GTX970搭載パソコンを自作
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投稿日時 2015-8-17 0:45 | 最終変更
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居住地: 兵庫県
投稿数: 650
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hideです。まだまだ厳しい残暑の折、皆様いかがお過ごしでしょうか。
暑さのせいではないのですが、5年半ほど愛用したノートパソコンが先日、ついに起動不能になりました。そこで思い切って、昔から試してみたかったパソコン自作に挑戦し、ミドルタワーのデスクトップ機が拙宅に出現しました。以下にスペックをご覧に入れます。
CPU: Intel Core i7-4790 3.6GHz
RAM: 24.0GB
GPU: GTX970 4GB
O S: Windows-7 PRO 64 SP1
基板: ASUS H97-PLUS
ドライブ類：SSD/250GB+HDD/1TB+DVD
ディスプレー：フルHD（32インチ液晶テレビ）
「より高いフレームレートで飛び、よりリアルに画面表示し、より遠くまでシーナリーを描きたい」というグラフィック優先の構成ですが、「電気代がやたらに増えた…さては新しいパソコンのせい？」などと言われては今後、うかうか長距離飛行も出来なくなりますので、節電とコストパフォーマンスにもそれなりに配慮したつもりです。
以下に簡単ながら、ファースト・インプレッションと制作記をご紹介します。
●●シーナリー2.0でも、ほぼ正常に画面表示可能：
ハードウェアとFlightGearの設定方法を、あれこれ研究しているところですが、v3.4.0の新規インストール直後に、デフォルト設定でKSFO周辺を飛び回ると、フレームレートは60のストップ高。画面の動きは当然極めて滑らかで、生々しいリアリティーを感じました。
ほぼあらゆる視覚効果を最大値にセットし、かつAdjust LOD Ranges で視程を「Detailed 20,000ｍ、Rough 100,000ｍ、Bare 300,000ｍ」まで上げても、東京上空で毎秒20台〜40台後半が出るようです（ｚキー操作で出せる最大視界は250�劼覆里如△海寮瀋蠅呂笋箍畩蠅任靴拭法８什澆蓮崕鼎ぁ廚鳩拗陲里△�Random buildings を切って、Urban effect のスライダも下から2番目の軽い設定にしています。これですと都心でも、30台後半から50前後までフレームレートが出ます。
天候は METAR を Detailed weather 表示にしていますが、必ず一度「OK」ボタンを押さないと、精細な雲の表示に切り替わらないようです。雲の描画距離は種類によって変わるようですが、cloud dencityを1.0、visivirity rangeも150000ｍとそれぞれ上限にセットすると、最大で羽田上空から西は静岡市付近まで、東は茨城県東海村か日立市あたりまで、本当に150�劵好僖鵑捻世�出現し、雄大な光景に感心します。以前はグラフィックボードの能力不足から、雲の出る範囲をせいぜい20〜30�卍�度に設定していたため、しばしば天気が悪いのに、遠くの目的地がはっきり見えてしまいました。が、GPUパワーのお陰でずいぶん実世界に近づいたわけです。
シーナリーは原則、負荷の軽い従来のものを使っています。掲示板で以前お伝えしましたように、富士山や箱根山系など、ごく限られた地域のみ部分的に、精細なシーナリー2.0に差し替えてあります。負荷の大きなシーナリー2.0を全面的に選択した場合は、フレームレートが10程度落ちるほか、都心のような高負荷の地形では、軽い引っかかり（一瞬の停止）が生じます。ただし構図やキャッシュの状態によっては、50台でサクサクという場合もあり、あまり一定しません。
いっぽうシーナリー2.0に特有の、地上に巨大な三角形のノイズが多数表示される問題は、新しいパソコンでは発生せず、きれいに市街地が広がります。三角ノイズは非常に多くの方が体験されているので、どんなマシン構成でも起きるバグだと思っていましたが、実際は環境にも左右されることが分かりました。（シーナリー2.0で飛行中の投稿画像アドレスは次の通りです）
http://flightgear.jpn.org/modules/myalbum/photo.php?lid=326&cid=3
ここまでの感想は、Windowsの電源プランを「バランス」に設定した時のものです。「高パフォーマンス」や「省電力」を選んだ際の挙動や消費電力などは、今後ゆっくり調べて、用途別にベストの設定を見つけていきたいと思います。
●●PCデポで、パーツを探す：
自作に至る流れを、具体的にお話ししておきましょう。
これまで愛用していたパソコンは、2010年春に購入したマウスコンピューター製のゲームノート（Intel Core i7 Q720@1.6GHz、GeForce GT240M）で、昨年春のxpサポート終了を機に、そろそろ買い換えようと思っていました。選択肢としては、
・ハイエンドに近いゲームノート（当時はGTX880M搭載機）
・BTOのデスクトップ機
・自作
…の3通りを考えたのですが、事前にsambarさんからのお勧めもあり、この時点ではメモリー増設とWindowsのアップデートで乗り越えることができました。今回はノートがいよいよぶっ壊れた（HDDが正常に働かず、修復作業も途中で止まる）ため、再び前記の三者択一を迫られることになりました。
ここ20年ほどはノートばかり使ってきたので、気分的にはゲームノートを選ぶのが一番ラクです。長年タッチパッドにも慣れ、このほうがマウスより繊細な作業がしやすい、とも信じていました。しかし今年は、試しにノートにマウスを繋いで、初の自作機マイルズ・モホークをマウスだけで作ってみたところ、ホイール操作によるスクロールなどの快適さが印象的で、全般にタッチパッドより便利だと感じました。また昔は仕事に私物ノートを使いましたが、現在は保安上からも無理。従ってこれからの私物はデスクトップ機でもいいし、その方がパーツをアップデートしながら、長期にわたり愛用できそうです。
自作よりBTOの方が割安だそうですが、パーツ交換は未体験。勉強のためにもまず１台、自分で組んでみようと思いました。入門書を数冊買い込み、自作系のパソコンショップを訪ねて情報収集に着手。すると、自作機は基本的に「万事自己責任」ではありますが、ショップによっては自分で作れなかった時も、お金さえ払えば組み立て代行など、それなりにサポートをしてくれることが分かりました。これなら何とかなりそうです。
自作機はバラバラなパーツの集合体なので、ドライバの管理などが大変そうですが、逆にそこまで出来るようになるのは面白くもあり、何事も挑戦だと思いました。朝ドラ「マッサン」に出てきたエリーのパパも「Life should be an adventure」と言ってましたっけ。
パーツの購入先は、ネットでショップの評判を比較してPCDEPOに決定。関西唯一の店舗が大阪府箕面市にあり、拙宅から車で簡単に行けます。過去お世話になったパソコン工房も親切ですが、近くにある店舗は小さくて、在庫が少ないことからパスしました。
●●電力対効果と、費用対効果：
最大の問題は、現行のFlightGearが結局、どんなレベルのハードウェアを要求しているのか、また将来はどうなるのか、よく分からないことでした。高性能に越したことはありませんが、電気ドカ食いも困ります。パソコンショップの自作コーナーを横目で見ていると、巨大な冷却フィンや、電動ファンが二つも三つも付いた過激なパーツが並んで、なにやらバイクの改造ショップみたいですね。機械好きとしては、それなりにワクワクする光景ですが、温風暖房器具みたいなパソコンが出来るんではないかと、ハラハラもします。これ以上原発を、あまり動かしたくないしなぁ…。
以上は「電力対効果」ですが、費用対効果でみると、高価なハイエンド級のパーツを長い間使うのと、ミドルクラスを次々買い換えるのとでは、どちらがいいのでしょうね。
PCDEPOには十数種の自作キットもあり、私は上位のゲーム向けキットを参考に、あれこれ構成の腹案を練りました。メモリーは予算の範囲内でなるべく多くするとして、カギとなるグラフィックボードとCPUはどうするか。性能に走るか省エネ型か、なるべく高性能にしておいて、長時間走らせる時はクロックダウンなどで節電を図るのか。幸い昨年、高性能ながら消費電力が大幅に減ったGeforce GTX900シリーズが発表されましたので、GPUはGTX980か970で決まりだと思いました。CPUはi7-4790シリーズを念頭に、店員さんと2時間半みっちり質疑応答を重ねて、コストおよび消費電力パフォーマンスが比較的高そうな、表記の構成に決定しました。流行のオーバークロックは今回、行わない前提でパーツを選んでいます。お値段は20万円を少し切る程度でした。
●●テレビをディスプレーに使う：
ディスプレーは今回、以前から拡張画面として外付けしていた、32インチテレビを流用しました。リモコンの入力切り替えボタンでHDMIを選び、グラフィックボード側のHDMI端子にケーブルを接続するだけで、単体で使用する場合は、起動時からいきなりメインのディスプレーとして認識されます。ネイティブ解像度（本機は1920×1080）にセットすると一応鮮明に映りますが、パソコン専用ディスプレーに比べて、近くから見ると表示が粗く感じられますので、お金が許せばいずれ、大きめの４Kディスプレーが欲しくなるかも知れません。
現在は当面、WindowsのClearTypeという機能を使って、テキスト表示の画質を上げています。操作法は以下の通りです。テレビの融通が利く方は、ぜひサブ画面として接続をお試しください。
コントロールパネルからディスプレーを選び、「画面の解像度」→「どのディスプレイ設定を選択しますか？」→「テキストの外観を向上させる」→「ClearTypeを使用してテキストを読みやすくする」→「クリックしてClearTypeテキストチューナーを開きます」と開いて指示に従う。文字サンプルが数回にわたって複数出るので、それぞれ一番くっきり見えるものを選ぶ。
●●組み立てのワクワク：
買ってきたパーツを並べてまず写真を撮り、キャスター付きのスチールパイプ製サイドテーブルの天板に、重くてでっかいケースを設置しました。これで組み立て中は椅子やベッドなど、安定した場所に腰を下ろしたまま、採光のいい方角にクルリとパソコンを回したり、間近に引き寄せたり出来ます。この工夫は大当たりで、非常に作業が楽でした。工具はプラスドライバーと、ケースのネジ袋に入っていた、ドライバーに差し込んで使うナット回しだけで間に合いました。帯電防止の手袋が要るのかな、とも思いましたが、入門書によっては素手で組み立て中の写真が載っているので、そこまでは気にしないことにしました。
モノをつくるのは、やっぱり楽しいですね。中学や高校のころ、真空管やトランジスタでラジオを組んだりしたのを思い出します。パソコンはハンダ付け不要なので、あとは静電気に注意して、コネクタを間違えてピンを折ったりしない限り安心。精巧極まる基板や接点の構造は、昔の電子工作にはあり得なかったミクロの世界で、ひたすら見とれて感心します。思えば「鉄腕アトムの世紀」に、もう15年も生きているのですねぇ。
私が選んだケースは中国製の「Cooler Master」という製品で、自作誌や入門書が「すみずみまでよく考えられている」と、設計をほめています。なるほど工具なしでドライブが着脱でき、取り付け精度も高く、外観も通気性の高い黒地メッシュの鉄板にクロームのラインが入って、なかなかスマートです。ただし…ネジ穴のタッピングが雑で、マザーボードのスペーサーを取り付ける際、1カ所ネジがバカになってしまいました。また組み立て後、サイドパネルが大直径の吸気ファンと共振を起こし、低周波ぎみの振動を出しましたので、オーディオショップに駆け込んで鉛テープを探し、内面のあちこちに張り込んで止める一幕もありましたが、簡単に解決して幸いでした。
あとはマザーボードの結線が一部分かりにくく、手持ち資料の解説記事と見比べながらの作業になりましたが、基本的には信号ラインと電源がそれぞれパーツに繋がっていればよく、コネクタの規格が違いますので差し間違いも起きにくく、大きな困難はありませんでした。マザーボード取り付けパネルの背面に用意された配線スペースに、ケーブルを整理して通し、総合チェックを終えて電源投入。無事BIOSが表示されると、さすがにほっとしました。
完成後は、移動式サイドテーブルの底板にパソコンを移して、天板がマウスを使うスペースになります。32インチ画面は壁に作り付けの棚に置き、プリンタやキーボードはその手前に設置したスチールラックに載せています。ラックに取り付けた照明具や電源タップ、OAチェアまで含めて黒に統一していますので、見かけもなかなか悪くありません…(^^)/
面倒に思えたインストール関係も、私の構成ではBIOSをあまりいじる必要がなく、Windows7やアプリの組み込みは何度も体験していますので、かなりサクサク進みました。組み立て開始から完全起動までほぼ1日、おおむね環境を整えるのに1週間で、だいたい予想通りでした。
●●パソコン自作の副産物 マイルズ・モホークβに問題を発見：
ここでちょっと、初の自作機マイルズ・モホークのバグに触れておきます。自作パソコンのFlightGearフォルダにモホークをインストールしたところ、後席の女性パイロットの頭が、白く色抜けしてしまいました。よく見ると計器盤も本来の空色ではなく白に、操縦桿やペダル、両足のかかとが当たる床面パネルも、ライトグリーンのはずが白く描画されています。さらに爆音も始動時だけ有効で、エンジンが掛かった後は聞こえなくなってしまいます。これは、いかん！
FlightGearをインストールする際、従来は大昔から奨励されていた通り、Cドライブ直下に入れていたのですが、今回はうっかりインストーラ任せで Program Files フォルダに入れました。現在のFlightGearは、これでも機能上の問題はないと思いますが、機体フォルダのフルパス名が変化した結果、モホークのフォルダ内にある一部パーツのテクスチャや、サウンドファイルが読み取り不能になったようです。私のパス管理がいい加減だったため、機体に環境依存性が生じてしまったわけで、ダウンロードしてくださった皆様には、大変申し訳ないことをしました。謹んでお詫びいたします。
さっそく対策済みの「マイルズ・モホークβ2」を先日、「JPオリジナルダウンロード」で公開しました。よろしければぜひお試しください。
モホークには、もう一つ課題が見つかりました。rembrandt 機能を使うと、空一面に白い六角形のノイズがチカチカ点滅するのです。セスナやパイパーカブでは発生しないことから、モホーク側の問題のようです。私は夜間飛行で着陸灯を使う時以外、ほとんど rembrandt をオンにする機会はないため、これまで全く気にしていませんでした。どうもキャノピーなど透明部品に設定変更が必要らしく、これも近く挑戦したいと思っております。
暑さのせいではないのですが、5年半ほど愛用したノートパソコンが先日、ついに起動不能になりました。そこで思い切って、昔から試してみたかったパソコン自作に挑戦し、ミドルタワーのデスクトップ機が拙宅に出現しました。以下にスペックをご覧に入れます。
CPU: Intel Core i7-4790 3.6GHz
RAM: 24.0GB
GPU: GTX970 4GB
O S: Windows-7 PRO 64 SP1
基板: ASUS H97-PLUS
ドライブ類：SSD/250GB+HDD/1TB+DVD
ディスプレー：フルHD（32インチ液晶テレビ）
「より高いフレームレートで飛び、よりリアルに画面表示し、より遠くまでシーナリーを描きたい」というグラフィック優先の構成ですが、「電気代がやたらに増えた…さては新しいパソコンのせい？」などと言われては今後、うかうか長距離飛行も出来なくなりますので、節電とコストパフォーマンスにもそれなりに配慮したつもりです。
以下に簡単ながら、ファースト・インプレッションと制作記をご紹介します。
●●シーナリー2.0でも、ほぼ正常に画面表示可能：
ハードウェアとFlightGearの設定方法を、あれこれ研究しているところですが、v3.4.0の新規インストール直後に、デフォルト設定でKSFO周辺を飛び回ると、フレームレートは60のストップ高。画面の動きは当然極めて滑らかで、生々しいリアリティーを感じました。
ほぼあらゆる視覚効果を最大値にセットし、かつAdjust LOD Ranges で視程を「Detailed 20,000ｍ、Rough 100,000ｍ、Bare 300,000ｍ」まで上げても、東京上空で毎秒20台〜40台後半が出るようです（ｚキー操作で出せる最大視界は250�劼覆里如△海寮瀋蠅呂笋箍畩蠅任靴拭法８什澆蓮崕鼎ぁ廚鳩拗陲里△�Random buildings を切って、Urban effect のスライダも下から2番目の軽い設定にしています。これですと都心でも、30台後半から50前後までフレームレートが出ます。
天候は METAR を Detailed weather 表示にしていますが、必ず一度「OK」ボタンを押さないと、精細な雲の表示に切り替わらないようです。雲の描画距離は種類によって変わるようですが、cloud dencityを1.0、visivirity rangeも150000ｍとそれぞれ上限にセットすると、最大で羽田上空から西は静岡市付近まで、東は茨城県東海村か日立市あたりまで、本当に150�劵好僖鵑捻世�出現し、雄大な光景に感心します。以前はグラフィックボードの能力不足から、雲の出る範囲をせいぜい20〜30�卍�度に設定していたため、しばしば天気が悪いのに、遠くの目的地がはっきり見えてしまいました。が、GPUパワーのお陰でずいぶん実世界に近づいたわけです。
シーナリーは原則、負荷の軽い従来のものを使っています。掲示板で以前お伝えしましたように、富士山や箱根山系など、ごく限られた地域のみ部分的に、精細なシーナリー2.0に差し替えてあります。負荷の大きなシーナリー2.0を全面的に選択した場合は、フレームレートが10程度落ちるほか、都心のような高負荷の地形では、軽い引っかかり（一瞬の停止）が生じます。ただし構図やキャッシュの状態によっては、50台でサクサクという場合もあり、あまり一定しません。
いっぽうシーナリー2.0に特有の、地上に巨大な三角形のノイズが多数表示される問題は、新しいパソコンでは発生せず、きれいに市街地が広がります。三角ノイズは非常に多くの方が体験されているので、どんなマシン構成でも起きるバグだと思っていましたが、実際は環境にも左右されることが分かりました。（シーナリー2.0で飛行中の投稿画像アドレスは次の通りです）
http://flightgear.jpn.org/modules/myalbum/photo.php?lid=326&cid=3
ここまでの感想は、Windowsの電源プランを「バランス」に設定した時のものです。「高パフォーマンス」や「省電力」を選んだ際の挙動や消費電力などは、今後ゆっくり調べて、用途別にベストの設定を見つけていきたいと思います。
●●PCデポで、パーツを探す：
自作に至る流れを、具体的にお話ししておきましょう。
これまで愛用していたパソコンは、2010年春に購入したマウスコンピューター製のゲームノート（Intel Core i7 Q720@1.6GHz、GeForce GT240M）で、昨年春のxpサポート終了を機に、そろそろ買い換えようと思っていました。選択肢としては、
・ハイエンドに近いゲームノート（当時はGTX880M搭載機）
・BTOのデスクトップ機
・自作
…の3通りを考えたのですが、事前にsambarさんからのお勧めもあり、この時点ではメモリー増設とWindowsのアップデートで乗り越えることができました。今回はノートがいよいよぶっ壊れた（HDDが正常に働かず、修復作業も途中で止まる）ため、再び前記の三者択一を迫られることになりました。
ここ20年ほどはノートばかり使ってきたので、気分的にはゲームノートを選ぶのが一番ラクです。長年タッチパッドにも慣れ、このほうがマウスより繊細な作業がしやすい、とも信じていました。しかし今年は、試しにノートにマウスを繋いで、初の自作機マイルズ・モホークをマウスだけで作ってみたところ、ホイール操作によるスクロールなどの快適さが印象的で、全般にタッチパッドより便利だと感じました。また昔は仕事に私物ノートを使いましたが、現在は保安上からも無理。従ってこれからの私物はデスクトップ機でもいいし、その方がパーツをアップデートしながら、長期にわたり愛用できそうです。
自作よりBTOの方が割安だそうですが、パーツ交換は未体験。勉強のためにもまず１台、自分で組んでみようと思いました。入門書を数冊買い込み、自作系のパソコンショップを訪ねて情報収集に着手。すると、自作機は基本的に「万事自己責任」ではありますが、ショップによっては自分で作れなかった時も、お金さえ払えば組み立て代行など、それなりにサポートをしてくれることが分かりました。これなら何とかなりそうです。
自作機はバラバラなパーツの集合体なので、ドライバの管理などが大変そうですが、逆にそこまで出来るようになるのは面白くもあり、何事も挑戦だと思いました。朝ドラ「マッサン」に出てきたエリーのパパも「Life should be an adventure」と言ってましたっけ。
パーツの購入先は、ネットでショップの評判を比較してPCDEPOに決定。関西唯一の店舗が大阪府箕面市にあり、拙宅から車で簡単に行けます。過去お世話になったパソコン工房も親切ですが、近くにある店舗は小さくて、在庫が少ないことからパスしました。
●●電力対効果と、費用対効果：
最大の問題は、現行のFlightGearが結局、どんなレベルのハードウェアを要求しているのか、また将来はどうなるのか、よく分からないことでした。高性能に越したことはありませんが、電気ドカ食いも困ります。パソコンショップの自作コーナーを横目で見ていると、巨大な冷却フィンや、電動ファンが二つも三つも付いた過激なパーツが並んで、なにやらバイクの改造ショップみたいですね。機械好きとしては、それなりにワクワクする光景ですが、温風暖房器具みたいなパソコンが出来るんではないかと、ハラハラもします。これ以上原発を、あまり動かしたくないしなぁ…。
以上は「電力対効果」ですが、費用対効果でみると、高価なハイエンド級のパーツを長い間使うのと、ミドルクラスを次々買い換えるのとでは、どちらがいいのでしょうね。
PCDEPOには十数種の自作キットもあり、私は上位のゲーム向けキットを参考に、あれこれ構成の腹案を練りました。メモリーは予算の範囲内でなるべく多くするとして、カギとなるグラフィックボードとCPUはどうするか。性能に走るか省エネ型か、なるべく高性能にしておいて、長時間走らせる時はクロックダウンなどで節電を図るのか。幸い昨年、高性能ながら消費電力が大幅に減ったGeforce GTX900シリーズが発表されましたので、GPUはGTX980か970で決まりだと思いました。CPUはi7-4790シリーズを念頭に、店員さんと2時間半みっちり質疑応答を重ねて、コストおよび消費電力パフォーマンスが比較的高そうな、表記の構成に決定しました。流行のオーバークロックは今回、行わない前提でパーツを選んでいます。お値段は20万円を少し切る程度でした。
●●テレビをディスプレーに使う：
ディスプレーは今回、以前から拡張画面として外付けしていた、32インチテレビを流用しました。リモコンの入力切り替えボタンでHDMIを選び、グラフィックボード側のHDMI端子にケーブルを接続するだけで、単体で使用する場合は、起動時からいきなりメインのディスプレーとして認識されます。ネイティブ解像度（本機は1920×1080）にセットすると一応鮮明に映りますが、パソコン専用ディスプレーに比べて、近くから見ると表示が粗く感じられますので、お金が許せばいずれ、大きめの４Kディスプレーが欲しくなるかも知れません。
現在は当面、WindowsのClearTypeという機能を使って、テキスト表示の画質を上げています。操作法は以下の通りです。テレビの融通が利く方は、ぜひサブ画面として接続をお試しください。
コントロールパネルからディスプレーを選び、「画面の解像度」→「どのディスプレイ設定を選択しますか？」→「テキストの外観を向上させる」→「ClearTypeを使用してテキストを読みやすくする」→「クリックしてClearTypeテキストチューナーを開きます」と開いて指示に従う。文字サンプルが数回にわたって複数出るので、それぞれ一番くっきり見えるものを選ぶ。
●●組み立てのワクワク：
買ってきたパーツを並べてまず写真を撮り、キャスター付きのスチールパイプ製サイドテーブルの天板に、重くてでっかいケースを設置しました。これで組み立て中は椅子やベッドなど、安定した場所に腰を下ろしたまま、採光のいい方角にクルリとパソコンを回したり、間近に引き寄せたり出来ます。この工夫は大当たりで、非常に作業が楽でした。工具はプラスドライバーと、ケースのネジ袋に入っていた、ドライバーに差し込んで使うナット回しだけで間に合いました。帯電防止の手袋が要るのかな、とも思いましたが、入門書によっては素手で組み立て中の写真が載っているので、そこまでは気にしないことにしました。
モノをつくるのは、やっぱり楽しいですね。中学や高校のころ、真空管やトランジスタでラジオを組んだりしたのを思い出します。パソコンはハンダ付け不要なので、あとは静電気に注意して、コネクタを間違えてピンを折ったりしない限り安心。精巧極まる基板や接点の構造は、昔の電子工作にはあり得なかったミクロの世界で、ひたすら見とれて感心します。思えば「鉄腕アトムの世紀」に、もう15年も生きているのですねぇ。
私が選んだケースは中国製の「Cooler Master」という製品で、自作誌や入門書が「すみずみまでよく考えられている」と、設計をほめています。なるほど工具なしでドライブが着脱でき、取り付け精度も高く、外観も通気性の高い黒地メッシュの鉄板にクロームのラインが入って、なかなかスマートです。ただし…ネジ穴のタッピングが雑で、マザーボードのスペーサーを取り付ける際、1カ所ネジがバカになってしまいました。また組み立て後、サイドパネルが大直径の吸気ファンと共振を起こし、低周波ぎみの振動を出しましたので、オーディオショップに駆け込んで鉛テープを探し、内面のあちこちに張り込んで止める一幕もありましたが、簡単に解決して幸いでした。
あとはマザーボードの結線が一部分かりにくく、手持ち資料の解説記事と見比べながらの作業になりましたが、基本的には信号ラインと電源がそれぞれパーツに繋がっていればよく、コネクタの規格が違いますので差し間違いも起きにくく、大きな困難はありませんでした。マザーボード取り付けパネルの背面に用意された配線スペースに、ケーブルを整理して通し、総合チェックを終えて電源投入。無事BIOSが表示されると、さすがにほっとしました。
完成後は、移動式サイドテーブルの底板にパソコンを移して、天板がマウスを使うスペースになります。32インチ画面は壁に作り付けの棚に置き、プリンタやキーボードはその手前に設置したスチールラックに載せています。ラックに取り付けた照明具や電源タップ、OAチェアまで含めて黒に統一していますので、見かけもなかなか悪くありません…(^^)/
面倒に思えたインストール関係も、私の構成ではBIOSをあまりいじる必要がなく、Windows7やアプリの組み込みは何度も体験していますので、かなりサクサク進みました。組み立て開始から完全起動までほぼ1日、おおむね環境を整えるのに1週間で、だいたい予想通りでした。
●●パソコン自作の副産物 マイルズ・モホークβに問題を発見：
ここでちょっと、初の自作機マイルズ・モホークのバグに触れておきます。自作パソコンのFlightGearフォルダにモホークをインストールしたところ、後席の女性パイロットの頭が、白く色抜けしてしまいました。よく見ると計器盤も本来の空色ではなく白に、操縦桿やペダル、両足のかかとが当たる床面パネルも、ライトグリーンのはずが白く描画されています。さらに爆音も始動時だけ有効で、エンジンが掛かった後は聞こえなくなってしまいます。これは、いかん！
FlightGearをインストールする際、従来は大昔から奨励されていた通り、Cドライブ直下に入れていたのですが、今回はうっかりインストーラ任せで Program Files フォルダに入れました。現在のFlightGearは、これでも機能上の問題はないと思いますが、機体フォルダのフルパス名が変化した結果、モホークのフォルダ内にある一部パーツのテクスチャや、サウンドファイルが読み取り不能になったようです。私のパス管理がいい加減だったため、機体に環境依存性が生じてしまったわけで、ダウンロードしてくださった皆様には、大変申し訳ないことをしました。謹んでお詫びいたします。
さっそく対策済みの「マイルズ・モホークβ2」を先日、「JPオリジナルダウンロード」で公開しました。よろしければぜひお試しください。
モホークには、もう一つ課題が見つかりました。rembrandt 機能を使うと、空一面に白い六角形のノイズがチカチカ点滅するのです。セスナやパイパーカブでは発生しないことから、モホーク側の問題のようです。私は夜間飛行で着陸灯を使う時以外、ほとんど rembrandt をオンにする機会はないため、これまで全く気にしていませんでした。どうもキャノピーなど透明部品に設定変更が必要らしく、これも近く挑戦したいと思っております。
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