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このドキュメントは http://www.flightgear.org/features.html の日本語訳です。

FlightGearの特徴

高い自由度

FlightGearはオープンソースプロジェクトです。 その意味するところは、GPLライセンス条件を守るのであれば自由にFlightGearをダウンロードしてコピーすることができる、ということです。 とにかく、最新の開発ソースコードに簡単かつオープンにアクセスできるということです。 オープンソースプロジェクトなので、私たちはファイル形式をオープンにし容易にアクセスできるようにしました。 私たちは標準的な3Dモデル形式をサポートしており、またシミュレータ設定の大部分はXMLベースのアスキーファイルを通じて制御されています。 FlightGear用にサードパーティーの拡張機能を書くことは(またはFlightGearのソースコードを直接修正することですら)容易なことであり、膨大なリバースエンジニアリングは必要ありません。 このため、個人利用や商用利用、研究、または趣味のプロジェクトで使用する上で、FlightGearは魅力的な選択肢となります。

FlightGearは、Windows、Linux、Mac OS-X、FreeBSD、Solaris、そしてIRIXプラットホーム上で動作することが知られており、ユーザは好みのプラットホーム上で実行することができます。

飛行力学モデル

FlightGearでは、3種類の主要な飛行力学モデルを選べます。 新しい飛行力学モデルを追加することや、外部の「独自仕様の」飛行力学モデルに連結することさえ可能です。

  1. <a href="http://www.jsbsim.org/">JSBMSim</a>: JSBSimは、飛行物体の動きをシミュレートする一般的な6自由度(6DoF)の飛行力学モデルです。 C++で書かれています。 JSBSimはスタンドアロンモードでバッチ処理動作をさせることができ、あるいは(FlightGearのような)視覚的なサブシステムを含んだ、より大規模なシミュレーションプログラムのためのドライバーになります。 どちらの場合もXML設定ファイルで航空機がモデル化されおり、質量特性、空気力学特性、飛行制御特性は全て設定ファイルで定義します。
  2. YASim: この飛行力学モデルはFlightGearに統合された一部であり、航空機の異なる部分における気流の効果をシミュレートするという、JSBSimとは異なった手法を用いています。 このアプローチの利点は、形状と重量の情報に基づくシミュレーションを行えることであり、航空機性能の数字として入手しやすいことも兼ね備えています。 これにより、従来のように空気力学的な全てのテストデータを必要とすることなく、公表された性能の数字と一致した、もっともらしく振る舞う航空機をすばやく構築することができます。
  3. <a href="http://www.ae.uiuc.edu/m-selig/">UIUC</a>: この飛行力学モデルは、NASAによって当初は書かれた <a href="http://techreports.larc.nasa.gov/ltrs/PDF/NASA-95-tm110164.pdf">LaRCsim</a> を基にしています。 UIUCは、航空機設定ファイルを受け入れ、そして凍結状態下での航空機のシミュレーションをするためのコードを追加することによりコードを拡張します。

    UUICは(JSBSimと同様に)、航空機に対する空気力係数成分とモーメント係数を検索するのにルックアップ表を利用し... そしてこれらの係数を利用して、航空機に作用する力とモーメントの合計を計算します。

広大で精密なワールドシーナリーデータベース

正確で詳細な空のモデル

FlightGearは、太陽、月、星及び惑星を正確に配置する、きわめて正確な時刻モデルを提供します。 太陽や月、星などを、地球に対する現在の適切な位置に正確に配置する目的で、現在のコンピュータ時刻に追従することが出来ます。 もし今まさにシドニーが夜明け(dawn)ならば、バーチャルなシドニーにあなた自身を位置するとシミュレータの中でも夜明けになります。 太陽や星、惑星は全てそれぞれの正しいコースを空の上でたどります。 このモデルはまた季節の効果も正確に考慮するので、例えば夏の北極圏の北部では白夜を体験できるでしょう。 また、正しい位置にある太陽から正しい位置の月を照らすことで、現在の日付と時間における月の満ち欠けを現実世界と同じように正確に再現します。

柔軟でオープンな航空機モデリングシステム

FlightGearは、多種多様な航空機をモデル化することができます。 現時点では、1903年のライトフライヤー号(Wright Flyer)や奇妙な羽ばたき機(ornithopter)、747、A320、数々の軍用ジェット機、そしていくつかの軽単発機などを操縦できます。 FlightGearは、そういった航空機やその中間のものほとんど全てをモデル化することができます。

またFlightGearは、極めて速やかで滑らかな計器のアニメーションを、窓の外の風景と同じ更新速度で(すなわち、あなたのコンピュータがクランクを回転さようとするのと同じ速度で、いくつかのシミュレータにおけるような大雑把で人為的に制限された状態ではなく)実現します。

FlightGearの基礎構造は、完全にアニメーション化された、完全に操作が可能で、完全に双方向の3Dコックピットを航空機デザイナーが構築出来るようになっています(飛行機を追いかけて外側から眺めるビューモードでも3Dコックピットは正しく更新され表示されます)。

FlightGearは、現実世界の計器の挙動を現実的にモデル化します。 現実世界で遅延する計器はFlightGearの中でも正しく遅延し、ジャイロドリフトは正しくモデル化され、磁気コンパスは航空機胴体の力に影響され -- そういった、現実世界での飛行を難しくする全てのものです。

FlightGearはまた、たくさんの計器とシステム障害を正確にモデル化します。 もし負圧システムが機能しなくなると、それに対応する反応の遅れと、ゆっくり増加するバイアスと誤差により、HSI(水平位置指示計)のジャイロがゆっくりと下に回転します。

適度なハードウェア要件

FlightGearは、見栄え良くすることは意図していますが、現実的なシミュレータとしての他の側面までも犠牲にしているわけではありません。 「ゲーム」市場との競争や、ど派手なグラフィックの芸当には焦点を合わせていません。

その結果として、滑らかなフレームレートで動かす上で、適度なハードウェア要件を有するシミュレータになっています。 500〜1000 USドル(約6〜12万円)のマシーンで(注意深くするならひょっとするともっと安くても)無理なく幸せになれます。 多くの最新のゲームを動かす時に使う3000 USドル(約36万円)もする新しいハードウェアは必ずしも必要ではありません。

とは言っても、ハードウェアにお金を注ぎ込むほどFlightGearでの見た目や実行環境が良くなるので、もしあなたが高価なハードウェアを購入したばかりなら、それを放り捨てなければならないという気分にはならないで下さい。:-)

内部プロパティは公開されています!

FlightGearは、ユーザと航空機デザイナーが、内部からと外部からの多数のアクセスメカニズムを通じて、非常に数多くある内部状態変数にアクセス出来るようになっています。 これらの状態変数は、便利で階層的な「プロパティ(property)」ツリーに体系化されています。

プロパティツリーを使うことで、FlightGearの内部状態変数をほとんど何でもモニターすることが出来ます。 外部スクリプトからFlightGearをリモート制御することが可能です。 モデルのアニメーションや音響効果、計器のアニメーション、そしてネットワークプロトコルを、想像し得るどんな状況に対しても、人間が読める少数の設定ファイルを編集するだけで作成出来ます。 これは強力なシステムであり、FlightGearを非常に柔軟で、設定可能で、融通の利くものにしています。

ネットワークオプション

数々のネットワークオプションは、他のFlightGearのインスタンスや、GPS受信機、外部の飛行力学モジュール、外部の自動操縦または制御モジュールとFlightGearが通信することを可能にします。 それはまた <a href="http://www.opengc.org/">The Open Source Glass Cockpit Project</a> や <a href="http://atlas.sourceforge.net/">Atlas</a> マッピングユーティリティといった他のソフトウェアとの通信に対しても同様です。

汎用的(generic)な入出力(input/output)オプションは、ファイルやシリアルポート、またはネットワーククライアントへのユーザ定義出力プロトコルを可能にします。

マルチプレーヤープロトコルは、例えば編隊飛行の練習や管制シミュレーションの目的で航空機が複数台ある環境で、ローカルネットワーク上でFlightGearを用いるために利用することが出来ます。

強力なネットワークオプションにより、マルチディスプレイや、さらにはcave環境(訳注: 仮想現実感装置の一種)に対してFlightGearのいくつかのインスタンスを同期させることが可能になります。 もしも全てのインスタンスが同一のフレームレートで一貫して実行されているならば、極めて良好で堅固なディスプレイ間の同期を得ることが出来るでしょう。


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