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RIGHT:The FlightGear Manual Version 1.0
* 第8章 クロスカントリー・フライト・チュートリアル [#z864e204]
このドキュメントは http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstartch8.html の日本語訳です。
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**8.1 前置き [#gae5ab37]
このチュートリアルは有視界飛行方式(Visual Flight Rules; VFR)によるReid-Hillview(KRHV)からLivermore(KLVK)間のクロスカントリー・フライトを模擬しています。両空港は標準のFlightGearパッケージに含まれていますので、追加シーナリは必要ありません。

ここでは、あなたがFlightGearで満足に離陸、上昇、旋回、降下及び着陸ができることを仮定しています。もし、そうでなければ、先に挙げたもののチュートリアルを見てください。このチュートリアルはそれらの順番に登場し、少しだけ複雑な飛行システムや手順のいくつかの情報を提供するように作られています。

***8.1.1 免責と感謝 [#xa595fa5]
短い免責です。実生活で私はCessnaなどではなく超軽量動力機(マイクロライト)で飛んでいます。この情報のほとんどは様々な信頼性のないことを集めたものです。もし間違いや勘違いを見つけましたら教えてください。stuart_d_buchanan -at- yahoo.co.uk までメールを送ってください。

このチュートリアルを間違いなく、読みやすくするために手伝ってくれた次の人々に感謝をします。Benno Schulenberg, Sid Boyce. Vassilii Khachaturov, James Briggs.

**8.2 飛行計画 [#v8fc1221]
始める前に、私たちのフライトの計画を立てる必要があります。そうしないと左に旋回するのか右に旋回するのかもわからないまま離陸することになります。

まず、その空域の区分航空図(Sectional)を見てください。これは空港・飛行場、航法援助施設、障害物などを記した飛行するための地図です。VFR飛行用の区分航空図には2つの縮尺があり、1:500,000の区分航空図そのものと、たくさんの1:250,000の特に混雑した空域を対象とするVFR Terminal Area Chartsです。

これらはpilot shopか、webで手に入れられます。Google-map形式のインターフェースはここからアクセスできます:http://www.runwayfinder.com/

Reid-Hillviewを簡単に検索します。図8.2はチャートからの抜粋です。

飛行機がどこにいるのかを正確に表示する完全な地図がほしいなら、Atlasをつかってはいかがでしょうか。これはFlightGearと接続する、動く地図プログラムです。詳しくは5.2章を見てください。

さて、Reid-HillviewからLivermoreまでどうやって飛びましょうか?

私たちはKRHVの滑走路(以下、滑走路の名前を述べるときはRunway)31Rから離陸するつもりです。KRHVはReid-Hillview空港のICAO(訳注:International Civil Aviation Organization;国際民間航空機関)コードで、FlightGearのwizardで表示されます。(区分航空図では歴史的事情からRHVとマークされています。ICAOコードを得るには、単純に'K'を頭につけるだけです。)

31は滑走路の磁方位がおよそ310度であるということを示し、Rは滑走路が右側にあるということを示します。区分航空図からわかるように、KRHVには2本の平行した滑走路があります。これは空港を利用する多量の交通を扱うためです。それぞれの滑走路をどちらの方向にも使うことができます。Runway 31は反対側からRunway 13として使うことができます。ですから、使える滑走路は13R, 13L, 31R, 31Lとなります。
離着陸は風上へ行ったほうが簡単ですから、北西の風のときは滑走路は31Rと31Lが使用中になります。(訳注:ここでいう「使用中」とは誰かが滑走路を使っているというよりも、「空港がその滑走路の向きを離着陸に使っている」という意味になります。)
滑走路の名前は始点に大きな文字で書かれており、空中から容易に見つけることができます。

離陸したら直ぐに機首をLivermore (KLVK)の方向350度に向けます。およそ海抜3,500ftを飛行する予定です。これは航路上のいかなる地形や電波塔のような障害物から、少なくとも500ft上を飛ぶよう見積もっています。

カラベラス湖(Calaveras Reservoir)の上空を飛行したらすぐにサン・アントニオ湖(San Antonio Reservoir)です。両方とも大きい水域ですから、正しい進路上から外れないための目標(訳注:原文ではnavigation aidsです)として使うことができます。Livermoreの外、約10マイル(サン・アントニオ湖に到達したら、どこに着陸すべきか知るためにLivermore 管制(Air Traffic Control; ATC)と連絡をします。続いて場周経路(訳注:原文はcircuit。意味はtraffic patternだと思うので場周経路と訳しました。場周経路については後ほど説明があります。)に加わり、着陸します。

**8.3 離陸と上昇(Getting Up) [#e2245417]
さて、私たちがどこへ行き、どうやってそこへたどり着くかがわかりました。それでははじめましょう。

FlightGearをWizard(又は、あなたが好きならcommand-line)を使って起動しましょう。私たちはC172Pを使って、サンタ・クララにあるReid-Hillview(KRHV)のRunway 31Rから離陸したいと思います。夜明けはカリフォルニアで飛ぶにはいい時間ですよ。

望むならばKRHVの現在の気象で飛ぶことができます。Wizardの最後の画面でAdvancedボタンをクリックし、左側の枠からWeatherを選択、'Fetch real weather'を選んだらOKをクリックします。

***8.3.1 飛行前に - 飛行前点検(Pre-Flight) [#v6722624]
離陸する前に、私たちは航空機の飛行前点検をする必要があります。現実世界では、故障や脱落などがないか(訳注:fallen offの訳に自信がありません)点検するために航空機の周囲を歩くことや、十分な燃料があるか点検することがこれに含まれます。

私たちの場合は、この時を利用して気象を確認して高度計を設定し、飛行していないうちに比較的簡単にできることを予め設定します。

気象は、飛行するときに当然重要になります。離陸に影響するかもしれない横風があるかどうか、雲はどの高度にあるか(これはVFR飛行ですから、常に雲から離れて飛ぶ必要があります)、そして進路の外へ私たちを吹き流すかもしれない風があるかについて知る必要があります。

高度計も規正する必要があります。高度計は、上昇するにつれて低下していく大気圧を測定することによって間接的に現在の高度を計算しています。しかしながら、気候が大気圧に影響して不正確な高度計の指示をさせます。これは山岳部を飛ぶには致命的です。

***8.3.2 ATIS(Automatic Terminal Information System) [#q199f312]
便利なことに、空港はそれぞれ現在の海面上の気圧を有益な気象情報と空港情報をATISによって放送しています。
これは無線によって放送される録音されたメッセージです。一方、ATISを聞くには、無線機を正しい周波数に同調させる必要があります。

ATISの周波数は区分航空図に表示されていますが(空港の近くの'ATIS'を探してみましょう)、FlightGear内蔵の物も利用できます。空港の周波数(割り当てられていればタワー、グラウンド、アプローチも含まれます)を知るには、ATC/AIメニューを使って周波数を選びます。次にダイアログ・ボックスにICAOコード(KRHV)を入力します。すると空港に関連した様々な周波数が表示されます。重複した表示は、空港がその業務に複数の周波数を使用していることを示し、あなたはその中のいずれかを選ぶことができます。

どちらにしても、Reid-HillviewのATISの周波数は125.2MHzです。

(ATISはアティスやエイティスなどと読みます)

***8.3.3 無線機 [#icbb9e91]
私たちは今、無線機を同調する必要があります。無線機は主計器盤の右側にあるRadio Stackにあります。実際には1と2の、2つの独立した無線系統です。それぞれの無線機は、左側の通信用(COMM)無線機と右側の航法用(NAV)無線機の2つにわけられます。私たちはCOMM1をATISの周波数に同調させたいと思います。

無線機には2つの周波数があり、現在使用中のアクティブ周波数と、次に使おうと思っている周波数に合わせたスタンバイ周波数があります。アクティブ周波数は左側5桁で表示されていて、同時にスタンバイ周波数は右側に表示されています。私たちはスタンバイ周波数を変更し、次に、スタンバイがアクティブに、アクティブがスタンバイなるというように2つを入れ替えます。この方法では無線機を同調させている間に無線の交信を聞き漏らしません。

周波数を変えるには、スタンバイ周波数の下の、まさしく'STBY'の右側の灰色のノブをクリックします。マウスの左ボタンを使うと小数点以降の数字が、中ボタンを使うと小数点以前の数字がかわります。ボタンの右側をクリックすれば周波数が高くなり、左側をクリックすれば周波数は低くなります。FlightGearの操縦室の操作のほとんどはこの方法で行います。もし、正しい場所をクリックすることが難しいと感じるなら、クリックできるhot-spotを強調表示するためにCtrl-Cを押下してください。

周波数を125.2に変更したら、'COMM'と'STBY'の文字の間の白いボタンを押下してアクティブとスタンバイの周波数を入れ替えます。およそ1秒で、ATIS informationが聞こえてきます。

***8.3.4 高度計とコンパス [#b65ee4d6]
'Altimeter'の設定を聞いてください。もしあなたが'real weather'を使っていないなら、値は標準で機体にすでに設定されている2992です。'real weather'を使っているなら、高度計の値は異なっていると思います。ですから、高度計を正しい値に設定する必要があるのです。それをするには、高度計の左下のノブを使って、無線機の周波数を変えるのと同じ方法で行います。これは高度計の表示する高度と同様に、高度計の右側の小さな窓の中の値も、設定しようとする数値に変えます。

高度計を設定する他の方法は、高度計の指示を空港の海抜高度に一致させることです。標高は区分航空図に記載されています。KRHVの標高は133ftですから、ATISの通報した気圧と二重のチェックをすることができる、ということになります。

この機会にコンパス上のヘディング・バグをKRHVからKLVKへの方角の350度に設定しましょう(訳者追記:ここでいうコンパスはジャイロコンパスのことです。ジャイロシン・コンパス-別名フラックス・ゲート・コンパスは地磁気を検地しジャイロのドリフトを補正します。バグとはコンパスに見られる、W型やV型をした赤いカーソルのことを指します。甲虫の姿に似ていませんか)。そのためには、コンパスの筺体の赤いボタンをこれまでと全く同じようにして使います。小さな調整にはマウスの左ボタン、大きく調整にはマウスの中ボタンを使います。350という数値は、Nという表示からちょうど反時計回りのところです(北は0度)。

***8.3.5 離陸 [#qf71299c]
よろしい、それでは準備が済んだので、実際に離陸することができす!私の場合はたいてい滑走路全体にわたって蛇行し、地面を離れると左へ急に曲がるのですが、あなたはおそらく私よりも上手に操縦するでしょう。1000ft上昇したら、350度へ優しく右旋回します。ヘディング・バグをセットしてあるので、簡単にたどれるでしょう。特に目立つ谷を目標にしましょう。

およそ500-700 fpm(feet per minute)で3,500ftへ上昇を続けましょう。その高度に達したらパワーを減らして水平飛行に移行してトリムを適切に設定します。パワーをもう一度確認し、回転計のグリーン・アークに入るよう調整します。離陸上昇中を除いて最大回転数でエンジンを運転してはいけません。

**8.4 巡航 [#r40fc6e7]
OK、私たちは離陸し、Livermoreへの航路上にいます。さて、私たちは自動操縦装置を使うことで生活を少しだけ楽にでき、エンジンを調整することで飛行機の燃料効率をよりよくすることができます。私たちがコース上にいることを確認もしたいと思います。

***8.4.1 自動操縦装置 [#r8ec9817]
私たちは航空機の操作のいくつかを自動操縦装置'George'に引き渡すことで少し楽をすることができます。(訳注:自動操縦装置のことをGeorgeと呼ぶのは少なくともアメリカではあるようです。また、Fly!のフライトマニュアルでもGeorgeと呼んでいます。)

自動操縦装置のパネルはRadio Stackの下のほうにあります。スタックのほかのコンポーネントよりもたくさんのボタンがついていますから容易に区別できます。これはいろいろなモードで作動できますが、このフライトではそれらの中でもHDGだけを使います(HDG;Headingの略)。名前の示唆するとおり、HDGは先ほどセットしておいたコンパス上のヘディング・バグを自動操縦装置に追随させます。

自動操縦装置を設定するには、APボタンを押して自動操縦装置をONにし、続いてHDGボタンを押してヘディング・モードを作動させます。自動操縦装置がONになっている間は、機体をヘディング上に保持するようトリム・コントロールを自動操縦装置が操作します。ヘディング・バグを動かすと、自動操縦装置は適切に操縦します。しかしながら、自動操縦装置は風向や風速を全く考慮せず、ただ飛行機の針路を定めるだけです。もし横風の中を飛んだら、機体は一方向を向いたまま、全く違った方向に進んでいってしまいます。

水平飛行を維持するにはトリム・コントロールを使わなくてはなりません。自動操縦装置をそのために使うこともできますが、それは少しだけ余計に複雑になります。

自動操縦装置の操縦で航空機が安定したら、私たちは外の世界にもっと注意を払うことができ、より高度な作業をすることができます。

*** 8.4.2 航法 [#hfd6867a]
上にも書いたとおり、私たちは2つの湖の上を飛び越えていきます。水平飛行に移ったとき、おそらく右前方に最初のカルベラス湖があったはずです。これらの湖を使って、地図で自分の位置を確認することができます。もしコースから外れているようでしたら、ヘディング・バグを回して修正しましょう。

*** 8.4.3 ミクスチャ [#z58bb5fd]
高度が上がるにつれて空気が薄くなり、含まれる酸素の量が少なくなります。つまり、エンジンの燃焼行程で燃える燃料が少なくなるということです(訳者追記:自動車エンジンでは爆発行程と言ったりするそうですが、爆発と燃焼とは火炎の速度が大きく異なるため区別します)。C172のエンジンはシンプルで、酸素不足に対して燃料の量を自動調整しません。このままでは空気と燃料の混合比が濃すぎて、燃料の燃焼効率が悪くパワーが落ちてしまいます。ミクスチャ・コントロールをつかってエンジンに入っていく燃料の量をコントロールしましょう。スロットル・レバーの隣の赤いレバーがそれです。レバーを引っ張ると、混合比が薄くなります(訳者追記:混合比を薄くすることを「リーンにする」といいます。逆は「リッチにする」)。ミクスチャの濃すぎや薄すぎのどちらの状態もパワーを発揮しません。ですが完璧にしようとも思いません。混合気の爆発を引き起こしてしまい、手っ取り早くエンジンをぶっ壊す方法だからです(訳に自信無し)。

ミクスチャはヨークの右の赤いレバーでコントロールします。コックピット・ビューで視点を動かす(パンニングする)とミクスチャ・コントロール・レバーを見れます。

カーソルが双頭の矢印(←→)に変わるまでFlightGearのウィンドウの中で右クリックをし、マウスを動かせばコックピット・ビューで視点を動かすことができます。ミクスチャ・レバーがよく見えたらもう一度右クリックをしてマウスカーソルを通常の矢印に戻します。

ミクスチャ・レバーをゆっくり引っ張って(Ctrl-Cでホット・スポットを見られます)ミクスチャを薄くしていくと、いろいろなエンジン計器(計器盤左)が変化します。Fuel Flow(燃料流量。略称FF)は減少し(燃焼する燃料が少なくなる)、EGT(Exhaust Gas Temperature;排気ガス温度)は上昇(「理想混合比」に近づいていく)、RPM(Revolution per Minute。この場合エンジン回転数)は増加していきます(パワーをたくさん取り出している)。
EGTが一番高くなるところまでレバーを引いて少し戻してください。ピークよりわずかにリッチになります。
3500ftでは極端に薄くする必要はありませんが、より高い高度ではエンジンの性能を出すために、より薄くする事は重要です。

**降下・着陸 [#w7e0ba54]
2つ目の湖(サン・アントニオ湖(San Antonio Reservoir))を通過したら、Livermoreに着陸するために降下する必要があります。着陸は離陸よりはるかに複雑ですが、無事に着陸
したいでしょうから、これを読むためにそのためにシミュレータにポーズ('p'キー)をかけることが出来ます。

***8.5.1 航空交通管制 [#z5ecba53]
現実の世界では、私たちは常にATC(Air Traffic Control)と接触していたでしょう。湾内の空域が混雑していて、地上も同様だからです。(翻訳自信なし)
ATCは私たちに’飛行支援’サービスを提供し、衝突を避けるために絶えず警告するでしょう。FlightGearの空はトラフィックが少なく、飛行支援サービスは無くても何とかなります(意訳)。AIメニューから、トラフィックの量を変えることが出来ます。~
~
Livemor空港は管制されているので(管制がある空港は区分航空図上で青く書かれています)、管制塔とコミュニケーションを取って、着陸のための指示を受ける必要があります。
~
その前に、まずはATISを聞いて、大気圧が変わっている場合はもう一度高度計を規正しましょう。今回のような短距離のフライトでは滅多に無いことですが、100マイル以上の長距離では大気圧の差があるかもしれません。手早く無線機を同調させるために、"Equipment Menu"の中の"Radio Settings"ダイアログを開く事ができます。LivermoreのATISの周波数は119.65MHzです。 ~
ATISはいつ発行されたものかを見分けるために、フォネティック・コード(Alpha, Bravo, … Zulu)を使います。このコードは、更新ごとに次の物に移ります。
管制官はパイロットが持っている情報が正しいか確認できるように、パイロットは初めに管制塔にコンタクトを取る時、この識別コードを継げます。 
//Besides the altitude and weather information・・・
==以下翻訳中==

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編集メモ
- 新規作成。2008/01/28〜 takehiro
-- 全文掲載まで誤字脱字誤訳など以外の変更はメモしません。

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