Re: 三菱「ニッポン」号制作記
hide
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inomatyさん、こんにちは。hideです。
これは奇遇!私も前間孝則さんの「悲劇のエンジン『誉』」(草思社文庫)を読みました(^^)。誉というエンジンの設計思想や工作の問題などが分かったほか、三菱と中島の社風の違いとか、当時の国内機械工業の現実などもたっぷり盛り込まれ、非常に面白かったです。三菱の航空エンジン部門が鳴かず飛ばずだったころ、経験豊富な船舶エンジンの専門家が派遣されて来て、航空用は初体験で金星を作った、というのも興味深いですね。
また、この本に載っていたわけではありませんが、ニッポン号制作に向けてあれこれ調べていましたら、九六陸攻の金星エンジンや零戦の栄エンジンは、電動イナーシャー始動だったことを初めて知りました。あの時代の日本機は始動車を使うか、もしくは整備員が二人がかりでクランクハンドルを回して、イナーシャーのフライホイールを加速するものとばかり思っていたのですが、それはバッテリーの能力が限られていたためで、本来はスイッチ操作だけでエンジンが掛かる設計だったのですね。いかにエンジンのことを知らないか痛感しました。機会があれば『三菱航空エンジン史』も読んでみたいと思います。
金星がツインワスプの模倣かというと、直接はそうでないらしいのは、改めてご指摘を読んで、なるほどと思いました。私があの時点でお話ししたかったのは、主に「ニッポン」号に使う爆音を、どう手に入れるかということであったので、三菱側の設計事情や経緯については踏み込みませんでした。私の前作のマイルズ・モホークは、空冷直列6気筒倒立エンジンを積んでいましたので、モデル化する際は同じ空冷直列倒立系(ただし4気筒)を持つスタンプSV4練習機から爆音を借りたのですが、ならば今回は「金星」と似たエンジンはどれかな…といった発想です。
実際の金星の爆音が、果たしてツインワスプにどの程度似ていたかは、こりゃ分かりませんね。エンジンは、数値的なスペックはほぼ同じでも、まったく音が違う場合があります。例えば大昔、ホンダのロードスポーツバイクの空冷2気筒エンジンには、外観・排気量・構造がそっくりでパーツもほとんど共有しているのに、クランクシャフトだけ異なるモデルがありました。まず高回転重視の「180度クランク」は、二つのピストンが交互に上下する仕組みで、爆発が不等間隔になるため、加速時の排気音は「タカタカタカタカッ!」と、歯切れ良く軽快なリズムを奏でます。いっぽう中低速重視の「360度クランク」は、左右ピストンを同時に上下させて爆発を等間隔にしており、「ダダダダダダァッ」という配達バイク的な排気音でした。これは、誰にでも聞き分けられるほどの差です。
ツインワスプと金星はシリンダー配置が同じですし、空冷星形エンジンのクランク構造は、たぶんどれも主コンロッドから多数の副コンロッドが枝を出す、あの形だろうと思います。ならば爆発間隔の設定も同じだろう…と想像し、かつ最高回転数も基本的には2500回転で同じなので、カムプロフィルも類似の可能性が高く、かなり音が似ているのではないか、と考えた次第です。しかし、集合排気管の設計寸法が少し違っても音は変わりそうで…実際のところは、さてどうだったんでしょう。
これは奇遇!私も前間孝則さんの「悲劇のエンジン『誉』」(草思社文庫)を読みました(^^)。誉というエンジンの設計思想や工作の問題などが分かったほか、三菱と中島の社風の違いとか、当時の国内機械工業の現実などもたっぷり盛り込まれ、非常に面白かったです。三菱の航空エンジン部門が鳴かず飛ばずだったころ、経験豊富な船舶エンジンの専門家が派遣されて来て、航空用は初体験で金星を作った、というのも興味深いですね。
また、この本に載っていたわけではありませんが、ニッポン号制作に向けてあれこれ調べていましたら、九六陸攻の金星エンジンや零戦の栄エンジンは、電動イナーシャー始動だったことを初めて知りました。あの時代の日本機は始動車を使うか、もしくは整備員が二人がかりでクランクハンドルを回して、イナーシャーのフライホイールを加速するものとばかり思っていたのですが、それはバッテリーの能力が限られていたためで、本来はスイッチ操作だけでエンジンが掛かる設計だったのですね。いかにエンジンのことを知らないか痛感しました。機会があれば『三菱航空エンジン史』も読んでみたいと思います。
金星がツインワスプの模倣かというと、直接はそうでないらしいのは、改めてご指摘を読んで、なるほどと思いました。私があの時点でお話ししたかったのは、主に「ニッポン」号に使う爆音を、どう手に入れるかということであったので、三菱側の設計事情や経緯については踏み込みませんでした。私の前作のマイルズ・モホークは、空冷直列6気筒倒立エンジンを積んでいましたので、モデル化する際は同じ空冷直列倒立系(ただし4気筒)を持つスタンプSV4練習機から爆音を借りたのですが、ならば今回は「金星」と似たエンジンはどれかな…といった発想です。
実際の金星の爆音が、果たしてツインワスプにどの程度似ていたかは、こりゃ分かりませんね。エンジンは、数値的なスペックはほぼ同じでも、まったく音が違う場合があります。例えば大昔、ホンダのロードスポーツバイクの空冷2気筒エンジンには、外観・排気量・構造がそっくりでパーツもほとんど共有しているのに、クランクシャフトだけ異なるモデルがありました。まず高回転重視の「180度クランク」は、二つのピストンが交互に上下する仕組みで、爆発が不等間隔になるため、加速時の排気音は「タカタカタカタカッ!」と、歯切れ良く軽快なリズムを奏でます。いっぽう中低速重視の「360度クランク」は、左右ピストンを同時に上下させて爆発を等間隔にしており、「ダダダダダダァッ」という配達バイク的な排気音でした。これは、誰にでも聞き分けられるほどの差です。
ツインワスプと金星はシリンダー配置が同じですし、空冷星形エンジンのクランク構造は、たぶんどれも主コンロッドから多数の副コンロッドが枝を出す、あの形だろうと思います。ならば爆発間隔の設定も同じだろう…と想像し、かつ最高回転数も基本的には2500回転で同じなので、カムプロフィルも類似の可能性が高く、かなり音が似ているのではないか、と考えた次第です。しかし、集合排気管の設計寸法が少し違っても音は変わりそうで…実際のところは、さてどうだったんでしょう。
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三菱「ニッポン」号制作記
(hide, 2016-7-13 7:54)
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Re: 三菱「ニッポン」号制作記
(inomaty, 2016-7-14 0:13)
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Re: 三菱「ニッポン」号制作記
(hide, 2016-7-15 1:26)
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Re: 三菱「ニッポン」号制作記
(inomaty, 2016-7-19 22:06)
- Re: 三菱「ニッポン」号制作記 (hide, 2016-7-20 9:22)
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Re: 三菱「ニッポン」号制作記
(inomaty, 2016-7-19 22:06)
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Re: 三菱「ニッポン」号制作記
(hide, 2016-7-15 1:26)
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Re: 三菱「ニッポン」号制作記
(inomaty, 2016-7-14 0:13)