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The FlightGear Manual Version 2.10.0

第4章 離陸:プログラムの起動方法

このドキュメントは http://mapserver.flightgear.org/getstart/getstart-enpa2.html#x5-240004 の日本語訳です。

Table of Contents

4.1 環境変数

FlightGear を起動するために必須の環境変数が2つあります。 これらは、データとシーナリーのありかを FlightGear に伝えます。

プラットフォームや必要性により様々に設定できます。

4.1.1 FG_ROOT

これは、航空機や航空標識の位置、空港の周波数といったデータファイルを FlightGear が探す場所になります。 FlightGear をインストールした場所の data サブディレクトリがそれです。 例えば、/usr/local/share/FlightGear/datac:\Program Files\FlightGear\data になります。

4.1.2 FG_SCENERY

これは FlightGear がシーナリー・ファイルを探す場所になります。 ディレクトリのリストからなり、書かれた順に検索が行われます。 ディレクトリの区切り文字は、Unix では ":"、Windows では ";" になります。 例えば、

/home/joebloggs/WorldScenery:/usr/local/share/FlightGear/data/Scenery

あるいは

c:\Program Files\FlightGear\data\Scenery;c:\Program Files\FlightGear\data\WorldScenery

のようになります。

4.1.3 Windows と Mac OS X の環境変数

Windows のグラフィカル・ウィザードと Mac OS X の GUI ランチャーはこれらの環境変数を内部で定義してるので、自分の手で定義する必要はありません。 ですが、コマンドラインから FlightGear を実行したい場合にはこれらの環境変数を明示的に定義する必要があります。

4.2 Unix/Linux におけるシミュレータの起動

getstart-en2x.png
図3: 離陸準備完了。サンフランシスコ国際空港 (KSFO) のデフォルト出発位置にて待機中。

FlightGear を実行する前に、いくつかの環境変数を設定する必要があります。

Bourne シェル (とその互換シェル) で追加する方法を以下に示します。

LD_LIBRARY_PATH=/usr/local/share/FlightGear/lib:$LD_LIBRARY_PATH
export LD_LIBRARY_PATH
FG_HOME=/usr/local/share/FlightGear
export FG_HOME
FG_ROOT=/usr/local/share/FlightGear/data
export FG_ROOT
FG_SCENERY=$FG_ROOT/Scenery:$FG_ROOT/WorldScenery
export FG_SCENERY

Cシェル(とその互換シェル)では以下のようになります。

setenv LD_LIBRARY_PATH=\
  /usr/local/share/FlightGear/lib:$LD_LIBRARY_PATH
setenv FG_HOME=/usr/local/share/FlightGear
setenv FG_ROOT=/usr/local/share/FlightGear/data
setenv FG_SCENERY=\
  $FG_HOME/Scenery:$FG_ROOT/Scenery:$FG_ROOT/WorldScenery

以上の環境変数の設定が終わったら、fgfs --option1 --option2... を実行して FlightGear を単純に起動します。 コマンドラインオプションは4.5節に書かれています。

4.3 Windows におけるシミュレータの起動

ビルド済みの Windows バイナリを使うと、グラフィカルなウィザードを用いて FlightGear を起動することができます。 スタートメニューの FlightGear Launcher、またはデスクトップアイコンを単純にダブルクリックしてください。 ランチャーでは、航空機や起動時の空港と滑走路、時刻、現在の気象状況、その他の数多くの設定を選ぶことができます。

getstart-en3x.png
図4: FlightGear ランチャー画面。

初回起動時に、変数 FG_ROOT (通常は c:\Program Files\FlightGear\data)と FG_SCENERY を設定するように求められるかもしれません。 FG_SCENERYはあなたがインストールしたシーナリーのディレクトリのリストで、典型的には c:\Program Files\FlightGear\data\scenery になります。

無効な値を設定してしまったり、後からシーナリーのディレクトリを変更した場合は、ランチャーの最初のページから"Prev"ボタンで戻って設定を変更することができます。

4.3.1 コマンドラインからの起動

もう一つの方法として、コマンドラインから FlightGear を実行できます。 これを行うには、環境変数 FG_ROOTFG_SCENERY を手作業で設定する必要があります。

コマンドプロンプトを開き、あなたのバイナリが保存されているディレクトリ (c:\Program Files\FlightGear\bin\win32 のような場所) に移動し、キーボードから環境変数を設定します。

SET FG_HOME=c:\Program Files\FlightGear
SET FG_ROOT=c:\Program Files\FlightGear\data
SET FG_SCENERY=c:\Program Files\FlightGear\data\Scenery

そして、同じコマンドプロンプト内でFlightGearを呼び出します (環境変数の設定は同じシェル内でのみ有効です)。

fgfs --option1 --option2...

コマンドラインオプションは4.5節に書かれています。

もちろん、Windows のテキストエディタ(メモ帳など)で上記コマンド行を使ったバッチファイルを作ることもできます。

最大のパフォーマンスを得るには、FlightGear の実行中はテキスト出力ウィンドウを最小化 (アイコン化) することをお勧めします。

訳注: 原文に対して以下の修正を行いました。-toshi

4.4 Mac OS X におけるシミュレータの起動

Mac OS X 用のビルド済みバイナリパッケージには GUI ランチャーが含まれています。 /Applications フォルダーの FlightGear アイコンをダブルクリックするだけで図5のような GUI ランチャーのウィンドウが表示されます。 ランチャーで出来ることは以下のとおりです。

以下の節ではこれらの機能を使って説明します。

MainMenu.png
図5: Mac OS X 用の GUI ランチャー (訳注: 日本語環境の画面に差し替え。画像提供: Tatさん。)

4.4.1 機体と空港の選択

ランチャーウィンドウで、機体名/空港名の右端にあるギアのボタンをクリックすると航空機と空港を選択できます。 ウィンドウの画像パネルには選択した航空機のサムネール画像が表示されます。 ここで選択する空港はフライト開始地点になります。 FlightGear が使用する ICAO 4レター空港コードは、1〜2文字のプリフィックスと2〜3文字の空港コードからなります。 たとえば、サンフランシスコ国際空港の ICAO コードは KSFO です。 ここで「K」はアメリカ合衆国のプリフィックスで、SFO はサンフランシスコ国際空港の空港コードになります。 空港や航空機を探し出すには、拡張機能 >> 位置機体 タブを使います。

4.4.2 風景の自動ダウンロードを有効にする

ランチャーウィンドウにある 風景の自動ダウンロード にチェックすると、TerraSync を使ってシーナリーデータを飛行中にダウンロードします。 シーナリーのダウンローダは、シーナリーデータを

/Applications/FlightGear.app/Contents/Resources/data/Scenery-Terrasync

にインストールします。

4.4.3 ナビゲーションマップ (Atlas) を有効にする

Mac 版 FlightGear には、フライトプランを手助けするためのナビゲーションマップ Atlas がユーザの便宜のために含まれています。 このオプションをチェックすると、飛行開始時に Atlas が自動的に起動します。 Atlas のオプションを指定する必要はありません。 GUI ランチャーが指定してくれます。

4.4.4 FlightGear (シミュレータ本体) の起動

飛行開始 ボタンをクリックするともうひとつのウィンドウが開きます。 これが FlightGear メインウィンドウです。 FlightGear は直ちにシミュレーションに必要な大量のデータをロードし始めます。 遅いマシンでは全てをロードし終わるまでにしばらく時間がかかるかもしれません。

4.4.5 拡張機能

FlightGear は起動時に、たくさんの機能やオプションを指定することができます。 このうちのいくつかは、FlightGear メインウィンドウにあるメニューからは変更することができません。 これらの機能を有効/無効にするには、ランチャーウィンドウの左下にある三角形のボタンをクリックしてください。 すると、拡張機能の各タブが表示されます。 全ての設定は保存されるため、再設定する必要はありません。

一般、機能、描画 タブ

これらのタブはいくつかの FlightGear オプションを指定します。

お気に入りタブ

お気に入りリストはウェブブラウザのブックマークのようなもので、現在のオプション設定に名前をつけて保存する手段を提供します。 現在のオプション設定を保存するには、ウィンドウ上部、あるいは お気に入りタブの下部にある "+" ボタンを押してください。 お気に入りに追加した後は、お気に入りタブの表にある行をダブルクリックすることで他の設定に切り替えることができます。 表形式の "-" ボタン (あるいは delete キー) を押すと、選択したお気に入りを削除します。

位置タブ

空港や航空母艦を見つけるには、フィルターテキスト領域にキーワードを入れて検索します。 入力可能なキーワードは以下の通りです。

キーワードに一致した空港と空母はフィルタのテキスト領域の下に表形式で表示されます。 上部の枠の空港名は、現在選択されている空港または空母と同期しています。 上部の枠の空港名の右端にあるギアボタンをクリックしてこのタブを開くこともできます。

空港を選択すると、"滑走路" ポップアップボタンに選択可能な滑走路が表示されます。 滑走路を選択するか、あるいは "デフォルト" のままにしておくことができます。

機体タブ

航空機を見つけるには、フィルタのテキスト領域にキーワードを入れて検索します。

キーワードに一致した航空機のリストはフィルタのテキスト領域の下に表形式で表示されます。 上部の枠の機体名は、現在選択されている航空機と同期しています。 上部の枠の機体名の右端にあるギアボタンをクリックしてこのタブを開くこともできます。

もっとたくさんの航空機データをインターネットから探したければ、機体タブの下にある "機体を取得" ボタンをクリックします。 するとウェブブラウザが開いて、FlightGear Mac OS X ウェブサイトにある Aircraft Links ページに飛びます。 そこからいくつかのリンクをたどってお好みの航空機をダウンロードしてください。 航空機をダウンロードしたら、"その他" タブを開いてインストールしてください。

航空機を検索するときに変な挙動が起きた場合は、航空機データベースのキャッシュファイルを削除すると問題が解決するかもしれません。 /Applications/Utilities/Terminal.app を開き、以下のコマンドを打ってキャッシュファイルを削除してください。

cd /Applications/FlightGear.app/Contents/Resources

rm AircraftCache.rb

ビルド済みバイナリパッケージのディスクイメージをマウントしたときに、そこからは FlightGear を起動しないように注意してください。 マウント状態のディスクイメージ内のフォルダは読み取り専用なので、アドオンデータをインストールすることはできません。 FlightGear をインストールするには、マウントしたディスクイメージから FlightGear アイコンを /Applications フォルダにコピーする必要があります。

ネットワークタブ

このタブには、2つのネットワーク機能が含まれています。 1つはマルチプレーヤモードで、もう1つは FGCOM (音声 ATC) です。 マルチプレーヤモードを有効にするには、以下を指定します。

FGCOM を有効にすると、無線機の設定を使って実際の声で通話することができるようになります。 スペースバーを押している間、選択した無線周波数 (COM1) で話すことができます。 他のプレーヤが同一周波数かつ有効範囲内でしゃべっていれば、その声を聞くことができます。 以下のリストは、FGCOM に存在するオプションです。

FGCOM とマルチプレイについての詳しい説明は 第6章 を参照してください。

その他タブ

航空機や空港、ランチャーに表示されるオプションを除くあらゆるオプションはここで指定できます。 スペース区切りのオプションを入力すると、FlightGear に追加オプションを引き渡すことができます。 "オプションを表示" を押すと、存在する全てのオプションを見ることができます。 いくつかのオプションは FlightGear をクラッシュさせてしまうかもしれません。 特定のオプションでそのようなクラッシュに遭遇したら、私たちにお知らせください。

航空機やシーナリーの追加データをインストールするには、"データをインストール" を押します。 複数のファイルやフォルダを指定して、FlightGear の data フォルダにインストールすることができます。 対応しているファイルの種類は以下の通りです。

全データのインストールが成功するとメッセージウィンドウが、それ以外の場合はエラーメッセージが表示されます。 航空機データとシーナリーデータは同時に選択できます。 航空機ファイルが含まれていないアーカイブファイルを選択した場合、data フォルダに展開はされますが無視します。 新しい航空機のインストールが完了すると、"機体" タブでその航空機を選択できるようになります。

4.4.6 コマンドラインからの起動

Mac OS X のコマンドラインからシミュレータを起動することもできます。 そうする場合は、Terminal.app (/Applications/Utilities にあります) を開いて、以下のコマンドを打ちます。

cd /Applications/FlightGear.app/Contents/Resources

./fgfs --option1 --option2 ....

コマンドラインオプションに関する詳細は 4.5節 をご覧ください。 他のプラットフォームとは異なり、ビルド済みバイナリパッケージを使用している限りは、FG_ROOT や FG_SCENERY といった環境変数を手動で指定する必要はありません。

4.5 コマンドライン パラメータ

訳注: 米国 Wiki サイト内の「Command Line Options」には、本節には記載されていないオプションが掲載されていますので、あわせてご覧ください。-toshi

以下に、FlightGear に存在する数多くのコマンドラインオプションの全リストと短い説明を記します。 これらのオプションの大半は、Windows バイナリで配布される FlightGear ランチャーでも適用できます。

もし継続的に再利用するオプションがある場合は、自動的に設定したいコマンドラインオプション一式を書き込んだ設定ファイルを作成することもできます。 どんなテキストエディタ (メモ帳、emacs、お好みならvi) で作っても構いません。

4.5.1 一般的なオプション

--help
主要なコマンドラインオプションを表示。
--help-verbose
全てのコマンドラインオプションを表示。
--version
現在の FlightGear のバージョンを表示。
--fg-root=path
デフォルト設定でコンパイルしなかった場合に、ルートdataファイルを探す場所をFlightGearに指示。
--fg-scenery=path
デフォルト位置の $FG_ROOT/Scenery にシーナリーがない場合などに基本シーナリーのパスを指定。 これは、CD-ROMにシーナリーがある場合に特に有用です。
--fg-aircraft=path
航空機のあるパスを指定します。デフォルトでは $FG ROOT/Aircraft です。
--language=code
このセッションの言語を選択。 pl、nl、it、fr、en、de など。
--restore-defaults
全てのユーザー設定をデフォルトにリセットします
--enable-save-on-exit, --disable-save-on-exit
シミュレータ終了時にユーザ設定を保存する機能の有効/無効。
--enable-freeze, --disable-freeze
FlightGear 起動時に一時停止状態にするかしないかを指定。 デフォルトでは一時停止しません。
--control-mode
一次操作デバイス (joystick, keyboard, mouse) の指定。 デフォルトはjoystick。
--enable-auto-coordination, --disable-auto-coordination
エルロンとラダー間の自動連携オン/オフ切り替え。 ラダーペダルや"ツイスト"対応ジョイスティックを持っていないユーザには自動連携をお勧めします。
--browser-app=path
Webブラウザの場所を指定。 例: --browser-app="C:\Program Files\Internet Explorer\iexplore.exe" (空白があるため" "に注意!)。
--config=path
追加プロパティを指定のパスからロード。 例: fgfs --config=./Aircraft/X15-set.xml
--units-feet
測定の単位にフィートを使用。
--units-meters
測定の単位にメートルを使用。

4.5.2 機能

--enable-ai-models, --disable-ai-models
AI飛行機の有効/無効。
--ai-scenario=name
特定のAIシナリオを有効にします。(例 --ai-scenario=vinson-demo). 複数回使用できるかもしれません。

4.5.3 サウンド

--enable-sound, --disable-sound
音を有効または無効にします。
--show-sound-devices
利用可能なサウンドデバイスを表示します。
--sound-device=device
音を出すサウンドデバイスを指定します。
--enable-intro-music, --disable-intro-music
FlightGearの起動時にサンプル音を再生するかどうかを指定します。

4.5.4 航空機

--aircraft=aircraft
指定した飛行機をロードします、例えば: --aircraft=c172p. 選択可能なファイルを見つけるには、$FG ROOT/Aircraftディレクトリをチェックして、"-set.xml" で終わるファイルを探してください。航空機を指定するときは、ファイル名から "-set.xml" を除外してください。別の方法として、下記の --show-aircraft オプションを使うこともできます。追加の航空機をダウンロードするには、3.2節 をご覧ください。
--show-aircraft
現在存在する航空機の種類をソートしてリスト表示。
--min-status=status
機体の最低限の状態を指定しますalpha,beta,early-production,productionの一つを選択します。--show-aircraftと共に使用してください。
--aircraft-dir=PATH
実行ファイルの場所を基準に、航空機のディレクトリを指定します。デフォルトでは $FG ROOT/Aircraft です。
--vehicle='''name of aircraft definition file
'''--aircraft と同様です。
--livery=Name
航空機の塗装を指定します。

4.5.5 フライトモデル

--fdm=abcd
フライトモデルを選択します。オプションは jsb, larcsim, yasim, magic, balloon, external, pipe, ada, null です。航空機のFDMを正しく設定するオプションです - このオプションは通常は無視することができます。
--aero=aircraft
ロードするために航空機の飛行モデルを指定します。航空機モデルを正しく設定するオプションです- このオプションは通常は無視することができます。
--model-hz='n'
このレート(毎秒の繰り返し)でFDMを実行します。
--speed='n'
現実より速くFDMを実行します。(訳注:n倍速、と言う方が正しいでしょう。)
--trim, --notrim
JSBSimを初期化するとき、トリムを取るか、取らないかを指定します。デフォルトはトリムを取ります。
--on-ground, --in-air
デフォルトでは地上で、もしくは空中で起動します。もし --in-air を指定した場合、初期高度も --altutude で設定する必要があり、また、初期速度もセットしたい場合は --vc で設定してください。一部の航空機は、(特にX15)空中で開始する必要があることに注意してください。
--enable-fuel-freeze, --disable-fuel-freeze
燃料の状態が一定(例:frozen)か、通常どおり消費されている(デフォルト)かを指定してください。

4.5.6 初期位置と方向

--parking-id=ABCD
空港内の指定した駐機場で開始します。
--runway=NNN
開始する滑走路を指定します。(例: 28L). 駐機場や滑走路が指定されない場合、離陸のために風に正体する滑走路を選択します。
--vor=ABCD, --ndb=ABCD, --fix=ABCD
VOR, NDB 、もしくは FIXを基準にした位置で開始します。アプローチの練習に有用です。
--carrier=NAME
空母上でスタートします。空母の運用については6.2節を参照してください。
--parkpos=NAME
空母上の指定した駐機場で開始します。--carrier オプションと共に使う必要があります。デフォルトではカタパルトの射出場所です。
--offset-distance=nm, --offset-azimuth=deg
--airport, --vor, --ndb, --fix, --carrierでセットした場所を基準に、距離と方位を指定した場所から開始トします。
--lon=degrees, --lat=degrees
起動時の緯度と経度を度で指定します。(南緯と西経はマイナス)。
--altitude=feet
起動時の高度を指定。--in-air オプションと共に使用します。高度の単位は、指定が無い場合はフィートで、 --units-metersを指定している場合はメートルです。直ちに失速するのを避けるため--vc で初期速度を指定することもできます。
--heading=degrees, --roll=degrees, --pitch=degrees
航空機の初期の向きを指定します。すべての値はデフォルトではゼロです - 北で、前後左右に水平です。
--uBody=X, --vBody=Y, --wBody=Z
X, Y, Z 軸に沿った速度を指定します。速度は、指定が無い場合はフィート毎秒で、 --units-metersを指定している場合はメートル毎秒です。
--vNorth=N, --vEast=E, --vDown=D
南北、東西、そして垂直軸に沿った初期速度を設定します。速度は、指定が無い場合はフィート毎秒で、 --units-metersを指定している場合はメートル毎秒です。
--vc=knots, --mach=num
初期速度をノットかマッハ数で指定します。--altitudeを設定する場合に便利で、使用しない場合、すぐに失速します!
--glideslope=degrees, --roc=fpm
開始時のグライドスロープの角度を度で、昇降率をフィート毎分で指定します。正か負の値を指定できます。

4.5.7 環境オプション

--ceiling=FT ASL[:THICKNESS FT]
雲底高度を設定します、また雲の厚さも指定できます。(デフォルトは2000ft).
--enable-real-weather-fetch, --disable-real-weather-fetch
天候の制御にリアルタイムの気象情報をダウンロードして使用します。
--metar=METAR STRING
特定の METAR 文字列を使用します。 例: --metar=~XXXX 012345Z 00000KT 99SM CLR 19/M01 A2992~. METAR は米国、欧州で最も一般的な書式で指定することが出来ます。--enable-real-weather-fetchとは同時に使用できません。
--random-wind
ランダムで吹く風の強さと方向をセットします。
--turbulence=n
乱気流を 無風 (0.0) から 強い (1.0)で設定します。
--wind=DIR@SPEED
地上付近の風を指定します。方向は度で、速度はノットで指定します。値は、コロンで区切って範囲で指定することが出来ます。 例: --wind=180:220@10:15 。
--season=param
シミュレーションする季節を指定します。有効なパラメータはsummer(夏、デフォルト)とwinter(冬)です。
--visibility=meters, --visibility-miles=miles
視程の初期値をメートルまたはマイルで設定します。

4.5.8 レンダリングオプション

--aspect-ratio-multiplier=N
ディスプレイのアスペクト比を倍数で指定します。
--bpp=depth
色深度をピクセルあたりのビット数で指定。
--enable-clouds, --disable-clouds
雲層を有効化(デフォルト) or 雲層を無効化します。
--enable-clouds3d, --disable-clouds3d
3D雲層を有効化(デフォルト) or 3D雲層を無効化します。非常にきれいですが、グラフィックカードがサポートするGLSLシェーダに依存していて、古いorパワーの無いグラフィックボードでは使えません。
--enable-distance-attenuation, --disable-distance-attenuation
滑走路燈火とアプローチライトの減衰を有効または無効にします。
--enable-enhanced-lighting, --disable-enhanced-lighting
より現実的な滑走路の燈火とアプローチを有効または無効にします。
--enable-fullscreen, --disable-fullscreen
フルスクリーンモードを有効または無効(デフォルト)にします。
--enable-game-mode, --disable-game-mode
3DFXグラフィックカードでのフルスクリーンモードを有効または無効にします。
--enable-horizon-effect, --disable-horizon-effect
水平線近くの効果を有効化(デフォルト) or 3D雲層を無効化します。
--enable-mouse-pointer, --disable-mouse-pointer
外部マウスポインタを有効または無効(デフォルト)にします。古いVoodooベースのカードのフルスクリーンモードで便利です。
--enable-panel, --disable-panel
計器パネルをオン(デフォルト)または、計器パネルをオフにします。
--enable-random-buildings, --disable-random-building
ランダムな建物を有効にor無効(デフォルト)に設定します。ランダムな建物はメモリを多く使用するので注意してください。
--enable-random-objects, --disable-random-objects
地上物をランダムで表示(デフォルト)または無効にします。
--enable-random-vegetation, --disable-random-vegetation
樹木をランダムで表示(デフォルト)または無効にします。グラフィックカードがサポートするGLSLシェーダが必要で、古いorパワーの無いグラフィックボードでは使えません。
--enable-rembrandt, --disable-rembrandt
光源の拡張とリアルタイムの影を含めた実験的な機能を有効化、または無効化(デフォルト)します。
--enable-skyblend, --disable-skyblend
霧やかすみを有効に(デフォルト)または無効にします。
--enable-specular-highlight, --disable-specular-highlight
光の反射を有効(デフォルト)または無効にします。
--enable-splash-screen, --disable-splash-screen
アクセラレータボードの初期化時に3DFXのロゴが回転する機能を無効(デフォルト)または有効にします。(3DFXのみ)。
--enable-textures, --disable-textures
地形の細部を有効化(デフォルト)または無効化。
--enable-wireframe, --disable-wireframe
ワイヤーフレームを有効または無効(デフォルト)にします。FlightGearの世界が内部ではどのように見えるか知りたければ試してみましょう!
--fog-disable, --fog-fastest, --fog-nicest
霧の濃さをセットします。レンダリングの負担を軽くするために、デフォルトでは遠方の景色を霧で隠しています。これを無効にした場合、遠くまで見える代わりにフレームレートが低下します。--fog-fastest を使用した場合、霧は現実的ではなくなりますが、フレームレートが増加します。デフォルトは --fog-nicest です。
--fov=degrees
視野を度で設定します。デフォルトは55.0です。
--geometry=WWWxHHH
ウィンドウ/画面の解像度を定義します。例: --geometry=1024x768..
--shading-smooth, --shading-flat
スムースなシェーディング(デフォルト)を使用するか、見苦しい代わりに高速に描写できるフラットなシェーディングを選択します。
--texture-filtering=N
異方性テクスチャのフィルタリングを設定します。値は、1 (デフォルト), 2, 4, 8 , 16 です。
--view-offset=xxx
デフォルトの前方視界の向きを真正面に対するずれとして設定。設定可能な値は、LEFT、 RIGHT、 CENTER、または度単位の特定の数値です。 マルチウィンドウディプレイで有用です。

4.5.9 HUDのオプション

--enable-anti-alias-hud, --disable-anti-alias-hud
HUD (Head Up Display) をアンチエイリアスを使用して表示するかどうか設定します。
--enable-hud, --disable-hud
HUD (Head Up Display) を表示するかどうか設定します。デフォルトでは表示しません。
--enable-hud-3d, --disable-hud-3d
HUD (Head Up Display) を3D表示するかどうか設定します。
--hud-culled, --hud-tris
レンダリングされた三角形の数をHUDに表示。主にグラフィック開発者が関心を持つでしょう。

4.5.10 航空機のシステムのオプション

--adf=[radial:]frequency
ADF方位と周波数を指定します。
--com1=frequency, --com2=frequency
COM1/COM2 の無線機の周波数を設定します。
--dme='''nav1
nav2|frequency'''|NAV1とNAV2にDMEの周波数を指定します。
--failure=system
航空機のシステムの故障を設定します。 pitot(ピトー管), static(静圧), vacuum(負圧), electrical(電装)が設定できます。複数のシステムを複数回故障させることができます。
--nav1=[radial:]frequency, --nav2=[radial:]frequency
NAV1/NAV2に方位と周波数を指定します。

4.5.11 時間オプション

--enable-clock-freeze, --disable-clock-freeze
時刻の進み方を標準にするか、停止させるかを選択します。
--start-date-gmt=yyyy:mm:dd:hh:mm:ss, --start-date-lat=yyyy:mm:dd:hh:mm:ss, --start-date-sys=yyyy:mm:dd:hh:mm:ss
起動時の正確な日付/時刻を指定します。3つの違いは、基準点にGMT、機上での現地時刻、コンピュータのシステムクロックを使うという点が異なります。

--time-match-local, --time-match-real とは同時に使用できません。

--time-match-local, --time-match-real
--time-match-realがデフォルトで、シミュレータはシステムクロックを読み込み使用します。シミュレータの時計はクロックと同期しているので、コンピュータのある場所と同じタイムゾーンの地域を仮想的に飛行する場合にはこのオプションが望ましいです。

けれども、世界の異なる箇所を飛行するときはそうではないかもしれません。なぜならば、あな仮想的に飛行している場所とのタイムゾーンの差を計算します。そして現地時間に同期します。たのコンピュータと仮想的に飛行している場所との間には多くの時差があるからです。--time-match-localオプションは、これを考慮して、あなたのいる現実世界とのタイムゾーンの差を計算します。そして現地時間に同期します

--start-date-gmt, --start-date-lat, --start-date-sys とは同時に使用できません。

--time-offset=[+-]hh:mm:ss
この機能は、他の機能によってすでに設定されている値に、指定した時間を加えます。
--timeofday=param
時間帯を指定します。有効なパラメータは real(現実通り), dawn(夜明け), morning(朝), noon(昼), afternoon(午後), dusk(夕暮れ), evening(夜), midnight(深夜)です。

4.5.12 ネットワークオプション

--multiplay=dir,Hz,host,port, --callsign=ABCD
マルチプレイでのオプションとコールサインをセットします。6.1節を参照してください。
--httpd=port, --telnet=port
指定したポートにhttpサーバ、またはtelnetサーバを有効にして、プロパティツリーへのアクセスを提供します。
--jpg-httpd=port
指定したポートにhttpサーバを有効にして、スクリーンショットを提供します。
--proxy=[user:password@]host:port
指定したプロキシサーバを使用します。

4.5.13 ルート/ウェイポイント オプション

--wp=ID[@alt]
GCオートパイロットにウェイポイントを指定;このコマンドを多数列挙することにより、複数のウェイポイント(すなわちルート)を指定できます。
--flight-plan=[file]
ウェイポイントがいくつもあるときに便利。読み込むファイルを指定できます。

注意: これらのオプションは、自分が何をしているか分かっている上級ユーザ向けです。

4.5.14 入出力オプション

入出力パラメータの詳細な説明は、FlightGearのインストールディレクトリ内のDocsディレクトリにあるREADME.IOで見つけることができます。

 
--atlas=params
Atlasプロトコルを使って接続を張る。(AtlasとTerraSyncで使用されます)
--atcsim=params
ATC Sim(atc610x)プロトコルを使って接続を張る。
--AV400=params
Garmin196/296シリーズのGPSを駆動するために接続を張る。
--AV400Sim=params
Garmin 400シリーズのGPSを駆動するために接続を張る。
--generic=params
Generic(XMLベースの定義)プロトコルを使って接続を張る。
--garmin=params
Garmin GPSプロトコルを使って接続を張る。
--joyclient=params
Agwagonジョイスティックに接続を張る。
--jsclient=params
リモートジョイスティックへの接続を張る。
--native-ctrls=params
FGネイティブコントロールプロトコルを使って接続を張る。
--native-fdm=params
FGネイティブFDMプロトコルを使って接続を張る。
--native-gui=params
FGネイティブGUIプロトコルを使って接続を張る。
--native=params
FGネイティブプロトコルを使って接続を張る。
--nmea=params
NMEAプロトコルを使って接続を張る。
--opengc=params
OpenGCプロトコルを使って接続を張る。
--props=params
双方向的なプロパティマネージャを使って接続を張る。
--pve=params
PVEプロトコルを使って接続を張る。
--ray=params
Ray Woodworthモーションチェアプロトコルを使って接続を張る。
--rul=params
RULプロトコルを使ってコネクションを張る。

4.5.15 デバッグ用オプション

--enable-fpe
浮動小数点例外が発生すると中断を有効にする。
--fgviewer
シミュレータ全体をロードする代わりに、軽量なOSGViewerをロードします。航空機モデルをチェックするのに便利です。
--log-level=LEVEL
ログレベルを設定します。有効な値は、 bulk, debug, info, warn, alert です。
--prop:[type:]name=value
あるプロパティ値をvalueに設定。 任意で、プロパティ値の型をdouble, string, booleanに指定出来ます。 エンジン動作状態で起動させる例:

--prop:/engines/engine0/running=true

もう1つの例:

--aircraft=c172
--prop:/consumables/fuels/tank[0]/level-gal=10
--prop:/consumables/fuels/tank[1]/level-gal=10

これはセスナにショートフライト用の給油をします。
--trace-read=params
あるプロパティに対する読み込みをトレース。複数列挙できます。
--trace-write=params
あるプロパティに対する書き込みをトレース。複数列挙できます

4.6 ジョイスティック・サポート

キーボード一つで機械を制御するセスナのパイロットを想像できますか?飛行感覚を正しく得るためには、ジョイスティックまたはヨーク(操縦桿)に加えてラダー(方向舵)ペダルが必要ですよね?

FlightGearには、どんなジョイスティックやヨーク、ペダルが取り付けられても自動的に検出するジョイスティック・サポートが統合されています。単純にジョイスティックを差し込み、シミュレータをスタートしてください。

メニューから[Help] -> [Joystick Configuration]を選択すると、FlightGearがあなたのジョイスティックをどのように設定しているかを知ることが出来ます。このダイアログはジョイスティックの名前と、ボタンと軸ごとの設定を表示します。ボタンを押すかジョイスティックを動かすと、何をコントロールしたかマップで見ることが出来ます。

もし一般のジョイスティックをお持ちなら、誰かがそのジョイスティックを使うためにFlightGearのために特定のすべての設定をしていて、起動したらすぐに飛べるかもしれません!特定のボタン/軸の設定を変えたいなら、単にJoystick Configurationダイアログを使って編集してください。

もしあなたのジョイスティックが珍しい物ならば、FlightGearはデフォルトの単純なジョイスティック設定を使います。ジョイスティックの設定を変えるには、単にJoystick Configurationダイアログでボタンや軸毎に編集してください。設定は直ちに効果があり、同時に次のフライトのために保存されます。


編集メモ


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