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RIGHT:The FlightGear Manual Version 1.0
* 第7章 フライトシミュレータの基本チュートリアル [#l297c15b]
このドキュメントは http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstartch7.html の日本語訳です。
#contentsx
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''訳注:'' 画像が小さすぎて見にくい場合は、画像をクリックして拡大してください。

** 7.1 序文 [#j81e3702]

航空というのは両極端なものです。
- 航空機は非常に繊細であり高速に飛行します。
けれども最も安全な輸送形態の一つです。
- パイロットは規則や手順に絶えず従わなければなりません。
けれども航空機は自由の象徴です。
- 少しの訓練で簡単に小型飛行機を飛ばせます。
けれども問題が生じた際は数秒以内に決断できないといけません。
- たくさんのフライトチュートリアルはユーモアを込めて書かれています。
けれどもまじめに飛行しないと早々に地上に連れ戻されます。

このチュートリアルで使用する航空機は[[セスナ 172p:http://en.wikipedia.org/wiki/Cessna_172]] です。
これは、現実世界の数多くのフライトスクールで使用されている偉大な航空機です。
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart13x.png,nolink,180x140);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_38_cessna_172.jpg]]

以下の文章は、このチュートリアルを補足し、チュートリアルを読み進めるにつれて生じるかもしれない疑問の多くに答えてくれるでしょう。
特に最初の記事は、航空機の主要な部品や操縦の入門としてためになります。
- http://www.gleim.com/aviation/ltf/howtheyfly.php?PHPSESSID=889ab9792636f430a66e3e5d70f7d346
- http://www.pilotfriend.com/flight_training/new_site/aerodynamics/aircraft%20controls.htm (''訳注:'' リンク切れ)
- http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart.html
- http://en.wikipedia.org/wiki/Aircraft
- http://en.wikipedia.org/wiki/Flight_controls
- http://en.wikipedia.org/wiki/Airplane_flight_mechanics
- http://en.wikipedia.org/wiki/Aircraft_engine_controls
- http://www.firstflight.com/flt1.html
- http://www.avsim.com/mike/mickey_site/ppilot/ppilot_faq/pp_cessnas.html
- http://www.ig-wilson.com/index.php?f16land
- http://www.navfltsm.addr.com/

本チュートリアルはできる限り正確に書かれていますが、いくつかの間違いもきっと含まれていることでしょう。
あらかじめお詫びをします。

** 7.2 起動 [#u2398ce5]

FlightGear を起動する方法は、使っているプラットフォームやディストリビューションにより様々です。

*** 7.2.1 MS Windows [#v9034296]

MS Windows では、FlightGear の GUI ウィザードを使って機体や起動位置を選択することができます。
はじめに、以下に示すように、機体としてセスナ 172p を選択します。
本チュートリアルに合わせるには 2D パネルのものは選択''しないで''ください。
(とは言え将来は、2D の方が訓練に適していると感じるかもしれません。)
''Next'' ボタンを押して空港を選択します。
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart14x.png,nolink,180x108);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_54.gif]]

本チュートリアルではどの空港から起動しても構わないのですが、FlightGear のデフォルトの空港であるサンフランシスコ (KSFO) から起動するものと仮定します。
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart15x.png,nolink,180x108);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_55.gif]]

KSFO を選択して ''Next'' ボタンを押すと、シミュレータについてのたくさんのオプションを設定できます。
初めて飛行する場合は noon (昼) で起動することを推奨します。
また、小さめの 800 × 600 の Resolution (解像度) で起動するすることをお勧めします。
あとになってオプションを設定して飛び回ったり高い解像度を使っても良いのですが、明らかにパフォーマンスに悪影響を与えます。
''Run'' ボタンを押すと選択したオプション設定で FlightGear が起動します。
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart16x.png,nolink,180x108);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_56.gif]]

もし Windows 環境で FlightGear の最新版がうまく動かなければ、グラフィック要件の低い初期のバージョン (例えば 0.9.8) を試してみるのも良いでしょう。
以前のリリースは [[FlightGear ダウンロード トップページ:http://www.flightgear.org/Downloads/binary.shtml]] に記載されている FTP ミラーの中にあります。

もし Windows Me を使っていて、フライトシミュレータが突然つっかえ始めてフレームレートが落ちるなら、Explorer と Systray 以外の全てのタスクを FlightGear の起動前に殺してみてください。
もし殺したタスクの一つがアンチウィルスやその手の保護ソフトである場合は、明らかにセキュリティ上のリスクが生じます。
また、ある Windows ME マシンでは、FlightGear の設定を 800 × 600 にすると良い結果が得られるのに、より低い 640 × 480 の解像度は FPS (フレーム毎秒) の度合いがずっと低くなる要因になっていました。

*** 7.2.2 Linux とその他の Unix 系 [#g870f835]

Linux とその他の Unix ライクなシステムでは、コマンドラインから FlightGear を実行しなければならないかもしれません。
FlightGear をインストールしてもシステムのメニューに見当たらなければ、以下を試してください。
- ターミナルウィンドウ (「コンソール」ウィンドウとも呼ばれる) から ''fgrun'' コマンドを実行してみてください。
もしそれがインストールされていれば、Windows と同じく上記の GUI ウィザードが実行されます。
- 別の方法として、ターミナルウィンドウを開いて次のコマンドを打ってください。
''fgfs --timeofday=noon --geometry=800x600''

*** 7.2.3 暗闇の中? [#gf1e89d1]

''--timeofday=noon'' オプションをつけないと、FlightGear はサンフランシスコの現在の時刻 (''訳注:'' 機体のいる場所の現地時間) で起動するため、ヨーロッパにいる人には夜になることが多々あります。
シミュレータ内の時刻を昼に変えるには、メニューから ''Weather->Time of Day'' を選んで ''Noon'' を選択してください。
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart17x.png,nolink,180x134);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_03.jpg]]

もしメニューから FlightGear を実行する場合 (例えば KDE や Gnome 環境)、FlightGear 起動アイコンのプロパティを編集し、単純な ''fgfs'' コマンドを ''fgfs --timeofday=noon --geometry=1024x768'' のように、あるいはお望みのコマンドオプションに変更することができます。
コマンドラインオプションについての詳細は[[第3章>../第3章]]にあります。

** 7.3 最初の挑戦 - 真っ直ぐに飛ぶこと [#za0f1366]

FlightGear を起動すると、次のようなウィンドウが表示されてエンジン音が聞こえてきます。
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart18x.png,nolink,180x134);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_01.jpg]]

起動すると、航空機は滑走路の端にいて、エンジンがローパワーで動いています。
飛行機は時々少し振動しますが、動くことは無いでしょう。

◎ &aname(key){''キーボードについて''};
- このチュートリアルでは、小文字のキーは単純にそのキーを押すことを意味します。
大文字は Shift キーとそのキーを押すことを意味します。
(&color(#00AAFF){''⇑ Shift''}; キーは空洞の太い上矢印のキーで、二箇所にあります。)
つまり、「v」を打つように言われたら、単に ''v'' キーを短く叩いてください。
「V」を打つように言われたら、''Shift'' キーを押し下げたまま ''v'' キーを叩き、''Shift'' キーを離してください。
(要するに、V は ''Shift-v'' と同じです。)
- チュートリアルでは、''NumLock'' がオンになっていると仮定します。
オンになっていると、キーボードの右側の小さい緑色の光が点灯するのが分かります。
&color(#00DD00){''NumLock''}; キーを繰り返し押してランプをオンにしてください。
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart19x.png,nolink,180x45);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_43.gif]]

''v''を打って、機体を外側から見てください。
v を繰り返し打って様々な視点 (view) をスクロールし、コックピットに戻してください。
(''V'' を打つと逆向きに視点が循環します。)
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart20x.png,nolink,180x134);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_02.jpg]]

現実世界ならば、全てが動作し、可動部品を邪魔するものが無く、機器の開口部に障害物がないことをチェックするためにあらゆる点から点検していたことでしょう。
シミュレータ内では、これはもう我々のために出発前にやってあります。

'' Page Up'' キーを約8秒間押してください。
すると、エンジン音が上昇するのが聞こえるでしょう。

航空機が滑走路を加速し始めます。
それにつれて航空機が左に流れ、ついに離陸するという前に左に傾き、地面に落下し、墜落します (多分)。

''View -> Instant Replay'' メニューで墜落のリプレイを見ることができます。
ダイアログウィンドウ下部の ''Replay'' ボタンをクリックし、それから ''v'' と ''V'' を使って外側から機体を見てください。
以下の図に、フライトの最後の部分を示します。
''F3'' を打つとスナップショットを撮ることができます。
また、''F10'' キーを使うとメニューバーのオンオフを切り替えられます。
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart21x.png,nolink,180x134);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_04.jpg]]

自分の墜落を見物し終わったら FlightGear を終了し (''File->Quit'' を使います)、先ほどと同じオプションを使ってシミュレータを再起動します。

真っ直ぐ飛ぶには航空機のコントロール・ヨーク (操縦桿) が必要です。
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart22x.png,nolink,180x105);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_05.jpg]]

ジョイスティック、あるいはマウスを動かすことでヨークを操縦することができます。
マウスで行うには、マウスをヨークモードにする必要があります。
マウスの右ボタンをクリックしてそのモードにしてください。
マウスカーソルが + 表示になります。
マウスを動かし、それに応じてヨークが動作するのを見てください。
''v'' を打って機体を外から見てください。
もう一度マウスを動かすと、尾部のエレベータ (昇降舵) と、両翼の端にあるエルロン (補助翼) が動くのが見えます。
何かが動くのを見るには視点が機体から遠すぎるなら、''x'' を数回打ってズームインします。
''X'' はズームアウトします。
''Ctrl-x'' はデフォルトのズームレベルに視界を戻します。
''V'' を打ってコックピットに視点を戻してください。

マウスの右ボタンをもう一度クリックするとマウスがビューモードになります。
このモードではマウスカーソルが ↔ 表示になります。
これにより、周りを容易に見回すことができるようになります。
マウスの左ボタンをクリックすると視界が中央に戻ります。
さらに右クリックをすると通常のマウスモードに戻ります。

まとめると、マウスを右クリックすると3つのモードが循環します。
- '''通常モード:''' このモードではメニューと計器パネルをクリックできます。
- '''ヨークモード:''' マウスでヨークを操作します(ポインタ形状は +)。
- '''ビューモード:''' マウスでビュー方向を操作します(ポインタ形状は ↔)。

マウスでヨークを操作してもう一度離陸を試みます。
右クリックでマウスをヨークモード(ポインタ形状は +)にし、''Page Up'' キーを押し続けてエンジンのスロットルを全開に上げます。
滑走路に対して航空機が曲がるのをマウス/ヨークを使って真っ直ぐに保とうとは''しないでください''。
左に流れるがままにしてください。
空中に浮き上がるまで待ちます。
その後、マウスを使って航空機が真っ直ぐに飛ぶようにします。
(もし航空機を地上で操縦したければ [[7.5節>#z2899584]] を見てください。)

左に傾いたり...
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart23x.png,nolink,180x134);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_06_cessna_bank_left.jpg]]

右に傾いたり...
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart24x.png,nolink,180x134);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_07_bank_right.jpg]]

あるいは地面に突進したりするのを防がなければいけないことが分かるでしょう。
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart25x.png,nolink,180x134);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_08.jpg]]

航空機の機首の少し上に地平線が安定するようにして、おおむね真っ直ぐに飛ぶよう努力してください。
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart26x.png,nolink,180x134);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_10.jpg]]

ビデオゲームやより単純なシミュレータに対してあなたがどんなスキルを持っていようとも、多分最初は成功しないでしょう。
恐らく離陸後あっという間に航空機は墜落することでしょう。
この瞬間に、大半の志願者はやる気をなくし、シミュレータまたは実際の航空機を飛ばす努力をすることをあきらめてしまいます。
ちょっとだけ耐えてトライし続けてみてください。
いずれ、必要とされる微妙な制御入力の感覚が養われるでしょう。

一番よくある間違いは、機首を持ち上げようとしてマウスを前に動かすことです。
実は、そうするにはマウスを後ろに動かしてヨークを引かなければなりません。

同様に、機首を下げたいときはマウスを前に動かさなければなりません。
これは奇妙に思えるかもしれませんが、全ての航空機のコントロール・ヨークはこのように設計されています。
やがて、どうして他の方法で動作すると毎回考えていたのか不思議に思うようになるでしょう。
少しマウスを動かすだけで航空機に大きな影響を与えることも分かるでしょう。
初めは、マウスの感度を下げることが役立つかもしれません。

このことを頭に思い描くのが難しければ、次の例えが有用かもしれません。
机の上にサッカーボールがあり、そのてっぺんに手を「接着」したと想像してください。
もし手を前に動かすと、ボールは前に転がり、指先は机を指します。
もし手を後ろに動かすと、ボールは後ろに転がり、指先は天井を指します。
あなたの手が航空機なのです。
// CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart27x.png,nolink,180x134);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_11.jpg]]
CENTER:[[&ref(http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_11.jpg,nolink,201x93);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_11.jpg]]

二つ目の間違いは、制御入力がそのまま航空機のバンクに一致すると考えることです。
言い換えると、コントロール・ヨークが水平なら航空機も真っ直ぐに飛ぶと信じることです。
これは真実ではありません。
ヨークが制御するのは航空機のバンクが''変化する割合''です。
もし航空機が左に20°バンクしていてコントロール・ヨークが水平ならば、航空機は他の力が作用するまでずっと20°でバンクし続けます。
もし水平飛行に航空機を戻したければコントロール・ヨークを少しだけ右に回し (マウスを少しだけ右に動かす)、しばらくの間は少し右に維持する必要があります。
航空機はゆっくりと右に回転するでしょう。
地平線と水平になった時点でコントロール・ヨークも水平に戻します。
すると航空機は水平を維持します (他の力が姿勢を変化させるまでは)。

三つ目の間違いは、ヨーク/マウスの「正しい位置」を探そうとすることです。
当然ながら、ほっといても航空機が真っ直ぐに飛んでいくように微調整したくなるでしょう。
実際は、そのような理想的なヨーク位置は存在しません。
航空機は空中では本質的に不安定なものです。
マウスの微小な動きで航空機の高度を絶えず修正し真っ直ぐに飛ぶように保たなければなりません。
初めはそれにすっかり気を取られるように思うかもしれませんが、ちょうど車の運転と同じように、航空機を真っ直ぐ水平に保つことはすぐに自然に出来るようになるでしょう。
もっと長距離のフライトでは、オートパイロットを使って航空機を水平に保つことにそのうちなるでしょうが、それは本チュートリアルの範囲外です。

必要な制御入力についてのセンスを微調整する手助けとしては、外界の風景に目を向け続け、計器やヨークを見つめないことです。
地平線の角度と、機首の上に対する地平線の高さをチェックしましょう。
地平線と航空機のエンジンカバーがあなたにとっての主飛行計器なのです。
計器パネルはたまに見る程度にしてください。

マウスがヨークコントロールモード (ポインタ形状は +)である間は FlightGear のウィンドウの端にマウスを動かさないでください。
マウスは一度ウィンドウから出ると航空機を操縦することを止めてしまいます。
しかもぎりぎり悪い瞬間であることがしばしばです!
ウィンドウの外側でマウスを使いたければ、マウスの右ボタンを2回クリックしてまずはマウスを通常モードに戻してください。

4つの''キーボードの矢印キー''またはテンキーの''8''、''2''、''4''、''6''キーを使ってヨークを操縦することもできます。
初めはこのほうがマウスよりも簡単に思えるかもしれませんが、正確な飛行をするために必要な繊細な微調整ができないので、マウスで耐え抜くほうがずっと良いのです。

空港の周囲を飛行している間にビープ音が聞こえるかもしれません。
これは着陸援助用の信号です。
当分の間は気にしないでください。

航空機を空に着実に上昇させることができるようになった時点で、これをマスターしたことに気付くでしょう。
次のステップは、一定の高度に航空機を保ったりゆるやかに上昇や下降をして自分の制御下に置くことを学ぶことです。

一定の高度に航空機を保つには、高度計を観察し、航空機が上昇や下降をしないようにマウスをそれぞれ前や後ろに動かすことで高度計に小さな変化を与える必要があります。

高度計の計器は計器パネルの中央最上段にあります。
長針は100フィートの位、短針は1000フィートの位を示します。
以下の高度計は高度300フィート、約100メートルを示しています。
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart28x.png,nolink,90x88);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_12_cessna_altimeter.jpg]]

上昇や下降するとそれに伴って高度計が変化し、高度が上がると時計回りに、下降すると反時計回りに回転します。
もしも高度計が「巻き戻されていく」のを見たら、高度が落ちつつあり、機首を少し持ち上げるためにマウスを後ろに動かす必要があると言えます。
しばらくすると、水平飛行時には地平線に対する機首の相対位置がいつも同じであることに気付くでしょう。
これが水平飛行のための航空機姿勢です。
機首をこの同じ位置に置くことで、計器を参照せずにほとんど水平に飛行することが出来るようになるでしょう。
そこから高度の微調整が可能になります。

注意: 高度計は絶対的な海抜高度を自動的に示すことはしません。
現地の気圧に合わせて調整しなければなりません。
高度計左下の小さな黒いノブで調整できます。
FlightGear を起動して地上にとどまってください。
(通常マウスモードで) 黒いノブの内側をクリックします。
左半分をクリックすると気圧計が後ろに戻ります。
右半分で気圧計が前に進みます。
現在の高度を調整するのにこの小さなノブを使ってください。
原則として、高度が確かに分かっているときにノブを使ってください。
もし高度1,100フィートにいることを知っているのなら、高度計が1,100フィートになるように調整してください。
マウスの中ボタンをクリックするとノブが速く回転します。
''Ctrl-c'' を打つと半分の2つのボタンがハイライトされます。
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart29x.png,nolink,90x88);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_13.jpg]]

「海抜高度」と「対地高度」には重要な違いがあることに注意してください。
もしあなたが海抜高度 (AMSL) 24,000フィートでエベレスト山の近くを飛行しているならば、対地高度 (AGL) はずっと低いでしょう。
自分の周囲の地面の高度を知っておくことは明らかに役に立ちます。

** 7.4 旋回の基本 [#p33eb14a]

もしも十分な燃料があるならば何千マイルも真っ直ぐに飛ぶことで (''訳注:'' 地球を1周して) 同じ空港に戻ってくることが出来るでしょうが、方向を変えられるとずっと楽しくて有用なフライトができます。

ある程度真っ直ぐに飛ぶことが出来るようになったら、そろそろ旋回を学びましょう。
原理は単純です。

- 航空機が左にバンクすると左に旋回します。
- 航空機が右にバンクすると右に旋回します。

旋回するのに高角度のバンクは必要はありません。
安全で安定に旋回するには20°で十分です。
旋回釣合計は、航空機を後ろから見た絵でバンク角を指示する計器です。
以下の図は、航空機が右に20°バンクした時の旋回釣合計を示します。
バンク角は、地平線の角度を観察することによっても知ることができます。

CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart30x.png,nolink,90x86);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_14_cessna_turn_coordinator.jpg]]

以下のことを試してみましょう。
航空機を20°にバンクさせ数分間保持しながら機体の外に目を向けます。
120秒ごとに同じ地上物を繰り返し見ることでしょう。
これは、360°旋回するのに120秒 (あるいは180°に60秒) かかることを示しています。
これはとりわけ航法に有用です。
航空機の飛行速度が何であろうと、20°でバンクすると、セスナ 172P ではいつでも180°の旋回に60秒かかります。

つまり、航空機を左や右にバンクさせると左や右に旋回します。
航空機を地平線に水平に保つと真っ直ぐに飛行します。

旋回計の底にある小さな紫色のボールは横向きの力を示しています。
現実世界なら旋回時にこの力を感じるはずですが、これをシミュレーションすることは不可能なので、ボールを目で単に見るしかありません。
もしもきちんと (ラダーを少し使って) 旋回すれば、ボールは中心にとどまります。
ボールが例えば右に押されるならば、これはパイロットもまた右方向に押されることを意味します。
車が左に曲がるときと似ています。
きちんと旋回している間は、たとえ急旋回であっても、乗客が機内で横向きの力に耐えるようなことはありません。
ただ遠心力によって座席に少し強く押されるだけです。

検証してみると、航空機を高角度にバンクさせてヨークを引くことで、もっと急旋回ができることに気付くでしょう。
バンク角60°以上での旋回はアクロバット飛行と軍事飛行の領域であり、セスナのような航空機では危険です。

** 7.5 地上でのタキシング [#vb99bff7]

FlightGear はデフォルトで、都合よく真っ直ぐ滑走路を向いて出発準備ができた状態で起動しますが、格納庫から誘導路を通って滑走路までどうやって航空機を移動するのか不思議に思うかもしれません。
これがタキシングです。

下の絵に示す回転計は、エンジンがどれだけ速く回っているかを1分間あたりの回転数 (RPM) を使って100 RPM 単位で示しています。
CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart31x.png,nolink,90x80);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_15_cessna_tachometer.jpg]]

''Page Up'' キーを数回打って、回転計が (上図のように) 1,000 RPM を示すようにしてください。
必要に応じてエンジン速度を落とすには ''Page Down'' キーを打ってください。

およそ 1,000 RPM で航空機は滑走路を前進しますが、加速や離陸はしません。

「''.''」キー (フランス語の Azerty キーボードでは ''Shift-;'') を打ってください。
航空機は右に急転換します。
もし「''.''」キーを押し続けると航空機は停止します。
「''.''」キーは航空機の右輪ブレーキをかけます。

左輪ブレーキをかけるには「'',''」キーを使います。

「'',''」キーと「''.''」キーは、本物の航空機の足元にある2つのブレーキペダルをシミュレートします。
スロットルとブレーキペダルを使って航空機の速度を制御し、地上で曲がることができます。

ブレーキは、滑走路をゆっくりとタキシングしている時に非常に便利です。
航空機の前輪を曲げることもできます。
本物の航空機では、足元のラダーペダルを踏みます。
曲がりたい方向と同じ側の足で踏みます。
ラダーペダルを持っていない場合、2つの方法で仮想のラダーペダルを操作できます。
- テンキーの ''0'' と ''Enter'' キーを使います。
テンキーの ''Enter'' キーを例えば7回打つと、航空機はがっつり右に曲がり、右に曲がり続けます。
テンキーの ''0'' を7回打つと航空機は元に戻って (だいたい) 真っ直ぐになります。
- マウスを使います。マウスをヨークコントロールモード (ポインタ形状は +) にして左ボタンを押しっぱなしにすると、マウスはヨークの代わりにラダーペダルを操作するようになります。
ラダーペダルはラダーと前輪の両方につながっています。
この方法のほうがずっと精密です。

シミュレータを起動し、''v'' か ''V'' を打って外側から機体を見て、''x'' キーを数秒間押して機体にズームインしてください。
前輪を見ながら、テンキーの ''0'' キーを押してみてください。
それからテンキーの ''Enter'' キーを押してみてください。
前輪が曲がるのが分かるでしょう。
マウスの右ボタンをクリックしてヨークコントロールモード (ポインタ形状は +) にしてください。
マウスの左ボタンを押し続けてラダーコントロールモードにし、マウスを右や左に動かしてください。
機尾にある垂直な大きな操縦翼面、ラダーが前輪と一緒に動くことに注意してください。

私は、前輪が地上にある間はマウスを使ってラダーペダルを操作し、離陸後はテンキーの ''0'' と ''Enter'' キーを使うようにしています。
言い換えると、前輪が地上にある間はマウスの左ボタンを押し続けています。
これにより、地上で正確かつ簡単にラダーを制御できます。
その後、前輪が浮き上がったらマウスの左ボタンを単に離しています。
// CENTER:[[&ref(http://www.flightgear.org/Docs/getstart/getstart32x.png,nolink,180x134);>http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial_37_HUD.gif]]

== 以下、翻訳中 ==

----
編集メモ
- 新規作成。2008/01/26〜 toshi
-- 原文の画像はサイズが小さくて見にくいため、画像をクリックすると[[Eric Brasseur 氏のページ:http://www.4p8.com/eric.brasseur/flight_simulator_tutorial.html]] (ここには原文の元になった文章の最新版があります) 内の大きな画像にジャンプするように設定しました。

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