関西シーナリー
- このフォーラムに新しいトピックを立てることはできません
- このフォーラムではゲスト投稿が禁止されています
inomaty
投稿数: 164

こんばんは、inomatyです。
植生図を利用したシーナリー製作トピックで関西シーナリーを公開しましたと既に報告済ですが、あれこれモデリングして設置しましたとなると別の内容ですので新規にトピックを立ち上げました。
とりあえず関西シーナリーのダウンロードはこちら↓から
https://github.com/inomaty/Kansai-fg-CustomScenery
最初にネタみたいなもの作って申し訳ないですけど、救難隊がいるような空港・基地にある洗機場です。

以前紹介したインスブルックシーナリーにある自動でデアイシングしてくれるシステムを元に作りました。YAsimのバグでパーキングブレーキをしていてもどうしても微妙に移動してしまうので、洗う前は中心にいたのに最後にはかなりズレた位置になってしまうのが難点です。HiTouchさん謹製のSH-60Jに大体合わせてパーティクルを止めるようにしてますが、機体の内外の判定も無いので浸水しますし、機体の窓にALSの雨が降った時に水滴が付く機能を搭載していても全く関係無いようです。
本家Wikiのparticle systemのページを見るとCPUに負荷が結構掛かるシステムのようで、将来的に手が入るようです。水の噴射を13種シミュレーションしているので貧弱なPCですと辛いかもしれません。
一応マルチプレイヤー下でも発動します。
植生図を利用したシーナリー製作トピックで関西シーナリーを公開しましたと既に報告済ですが、あれこれモデリングして設置しましたとなると別の内容ですので新規にトピックを立ち上げました。
とりあえず関西シーナリーのダウンロードはこちら↓から
https://github.com/inomaty/Kansai-fg-CustomScenery
最初にネタみたいなもの作って申し訳ないですけど、救難隊がいるような空港・基地にある洗機場です。

以前紹介したインスブルックシーナリーにある自動でデアイシングしてくれるシステムを元に作りました。YAsimのバグでパーキングブレーキをしていてもどうしても微妙に移動してしまうので、洗う前は中心にいたのに最後にはかなりズレた位置になってしまうのが難点です。HiTouchさん謹製のSH-60Jに大体合わせてパーティクルを止めるようにしてますが、機体の内外の判定も無いので浸水しますし、機体の窓にALSの雨が降った時に水滴が付く機能を搭載していても全く関係無いようです。
本家Wikiのparticle systemのページを見るとCPUに負荷が結構掛かるシステムのようで、将来的に手が入るようです。水の噴射を13種シミュレーションしているので貧弱なPCですと辛いかもしれません。
一応マルチプレイヤー下でも発動します。

--
OS:Win7 Pro 64bit
Ubuntu14.04LTS
FG version:Win7:3.4,2017.3.1
Ubuntu:2016.1.1,2016.2.0
投票数:13
平均点:4.62
hide
居住地: 兵庫県
投稿数: 650

hideです。「投稿画像」でお知らせしました通り、inomatyさんの「植生図を利用したシーナリー製作」の応用編として、大阪港の埋め立て地・舞洲(まいしま)にある「舞洲ヘリポート」をモデル化しました。ちょうど新しいトピックを立てて頂いたので、制作記をお届けします。
ヘリポートだけでは寂しいので、海を挟んで東にあるヨットハーバーも造ってしまいました。ここには、幅90mの大変立派なスリップ(艇を陸揚げする傾斜路)があって、少し勾配を緩やかにすれば、水上機や飛行艇の発進・収容にもってこいです。そこで外観はヨットハーバーのまま(架空の管制塔や格納庫は作らずに)地上で機体を起動可能にして、水上機基地に使えるようにしました。
また、ヘリポート西側一帯の空中写真を見ていたら、地上に風化した滑走路としか思えない、黒い影を発見しました。実はこの舞洲埋め立て地は、2008年五輪を誘致しメイン会場にするはずだった場所です。その関係で「舞洲軽飛行場」が建設されたものの、五輪開催を北京に取られた後、一度も開港しないまま取り壊されつつあるようです。現在、旧滑走路の西端付近はカートコース、東端はグラウンド、南側はオートキャンプ場などになっています。もったいないので滑走路と誘導路を再現して、一応飛べるようにしました。
という次第で…気が付けば、わずか3㌔の直線上に、三つの自作飛行場・ヘリポートが並ぶことになりました。
●●まず、ヘリポートを造る:
自作第一号にヘリポートを選んだのは、空港よりずっと小さくシンプルなので、私にも作れるだろうと思ったからです。
3年前。ヘリコプターに熱中して、富士山頂へのレドーム吊り上げ再現フライトなどを「各種設定について」フォーラムの連載「手探り航法・旅日記」(その3)でご紹介したころ、「ヘリコプター操縦のABC」(イカロスMOOK、2000円)という本を読み、初めて舞洲ヘリポートの存在を知りました。大阪唯一の公共ヘリポートで、年間着陸回数は東京ヘリポートに次ぐ全国2位だとか。小さなターミナルビルに逆円錐形の管制塔を埋め込んだデザインが面白くて、今回ぜひ作ってみたくなりました。
まず資料集めですが、ヘリパッドの位置やサイズ、方位、標高などはネットですぐ判明しました。敷地全体の下絵が必要ですが、幸いかなり詳しい平面図が公表されています。ほかに現地の写真をあれこれ収集。GoogleEarthも閲覧して、色彩チェックや建物の採寸に使いました。ただしGoogleEarthの植生の色は要注意で、うっかり冬枯れの画像を真似しますと、殺風景な荒れ地になってしまいます。ここは新緑や、夏草の季節を参考にしたいものですね。
次にWEDを起動して、新たに「Maishima」というフォルダを作って起動。メニューバーから「Create Airport」を選択して、名称を「[H]Maishima Heliport」としました。現実の舞洲ヘリポートはICAOコードが付いていないのですが、今回は便宜上「RJH01」としました。後でお話しする水上機基地のヨットハーバー(大阪北港マリーナ)は空港名称が「osaka hokkou marina」で架空のICAOコードが「RJH02」、また舞洲軽飛行場は「Maishima Keihikoujyou」「RJH03」としています。完成後はそれぞれ空港選択メニューから「Maishima」「osaka」などの文字で検索・選択可能で、自分で付けたICAOコードも同時に表示されました。しかし inomatyさんの海自舞鶴基地と同様、なぜかICAOコードで検索してもヒットしません。
あとはWED上で、施設全体の平面図を描いていきます。ヘリパッドを正確な位置に配置し、エプロンや誘導路、芝生、取り付け道路などを、ひたすら誘導路ツールを使って作り、調子に乗って隣接のグラウンド(ホッケー場)まで再現。あちこちに白線や黄線を引きまくりました。苦手なベジエ曲線が今回、少し使えるようになったのは収穫です(ブラウザをChromeに替えたところ、右クリックメニューのページ翻訳がなかなか優秀で、WEDの英文マニュアルをすらすら読むことが出来ました!!)。
出来上がったデータをapt.dat形式で出力。このファイルがTerraGearではヘリポート成形の設計図に使われ、FlightGear上では空港リストやMap表示の元データになるわけですね。
●●「関西シーナリー」と共存させるには:
このヘリポートを、すでにある「関西シーナリー」の上にどう置くかが、実は最大の問題でした。
基本的にはファイル一式を inomatyさんにお送りして、可能でしたら「関西シーナリー」の次期バージョンに組み込んで頂けますと幸いなのですが、まず起動テストがしたいし、のちのち改良を加える可能性もあり、やはり自分なりの起動環境が必要です。方法がよく分からなかったので、色々試すことにしました。
①ヘリポートのある「舞洲」埋め立て地だけを、超小型シーナリーにする。
ヘリポート周辺だけの自作シーナリーと関西シーナリーを、FlightGearの拡張シーナリーとして同時登録したら、うまく重ね書きみたいに表示されないかな、などと虫のいいことを考えたのですが(笑)。そもそも舞洲(2㌔×1.5㌔)のサイズでは小さすぎて、TerraGear の tg-construct.exe(地形合成プログラム)が正常に作動しませんでした(緑のバーは瞬時に伸びますが、outputフォルダが出現しません)。
サイズを何倍かに広げたところ、うまく成形できましたが、FlightGearで起動すると、画面表示上は関西シーナリーの地形データがタイル1枚分消え、四角い空白に私の小さいシーナリーが、島のように浮かんで見えました。つまり二つの拡張シーナリーが、同時に同じ場所を占めることは出来ないのですね。(こういう基礎的なことが、実はよく分かっていませんでした…済みません)
②ヘリポートのある地形タイルだけ自作する。
となるとタイル1枚を新たに作って、これを組み込むときは、関西シーナリーの該当タイルを待避しておくしかないようです。テストとは言え、inomatyさんには大変心苦しいのですが、どうかご容赦くださいますように…(..)。
該当地区はタイル番号「5168937」で、神戸市東部海沿いの一部から、大阪市南西部の市街・港湾地域の一部まで。既存の関西3空港は含まれませんので、私にもなんとか作れそうです。
シーナリーの材料となる植生データは、FlightGearよりタイルサイズが小さい関係で、計5枚分が必要でした。マテリアル指定の段階で、広大な「裸地」を dirt にしたところ、やたらに暗い泥色になってしまいましたが、画像によると実物は明るいベージュ系です。inomatyさんはsandをお使いと思い、私も真似をして解決しました。マテリアル指定や道路・鉄道幅などは、作り手の世界観や個性が出る数少ない部分ですが、やはりある程度は統一が必要ですね。
こうして、ヘリポートのあるシーナリータイル(以後「舞洲シーナリー」と呼びます)は無事に成形できましたが、FlightGearに登録する際は、Additional scenery locations の起動順が要注意です。必ず関西シーナリーよりも後に舞洲シーナリーを入れる必要があり、逆にすると私の環境では表示異常が起きました。また異なるタイル間の継ぎ目は、あらかじめ場所が分かっていれば、高度2000ft以下ですと見つかる場合がありますが、心配したほどは目立ちませんでした。
●●建物を作って配置する:
ターミナルビルや格納庫2棟は今回、主に操作の楽なAC3Dで製作しました。無線ビーコンやABNが無いので、荒天時の目印として、ヘリポート敷地の海側にある赤灯台(正式には「大阪北港北灯台」)を作り、昼間も常時点灯させています。光量は私が使っているABN(数十nm先からも視認可能)より、かなり弱くしました。
海保の資料によりますと、この灯台の発光パターンは「2秒間隔で3回赤く光り、6秒間お休み」だそうです。本物は、強力な電球1個の周囲にリング状の回転台があって、円周の半分に赤いフレネルレンズが3枚並び、もう半分には何もない…という構造の灯器が12秒周期で回転する仕掛けです。FlightGearのABNを制御しているxmlファイルを改造して、同じようなことをやろうとしましたが、発光する平面を3枚に増やして60度間隔に並べたものの、うまく時間差を取って光ってくれず、同時発光になってしまい残念でした。現在は「4秒に1回、赤い発光」で我慢しています。これって本当は、隣のヨットハーバーの灯台(大阪常吉防波堤灯台)の光り方なんですが…ともかく、これらをUFOで配置して「うわもの」が完成しました。
ちなみに。以前はUFOを起動中、オブジェクト配置データをdキーでコンソール画面にダンプしていましたが、eキーを使えば「OBJECT_SHARED Models/Airport/」で始まるパスがテキストで出力され、stgファイルにコピペすることが出来るんですね。知りませんでした…過去の苦労は一体…(^^;)。
●●現実にはない丘を、平らに整地するには:
シーナリー上に、うまく舞洲ヘリポートが出現しましたので、次の実験に取り掛かりました。
以前から気になっているのですが、FlightGearのシーナリーでは大都会の市街地に、しばしば現実には存在しない丘陵が出現します。例えば東京・有楽町付近には、標高200ftのピラミッド状の小山がありますし、大阪・梅田のJR駅周辺も似たようなものです。せっかく自作のビルを作っても、これでは下層階が地中に埋もれてしまい、面白くありません。
FlightGearのシーナリーに使われている標高データは、スペースシャトルから地上をスキャンしたレーダー画像(SRTM)ですから、恐らく密集地では高層ビルの影響で、平らな地表も丘に見えてしまうのだろうと思います。とは言え、完成当時のシーナリー2.0では、東京都庁の真下が大きく隆起していましたが、いつの間にか平らに改良されています。となると標高自体を編集する方法があるはずですね。どんな内容か今のところ見当も付きませんが。
そこで、代替手段として注目したのが空港です。WEDで空港敷地を作った地点は、自動的に平らに整地されます。都市テクスチャが真下にあっても、Urban effect の疑似3Dビル群が、地表を突き破ることもないようです(何年も前、大阪城公園を3Dオブジェクトで自作しましたが、ビルがニョキニョキ生えて困りました)。どうしても更地にしたいところがあれば当面は、空港として扱えばいいわけです。確かBuncyoさんのHPにも、これを示唆する書き込みがどこかにあったと思います。
ではその敷地は、必ず空港の延長でなければならないのか。それとも離れた場所に、WEDの Boundary ツール(空港敷地の輪郭を描く機能)で自在に「飛び地」を作っても、ちゃんと空港扱いされるのか…その場合はほとんど自由に、どこでも平らに整地することが出来ます!
答を出すために、私はヘリポートの東側、幅200mの水道を挟んで広がる「大阪北港マリーナ」を、WED画面上に Boundary ツールで描き、改めてTerraGearでシーナリーを作り直しました。結果を言えば、シーナリーに指定通りの標高で平地が出現したものの、残念ながら小さな丘陵が突き出し、Urban effectのビルも現れました。
しかしこのような場合も、敷地内にヘリパッドを1枚作ってしまえば、空港扱いされるはずです。もし邪魔でしたらオブジェクトを乗せて隠すか、或いはタテヨコ寸法を1mくらいに指定してしまえば、ヘリパッド自体が画面表示されなくなることも発見しました。これで、シーナリー作りの自由度が大きくなりそうです。
…というところで、いったんアップロードさせて頂きます。続きは近日中にお届けします。
(2017.10.29付記:文中、文貯さんのお名前の横文字表記が間違っていましたので修正させて頂きました。大変失礼致しました!)
ヘリポートだけでは寂しいので、海を挟んで東にあるヨットハーバーも造ってしまいました。ここには、幅90mの大変立派なスリップ(艇を陸揚げする傾斜路)があって、少し勾配を緩やかにすれば、水上機や飛行艇の発進・収容にもってこいです。そこで外観はヨットハーバーのまま(架空の管制塔や格納庫は作らずに)地上で機体を起動可能にして、水上機基地に使えるようにしました。
また、ヘリポート西側一帯の空中写真を見ていたら、地上に風化した滑走路としか思えない、黒い影を発見しました。実はこの舞洲埋め立て地は、2008年五輪を誘致しメイン会場にするはずだった場所です。その関係で「舞洲軽飛行場」が建設されたものの、五輪開催を北京に取られた後、一度も開港しないまま取り壊されつつあるようです。現在、旧滑走路の西端付近はカートコース、東端はグラウンド、南側はオートキャンプ場などになっています。もったいないので滑走路と誘導路を再現して、一応飛べるようにしました。
という次第で…気が付けば、わずか3㌔の直線上に、三つの自作飛行場・ヘリポートが並ぶことになりました。
●●まず、ヘリポートを造る:
自作第一号にヘリポートを選んだのは、空港よりずっと小さくシンプルなので、私にも作れるだろうと思ったからです。
3年前。ヘリコプターに熱中して、富士山頂へのレドーム吊り上げ再現フライトなどを「各種設定について」フォーラムの連載「手探り航法・旅日記」(その3)でご紹介したころ、「ヘリコプター操縦のABC」(イカロスMOOK、2000円)という本を読み、初めて舞洲ヘリポートの存在を知りました。大阪唯一の公共ヘリポートで、年間着陸回数は東京ヘリポートに次ぐ全国2位だとか。小さなターミナルビルに逆円錐形の管制塔を埋め込んだデザインが面白くて、今回ぜひ作ってみたくなりました。
まず資料集めですが、ヘリパッドの位置やサイズ、方位、標高などはネットですぐ判明しました。敷地全体の下絵が必要ですが、幸いかなり詳しい平面図が公表されています。ほかに現地の写真をあれこれ収集。GoogleEarthも閲覧して、色彩チェックや建物の採寸に使いました。ただしGoogleEarthの植生の色は要注意で、うっかり冬枯れの画像を真似しますと、殺風景な荒れ地になってしまいます。ここは新緑や、夏草の季節を参考にしたいものですね。
次にWEDを起動して、新たに「Maishima」というフォルダを作って起動。メニューバーから「Create Airport」を選択して、名称を「[H]Maishima Heliport」としました。現実の舞洲ヘリポートはICAOコードが付いていないのですが、今回は便宜上「RJH01」としました。後でお話しする水上機基地のヨットハーバー(大阪北港マリーナ)は空港名称が「osaka hokkou marina」で架空のICAOコードが「RJH02」、また舞洲軽飛行場は「Maishima Keihikoujyou」「RJH03」としています。完成後はそれぞれ空港選択メニューから「Maishima」「osaka」などの文字で検索・選択可能で、自分で付けたICAOコードも同時に表示されました。しかし inomatyさんの海自舞鶴基地と同様、なぜかICAOコードで検索してもヒットしません。
あとはWED上で、施設全体の平面図を描いていきます。ヘリパッドを正確な位置に配置し、エプロンや誘導路、芝生、取り付け道路などを、ひたすら誘導路ツールを使って作り、調子に乗って隣接のグラウンド(ホッケー場)まで再現。あちこちに白線や黄線を引きまくりました。苦手なベジエ曲線が今回、少し使えるようになったのは収穫です(ブラウザをChromeに替えたところ、右クリックメニューのページ翻訳がなかなか優秀で、WEDの英文マニュアルをすらすら読むことが出来ました!!)。
出来上がったデータをapt.dat形式で出力。このファイルがTerraGearではヘリポート成形の設計図に使われ、FlightGear上では空港リストやMap表示の元データになるわけですね。
●●「関西シーナリー」と共存させるには:
このヘリポートを、すでにある「関西シーナリー」の上にどう置くかが、実は最大の問題でした。
基本的にはファイル一式を inomatyさんにお送りして、可能でしたら「関西シーナリー」の次期バージョンに組み込んで頂けますと幸いなのですが、まず起動テストがしたいし、のちのち改良を加える可能性もあり、やはり自分なりの起動環境が必要です。方法がよく分からなかったので、色々試すことにしました。
①ヘリポートのある「舞洲」埋め立て地だけを、超小型シーナリーにする。
ヘリポート周辺だけの自作シーナリーと関西シーナリーを、FlightGearの拡張シーナリーとして同時登録したら、うまく重ね書きみたいに表示されないかな、などと虫のいいことを考えたのですが(笑)。そもそも舞洲(2㌔×1.5㌔)のサイズでは小さすぎて、TerraGear の tg-construct.exe(地形合成プログラム)が正常に作動しませんでした(緑のバーは瞬時に伸びますが、outputフォルダが出現しません)。
サイズを何倍かに広げたところ、うまく成形できましたが、FlightGearで起動すると、画面表示上は関西シーナリーの地形データがタイル1枚分消え、四角い空白に私の小さいシーナリーが、島のように浮かんで見えました。つまり二つの拡張シーナリーが、同時に同じ場所を占めることは出来ないのですね。(こういう基礎的なことが、実はよく分かっていませんでした…済みません)
②ヘリポートのある地形タイルだけ自作する。
となるとタイル1枚を新たに作って、これを組み込むときは、関西シーナリーの該当タイルを待避しておくしかないようです。テストとは言え、inomatyさんには大変心苦しいのですが、どうかご容赦くださいますように…(..)。
該当地区はタイル番号「5168937」で、神戸市東部海沿いの一部から、大阪市南西部の市街・港湾地域の一部まで。既存の関西3空港は含まれませんので、私にもなんとか作れそうです。
シーナリーの材料となる植生データは、FlightGearよりタイルサイズが小さい関係で、計5枚分が必要でした。マテリアル指定の段階で、広大な「裸地」を dirt にしたところ、やたらに暗い泥色になってしまいましたが、画像によると実物は明るいベージュ系です。inomatyさんはsandをお使いと思い、私も真似をして解決しました。マテリアル指定や道路・鉄道幅などは、作り手の世界観や個性が出る数少ない部分ですが、やはりある程度は統一が必要ですね。
こうして、ヘリポートのあるシーナリータイル(以後「舞洲シーナリー」と呼びます)は無事に成形できましたが、FlightGearに登録する際は、Additional scenery locations の起動順が要注意です。必ず関西シーナリーよりも後に舞洲シーナリーを入れる必要があり、逆にすると私の環境では表示異常が起きました。また異なるタイル間の継ぎ目は、あらかじめ場所が分かっていれば、高度2000ft以下ですと見つかる場合がありますが、心配したほどは目立ちませんでした。
●●建物を作って配置する:
ターミナルビルや格納庫2棟は今回、主に操作の楽なAC3Dで製作しました。無線ビーコンやABNが無いので、荒天時の目印として、ヘリポート敷地の海側にある赤灯台(正式には「大阪北港北灯台」)を作り、昼間も常時点灯させています。光量は私が使っているABN(数十nm先からも視認可能)より、かなり弱くしました。
海保の資料によりますと、この灯台の発光パターンは「2秒間隔で3回赤く光り、6秒間お休み」だそうです。本物は、強力な電球1個の周囲にリング状の回転台があって、円周の半分に赤いフレネルレンズが3枚並び、もう半分には何もない…という構造の灯器が12秒周期で回転する仕掛けです。FlightGearのABNを制御しているxmlファイルを改造して、同じようなことをやろうとしましたが、発光する平面を3枚に増やして60度間隔に並べたものの、うまく時間差を取って光ってくれず、同時発光になってしまい残念でした。現在は「4秒に1回、赤い発光」で我慢しています。これって本当は、隣のヨットハーバーの灯台(大阪常吉防波堤灯台)の光り方なんですが…ともかく、これらをUFOで配置して「うわもの」が完成しました。
ちなみに。以前はUFOを起動中、オブジェクト配置データをdキーでコンソール画面にダンプしていましたが、eキーを使えば「OBJECT_SHARED Models/Airport/」で始まるパスがテキストで出力され、stgファイルにコピペすることが出来るんですね。知りませんでした…過去の苦労は一体…(^^;)。
●●現実にはない丘を、平らに整地するには:
シーナリー上に、うまく舞洲ヘリポートが出現しましたので、次の実験に取り掛かりました。
以前から気になっているのですが、FlightGearのシーナリーでは大都会の市街地に、しばしば現実には存在しない丘陵が出現します。例えば東京・有楽町付近には、標高200ftのピラミッド状の小山がありますし、大阪・梅田のJR駅周辺も似たようなものです。せっかく自作のビルを作っても、これでは下層階が地中に埋もれてしまい、面白くありません。
FlightGearのシーナリーに使われている標高データは、スペースシャトルから地上をスキャンしたレーダー画像(SRTM)ですから、恐らく密集地では高層ビルの影響で、平らな地表も丘に見えてしまうのだろうと思います。とは言え、完成当時のシーナリー2.0では、東京都庁の真下が大きく隆起していましたが、いつの間にか平らに改良されています。となると標高自体を編集する方法があるはずですね。どんな内容か今のところ見当も付きませんが。
そこで、代替手段として注目したのが空港です。WEDで空港敷地を作った地点は、自動的に平らに整地されます。都市テクスチャが真下にあっても、Urban effect の疑似3Dビル群が、地表を突き破ることもないようです(何年も前、大阪城公園を3Dオブジェクトで自作しましたが、ビルがニョキニョキ生えて困りました)。どうしても更地にしたいところがあれば当面は、空港として扱えばいいわけです。確かBuncyoさんのHPにも、これを示唆する書き込みがどこかにあったと思います。
ではその敷地は、必ず空港の延長でなければならないのか。それとも離れた場所に、WEDの Boundary ツール(空港敷地の輪郭を描く機能)で自在に「飛び地」を作っても、ちゃんと空港扱いされるのか…その場合はほとんど自由に、どこでも平らに整地することが出来ます!
答を出すために、私はヘリポートの東側、幅200mの水道を挟んで広がる「大阪北港マリーナ」を、WED画面上に Boundary ツールで描き、改めてTerraGearでシーナリーを作り直しました。結果を言えば、シーナリーに指定通りの標高で平地が出現したものの、残念ながら小さな丘陵が突き出し、Urban effectのビルも現れました。
しかしこのような場合も、敷地内にヘリパッドを1枚作ってしまえば、空港扱いされるはずです。もし邪魔でしたらオブジェクトを乗せて隠すか、或いはタテヨコ寸法を1mくらいに指定してしまえば、ヘリパッド自体が画面表示されなくなることも発見しました。これで、シーナリー作りの自由度が大きくなりそうです。
…というところで、いったんアップロードさせて頂きます。続きは近日中にお届けします。
(2017.10.29付記:文中、文貯さんのお名前の横文字表記が間違っていましたので修正させて頂きました。大変失礼致しました!)
投票数:15
平均点:4.67
inomaty
投稿数: 164

こんばんは、hideさん。inomatyです。
舞洲ヘリポートは見送っていたので、作成していただきありがたいです(*^^*)
個人的に気になるのはスリップでしょうか。小松島にもあるようですけど、どうやって作ろうか悩んだ上に現在は使われていないようですし、無かったことにしとけ!としたのでちょっと楽しみです。
伊丹空港は細部が気になって全然進まない(↓現状)ので、それ以外の建物もまったく進んでおりません。個人には市販シムレベルの大空港を作るのはやはり難しいようです。気長にお待ち下さい(^_^;)。

引用:頭の[H]を取った方が良いかと思います。というのも小松島基地を作った際にx-plane scenery gatewayにも上げてみましたが、[H]の字はもう使ってないですと突っぱねられ、WEDで名前の修正をした程度では変えられず、現在半分諦めています。scenery gatewayにaptdatを上げるつもりでしたら、空港名の変更をおすすめします。ついでにICAO4レターの無い空港の4レター申請は頭にXを付けるそうです(角田滑空場はXRJSVで登録してあります)。
地形のタイルデータの件ですが、どの程度掛かるか分かりませんが将来的には空港データは地形データと別個データにして、うまく繋がるようにする(Drapingというらしいです英語Wiki TerraGear_support_for_Draping)。これによって空港の地形に手をいれるたびにTerraGearで長い時間待つということが無くなるのではないかと思いますが、実際どうなるか分からないのでなんとも言えません。すみません。現状としてはhideさんのやった通り空港を含んだタイル毎作るのがよろしいかと思います。植生図の「裸地」部分は川の中洲の指定が多いように思えたので、「sand」を選択しました。この辺も協議して統一した表作った方が良いかもしれませんね。余談ですが、私の宮城エリアテストフォルダも山形空港と福島空港が空港だけが海の上にある状態になってます(;´∀`)。
灯台に関してですが拙作仙台空港のRW09の先にある進入灯台約立ちませんかね?5灯が乗った頭が12RPMで回ることで1秒に一度明かりが点くという構造になってます。東側から風が吹くときのみ点灯します。光部分の作成で結構悩み、中々複雑な仕組みの上にあちこちにファイルが飛んでいたかと思いますので意味不明かもしれません(実はALS対応の先進的なもの)。ファイルが上がってきたらこちらでも作れないか考えてみます。
地形のおかしい部分を直すには(私も使ったこと無いですけど)直接BTGファイルをBlender(2.4.x系のみ)で読めるスクリプトも一応あります(英語Wiki Blender_and_BTG)。SRTMを編集して出力する方法を知らないので私はこれしか方法を知りません。4mも盛り土された松島基地を作るときにでも使おうかと思っていますが、どうしようかな~と考えています。いずれにせよ平らにするためにヘリパッド作るというアイディアは面白いと思いました
という感じで長く書きなぐってしまいましたが、アップロードされるのを楽しみにしております
舞洲ヘリポートは見送っていたので、作成していただきありがたいです(*^^*)
個人的に気になるのはスリップでしょうか。小松島にもあるようですけど、どうやって作ろうか悩んだ上に現在は使われていないようですし、無かったことにしとけ!としたのでちょっと楽しみです。
伊丹空港は細部が気になって全然進まない(↓現状)ので、それ以外の建物もまったく進んでおりません。個人には市販シムレベルの大空港を作るのはやはり難しいようです。気長にお待ち下さい(^_^;)。

引用:
名称を「[H]Maishima Heliport」としました。
地形のタイルデータの件ですが、どの程度掛かるか分かりませんが将来的には空港データは地形データと別個データにして、うまく繋がるようにする(Drapingというらしいです英語Wiki TerraGear_support_for_Draping)。これによって空港の地形に手をいれるたびにTerraGearで長い時間待つということが無くなるのではないかと思いますが、実際どうなるか分からないのでなんとも言えません。すみません。現状としてはhideさんのやった通り空港を含んだタイル毎作るのがよろしいかと思います。植生図の「裸地」部分は川の中洲の指定が多いように思えたので、「sand」を選択しました。この辺も協議して統一した表作った方が良いかもしれませんね。余談ですが、私の宮城エリアテストフォルダも山形空港と福島空港が空港だけが海の上にある状態になってます(;´∀`)。
灯台に関してですが拙作仙台空港のRW09の先にある進入灯台約立ちませんかね?5灯が乗った頭が12RPMで回ることで1秒に一度明かりが点くという構造になってます。東側から風が吹くときのみ点灯します。光部分の作成で結構悩み、中々複雑な仕組みの上にあちこちにファイルが飛んでいたかと思いますので意味不明かもしれません(実はALS対応の先進的なもの)。ファイルが上がってきたらこちらでも作れないか考えてみます。
地形のおかしい部分を直すには(私も使ったこと無いですけど)直接BTGファイルをBlender(2.4.x系のみ)で読めるスクリプトも一応あります(英語Wiki Blender_and_BTG)。SRTMを編集して出力する方法を知らないので私はこれしか方法を知りません。4mも盛り土された松島基地を作るときにでも使おうかと思っていますが、どうしようかな~と考えています。いずれにせよ平らにするためにヘリパッド作るというアイディアは面白いと思いました

という感じで長く書きなぐってしまいましたが、アップロードされるのを楽しみにしております

--
OS:Win7 Pro 64bit
Ubuntu14.04LTS
FG version:Win7:3.4,2017.3.1
Ubuntu:2016.1.1,2016.2.0
投票数:15
平均点:6.67
hide
居住地: 兵庫県
投稿数: 650

hideです、inomatyさんこんにちは。
色々ヒントを頂きまして、ありがとうございました。舞洲ヘリポートその他は、あれからもう少し作り込みまして、ほぼ完成の段階になってきました。近くお目に掛けようと思っております。ただし週末に出かける用事が入ってしまい、若干の手直し作業やご紹介文を書く時間が、少し先へずれ込んでしまいそうで恐縮です(^^)。
伊丹空港は、以前も触れておられましたが、さすがにずいぶん見事なものですね。私も数年前に作りたいと思い、建物内部をしばらく上がったり降りたりしたのですが、中庭のような構造があちこちにある上、建物主要部に妙な中二階がはさまっていて、思ったよりずっと複雑。これをどうデフォルメしてそれらしく見せるか、まとめきれないと思って断念しました。
進入灯台の件ありがとうございます。歯が立たないかも知れませんが、調べてみます。
色々ヒントを頂きまして、ありがとうございました。舞洲ヘリポートその他は、あれからもう少し作り込みまして、ほぼ完成の段階になってきました。近くお目に掛けようと思っております。ただし週末に出かける用事が入ってしまい、若干の手直し作業やご紹介文を書く時間が、少し先へずれ込んでしまいそうで恐縮です(^^)。
伊丹空港は、以前も触れておられましたが、さすがにずいぶん見事なものですね。私も数年前に作りたいと思い、建物内部をしばらく上がったり降りたりしたのですが、中庭のような構造があちこちにある上、建物主要部に妙な中二階がはさまっていて、思ったよりずっと複雑。これをどうデフォルメしてそれらしく見せるか、まとめきれないと思って断念しました。
進入灯台の件ありがとうございます。歯が立たないかも知れませんが、調べてみます。
投票数:14
平均点:3.57
hide
居住地: 兵庫県
投稿数: 650

hideです、大阪港・舞洲(まいしま)ヘリポート制作記の続きをお届けします。長文でごめんなさい!!
今回はヘリポート周辺を作り込み、東側の対岸にあるヨットハーバー「大阪北港マリーナ」や、かつてヘリポートの西に造られた「舞洲軽飛行場」を再現するお話です。完成シーナリーは Maishima-fg-CustomScenery として、JPオリジナルダウンロードにアップさせて頂きました。(ご使用頂ける場合は、文末の■注■を必ずご覧下さい)
●●倉庫群や橋を作る:
さて前回、舞洲ヘリポートが完成したものの。その後ロビンソンR44やEC135P2で発着テストを重ねたところ、どうも写真で見た実景と雰囲気が違うぞ、という印象を持ちました。
舞洲は90年代、淀川河口のすぐ沖に出来た埋め立て地で、五輪誘致を逃して以降、カジノか万博でも持って来ない限り、あんまり大口の使い道は無さそうです。現在は大部分が各種グラウンドや公園、更地に覆われていますが、東側のヘリポート付近だけは例外で、大煙突を持つ舞洲スラッジセンター(下水汚泥処理場)や、巨大な物流センター群が集まっています。従ってヘリのアプローチや視界には、それなりに制限があるわけで、多少は建物を再現しないと、実際とかけ離れた飛行条件になってしまいます。
…そこでシンプルながら、何棟かビルを作りました。手始めは、やたらに目立つ汚泥処理場。「自然界に直線はない!」が持論(まるでアントニオ・ガウディ)という、オーストリアの建築家の作で、写真で見る限りは、ど派手なテーマパークとしか思えません。外観は柱1本まで、内装はトイレまで凝っているそうで、いわば税金のかたまり。作り込むときりがないので単純な箱形にして、高さ120mという煙突の金メッキ風のリング部分だけは、シェーダーを使ってそれらしく光らせました。
このビルをデーンと設置したところ、「こりゃ、うっかり近づけないなぁ」と実感。飛行条件の変化が肌で感じられました。まずは成功です。そこで近隣の物流倉庫も3棟ほど製作。これらも極力簡略化し、トラックが上り下りするランプだけ単純な円筒で再現して、現地の写真を眺めながらテクスチャを描きました。
これらの建物を並べると、ますます埋め立て地らしくなってきました。同時進行でヨットハーバーも作っていたので、ハーバーとスラッジセンターを結ぶ斜張橋「常吉大橋」も欲しくなります。主塔(高さ約90m)は一本なので比較的作りやすそうですが、橋桁が微妙に上下に反って、おまけにカーブしています。こんなものは、どう成形すればいいのでしょうか…。
ネットを探し回ったら幸いにも、メーカーの三面図が見つかりました。これを頼りに3次元の橋桁を、飛行機の胴体や主翼を造るのと同じ「押し出し」の技法で成形すれば楽勝…と思ったのですが。通常通り1㎝=1ピクセルで下絵を作ったところ、大きすぎてAC3Dが読んでくれません。10分の1に縮小して作業に掛かりました。
橋の中央から両側へ押し出しを進め、車道はアスファルト滑走路のテクスチャを貼って、歩道部分も実景と同じ緑に着色。あとは根気よく、主塔と橋桁の間のワイヤを張っていけば完成です。作業を終えてUFOで現場へ配置したところ、ありゃりゃ…サイズが10分の1のままでした(^^;)。
3軸方向へ1000%の拡大を掛けて再設置。車ならぬUFOで渡り初めをしたところ、進むにつれて前方のワイヤ群が実景通り、頭上へじりじりと放射状に広がって見え、なかなか感激しました。
●●マリーナの主役はシーレーン、ヘリパッド、いや滑走路?:
お次はヘリポートの対岸にある、大阪北港(ほっこう)マリーナを整備します。前回も少し触れましたが、標高データに誤差のあるビル街を平らに整地するテストと、大型のスリップを活用して水上機基地にしてみよう、というのが目的です。私は以前、神戸空港あたりにスリップや格納庫を設け、自家用の水上機基地にしたらどうかと空想していました。しかし、商業空港に架空の施設を付け足すよりは、実在のヨットハーバーを利用して水上機を運用する方が、粋なように思えます。ならば今回、ヘリポートとセットで作ってしまえ! というわけです。
最初はヘリポートのWEDデータに「飛び地」として、Boundaryモードでマリーナ敷地を描き足したのですが、テスト用シーナリーを起動してみると、なぜかヘリポートの敷地が1mばかり地盤沈下を起こし、ターミナルビルや格納庫が宙に浮いてしまいました。飛び地方式は標高に影響が出るようです。そこでマリーナはプログラム上、独立した空港として作り直すことにしました。空港タイプはSeaportです。
仮想のICAOコード「RJH02」を与えて(現時点では、まだ「X」を付けていませんが)、海面に駐機スポット代わりの短いシーレーン(滑走帯)を設定。ここで機体を起動させて外海までタキシングし、離水や着水を行うつもりです。ところがシーレーンを設定すると、なぜか地表のテクスチャがビリビリ振動するなど、表示トラブルが続きました。実際の運用時は、私は水上機を地上で起動してスリップから海に降ろし、帰投後もすぐ陸揚げするつもり(自衛隊の飛行艇も同じ)ですので、本当は水上で起動する機能は不要です。そこでシーレーンを外して、エプロンに当たる舗装広場にヘリパッドを設けたところ、正常に画面表示されるようになりました(滑走路かシーレーン、ヘリパッドを最低一つは設けないと、WEDがエラーを出します)。
このあと、シーレーンとヘリポートの併用も試しましたが、空港タイプによって、いずれか片方しか起動メニューに現れません。結局、ヘリパッドも廃止してエプロン部に短い滑走路を設け、機体の起動位置として使っています(滑走路は透明化しているので、見た目はコンクリートの広場に埋め込んだようなもの。スリップへの誘導用に、黄色いラインを入れています)。こうして敷地が出来ました。次はスリップの製作です。
●●スリップ製作の試行錯誤:
大阪北港マリーナのスリップがある地点は、私たちがシーナリー製作に使う植生データでは市街地として扱われ、UFOで近づいてみると、ちゃんと傾斜になっていました。この部分を空港敷地(Boundary で囲った部分)で覆ってしまうと単なる平地になりますので、出来れば敷地から外して、3Dオブジェクトで作ったコンクリート斜面を被せたいところです。しかしこの方法では、市街地テクスチャのビルが、疑似3Dのシェーダー効果によって、スリップを突き破ってしまいます。
解決するにはQJISで、市街地を草地か何かに変更すればいいのですが、現時点では方法が分かりません。以下は想像ですが…市街地になっている地物を消してから、同一レイヤー上で草地のポリゴンを選択し、「部分の追加」をクリックして、新しいポリゴン(スリップ部分)を描き足せばいいのでしょうか…? これが分かると、舞洲埋め立て地では誤ってビル街になっている部分(実際は多くが公園、運動場)を、草地などに書き直すことも出来て、非常に助かるのですが。今後の宿題です。
当面の解決策として今回、私は実景のスリップ部分も空港敷地で覆ってしまい、自作のスリップをさらに沖へ突き出す方法を採りました。どっちみちヨットハーバーや漁港のスリップはかなり傾斜が急なので、同じ位置になだらかな水上機用スリップ(傾斜4度)を置くと、ある程度突き出すのはやむを得ないことです。
突き出しを抑えるには、元の地形のスリップ部分全体を、もっと内陸側へ食い込ませる手もあります(QJISで編集したい地物を選んでから、ノードツールを使って波打ち際の輪郭線を陸側に下げておき、「地物の変形」を選べばいいのかな、と想像しています)。しかしこれをやると、エプロンに相当する舗装広場(実世界では、艇の陸上保管場所)が狭くなり、機体の扱いに支障が出ますので、当面そのままにするつもりです。
●●マリーナ飾り付けのあれこれ:
基礎的な施設が出来たので、ヨットハーバーに見えるよう、施設を少し作り込むことにしました。最初は、犬小屋みたいな建物を三つ置けば十分だと思ったのですが。一応は写真に似せて、クラブハウスやレストランなど3棟を製作。お洒落な雰囲気を狙ったのか、やたらに屋根を割ったり穴を開けたり、複雑なアレンジを施した建物で、すっかり閉口しました。しかし敷地に置いてみると、そこそこ見栄えがするので深みにはまり、門や立体駐車場、テニスコートを作ったり、ヨットを並べたりして「箱庭作り」を楽しみました。ヨットやボートと駐車場の車は FlightGear Scenery Website から入手し、一部は改造して使っています。
ヨットを係留する桟橋は、単純な「キ」の字形の構造物を作って済ませました。ところが、当初は根本を陸岸にめり込ませたため、ソリッドなコンクリート構造に見えてしまいました。ヨットやボート用は、本当は浮き桟橋を使います。固定式の桟橋ですと、干潮時に艇が海面ごと1m余り下がって、乗り込めなくなるからです。そこで桟橋の根本を切って可動橋を置き、先端部などに大きな杭を多数配置しました。この杭は浮き桟橋が上下動をする際のガイド棒で、桟橋全体が流されるのを防ぐ役をします。これで多少「浮いている感じ」に見え始めましたが…まぁ自己満足というものでしょうかね(^^)。
敷地内には林が結構あるので、少し再現したいと思いました。FlightGearの樹木はご存じのように、垂直に立った平面を2枚交差させ、木の絵を貼り付けてあります。しかしこれを100本とか並べるのは、手間もファイル容量も大変ですので、林らしき立体を作ることにしました。結構難しくて、球に緑地のテクスチャを貼ったくらいではダメ。AC3Dの Spike 機能でトゲトゲを生やしても、「トゲの生えた緑の球」にしか見えません。要は、幾何学的な規則性があってはいけないのですね。
そこで、少しいびつにした半球を、不規則に重ねて並べました。テクスチャに不自然な濃淡が出ないよう、球体の軸を横倒しにして極部分を地面に埋めるのがコツ。これなら多少マシなようですが、いかがでしょうか。
●●発進/機体収容の実際:
こうして水上機版のマリーナは出来たものの。実際にFlightGear上でスリップを利用する場合、残念ながら適合する機種が、かなり限られることが分かりました。
まず飛ばし方を説明しますと、起動時に「Osaka Hokkou Marina」を検索(marinaで出ます)。滑走路01/19を埋め込んだエプロンに機体が現れたら、黄色い線に沿って回頭し、スリップに入って進水します(トーイングする場合はいったん直進して、黄色い点線で止まってバックで旋回・進水します)。微速で慎重に水中に入るべきか、少し勢いを付けた方がトラブルが起きないか、機体によって多少癖があります。
海に入ったらギアを上げ、水中舵が格納式の場合は「L」キーで下げて、港の出口に向かいます。シーレーンは設定していませんが、おおむね「舞洲軽飛行場」の滑走路に平行した海面を、離着水帯と見なしています。具体的には、マリーナの防波堤を出ると、突き当たりに大通りのような感じで、左右に海面が広がっていますので、左へ回頭して磁気方位250~270度くらいで離水します(前方は大阪湾です)。
着水後はマリーナの赤灯台を目標に接近し、防波堤をかわして港内に入ります。が…以上の操作が滑らかに出来るほど、小回りの利く機体は大変少ないので、やむを得ず防波堤の先端部分(港の出入り口)に、衝突判定を外すスクリプトを入れました(どこを突き抜けられるかは、画像をアップしておきましたのでご参照下さい)。
うまく港内に入ったら、スリップの中央を狙って微速前進。あらかじめビーチングギアを出しておき、ゆっくり着岸しそのまま登って、エプロンに入ります。
スリップを利用するには、何らかのビーチングギアが必要です。車輪なしで地上を動き回れる水上機は、現在でも多少残っていますが、水面同様に喫水まで沈むので面白くありませんよね。そこでHiTouchさんのウェコー複葉機のような台車着脱式か、水陸両用機を使うことになります。ところが波打ち際や、スリップとエプロンの継ぎ目を通過する際、機体が暴れて事故判定を食ったり、フリーズを起こす機体も結構あります。テストでスリップからの発着に一応成功し、印象に残った機体を書いておきます。
①カタリナ飛行艇:
ご存じアメリカ製の老兵。パワーアイドルでラダーを一杯に切ると、左右エンジンの回転数が変化し、強いヨーを発生するため、微速では小回りが利きます。難易度は高いものの、防波堤を避けて出入港が可能です。スリップからの進水はスムーズで、再上陸も出来ます。が、その後エプロンに移る際にエンジンが止まり、再始動できない場合が結構あります(残念ながら原因不明)。
②DHC-3オッターの水陸両用版:
レシプロ単発の軽輸送/旅客機。スリップの上り下りとも癖が無く、操縦も楽。唯一の問題は、水上で小回りが利かないこと。出入港は防波堤の安全ゾーン(入り口末端付近)を突き破って下さい。
③ボンバルディア415:
消防水の「爆撃」も出来る、ターボプロップ双発飛行艇。地上では小さな旋回が可能。水上では舵の利きが弱いが、エルロンを併用(または単独使用)すると、翼端フロートの抵抗で良く曲がります。スリップからの進水もスムーズ。言うことなしのようですが…スリップに再上陸時、波打ち際でフリーズする癖があります。
諦めきれずに色々調べたら、機首がスリップに接触する際の衝撃に耐えられず、事故判定を招くことが分かりました。ならば、クッションを利かせれば済むことです。以下の改造をすれば、結構お勧めの機体となります。
①cl415-yasim.xmlを開く
②spring-factor-not-planingという文字列を検索する。5カ所ある。
③いずれも値が「0.2」~「0.9」になっているので、すべて「2」に書き換える。
④保存する。
余談ながら…本機の選択式塗装のうち、私はライトブルーが気に入りました。これはクライブ・カッスラーの冒険小説「ダークピット・シリーズ」に登場する架空の官庁「NUMA」(国立海中海洋機関)のカラーリングらしいです。
なお各施設の基本的なテストには、私が数年前に改造して水上機世界一周に使い、今も愛用中のピラタスPC-9M水陸両用機を使用しました。(海陸で小回りが利き、安定して進水・上陸が可能です)
●●舞洲軽飛行場:
こちらは前回ちょっとご紹介した、謎の飛行場跡地です。実世界では滑走路両端が既に取り壊されて、西側は「インフィニティサーキット」、東側は運動場になっています。残る中央部は現在「舞洲スポーツアイランド 空の広場」と呼ばれ、管理会社の平面図によると滑走路は幅25m、誘導路(エプロン?)は幅41mで、全長は410mしか現存していません。2003年ごろ撮られた写真に、滑走路番号「25」の上でバンド演奏する人たちが写っていますので、滑走路はこの当時に一応完成を見たものの、実際は使われていなかったことが分かります。(WEDで作った滑走路方位は06/24になりましたが、本当は07/25が正しいようです)
少ないデータを総合しますと、この飛行場は90年代、五輪の大阪招致運動のころに作られ、ターミナルなどは建設されないまま、一度も開港せずに取り壊しが始まった模様です。大阪市や府のサイトにも、事業内容の資料は見当たりませんでした。
ともあれ。ヘリポートや水上機対応のマリーナとセットで使えば、陸海にまたがる便利な自家用飛行場になりそうです。登録名は「Maishima Keihikoujyou」、コードはRJH03(次期バージョンではXを入れますね)として自作に取り掛かりましたが、そもそも滑走路の全長がよく分かりません。ネットで700m説を見つけましたが、事実とすれば相当短いですね。あれこれ思い巡らして、最終的に私が勝手にWEDで描いた滑走路は全長785mでした。ちょっと虫が良すぎるかも知れませんが、これでも決して長くは思えません。
ほぼ無風で実際に小型機を飛ばしてみると、次のような成績でした。
・セスナ172: 滑走路長の6割を使って離陸、着陸時は5割で停止。
・オッター: 5割で離着陸。
・ボンバルディア:6割強で離陸し5割弱で停止。
・ピラタスPC-9M:離陸は滑走路を一杯に使い切り、油断が出来ない。
オッターとボンバルディア415はSTOL機ですから、まあこんなものでしょう。やや高速のピラタスPC-9M練習機は、思ったよりゆとりが無く、離陸直後はスラッジセンター横を煙突より低く飛び、ヘリポートの真ん中を高度300ftで超えていきます。衝突の危険を感じるほどではありませんが、精神的なゆとりはあまりない。
この空域は複数の空港に近く、USJも近いため、VFRで低空を通過するトラフィックが結構多いのだそうです。軽飛行機専用となると、例えば初心者が訓練で頻繁に発着することもあり得たでしょうから、本当に空港適地かどうか少々疑問です。実世界で開港を見合わせたのは、或いは正解だったかも知れません。
しかしシミュレーター上では、こんな狭い滑走路は難しい半面、とても新鮮です。普段の仮想フライトは、国際空港の3000m級滑走路を使うことが多くなりがちですので、小型機の飛行が本来どんなものか、原点に帰った気がしました。
テスト飛行で意外だったのは、東側からのアプローチです。飛行場の東は一面の平地で、実景では運動場と更地ばかりですが、なぜかシーナリー上は都市テクスチャーに覆われており、PAPIに従って降下を続けると、シェーダーによる疑似3Dビルが、高くせり上って来る錯覚に襲われました。ランディングギアに触れそうな気がするほどで、初めての経験です。都市テクスチャーが、滑走路末端まで迫っているためかも知れません。
出来ればテクスチャーを張り替えたいのですが、現時点では困難なため、舞洲軽飛行場の敷地(草地)を東に大きく拡張して、ビル街の絵柄を隠しました。こうして出来た草原に、WED上で野球やサッカーのグラウンドを描き、適当に更地(Dry lakebed や Gravel で表現)も加えて、実景に似た感じに仕上げました。これで錯覚はピタリと収まり、快適にアプローチできるようになりました。
●●トラフィック・パターンについて:
今回の3空港施設への、進入経路についても触れておきましょう。投稿画像に「舞洲の場周経路図」という画像を上げておきました。
まず舞洲ヘリポートから。
赤線で描いたのが、実際に使われているトラフィック・パターンです。高度1000ftで周回し、パターンへの出入りは五角形の頂点部分で行います。ヘリパッドは一つだけで、東西向き(着陸帯A:磁気方位ではRWY10に相当)と北東=南西向き(着陸帯B:同じくRWY23)の二つを重ねた形になっています。これに合わせて最終進入レグも、西側からと北東側からの二つがあります。
ヘリパッドは八角形の星形ですから、実際に接近すると、どの向きから進入していいのか迷うかも知れません。大阪市街地方向から来る場合が多いと思いますが、その時は淀川上空を河口に向かい、右岸の末端部を起点とするヘリポートへの見通し線上を直進すると、南西向きの「着陸帯B」に正対します。
次は舞洲飛行場。
青線がトラフィック・パターンで、資料がないため自分で考えました。短辺は長さ約1nm、長辺は滑走路の前後に約1nm足した長さにしています。標準旋回ではきついので、お好みで広げて下さって結構です。滑走路の両端に吹き流しとPAPIがあり、中央には全長2分の1のマーク(白線3本)を入れました。このマークのそばにはABNがあります。空港施設と呼べるものは、これだけです。
舞洲軽飛行場にアプローチするには、大阪市中心部からは、やはり淀川上空に出るのが簡単です。左岸沿いに河口へ進むと、ほぼ正面に滑走路がインサイトします。西側からですと、神戸空港VOR(111.25KCE)のアウトバウンドラジアル83度に乗って約8nm前進。滑走路の見通し線上に出たら、少しだけ左へ修正舵を取ります。
最後に大阪北港マリーナ。
シーレーンは特に設定していませんが、私は青線で囲まれた海域の南半分を、東西方向に使っています。南北に発着すると、北側の岸が低地のため、思いがけず陸に接近し過ぎる恐れがあります。防波堤のうち黄緑の部分は、衝突しても安全に突き抜けられる区間です。港内への出入りが難しい場合は、ここを突き破っても構いません。
●●取りあえず、完成です:
…まだまだ改良の余地があると思いますが、ひとまず完成と見なして、シーナリーの圧縮データを「JAオリジナルダウンロード」にて公開させて頂きます。使い方は以下の通りです。
①Maishima-fg-CustomScenery.zip をダウンロードして解凍し、
②任意のカスタムシーナリー用フォルダに納めて、
③FlightGearの起動画面「Add-ons」をクリック。
④一番上に現れた「Additional scenery locations」ウィンドウの右にある
「+」ボタンをクリックして、Maishima-fg-CustomSceneryフォルダを選択する。
■注■ inomatyさんの「Kansai-fg-CustomScenery-master」と同時使用される場合は、
①Kansai-fg-CustomScenery-master\Terrain\e130n30\e135n34フォルダに入っている、
5168937.btg.gzと5168937.stgを、必ず別の場所に待避して下さい。
②Maishimaシーナリーの登録順を、必ずKansaiシーナリーよりも下にしてください。
以上を励行しない場合、私の環境では表示異常が発生します。
今回はヘリポート周辺を作り込み、東側の対岸にあるヨットハーバー「大阪北港マリーナ」や、かつてヘリポートの西に造られた「舞洲軽飛行場」を再現するお話です。完成シーナリーは Maishima-fg-CustomScenery として、JPオリジナルダウンロードにアップさせて頂きました。(ご使用頂ける場合は、文末の■注■を必ずご覧下さい)
●●倉庫群や橋を作る:
さて前回、舞洲ヘリポートが完成したものの。その後ロビンソンR44やEC135P2で発着テストを重ねたところ、どうも写真で見た実景と雰囲気が違うぞ、という印象を持ちました。
舞洲は90年代、淀川河口のすぐ沖に出来た埋め立て地で、五輪誘致を逃して以降、カジノか万博でも持って来ない限り、あんまり大口の使い道は無さそうです。現在は大部分が各種グラウンドや公園、更地に覆われていますが、東側のヘリポート付近だけは例外で、大煙突を持つ舞洲スラッジセンター(下水汚泥処理場)や、巨大な物流センター群が集まっています。従ってヘリのアプローチや視界には、それなりに制限があるわけで、多少は建物を再現しないと、実際とかけ離れた飛行条件になってしまいます。
…そこでシンプルながら、何棟かビルを作りました。手始めは、やたらに目立つ汚泥処理場。「自然界に直線はない!」が持論(まるでアントニオ・ガウディ)という、オーストリアの建築家の作で、写真で見る限りは、ど派手なテーマパークとしか思えません。外観は柱1本まで、内装はトイレまで凝っているそうで、いわば税金のかたまり。作り込むときりがないので単純な箱形にして、高さ120mという煙突の金メッキ風のリング部分だけは、シェーダーを使ってそれらしく光らせました。
このビルをデーンと設置したところ、「こりゃ、うっかり近づけないなぁ」と実感。飛行条件の変化が肌で感じられました。まずは成功です。そこで近隣の物流倉庫も3棟ほど製作。これらも極力簡略化し、トラックが上り下りするランプだけ単純な円筒で再現して、現地の写真を眺めながらテクスチャを描きました。
これらの建物を並べると、ますます埋め立て地らしくなってきました。同時進行でヨットハーバーも作っていたので、ハーバーとスラッジセンターを結ぶ斜張橋「常吉大橋」も欲しくなります。主塔(高さ約90m)は一本なので比較的作りやすそうですが、橋桁が微妙に上下に反って、おまけにカーブしています。こんなものは、どう成形すればいいのでしょうか…。
ネットを探し回ったら幸いにも、メーカーの三面図が見つかりました。これを頼りに3次元の橋桁を、飛行機の胴体や主翼を造るのと同じ「押し出し」の技法で成形すれば楽勝…と思ったのですが。通常通り1㎝=1ピクセルで下絵を作ったところ、大きすぎてAC3Dが読んでくれません。10分の1に縮小して作業に掛かりました。
橋の中央から両側へ押し出しを進め、車道はアスファルト滑走路のテクスチャを貼って、歩道部分も実景と同じ緑に着色。あとは根気よく、主塔と橋桁の間のワイヤを張っていけば完成です。作業を終えてUFOで現場へ配置したところ、ありゃりゃ…サイズが10分の1のままでした(^^;)。
3軸方向へ1000%の拡大を掛けて再設置。車ならぬUFOで渡り初めをしたところ、進むにつれて前方のワイヤ群が実景通り、頭上へじりじりと放射状に広がって見え、なかなか感激しました。
●●マリーナの主役はシーレーン、ヘリパッド、いや滑走路?:
お次はヘリポートの対岸にある、大阪北港(ほっこう)マリーナを整備します。前回も少し触れましたが、標高データに誤差のあるビル街を平らに整地するテストと、大型のスリップを活用して水上機基地にしてみよう、というのが目的です。私は以前、神戸空港あたりにスリップや格納庫を設け、自家用の水上機基地にしたらどうかと空想していました。しかし、商業空港に架空の施設を付け足すよりは、実在のヨットハーバーを利用して水上機を運用する方が、粋なように思えます。ならば今回、ヘリポートとセットで作ってしまえ! というわけです。
最初はヘリポートのWEDデータに「飛び地」として、Boundaryモードでマリーナ敷地を描き足したのですが、テスト用シーナリーを起動してみると、なぜかヘリポートの敷地が1mばかり地盤沈下を起こし、ターミナルビルや格納庫が宙に浮いてしまいました。飛び地方式は標高に影響が出るようです。そこでマリーナはプログラム上、独立した空港として作り直すことにしました。空港タイプはSeaportです。
仮想のICAOコード「RJH02」を与えて(現時点では、まだ「X」を付けていませんが)、海面に駐機スポット代わりの短いシーレーン(滑走帯)を設定。ここで機体を起動させて外海までタキシングし、離水や着水を行うつもりです。ところがシーレーンを設定すると、なぜか地表のテクスチャがビリビリ振動するなど、表示トラブルが続きました。実際の運用時は、私は水上機を地上で起動してスリップから海に降ろし、帰投後もすぐ陸揚げするつもり(自衛隊の飛行艇も同じ)ですので、本当は水上で起動する機能は不要です。そこでシーレーンを外して、エプロンに当たる舗装広場にヘリパッドを設けたところ、正常に画面表示されるようになりました(滑走路かシーレーン、ヘリパッドを最低一つは設けないと、WEDがエラーを出します)。
このあと、シーレーンとヘリポートの併用も試しましたが、空港タイプによって、いずれか片方しか起動メニューに現れません。結局、ヘリパッドも廃止してエプロン部に短い滑走路を設け、機体の起動位置として使っています(滑走路は透明化しているので、見た目はコンクリートの広場に埋め込んだようなもの。スリップへの誘導用に、黄色いラインを入れています)。こうして敷地が出来ました。次はスリップの製作です。
●●スリップ製作の試行錯誤:
大阪北港マリーナのスリップがある地点は、私たちがシーナリー製作に使う植生データでは市街地として扱われ、UFOで近づいてみると、ちゃんと傾斜になっていました。この部分を空港敷地(Boundary で囲った部分)で覆ってしまうと単なる平地になりますので、出来れば敷地から外して、3Dオブジェクトで作ったコンクリート斜面を被せたいところです。しかしこの方法では、市街地テクスチャのビルが、疑似3Dのシェーダー効果によって、スリップを突き破ってしまいます。
解決するにはQJISで、市街地を草地か何かに変更すればいいのですが、現時点では方法が分かりません。以下は想像ですが…市街地になっている地物を消してから、同一レイヤー上で草地のポリゴンを選択し、「部分の追加」をクリックして、新しいポリゴン(スリップ部分)を描き足せばいいのでしょうか…? これが分かると、舞洲埋め立て地では誤ってビル街になっている部分(実際は多くが公園、運動場)を、草地などに書き直すことも出来て、非常に助かるのですが。今後の宿題です。
当面の解決策として今回、私は実景のスリップ部分も空港敷地で覆ってしまい、自作のスリップをさらに沖へ突き出す方法を採りました。どっちみちヨットハーバーや漁港のスリップはかなり傾斜が急なので、同じ位置になだらかな水上機用スリップ(傾斜4度)を置くと、ある程度突き出すのはやむを得ないことです。
突き出しを抑えるには、元の地形のスリップ部分全体を、もっと内陸側へ食い込ませる手もあります(QJISで編集したい地物を選んでから、ノードツールを使って波打ち際の輪郭線を陸側に下げておき、「地物の変形」を選べばいいのかな、と想像しています)。しかしこれをやると、エプロンに相当する舗装広場(実世界では、艇の陸上保管場所)が狭くなり、機体の扱いに支障が出ますので、当面そのままにするつもりです。
●●マリーナ飾り付けのあれこれ:
基礎的な施設が出来たので、ヨットハーバーに見えるよう、施設を少し作り込むことにしました。最初は、犬小屋みたいな建物を三つ置けば十分だと思ったのですが。一応は写真に似せて、クラブハウスやレストランなど3棟を製作。お洒落な雰囲気を狙ったのか、やたらに屋根を割ったり穴を開けたり、複雑なアレンジを施した建物で、すっかり閉口しました。しかし敷地に置いてみると、そこそこ見栄えがするので深みにはまり、門や立体駐車場、テニスコートを作ったり、ヨットを並べたりして「箱庭作り」を楽しみました。ヨットやボートと駐車場の車は FlightGear Scenery Website から入手し、一部は改造して使っています。
ヨットを係留する桟橋は、単純な「キ」の字形の構造物を作って済ませました。ところが、当初は根本を陸岸にめり込ませたため、ソリッドなコンクリート構造に見えてしまいました。ヨットやボート用は、本当は浮き桟橋を使います。固定式の桟橋ですと、干潮時に艇が海面ごと1m余り下がって、乗り込めなくなるからです。そこで桟橋の根本を切って可動橋を置き、先端部などに大きな杭を多数配置しました。この杭は浮き桟橋が上下動をする際のガイド棒で、桟橋全体が流されるのを防ぐ役をします。これで多少「浮いている感じ」に見え始めましたが…まぁ自己満足というものでしょうかね(^^)。
敷地内には林が結構あるので、少し再現したいと思いました。FlightGearの樹木はご存じのように、垂直に立った平面を2枚交差させ、木の絵を貼り付けてあります。しかしこれを100本とか並べるのは、手間もファイル容量も大変ですので、林らしき立体を作ることにしました。結構難しくて、球に緑地のテクスチャを貼ったくらいではダメ。AC3Dの Spike 機能でトゲトゲを生やしても、「トゲの生えた緑の球」にしか見えません。要は、幾何学的な規則性があってはいけないのですね。
そこで、少しいびつにした半球を、不規則に重ねて並べました。テクスチャに不自然な濃淡が出ないよう、球体の軸を横倒しにして極部分を地面に埋めるのがコツ。これなら多少マシなようですが、いかがでしょうか。
●●発進/機体収容の実際:
こうして水上機版のマリーナは出来たものの。実際にFlightGear上でスリップを利用する場合、残念ながら適合する機種が、かなり限られることが分かりました。
まず飛ばし方を説明しますと、起動時に「Osaka Hokkou Marina」を検索(marinaで出ます)。滑走路01/19を埋め込んだエプロンに機体が現れたら、黄色い線に沿って回頭し、スリップに入って進水します(トーイングする場合はいったん直進して、黄色い点線で止まってバックで旋回・進水します)。微速で慎重に水中に入るべきか、少し勢いを付けた方がトラブルが起きないか、機体によって多少癖があります。
海に入ったらギアを上げ、水中舵が格納式の場合は「L」キーで下げて、港の出口に向かいます。シーレーンは設定していませんが、おおむね「舞洲軽飛行場」の滑走路に平行した海面を、離着水帯と見なしています。具体的には、マリーナの防波堤を出ると、突き当たりに大通りのような感じで、左右に海面が広がっていますので、左へ回頭して磁気方位250~270度くらいで離水します(前方は大阪湾です)。
着水後はマリーナの赤灯台を目標に接近し、防波堤をかわして港内に入ります。が…以上の操作が滑らかに出来るほど、小回りの利く機体は大変少ないので、やむを得ず防波堤の先端部分(港の出入り口)に、衝突判定を外すスクリプトを入れました(どこを突き抜けられるかは、画像をアップしておきましたのでご参照下さい)。
うまく港内に入ったら、スリップの中央を狙って微速前進。あらかじめビーチングギアを出しておき、ゆっくり着岸しそのまま登って、エプロンに入ります。
スリップを利用するには、何らかのビーチングギアが必要です。車輪なしで地上を動き回れる水上機は、現在でも多少残っていますが、水面同様に喫水まで沈むので面白くありませんよね。そこでHiTouchさんのウェコー複葉機のような台車着脱式か、水陸両用機を使うことになります。ところが波打ち際や、スリップとエプロンの継ぎ目を通過する際、機体が暴れて事故判定を食ったり、フリーズを起こす機体も結構あります。テストでスリップからの発着に一応成功し、印象に残った機体を書いておきます。
①カタリナ飛行艇:
ご存じアメリカ製の老兵。パワーアイドルでラダーを一杯に切ると、左右エンジンの回転数が変化し、強いヨーを発生するため、微速では小回りが利きます。難易度は高いものの、防波堤を避けて出入港が可能です。スリップからの進水はスムーズで、再上陸も出来ます。が、その後エプロンに移る際にエンジンが止まり、再始動できない場合が結構あります(残念ながら原因不明)。
②DHC-3オッターの水陸両用版:
レシプロ単発の軽輸送/旅客機。スリップの上り下りとも癖が無く、操縦も楽。唯一の問題は、水上で小回りが利かないこと。出入港は防波堤の安全ゾーン(入り口末端付近)を突き破って下さい。
③ボンバルディア415:
消防水の「爆撃」も出来る、ターボプロップ双発飛行艇。地上では小さな旋回が可能。水上では舵の利きが弱いが、エルロンを併用(または単独使用)すると、翼端フロートの抵抗で良く曲がります。スリップからの進水もスムーズ。言うことなしのようですが…スリップに再上陸時、波打ち際でフリーズする癖があります。
諦めきれずに色々調べたら、機首がスリップに接触する際の衝撃に耐えられず、事故判定を招くことが分かりました。ならば、クッションを利かせれば済むことです。以下の改造をすれば、結構お勧めの機体となります。
①cl415-yasim.xmlを開く
②spring-factor-not-planingという文字列を検索する。5カ所ある。
③いずれも値が「0.2」~「0.9」になっているので、すべて「2」に書き換える。
④保存する。
余談ながら…本機の選択式塗装のうち、私はライトブルーが気に入りました。これはクライブ・カッスラーの冒険小説「ダークピット・シリーズ」に登場する架空の官庁「NUMA」(国立海中海洋機関)のカラーリングらしいです。
なお各施設の基本的なテストには、私が数年前に改造して水上機世界一周に使い、今も愛用中のピラタスPC-9M水陸両用機を使用しました。(海陸で小回りが利き、安定して進水・上陸が可能です)
●●舞洲軽飛行場:
こちらは前回ちょっとご紹介した、謎の飛行場跡地です。実世界では滑走路両端が既に取り壊されて、西側は「インフィニティサーキット」、東側は運動場になっています。残る中央部は現在「舞洲スポーツアイランド 空の広場」と呼ばれ、管理会社の平面図によると滑走路は幅25m、誘導路(エプロン?)は幅41mで、全長は410mしか現存していません。2003年ごろ撮られた写真に、滑走路番号「25」の上でバンド演奏する人たちが写っていますので、滑走路はこの当時に一応完成を見たものの、実際は使われていなかったことが分かります。(WEDで作った滑走路方位は06/24になりましたが、本当は07/25が正しいようです)
少ないデータを総合しますと、この飛行場は90年代、五輪の大阪招致運動のころに作られ、ターミナルなどは建設されないまま、一度も開港せずに取り壊しが始まった模様です。大阪市や府のサイトにも、事業内容の資料は見当たりませんでした。
ともあれ。ヘリポートや水上機対応のマリーナとセットで使えば、陸海にまたがる便利な自家用飛行場になりそうです。登録名は「Maishima Keihikoujyou」、コードはRJH03(次期バージョンではXを入れますね)として自作に取り掛かりましたが、そもそも滑走路の全長がよく分かりません。ネットで700m説を見つけましたが、事実とすれば相当短いですね。あれこれ思い巡らして、最終的に私が勝手にWEDで描いた滑走路は全長785mでした。ちょっと虫が良すぎるかも知れませんが、これでも決して長くは思えません。
ほぼ無風で実際に小型機を飛ばしてみると、次のような成績でした。
・セスナ172: 滑走路長の6割を使って離陸、着陸時は5割で停止。
・オッター: 5割で離着陸。
・ボンバルディア:6割強で離陸し5割弱で停止。
・ピラタスPC-9M:離陸は滑走路を一杯に使い切り、油断が出来ない。
オッターとボンバルディア415はSTOL機ですから、まあこんなものでしょう。やや高速のピラタスPC-9M練習機は、思ったよりゆとりが無く、離陸直後はスラッジセンター横を煙突より低く飛び、ヘリポートの真ん中を高度300ftで超えていきます。衝突の危険を感じるほどではありませんが、精神的なゆとりはあまりない。
この空域は複数の空港に近く、USJも近いため、VFRで低空を通過するトラフィックが結構多いのだそうです。軽飛行機専用となると、例えば初心者が訓練で頻繁に発着することもあり得たでしょうから、本当に空港適地かどうか少々疑問です。実世界で開港を見合わせたのは、或いは正解だったかも知れません。
しかしシミュレーター上では、こんな狭い滑走路は難しい半面、とても新鮮です。普段の仮想フライトは、国際空港の3000m級滑走路を使うことが多くなりがちですので、小型機の飛行が本来どんなものか、原点に帰った気がしました。
テスト飛行で意外だったのは、東側からのアプローチです。飛行場の東は一面の平地で、実景では運動場と更地ばかりですが、なぜかシーナリー上は都市テクスチャーに覆われており、PAPIに従って降下を続けると、シェーダーによる疑似3Dビルが、高くせり上って来る錯覚に襲われました。ランディングギアに触れそうな気がするほどで、初めての経験です。都市テクスチャーが、滑走路末端まで迫っているためかも知れません。
出来ればテクスチャーを張り替えたいのですが、現時点では困難なため、舞洲軽飛行場の敷地(草地)を東に大きく拡張して、ビル街の絵柄を隠しました。こうして出来た草原に、WED上で野球やサッカーのグラウンドを描き、適当に更地(Dry lakebed や Gravel で表現)も加えて、実景に似た感じに仕上げました。これで錯覚はピタリと収まり、快適にアプローチできるようになりました。
●●トラフィック・パターンについて:
今回の3空港施設への、進入経路についても触れておきましょう。投稿画像に「舞洲の場周経路図」という画像を上げておきました。
まず舞洲ヘリポートから。
赤線で描いたのが、実際に使われているトラフィック・パターンです。高度1000ftで周回し、パターンへの出入りは五角形の頂点部分で行います。ヘリパッドは一つだけで、東西向き(着陸帯A:磁気方位ではRWY10に相当)と北東=南西向き(着陸帯B:同じくRWY23)の二つを重ねた形になっています。これに合わせて最終進入レグも、西側からと北東側からの二つがあります。
ヘリパッドは八角形の星形ですから、実際に接近すると、どの向きから進入していいのか迷うかも知れません。大阪市街地方向から来る場合が多いと思いますが、その時は淀川上空を河口に向かい、右岸の末端部を起点とするヘリポートへの見通し線上を直進すると、南西向きの「着陸帯B」に正対します。
次は舞洲飛行場。
青線がトラフィック・パターンで、資料がないため自分で考えました。短辺は長さ約1nm、長辺は滑走路の前後に約1nm足した長さにしています。標準旋回ではきついので、お好みで広げて下さって結構です。滑走路の両端に吹き流しとPAPIがあり、中央には全長2分の1のマーク(白線3本)を入れました。このマークのそばにはABNがあります。空港施設と呼べるものは、これだけです。
舞洲軽飛行場にアプローチするには、大阪市中心部からは、やはり淀川上空に出るのが簡単です。左岸沿いに河口へ進むと、ほぼ正面に滑走路がインサイトします。西側からですと、神戸空港VOR(111.25KCE)のアウトバウンドラジアル83度に乗って約8nm前進。滑走路の見通し線上に出たら、少しだけ左へ修正舵を取ります。
最後に大阪北港マリーナ。
シーレーンは特に設定していませんが、私は青線で囲まれた海域の南半分を、東西方向に使っています。南北に発着すると、北側の岸が低地のため、思いがけず陸に接近し過ぎる恐れがあります。防波堤のうち黄緑の部分は、衝突しても安全に突き抜けられる区間です。港内への出入りが難しい場合は、ここを突き破っても構いません。
●●取りあえず、完成です:
…まだまだ改良の余地があると思いますが、ひとまず完成と見なして、シーナリーの圧縮データを「JAオリジナルダウンロード」にて公開させて頂きます。使い方は以下の通りです。
①Maishima-fg-CustomScenery.zip をダウンロードして解凍し、
②任意のカスタムシーナリー用フォルダに納めて、
③FlightGearの起動画面「Add-ons」をクリック。
④一番上に現れた「Additional scenery locations」ウィンドウの右にある
「+」ボタンをクリックして、Maishima-fg-CustomSceneryフォルダを選択する。
■注■ inomatyさんの「Kansai-fg-CustomScenery-master」と同時使用される場合は、
①Kansai-fg-CustomScenery-master\Terrain\e130n30\e135n34フォルダに入っている、
5168937.btg.gzと5168937.stgを、必ず別の場所に待避して下さい。
②Maishimaシーナリーの登録順を、必ずKansaiシーナリーよりも下にしてください。
以上を励行しない場合、私の環境では表示異常が発生します。
投票数:20
平均点:5.50
inomaty
投稿数: 164

こんばんは、hideさん。inomatyです。
早速ダウンロードさせていただき土日にスリップで水陸両用機で遊ばさせていただきました。こういう場所は中々無いのでいいですね。舞洲スラッジセンターや常吉大橋もあって素敵です。
本家フォーラムで同じような例が無いかか探してみましたが(既に探しておりますかね?)あまり例が無いものの上陸/発進のヒントになりそうな投稿は見つけました。
本家フォーラム Re: What/Where did you fly today? - Part 2 Postby AndersG
どうやらFlightGearでは上になるマテリアルが優先されてしまうようで、どうしても水に入った瞬間にドボンと急に落ちてしまうようです。C172Pとかで試しましたが、ダメージをオフにしないと毎度海に入る前にエンジンが壊れて悲しいですね(´・ω・`)
シェープファイルの書き換えですが、植生図を利用したシーナリーの最後に入れた昆陽池のミニ日本列島みたいな感じで作れば良いかと思います。「QGIS トポロジ編集」で検索掛けましたがこんなサイトがありました。 QGISを利用した地質図作成メモ ざっとしか読んでなくて恐縮ですが、参考になるかと思います。少し気になるのが、編集した際に何か地図を下書きとして利用するとまたその地図のライセンスが~となるので、一番緩いOpenStreetMapがよろしいかと思います(国土地理院の地図の場合許可を取る必要があります)。
最後に舞洲シーナリーですが、Terrainの中に#5168938(東大阪市~生駒市),#5168945,#5168946(西宮市~枚方市)が入ってますが、これが途中で切れちゃっているために関西シーナリーより上に登録されていると兵庫~大阪~奈良の一部で水没してしまいます。残しておく理由が無ければ消してしまった方が良いかと思いますがどうでしょうか?
それとひとまずの完成として関西シーナリーとの統合はどうしましょうか?
まだhideさんの投稿全部きちんと読み切れていないので、また何かありましたらコメントさせていただきます。
早速ダウンロードさせていただき土日にスリップで水陸両用機で遊ばさせていただきました。こういう場所は中々無いのでいいですね。舞洲スラッジセンターや常吉大橋もあって素敵です。
本家フォーラムで同じような例が無いかか探してみましたが(既に探しておりますかね?)あまり例が無いものの上陸/発進のヒントになりそうな投稿は見つけました。
本家フォーラム Re: What/Where did you fly today? - Part 2 Postby AndersG
どうやらFlightGearでは上になるマテリアルが優先されてしまうようで、どうしても水に入った瞬間にドボンと急に落ちてしまうようです。C172Pとかで試しましたが、ダメージをオフにしないと毎度海に入る前にエンジンが壊れて悲しいですね(´・ω・`)
シェープファイルの書き換えですが、植生図を利用したシーナリーの最後に入れた昆陽池のミニ日本列島みたいな感じで作れば良いかと思います。「QGIS トポロジ編集」で検索掛けましたがこんなサイトがありました。 QGISを利用した地質図作成メモ ざっとしか読んでなくて恐縮ですが、参考になるかと思います。少し気になるのが、編集した際に何か地図を下書きとして利用するとまたその地図のライセンスが~となるので、一番緩いOpenStreetMapがよろしいかと思います(国土地理院の地図の場合許可を取る必要があります)。
最後に舞洲シーナリーですが、Terrainの中に#5168938(東大阪市~生駒市),#5168945,#5168946(西宮市~枚方市)が入ってますが、これが途中で切れちゃっているために関西シーナリーより上に登録されていると兵庫~大阪~奈良の一部で水没してしまいます。残しておく理由が無ければ消してしまった方が良いかと思いますがどうでしょうか?
それとひとまずの完成として関西シーナリーとの統合はどうしましょうか?
まだhideさんの投稿全部きちんと読み切れていないので、また何かありましたらコメントさせていただきます。
--
OS:Win7 Pro 64bit
Ubuntu14.04LTS
FG version:Win7:3.4,2017.3.1
Ubuntu:2016.1.1,2016.2.0
投票数:14
平均点:4.29
hide
居住地: 兵庫県
投稿数: 650

inomatyさん、今晩は。hideです。
さっそく舞洲シーナリーをお楽しみ下さったとのこと、また数々の貴重なアドバイスを頂きまして、大変ありがとうございました。そこでシーナリーの改良版「Maishima2-fg-CustomScenery.zip」を作って、JPオリジナルダウンロードにアップしました。以下、順を追って簡単にご報告します。
●●水上機のスリップウェイについて:
FlightGearでスリップを作っていた方が、他にもおられたのですか!! 初めて知って感激しました(^^)。スウェーデンのスリップは座標を頼りにUFOで発見しましたが、そばに航空施設は特になく、こりゃ相当見つけにくい場所ですね…。傾斜角を計ってみたところ6.1度あり、日本の4度に比べると少し急です。機体によっては、この程度の角度増でもトラブルが起きやすくなる場合があります。
進水や上陸の瞬間には、確かに昔から機体の挙動に問題があります。前回ご紹介しましたように、一部の機種は衝撃を和らげる改造でクラッシュを回避できましたが、出来れば進水時にドボンと落ちる不自然な動きそのものを、何とかしたいものですね。フロートの前方、やや高い位置に、目に見えない補助フロートか車輪のようなものをプログラムするなど、支えのようなものを工夫して、機体の姿勢をコントロールする手は無いかと、漠然と考えていますがまだ実験していません。
●●シェープファイルの書き換え:
昆陽池の改造記事をヒントに先日来、あれこれ試しました。まずシーナリー上を飛び回って、航空写真とは明らかに異なる地目のテクスチャが貼られている場所と、そこに使ってみたいテクスチャを探し出して、QJISで確認。属性テーブルを開いて各項目を手作業で書き換える…という方法で、テクスチャを変更することに成功しました。ただしベクタレイヤの「融合」後は変更を受け付けないようでしたので、実質的には「結合した」段階から作り直しました(途中セーブがあったので問題はありません)。
これまでは、舞洲では運動施設と公園や更地しかない場所に市街地テクスチャが出現し、夢洲でもコンテナ置き場が市街地に化けていたのですが、それぞれ芝生や草原、工場地帯などに変更することが出来て、実際の風景の印象に大きく近づきました。Mateliral とテクスチャの対応関係は、まだ100%思い通りにはなりませんが、投稿画像や改良版をご覧頂けましたら幸いです。こうして広々とした土地が出来たので、大ざっぱな造りですが、舞洲ベースボールスタジアムを追加製作しました。
OpenStreetMap の件は了解です。今回の作業には下絵は使っていません。ポリゴンの編集は、必要に応じ分割を行うだけで済ませました。方法は、GeoFabrik からダウンロードした道路データを目標物に使い、目測で手頃なノード同士を結んで分割する、という原始的なやり方です。ノードツールを使って、もっと自在にポリゴンを描いたり消したりすることも試しましたが、選択した範囲を確定する方法とか、ごく基礎的なテクニックがよく分からず、今後の宿題です。前回教えて頂いた「QGISを利用した地質図作成メモ」が絶好の参考書ですので、活用していきたいと思います。
●●舞洲シーナリーの範囲など:
Terrainデータにつきましては、まったくご指摘の通りでして、「5168938」「5168945」「5168946」の3組は不要でした。FlightGearのシーナリーと植生データでは、タイル同士の境界線が合わないため、大阪港方面の「5168937」タイルの周囲に、余分に植生タイルを準備してシーナリーを生成した際、勘違いをしたようですね。申し訳ありません!! お陰様で起動順位の問題が解消しました(^^;)。
また関西シーナリーとの統合ですが、お差し支え無ければ次回のバージョンアップ時に、舞洲シーナリーを取り込んで頂けば幸いです。単独で置いておくより、多くの人に利用して頂くことができると思います。
私が将来シーナリーに橋を追加するとか、地盤を整地して建物を造りたくなった時は今回と同様に、取りあえずタイル1枚分を公開させて頂くという方法でよろしいかと思います。
さっそく舞洲シーナリーをお楽しみ下さったとのこと、また数々の貴重なアドバイスを頂きまして、大変ありがとうございました。そこでシーナリーの改良版「Maishima2-fg-CustomScenery.zip」を作って、JPオリジナルダウンロードにアップしました。以下、順を追って簡単にご報告します。
●●水上機のスリップウェイについて:
FlightGearでスリップを作っていた方が、他にもおられたのですか!! 初めて知って感激しました(^^)。スウェーデンのスリップは座標を頼りにUFOで発見しましたが、そばに航空施設は特になく、こりゃ相当見つけにくい場所ですね…。傾斜角を計ってみたところ6.1度あり、日本の4度に比べると少し急です。機体によっては、この程度の角度増でもトラブルが起きやすくなる場合があります。
進水や上陸の瞬間には、確かに昔から機体の挙動に問題があります。前回ご紹介しましたように、一部の機種は衝撃を和らげる改造でクラッシュを回避できましたが、出来れば進水時にドボンと落ちる不自然な動きそのものを、何とかしたいものですね。フロートの前方、やや高い位置に、目に見えない補助フロートか車輪のようなものをプログラムするなど、支えのようなものを工夫して、機体の姿勢をコントロールする手は無いかと、漠然と考えていますがまだ実験していません。
●●シェープファイルの書き換え:
昆陽池の改造記事をヒントに先日来、あれこれ試しました。まずシーナリー上を飛び回って、航空写真とは明らかに異なる地目のテクスチャが貼られている場所と、そこに使ってみたいテクスチャを探し出して、QJISで確認。属性テーブルを開いて各項目を手作業で書き換える…という方法で、テクスチャを変更することに成功しました。ただしベクタレイヤの「融合」後は変更を受け付けないようでしたので、実質的には「結合した」段階から作り直しました(途中セーブがあったので問題はありません)。
これまでは、舞洲では運動施設と公園や更地しかない場所に市街地テクスチャが出現し、夢洲でもコンテナ置き場が市街地に化けていたのですが、それぞれ芝生や草原、工場地帯などに変更することが出来て、実際の風景の印象に大きく近づきました。Mateliral とテクスチャの対応関係は、まだ100%思い通りにはなりませんが、投稿画像や改良版をご覧頂けましたら幸いです。こうして広々とした土地が出来たので、大ざっぱな造りですが、舞洲ベースボールスタジアムを追加製作しました。
OpenStreetMap の件は了解です。今回の作業には下絵は使っていません。ポリゴンの編集は、必要に応じ分割を行うだけで済ませました。方法は、GeoFabrik からダウンロードした道路データを目標物に使い、目測で手頃なノード同士を結んで分割する、という原始的なやり方です。ノードツールを使って、もっと自在にポリゴンを描いたり消したりすることも試しましたが、選択した範囲を確定する方法とか、ごく基礎的なテクニックがよく分からず、今後の宿題です。前回教えて頂いた「QGISを利用した地質図作成メモ」が絶好の参考書ですので、活用していきたいと思います。
●●舞洲シーナリーの範囲など:
Terrainデータにつきましては、まったくご指摘の通りでして、「5168938」「5168945」「5168946」の3組は不要でした。FlightGearのシーナリーと植生データでは、タイル同士の境界線が合わないため、大阪港方面の「5168937」タイルの周囲に、余分に植生タイルを準備してシーナリーを生成した際、勘違いをしたようですね。申し訳ありません!! お陰様で起動順位の問題が解消しました(^^;)。
また関西シーナリーとの統合ですが、お差し支え無ければ次回のバージョンアップ時に、舞洲シーナリーを取り込んで頂けば幸いです。単独で置いておくより、多くの人に利用して頂くことができると思います。
私が将来シーナリーに橋を追加するとか、地盤を整地して建物を造りたくなった時は今回と同様に、取りあえずタイル1枚分を公開させて頂くという方法でよろしいかと思います。
投票数:18
平均点:4.44
hide
居住地: 兵庫県
投稿数: 650

hideです。水上機がスリップから発進する際「水に入った瞬間にドボンと急に落ちてしまう」問題を解決するため、ギアやフロートと地面/水面との接点の位置を機種ごとに調べ、対策を練りました。
その結果、DHC3オッターでは「ドボン」現象を食い止めることに成功。しかしinomatyさんが触れておられたC172Pのエンスト事故(恐らくプロペラの水面接触)は、残念ながら私の手には負えませんでした。以下に報告させて頂きます。
テストではボンバルディア415とDHC3、セスナ172Pを選んで、テクスチャ無しの白い3Dモデルを用意。AC3D画面上でギアとフロートの接地点に、それぞれ赤と青のマークを記入して比較しました。
この3機種を選んだのは、
・ボンバルディア:常に滑らかな進水が可能
・DHC3オッター :少し加速しないと、ドボンと突っ込む
・172P :高い頻度でクラッシュする
…という違いがあるためです。マークを付けた機体モデルは、投稿画像「フロート改良テスト」の最下段に示しました。写真では、タイヤの接地点を赤丸マーク、フロートの接水点を青丸マークにしています。
●●YASim機の「傾向と対策」:
ギアの接地点はいずれも、ほぼ実機通りタイヤの真下に設けられています。いっぽう接水点は、フロートや艇体の前方と中央ステップ部分、そして後方の計3点に分散していることが分かりました。広い底面を、この3点で代表させているわけですね。
機種別に見ますと画像左端のボンバルディアは、ホイールベースに比べて艇体接水点とギア接地点の高低差が小さいです。そのためスリップの波打ち際を通過する際も姿勢変化が少なく、安定が良いと考えられます。また艇体最前部の接水点が、ノーズギアより前方にあることも特色で、進水時は艇体が一歩先に水を捉えて、ノーズギアが水中深く沈み込む(機首が落下して事故判定を食う)ことを防いでいます。
次に写真下段中央のDHC3をご覧下さい。こちらはフロート先端の接水点とギア接地点がほぼ同じ位置にあり、高さだけが違っています。そのため海に乗り入れると、フロートがまだ浮力を発揮しないうちに、タイヤが水面を踏み抜いてしまいます(inomatyさんのご指摘通り「FlightGearでは上になるマテリアルが優先されてしまう」ため、水中に隠れたスリップ表面は、機体を支えることが出来ません)。そこで真上にあるフロート接水点が勢いよく水面に落下し、衝撃を減衰しきれずに「ドボン事故」が起きるわけですね。
機体の挙動をボンバルディアに近づけるため、DHC3のタイヤ接地点の斜め上前方に、新たなフロート接水点(写真上では黄色い丸マーク)を追加しました。具体的には、Aircraft\dhc3\Systems\FDM\dhc3a-yasim.xmlの248行目以降に、次の文を書き加えています。
<!-- safety float front L -->
<gear x="7.0" y="1.640" z="-2"
compression="1.5"
spring = "15"
sfric = "0.85"
dfric = "0.75"
ignored-by-solver="0"
on-water="1"
on-solid="0"
reduce-friction-by-extension="1.15"
speed-planing="25"
spring-factor-not-planing="0.25">
</gear>
<!-- safety float front R -->
<gear x="7.0" y="-1.640" z="-2"
compression="1.5"
spring = "15"
sfric = "0.85"
dfric = "0.75"
ignored-by-solver="0"
on-water="1"
on-solid="0"
reduce-friction-by-extension="1.15"
speed-planing="25"
spring-factor-not-planing="0.25">
</gear>
結果は良好で、機体の挙動が大きく変化しました。投稿画像写真の左上3枚が、改造前の「ドボン事故」。右上の3枚が改造後の動きで、まずは大成功。私は同じ方法でセスナの事故も、防げるものと思いました。
●●セスナの謎:
しかしc172pは、私にとってかなり難物でした。この機体は、ギアやフロートを通常取り扱う<contact>ではなく、<external_reactions>というタグで水中の挙動を詳しく記述しています。内容を編集できないかと一瞬思いましたが、手に負えませんでした。
となるとDHC3同様、フロート接水点の追加や、ギア接地点の改造を考えるしかなさそうです。ところが、作業の前段階としてフロート接水点をAC3D画面にプロットしたところ、青丸マークはなぜかフロートの底面付近ではなく、背面に並びました(投稿画像をご参照ください)。c172p.xmlのインチサイズ記述をちゃんとメートル法に換算して、さらにVRP(Visual Reference Point=空力ファイルとacファイルの座標原点の差)を補正した上、3軸の違いに注意して描いた…つもりなのですが。ビーチングギアの接地点もプロットしてみましたが、やはり実際とは違う位置に出ました(写真では省略)。これでは新たにフロート接水点を増設しようにも、座標を決めることが出来ません。
そこでアプローチを変えようと、セスナは進水する際どんな風にクラッシュをするのか、フライトレコーダーのスロー再生で確認しました。すると、まずフロントギアが汀線を超えた途端沈み込み、フロート前半のキール部分がスリップ路面をこすり、反動でメインギアが宙に浮いて、機体が前につんのめる……という具合になるようです。
これを解決するため、まずスリップをこするフロートの底面に、ギア接地点を増設してみました。しかしプログラムのどこかに矛盾か無理があるらしく、エプロンで機体を起動すると、メインギアが地面にめり込んでフロートが腹をすり、エンジン出力を上げてもタキシングすることが出来ません。フロート関係の設定数値をあれこれ変えてもダメでした。
代替手段として、ギア増設の代わりにフロート先端にあるギアの位置を30インチほど後ろに下げて、フロート前半を支えようとしましたが、なぜか効果は無く。機体は改造前とまったく同じギア位置で、フロートがドブンと落下を起こしました。
現状では、c172pをスリップから確実に発進させたいなら、クラッシュを無効にするしかないようですが、FlightGearの世界では利用する方が多いであろう機種だけに、どうも残念なお話です。
◇12月15日夜記入の注釈:
本文後半にある「スリップをこするフロートの底面に、ギア接地点を増設してみました」の部分が分かりにくいので補足します。
この場合、新たに増設する接地点の座標をきちんと求めることが困難ですので、デフォルトで c172p.xmlに書き込まれている前後のビーチングギア(左フロートを例に挙げると LFFloatGear と LMFloatGear)の座標の中点を、機械的に算出して位置決めしました。
同様に「ギア増設の代わりにフロート先端にあるギアの位置を30インチほど後ろに下げ」る改造も、ごく単純にX座標の数値を変更しました。
その結果、DHC3オッターでは「ドボン」現象を食い止めることに成功。しかしinomatyさんが触れておられたC172Pのエンスト事故(恐らくプロペラの水面接触)は、残念ながら私の手には負えませんでした。以下に報告させて頂きます。
テストではボンバルディア415とDHC3、セスナ172Pを選んで、テクスチャ無しの白い3Dモデルを用意。AC3D画面上でギアとフロートの接地点に、それぞれ赤と青のマークを記入して比較しました。
この3機種を選んだのは、
・ボンバルディア:常に滑らかな進水が可能
・DHC3オッター :少し加速しないと、ドボンと突っ込む
・172P :高い頻度でクラッシュする
…という違いがあるためです。マークを付けた機体モデルは、投稿画像「フロート改良テスト」の最下段に示しました。写真では、タイヤの接地点を赤丸マーク、フロートの接水点を青丸マークにしています。
●●YASim機の「傾向と対策」:
ギアの接地点はいずれも、ほぼ実機通りタイヤの真下に設けられています。いっぽう接水点は、フロートや艇体の前方と中央ステップ部分、そして後方の計3点に分散していることが分かりました。広い底面を、この3点で代表させているわけですね。
機種別に見ますと画像左端のボンバルディアは、ホイールベースに比べて艇体接水点とギア接地点の高低差が小さいです。そのためスリップの波打ち際を通過する際も姿勢変化が少なく、安定が良いと考えられます。また艇体最前部の接水点が、ノーズギアより前方にあることも特色で、進水時は艇体が一歩先に水を捉えて、ノーズギアが水中深く沈み込む(機首が落下して事故判定を食う)ことを防いでいます。
次に写真下段中央のDHC3をご覧下さい。こちらはフロート先端の接水点とギア接地点がほぼ同じ位置にあり、高さだけが違っています。そのため海に乗り入れると、フロートがまだ浮力を発揮しないうちに、タイヤが水面を踏み抜いてしまいます(inomatyさんのご指摘通り「FlightGearでは上になるマテリアルが優先されてしまう」ため、水中に隠れたスリップ表面は、機体を支えることが出来ません)。そこで真上にあるフロート接水点が勢いよく水面に落下し、衝撃を減衰しきれずに「ドボン事故」が起きるわけですね。
機体の挙動をボンバルディアに近づけるため、DHC3のタイヤ接地点の斜め上前方に、新たなフロート接水点(写真上では黄色い丸マーク)を追加しました。具体的には、Aircraft\dhc3\Systems\FDM\dhc3a-yasim.xmlの248行目以降に、次の文を書き加えています。
<!-- safety float front L -->
<gear x="7.0" y="1.640" z="-2"
compression="1.5"
spring = "15"
sfric = "0.85"
dfric = "0.75"
ignored-by-solver="0"
on-water="1"
on-solid="0"
reduce-friction-by-extension="1.15"
speed-planing="25"
spring-factor-not-planing="0.25">
</gear>
<!-- safety float front R -->
<gear x="7.0" y="-1.640" z="-2"
compression="1.5"
spring = "15"
sfric = "0.85"
dfric = "0.75"
ignored-by-solver="0"
on-water="1"
on-solid="0"
reduce-friction-by-extension="1.15"
speed-planing="25"
spring-factor-not-planing="0.25">
</gear>
結果は良好で、機体の挙動が大きく変化しました。投稿画像写真の左上3枚が、改造前の「ドボン事故」。右上の3枚が改造後の動きで、まずは大成功。私は同じ方法でセスナの事故も、防げるものと思いました。
●●セスナの謎:
しかしc172pは、私にとってかなり難物でした。この機体は、ギアやフロートを通常取り扱う<contact>ではなく、<external_reactions>というタグで水中の挙動を詳しく記述しています。内容を編集できないかと一瞬思いましたが、手に負えませんでした。
となるとDHC3同様、フロート接水点の追加や、ギア接地点の改造を考えるしかなさそうです。ところが、作業の前段階としてフロート接水点をAC3D画面にプロットしたところ、青丸マークはなぜかフロートの底面付近ではなく、背面に並びました(投稿画像をご参照ください)。c172p.xmlのインチサイズ記述をちゃんとメートル法に換算して、さらにVRP(Visual Reference Point=空力ファイルとacファイルの座標原点の差)を補正した上、3軸の違いに注意して描いた…つもりなのですが。ビーチングギアの接地点もプロットしてみましたが、やはり実際とは違う位置に出ました(写真では省略)。これでは新たにフロート接水点を増設しようにも、座標を決めることが出来ません。
そこでアプローチを変えようと、セスナは進水する際どんな風にクラッシュをするのか、フライトレコーダーのスロー再生で確認しました。すると、まずフロントギアが汀線を超えた途端沈み込み、フロート前半のキール部分がスリップ路面をこすり、反動でメインギアが宙に浮いて、機体が前につんのめる……という具合になるようです。
これを解決するため、まずスリップをこするフロートの底面に、ギア接地点を増設してみました。しかしプログラムのどこかに矛盾か無理があるらしく、エプロンで機体を起動すると、メインギアが地面にめり込んでフロートが腹をすり、エンジン出力を上げてもタキシングすることが出来ません。フロート関係の設定数値をあれこれ変えてもダメでした。
代替手段として、ギア増設の代わりにフロート先端にあるギアの位置を30インチほど後ろに下げて、フロート前半を支えようとしましたが、なぜか効果は無く。機体は改造前とまったく同じギア位置で、フロートがドブンと落下を起こしました。
現状では、c172pをスリップから確実に発進させたいなら、クラッシュを無効にするしかないようですが、FlightGearの世界では利用する方が多いであろう機種だけに、どうも残念なお話です。
◇12月15日夜記入の注釈:
本文後半にある「スリップをこするフロートの底面に、ギア接地点を増設してみました」の部分が分かりにくいので補足します。
この場合、新たに増設する接地点の座標をきちんと求めることが困難ですので、デフォルトで c172p.xmlに書き込まれている前後のビーチングギア(左フロートを例に挙げると LFFloatGear と LMFloatGear)の座標の中点を、機械的に算出して位置決めしました。
同様に「ギア増設の代わりにフロート先端にあるギアの位置を30インチほど後ろに下げ」る改造も、ごく単純にX座標の数値を変更しました。
投票数:16
平均点:5.00
inomaty
投稿数: 164

inomatyです。ご無沙汰しております。
とりあえず昨日舞洲を入れた版としてリリースしました。
それとついでに「赤灯台」の閃光タイミングを実際のものに合わせてみました。コメントアウト入れるの忘れてしまったので分かりづらいかもしれませんが、向いてる面の法線ベクトルの座標をanimationのflash内axisの項に入れるというのがポイントでしょうかね。こんな感じでよろしいでしょうか?
この春あたりに伊丹空港のターミナルを何とか完成させようと頑張ってみましたが、まだ半分ほどです。(フロートの確認が進んでなくてすみません。Systemsファイル内のc172p-hydrodynamics.xmlがポイントのような気もしますがよく分かってません。思い切って英語フォーラムで一連の流れを説明しましょうか・・・?)


全くの対称というわけではないのでまだ時間かかりそうです。MRO Japanの移転までには間に合わせたいと思いますがどうなることか・・・。
とりあえず昨日舞洲を入れた版としてリリースしました。
それとついでに「赤灯台」の閃光タイミングを実際のものに合わせてみました。コメントアウト入れるの忘れてしまったので分かりづらいかもしれませんが、向いてる面の法線ベクトルの座標をanimationのflash内axisの項に入れるというのがポイントでしょうかね。こんな感じでよろしいでしょうか?
この春あたりに伊丹空港のターミナルを何とか完成させようと頑張ってみましたが、まだ半分ほどです。(フロートの確認が進んでなくてすみません。Systemsファイル内のc172p-hydrodynamics.xmlがポイントのような気もしますがよく分かってません。思い切って英語フォーラムで一連の流れを説明しましょうか・・・?)


全くの対称というわけではないのでまだ時間かかりそうです。MRO Japanの移転までには間に合わせたいと思いますがどうなることか・・・。
--
OS:Win7 Pro 64bit
Ubuntu14.04LTS
FG version:Win7:3.4,2017.3.1
Ubuntu:2016.1.1,2016.2.0
投票数:14
平均点:5.00
hide
居住地: 兵庫県
投稿数: 650

inomatyさん、ご無沙汰しております、hideです。
関西シーナリーに舞洲を取り込んで下さいまして、大変ありがとうございました。
赤灯台の件ですが、3回光って休み、と言うのが私には実現出来なかったので感動しました。光り方は、まったくこれで正しいと思います。なぜこう記述するとこうなるのか、私はまだ飲み込めずにいますが、これで灯台をリアルに作る可能性が広がりました!!
一点だけ残念なのは、ヘリポート脇の「大阪北港北灯台」と、マリーナ入り口防波堤の突端にある「大阪常吉防波堤灯台」が、同じ光り方になっていることです。あれは実は、光り方が違うのです。
ヘリポート脇 大阪北港北灯台「群閃赤光 毎12秒に3閃光」。
マリーナ側は、大阪常吉防波堤灯台「単閃赤光 毎4秒に1閃光」。
…となっておりまして、マリーナの防波堤灯台は、従来通り1発光るだけでよろしかったのです。私は点灯プログラムの作り分けに失敗した時点で、1個の灯台ファイルを2カ所に配置して誤魔化してしまいましたが、分かりにくい作り方で申し訳ありません…(^^;)。
伊丹空港の写真を拝見し、想像以上の出来映えに驚いています。完成が非常に楽しみです。セスナのフロートの件は、私もそのままになっておりますが、FlightGearのシーナリー2.0内部には、確か他にも小規模なスリップウェイがありましたし、この辺でお話をオープンにしてみるのはいいアイディアですね。
関西シーナリーに舞洲を取り込んで下さいまして、大変ありがとうございました。
赤灯台の件ですが、3回光って休み、と言うのが私には実現出来なかったので感動しました。光り方は、まったくこれで正しいと思います。なぜこう記述するとこうなるのか、私はまだ飲み込めずにいますが、これで灯台をリアルに作る可能性が広がりました!!
一点だけ残念なのは、ヘリポート脇の「大阪北港北灯台」と、マリーナ入り口防波堤の突端にある「大阪常吉防波堤灯台」が、同じ光り方になっていることです。あれは実は、光り方が違うのです。
ヘリポート脇 大阪北港北灯台「群閃赤光 毎12秒に3閃光」。
マリーナ側は、大阪常吉防波堤灯台「単閃赤光 毎4秒に1閃光」。
…となっておりまして、マリーナの防波堤灯台は、従来通り1発光るだけでよろしかったのです。私は点灯プログラムの作り分けに失敗した時点で、1個の灯台ファイルを2カ所に配置して誤魔化してしまいましたが、分かりにくい作り方で申し訳ありません…(^^;)。
伊丹空港の写真を拝見し、想像以上の出来映えに驚いています。完成が非常に楽しみです。セスナのフロートの件は、私もそのままになっておりますが、FlightGearのシーナリー2.0内部には、確か他にも小規模なスリップウェイがありましたし、この辺でお話をオープンにしてみるのはいいアイディアですね。
投票数:7
平均点:5.71
inomaty
投稿数: 164

こんばんは、inomatyです。
flashアニメーションのaxisの設定が分かりづらいとのことですので、私なりの解釈をのせます。
ちなみにwikiの記述はリンク先の通りです。
http://wiki.flightgear.org/Howto:Animate_models#Flash

図の左側がMaishimaシーナリーに入っていたhideさんが作られたRedLightHouse表しています。3次元だと図を作るのが大変そうでしたので2次元で失礼します。灰色の長方形が閃光灯、下向き矢印が法線ベクトル(大きさは1)です。法線ベクトルは(x,y)=(0,-1)です。
一旦閃光灯が回転しない(rotationアニメーションが無い状態)と考えましょう。この座標をflashアニメーションのaxisタグに書き、RedLightHouseを無回転の状態で設置(y軸が南北、x軸が東西)すると、閃光灯から見て視点が真南にあるときだけ閃光灯が表示され、他の位置では見えなくなります。
続いて上から見て60deg閃光灯を時計回り方向に回転したのが図の右側です。法線ベクトルは(x,y)=(sin(-120deg),cos(-120deg))≒(-0.8660,-0.5)となります。先程同様rotationアニメーション無し、y軸が南北x軸が東西の状態で設置すると考えると、閃光灯は真南ではなく真南から60度西側へ向かった位置からでようやく見えるようになります。
上の2つを合体した状態で上から見て時計方向に回転させます。y軸負の方向から見れば最初に60deg回転させた方が見えて、続いて回転角0deg(最初の方)が見えるということになります。
もう1枚の閃光灯は更に時計方向に60deg回してありますので、axisの座標が(x,y)≒(-0.8660,0.5)となります。
こんなところでいかがでしょうか?
2つの灯台の点灯パターンも修正しました。シーナリーフォルダがいくつかあって取り違えている可能性もありますのでご確認お願いします。
flashアニメーションのaxisの設定が分かりづらいとのことですので、私なりの解釈をのせます。
ちなみにwikiの記述はリンク先の通りです。
http://wiki.flightgear.org/Howto:Animate_models#Flash

図の左側がMaishimaシーナリーに入っていたhideさんが作られたRedLightHouse表しています。3次元だと図を作るのが大変そうでしたので2次元で失礼します。灰色の長方形が閃光灯、下向き矢印が法線ベクトル(大きさは1)です。法線ベクトルは(x,y)=(0,-1)です。
一旦閃光灯が回転しない(rotationアニメーションが無い状態)と考えましょう。この座標をflashアニメーションのaxisタグに書き、RedLightHouseを無回転の状態で設置(y軸が南北、x軸が東西)すると、閃光灯から見て視点が真南にあるときだけ閃光灯が表示され、他の位置では見えなくなります。
続いて上から見て60deg閃光灯を時計回り方向に回転したのが図の右側です。法線ベクトルは(x,y)=(sin(-120deg),cos(-120deg))≒(-0.8660,-0.5)となります。先程同様rotationアニメーション無し、y軸が南北x軸が東西の状態で設置すると考えると、閃光灯は真南ではなく真南から60度西側へ向かった位置からでようやく見えるようになります。
上の2つを合体した状態で上から見て時計方向に回転させます。y軸負の方向から見れば最初に60deg回転させた方が見えて、続いて回転角0deg(最初の方)が見えるということになります。
もう1枚の閃光灯は更に時計方向に60deg回してありますので、axisの座標が(x,y)≒(-0.8660,0.5)となります。
こんなところでいかがでしょうか?
2つの灯台の点灯パターンも修正しました。シーナリーフォルダがいくつかあって取り違えている可能性もありますのでご確認お願いします。
--
OS:Win7 Pro 64bit
Ubuntu14.04LTS
FG version:Win7:3.4,2017.3.1
Ubuntu:2016.1.1,2016.2.0
投票数:12
平均点:5.83
hide
居住地: 兵庫県
投稿数: 650

なぁるほど、axisの向きはそういうことだったのですか!! 平面状の閃光灯から法線ベクトル(つまりは光軸)が生えている向きを、座標軸ごとの成分に分解して指定すれば良かったのですね。
私が試作した3回発光式赤灯台は、発光面は3枚ありましたが、今思えばたぶん光軸が同じ向きでした。従って、灯器全体が1回転するたびに1回しか発光しなかったのでした。分かりやすいご教示、大変ありがとうございました!! 取り急ぎ御礼申し上げます。
●10日午前8時過ぎの付記● さっそく改良して下さったシーナリーもダウンロードさせて頂きました。灯台の発光は完璧でした。
私が試作した3回発光式赤灯台は、発光面は3枚ありましたが、今思えばたぶん光軸が同じ向きでした。従って、灯器全体が1回転するたびに1回しか発光しなかったのでした。分かりやすいご教示、大変ありがとうございました!! 取り急ぎ御礼申し上げます。
●10日午前8時過ぎの付記● さっそく改良して下さったシーナリーもダウンロードさせて頂きました。灯台の発光は完璧でした。
投票数:10
平均点:5.00