FlightGearフライトスクール/第I部

第3章 First Steps

最初の理論のセクションの後に、あなたは今現実的な訓練を行います。 私たちが使う飛行機は世界中で「標準的な」練習機です。(訳注:General Avitation向けの練習機) それはセスナ C172P 「スカイホーク」です。あなたは航空機セクション B.1(未翻訳)で飛行機に関するいくつかの情報を見つけるでしょう。

3.1 飛行の前に

まずは、FlightGearを'--timeobday=noon'オプションをコマンドラインで指定して起動して(これは起動した時、FlightGearの中の時間帯を昼に指定します)(訳注:原文では'--start-date-lat=2003:06:08:15:30:00'だった)、 事前にセーブされているフライト"flight001.sav"をロードしてください。 (すべての事前にセーブされたフライトはDocs/source/FlightGearSchool/saved に記録されています。あなたはロードする前にFlightGearをスタートするディレクトリにこのファイルをコピーする必要があります。)(訳注:どこか良く分らなかったので時間があればまた探してみます --sambar)

あなたはKSQL(米国のサンカルロス空港)の駐機エリアにいるのが見えるでしょう。これは米国、サンフランシスコ東部のサンカルロスにある、小さな地方空港です。

3.1.1 空港

通常、飛行前には非常に詳細かつ注意深くフライトプランを立てます。 私たちは最初の飛行のためにこれをスキップして、セクション「フライトプラン」でこの事を扱おうと思います。 まず、滑走路を見つけるために、私たちは少なくとも、飛行を開始する空港の概要を必要とします。 あらゆる空港も、空港のレイアウト、出発、到着などに関する多くの空港ごとによって異なるチャートがあります。 私たちは今回、空港のチャートの一部だけを使用するつもりです。あなたは後述の「付録 G」で完全なチャートを見つけるでしょう。

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サンカルロス空港のレイアウト
 

現在、飛行機は図の中央の'2600'と書かれている部分の右側の駐機場に居ます。 あなたは、地図を横切っている黒い線を唯一の滑走路(12/30)と見てください。12と30の滑走路の数字を10倍すると、滑走路の向いている方角になります。 これらの数の下に小さく書いてある数字を読めば、あなたはより正確な方向(122か302)を与えられているのが分るでしょう。 私たちはこれから滑走路30を使って最初の離陸をします。それらの前に、私たちはグレーで書かれた誘導路を通って滑走路の北の端に行かなければなりません。 この長い誘導路で、私たちは地上での飛行機のコントロールを学ぶでしょう。しかし、私たちは最初にまだいくらかの仕事をしなければなりません。

 

3.1.2 外からの点検

私たちはコックピットに入ってエンジンを始動する前に、いくつかの点検を行います。(詳細は付録B1を見てください。)フライトシミュレータには、これは必要ではありませんし、また可能でもありません。

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外からの点検手順
 
 
  1. 燃料 : コックピットに入ってマスタースイッチをオンにしてください。(残念ながら、この機能はFlightGearでまだ実装されていないので、スイッチを使用すると想像してください。 あなたはパネルの左の下側の縁でそれを見つけるでしょう。)(訳注:機種によってはマスタースイッチがある)
    それは私たちの知っている車とは正反対に、キーとマスタースイッチがあります。飛行機では、エンジン点火はバッテリーやジェネレータ(訳注:発電機。大抵ベルト駆動だと思う)にも頼りません。
    これは非常に重要です。なぜなら、両方とも故障することがあるからです。したがって、点火の力はエンジンに内蔵されたマグネトー(点火専用の発電機)から得ています。 それ以外の全ての飛行機の電気部品はバッテリーとそれに接続された発電機から得ています。 燃料をチェックするには、マスタースイッチを入れてください、そうすればバッテリーから計器に電力が供給されます。 あなたはパネルの左サイドに燃料系を見つけることが出来ます。それは現在、実際の燃料の量を示しています。今回、燃料タンクは満タンです。 通常の飛行に関しては、パイロットは飛行の前に燃料の計算をしなければなりません。 燃料が少なすぎると、危険な状況に陥るかもしれません。逆に燃料が多いと飛行機の重量が増えるので、燃料消費が大きくなると共に、飛行の条件が悪くなります。 (訳注:特に、大型機だと燃料を捨てなければ着陸重量過大で着陸できない場合がある。) 後の章であなたは飛行前の燃料計算を学ぶことが出来ます。 マスタースイッチを再びオフにしてください。これは非常に重要です。現在、飛行機の全てのシステムは直接バッテリーから電気を取り出しています。 エンジンが動いていないとバッテリーは充電されないので、すぐにバッテリー上がりを起こします。
     
  2. 尾部 : 全ての可動部分の取り付けは完璧ですか?ラダーは楽に動かせますか?
     
  3. エルロン : エルロンは左右きに大きなガタがあってはいけませんが、左右軸の周りを動かせなければなりません。
     
  4. 主脚 : タイヤの空気圧は正常ですか?ブレーキは効きますか?(訳注:飛行機の車輪ブレーキは左右独立している。)
    燃料タンク:水が混入していませんか?主翼下に燃料を抜き取ることのできるバルブがあります。少量の燃料を抜き取ってみてください。 水は燃料よりも重いので、下に溜まります。もし水が混ざっているならば、それを見ることができます。(訳注:重機等と似た方法です。) コックピットの燃料計は、あまり正確ではありません。従って、手動で燃料の量をチェックするために、何本かの燃料計測用の棒があります。(訳注:おそらく、自動車のエンジンのオイルゲージと同じような物でしょう。)
     
  5. エンジンオイル : 量、汚れ、粘度をチェックしてください。
    プロペラ : プロペラを点検するときには、キーを抜き取っていることを確認してください。キーがオンだと、プロペラを回すとエンジンがかかります。注意してください。
    灯火 : 着陸灯をチェックしてください。ガラスは傷や汚れが無く、清潔であるべきです。
    前脚 : タイヤの空気圧と緩衝装置が正常であることを確認してください。
     
  6. 静圧ポート : 計器を正常に作動させるには、開口部に汚れ、ごみ、詰まり等が無く、清潔でなければなりません。
    ピトー管 : 対気速度を正確に測るには、ピトー管の開口部のごみを取り除き、清潔にしてください。
    失速警報装置 : 失速警報装置が正常に作動できるよう、開口部のごみを取り除き、清潔にしてください。
     

3.1.3 コックピット

コックピットの内側から周りを見回してみましょう。多分あなたは計器パネルの全てを見ることができないでしょう。マウスを2回左クリックしてください。(すると、マウスポインターが両矢印型に変わります。)
マウス操作で視点移動できるようになります。しかし、あなたはマウスをまた飛行機の操縦に使いたいでしょうし、このままでは危険な場合もあります。 そのときは通常のマウスカーソルに戻るまで左クリックを繰り返してください。(3回以下)
少なくともパネルの下にある全てのレバー(C172Pの場合、左からスロットル、ミクスチャー、フラップ)が見えるまで、x/Xで視野範囲の調整を行ってください。
私たちはいくつかの計器を前のセクションですでに解説しました。
あなたの目の前に、'holy six'(直訳すると「聖なる6つ」)を見つけるでしょう。高度計、昇降計、対気速度計、人工水平儀、ディレクショナルジャイロ、旋回計です(訳注:なぜか人工水平儀/姿勢表示器が重複してた)
あなたは全ての航空機でこれらの重要な計器を見つけることが出来るでしょう。これらは'Holy six'(聖なる6つ)と呼ばれています

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コックピット概観
 

図:コックピット概観

3.2 エンジン始動

FlightGearのデフォルトでは、マスタースイッチはオンです。エンジンを始動しても飛行機が動かないように、パーキングブレーキ(Bキー)を確認してください。
もう一度、燃料計に表示されている燃料の量と実際にタンクに入っている燃料の量を比較してください。
エンジンのマグネトースイッチを「Both」にセットしてください。(}キー) マグネトースイッチにはOFF、L、R、BOTHの4つのポジションがあります。C172のエンジンは2系統の独立した点火システムを持っています。
シリンダー1本に点火プラグが2本あり、それぞれ別のマグネトーに繋がっています。マグネトーは車の点火システムに似ていますが、それは電気を必要としません。
それは回転する永久磁石を使用します。従って点火系は絶対的に飛行機の他の電気系と独立していて、他の電気系統が故障してもエンジンの運転を保ちます。
通常の運用では両方のマグネトーを使用します。従って、}キーを3回押して、スイッチをBOTHポジションに入れてください。
(訳注:L・Rポジションは離陸前、両方のマグネトーが正常か点検するときに使用する。)
初めにミクスチャーレバー(空燃比を変える)は0%(パネルから離れる方向)へ引っ張って、スロットルを十分に手前に引いてください。それから、前にそれを1.5cm押してaproxにしてください。
プロペラ周辺に誰も居ないことを確認してから、エンジンを始動してください。(スペースキー)。すぐに、ミクスチャーレバーを完全に前に持っていってください。
今エンジンは動作しています。油圧をチェックしてください。もし始動から15秒以内に油圧が上がらなければ、エンジンを切ってもう一度ミクスチャーを0%にしてください。
負圧ポンプが始動して、人工水平儀が水平を指すまでの間、少し回転するべきです。
必要な灯火のスイッチをオンにします。
TAXはタキシング灯で、それはタキシング中に使用されます。
LNGは着陸灯です、離着陸時に使用します。(訳者追記:予断ですが、日本エアコミュータの"航空教室"イベントで、講師は「着陸燈を直視するとしばらく目の前が真っ暗になる」と言っていました。)
NAVは航法灯です。左翼端は赤色、右翼端は緑色、尾翼の白色の灯火をオンオフします。
BCNはビーコン(尾部の上の赤いフラッシュ)のスイッチです。
STRはストロボのスイッチです。
PTRはピトー管の加熱スイッチで、ピトー管の凍結によって速度が計れなくなるのを防ぎますが、今はあまり関心がもたれていません。
従って、操縦棹の右のTAX、NAC、BCN、STRを使用してください。

3.3 タキシング

(FlightGearで)飛行機を操縦するのに、ヨーク(もしくは、ジョイスティック)とペダルを使用するのが、最も現実的であって、快適です。 しかしキーもまた使用されます。飛行機を地上で操縦するにはペダルだけが必要でしょう。
左に曲がるには左のペダルを押して(NumLock,0キー),右に曲がるには、右ペダルを押して(NumLock,Enterキー)ください。 良く初心者が犯す間違いは、操縦桿を曲がろうとする方向に倒すことです。(訳注:「曲がりたい方向とは逆のペダルを押す」のも初心者によくある間違いの一つ) 速度はスロットルの調整(Numlock,9/3キー)もしくは車輪ブレーキ(bキー)で調整されます。 タキシングの前に、他の飛行機や歩行者をチェックしてください。左右を確認してから、(いろいろな方向を見るキーは2章1.2を参照)ブレーキを解除して、スロットルレバーを前のほうに押してください。 800rpm以上で、飛行機は動き始めます。飛行機の速度は地面の状態で違ってきます。 ここは、コンクリート舗装されているので飛行機を動かすのに少しだけスロットルを開けるだけで十分です。 しかし、特に小さい空港には、未舗装の滑走路と誘導路がしばしばあります。この場合、あなたはそれに合わせてパワーを調整しなければなりません。
短い距離で誘導路に入ってください。誘導路は黄色い線で示されています。滑走路には白いマーキングがあります。 センターライン上を通って、誘導路で左折してください(この文翻訳自信なし.) 今、あなたは少しだけパワーを増加させることが出来ます。C172では通常、900-1000rpmでタキシングを行います。それはジョギングする人と同じ位の速度です。 最初に、センターライン上を走り続けようとしてください。その後、あなたは左右に曲がったりブレーキを掛けたりを試してください。 また、あなたは左右別々にブレーキを掛けることができます。左右の車輪ブレーキは独立しています。片側だけブレーキを使用した場合、飛行機はブレーキを掛けた側にターンします。 左側のブレーキペダルだけを用いて左に曲がることを試してください(,キー)。または、右側のブレーキペダルだけを使ってみてください(.キー)。 誘導路の出口が見えたら、完全にスロットルレバーを引いてください。誘導路突き当たりで少し速度を落としてから右に曲がって、白線の手前で止まってから、パーキングブレーキを掛けてください。

3.4 飛行前チェック

滑走路に入る前に、私たちはいくつかの項目の飛行前チェックさらにしなければなりません。飛行機ごとに自身のPOHを記述してあります(翻訳不適切) 私たちは、非常に基本的なもの、すなわちCIGARSと呼ばれるものから始めるでしょう。

3.4.1 CIGARS

私たちが滑走路に入る前に、左右を確認して出発/到着する機がいないことを確認してください。滑走路が空いているならば、少しスロットルを開いて、ブレーキを解除してください。(この場合、タワーの近くで許可を待つためにasumeします。) 右折をして、そして飛行機をセンターラインの上においてください。

3.5 離陸

しばしば、人々はPCフライトシミュレータの中の飛行機で操縦に苦労するのは、それは彼らがパネルの上の計器にばかり気を取られているからです。 それは間違った飛び方です(有視界飛行時)。ここに、正しい道があります:

 

窓の外に目を向けなさい。

 

(訳者注記:http://www.mhi.co.jp/nasw/tokusyu/pilot/index_7.htmlの「Instrument」によると、「むしろ自分のやった操舵の結果を見るための物」と思えばいいそうです。)
これらの写真は、地平線に注目してみると、どのように機首が地面から離れるかを示しています:言い換えると、飛行機の姿勢に注意を払ってください。
あなたが実際の視点とは異なる視点を使って飛ぶならば、地平線についての言及を変えるかもしれません。しかし、あなたの第一歩は常に実際の視界での姿勢変化を学ばなければなりません。そして、あなたは対気速度計と高度計を何度もチェックして、しばしば車で言うバックミラーをチェックしません。
私たちはエンジン始動と離陸前点検を完了して、タワーから滑走路への進入許可を受けました・飛行機はまだ動いていません。そうです、3つ全ての車輪は地面に接しています。
白いエンジンカバーと地平線の間の垂直距離をしっかりと見てください。たった今、フロントガラスの上3分の1と半分のところに地平線があります。
ダウンウインドレグと最終進入の間も、フラップを下げた状態で、機首が水平に向くこの姿勢で進入してください。
今度は、スロットルレバーをフルまで進めます。飛行機は滑走路で動き出します。あなたは飛行機が左にわずかに曲がって走るのに気が付くでしょう。 いいえ、これはプログラムコードの誤りでもジョイスティックの故障でもありません。これは航空力学と物理効果が組み合わさって起こります。
しばしば、これらの効果は「トルク効果(torque-effect)」と呼ばれます。プロペラが飛行機にトルクを与えていますが、これは完全に本当ではありません。 機体が滑る本当の理由は、プロペラの動かす空気の流れが原因です。空気は水平に後ろに流れず、飛行機の後ろから見て時計回りに渦を巻いて流れます。(いわゆるプロペラ後流) プロペラ後流の中では、空気は尾部の左側に押し付けられます。そして、それが飛行機が左に回転する原因になります。 これを抑えるために、左のペダル(Num 0)を使ってください。飛行機でセンターライン上を走り続けようとしてください。
速度を増加させると、機首はわずかに上昇しますが、しかしフロントガラスの3分の1と半分の位置に地平線が見えます。速度が増加するので、ほんの少し前輪から荷重が抜けます。 55ktで、ノーズギアは少し滑走路から離れ始めました:地平線は今フロントガラスの下の枠と重なって見えるので、あなたは今上昇姿勢にあると知ることが出来ます。 (以下作業中)


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