらさない。しかし、その一片が彼らをお互いに繋ぎとめている」と言えます。ほとんど(しかし、幸いすべてでない)を以下のFlightGearウェブサイトから入手できます。 > http://flightgear.jpn.org/ (日本語) > http://www.flightgear.org/ (英語) この'''FlightGearマニュアル'''は完全なFlightGearドキュメンテーションに向けた第一歩となることを意図しています。 対象としている読者は、OpenGLによる内部の作業や自分用のシーナリー作成に興味を持っていないエンドユーザです。 いつの日か、'''FlightGear Programmer's Guide'''や、現在'''TerraGear'''としてパッケージ化されているシーナリー作成ツールについて書かれた'''FlightGear Scenery Design Guide'''、そして'''FlightGear Flight School'''パッケージが添付されるようになることが私たちの願いです。 ''どうか、校正、改良、および提案を提供する事よってこのドキュメントの改善に協力していただくようお願いします。'' ''別のセットアップ(オペレーティングシステムやグラフィックカードなど)に関する記述の投稿を全てのユーザから募集します。'' '' '''FlightGearマニュアル'''の将来のバージョンの中にそれらを含められれば何よりも嬉しいことです(もちろん著者リストに記載します)。'' ---- 編集メモ - 新規作成。2007/06/07〜14 toshi -- [[旧Getting Started 第1章の翻訳>第1章]]を使わせていただきました。 - 画像ファイルを#refでリンクする際にサイズを明示するようにしました。2007/06/22 toshi - マニュアル v1.0 への改訂を行いました。2008/01/10 toshi - ページの階層を変更しました。2008/01/22 toshi - リンク先を新サーバに変更 2008/06/15 toshi - 原文の更新を反映しました。また、ページ最下部にコメント欄を新設しました。 -- toshi &new{2008-12-23 (火) 22:33:27}; - SPAM が増加しているため、コメント欄を削除 -- toshi &new{2009-02-25}; - 2.0.0向けに更新 --sambar 2010/03/13 - マニュアル v2.0.0 への改訂。 -- toshi &new{2010-03-13}; - マニュアル v2.10.0相当に改訂(章番号除く) sambar &new{2013-02-04}; - 図のリンク先をmapserver.flightgear.orgに変更 --sambar &new{2013-02-11}; - 章番号振り直し --sambar &new{2013-04-09};
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