Re: IFR について
ゲスト
hideです。
Hitさん、たくさんのご教示やご指摘を、大変ありがとうございま
した。
CTRL+C(操作可能な機器表示)やSHIFT+7(無線交信)などの
キーは、私はまだ使ったことがなくて、非常に参考になりました。
>ATC の指示表示は2秒ほどで消えてしまいますから素早く読んで
ください)
これは「P」でポーズを掛けると、ゆっくり読めます。
オートパイロットの設定につきましては、メニューバーからと、
ショートカットキーと、操縦席の操作パネルと、いずれからも出来
るようですが、操作パネルで設定したことが、メニューには反映さ
れず、機体も反応しなかったりで、どうも今ひとつ分かりません。
機能的にはかなり充実していて、高度・速度・針路(真方位入力、
NAV1トラッキングなど)の保持、ILS進入ができるようですね。
「ALT」を2度押すと、上昇率と降下率の保持も可能らしいです。
「BARO」は気圧補正ですが、「ARM」って何でしょうね…どこかで
マニュアルが読みたいです。
○
>>メニューバー「Weather」を開き「Weather condition」・・・
> この詳細設定がよく理解出来ません・・・任意角度・高度
>から、ただ強風を吹かせることしかわかりませんです。
…これは、おっしゃる通り、風のレイヤーを幾つか設定できるよ
うになっていますね。ランダムに発生させた風がもし強すぎれば、
ここで調整できる、というのが主な用途でしょうか。(172Pは追い
風が約30Ktに達すると機尾が下がり、滑走路に尻餅をついてしまい
ます)
本物そっくりの精密なフライトプランを作る場合は、風の影響を
補正する推測航法がベースになりますので、風向・風速のデータを
入手する(或いは任意に作る)ために、この天候設定メニューを利
用するといいでしょう。
「Weather condition」の他の欄について、分かる範囲で書きま
すと、「Vis」では視程が変えられます。うんと数字を小さくする
と濃霧になります。
「Turb」はタービュランス(乱気流)の程度、「Temp」は気温で
すから、これでアイシング(着氷)の起きやすさを、加減できるの
でしょうか。
右端の「Alt(inHg)」は高度計の補正値のことで、デフォルトの
29・92は、水銀柱29・92インチ(日本風に言えば760mmHg)、つまり
1気圧です。実機では飛行のたびに、その日の気圧を高度計に入力
し、海面で高度ゼロを正しく示すように調整をしますが、その操作
を再現するための設定欄だろうかと思います。普通はデフォルトの
まま、変更する必要はないでしょう。
○
>>NAV1には、KSFOへの着陸に使うRWY-28Lの方位・280度を入れます
>・・・
>基本的なことがわかっていません・・・私単純に、28 なら 方位
>280 度とか、10 なら 方位 100 度等と思っていましたが
>実際にはそうではありませんよね?
滑走路の方位ですが、これはまったくご指摘の通りです。
Atlasを航空図代わりに使って、フライトプランを立てる場合、大き
な不便が三つあります。一つは縮尺表示が無くて距離が分からない
こと、二つ目は磁気方位が分からない(偏差の記入がない)こと、
そして三つ目がご指摘の、滑走路の正確な方位(と長さ)が分から
ないことです。今回の「サンフランシスコ湾・ナビ訓練」では、事
前に出発点と到着点の滑走路に機体を置いて、ざっと方位を確認し
ました。
次に、ADFの設定や読み方です。
ご指摘の通り「針を真上に保てば、選択したNDB局に到着する」と
いうのが、ADFの使い方の基本です。これをホーミングといいます
が、以下にトラッキングとの違いをご説明します。
ホーミングは、横風の場合にコースが狂うのです。例えば真北に
あるNDB局に向かって飛んでいて、強い西風を受けている場合、機体
は東に横滑りします。するとADFの針は、真上から左にずれます。こ
こでパイロットが左へ進路変更して、真上に戻します。すると機首
は確かにNDB局を向きますが、同時にまた、最初の真北の針路よりは
西にずれます。東に流されては、針路を西へ補正…を繰り返します
と、飛行経路は東へ弓なりにふくらんだ形になり、最終的には、真
南ではなく少し東寄りから、NDB局の上空に進入します。これでも
普通はいいのですが、風下側に高い山があると危険です。
そこで、最初に東へ流されていることに気づいた時点で、ホーミ
ングより大きい修正舵角を取って、もとの真北へ向かうコース上に
戻り、機首をやや西寄りに向けて横風に対抗しつつ、流されずに真
北へ飛ぶのがトラッキングです。
VORでも同様に、トラッキングとホーミングがあります。しかし
VORは、あらかじめラジアルを1本選択して、その上に乗って飛ぶ
ので、「何も考えずに針を中央に保つ」と、自然にトラッキングに
なります。しかし「コースからずれるたびに、風上に変針する代わ
りにOBSを操作して、針を中央に戻す」という飛び方をすると、ホ
ーミングになります。(普通は多分、しないと思いますが)
次に、ADFやVOR指示器のOBSについて、少し整理しましょう。
VOR局は、全周に向かって1度間隔で、360本の放射状ビーム(こ
れをラジアルと言います)を出しています。VOR指示器のOBSを動か
して方位盤を回し、ある角度を真上に持ってくると、その方位のラ
ジアルを選択的に受信します。他の電波は受けません。別の言い方
をすると、ただ周波数を選択しただけではだめで、OBSで適切なラ
ジアルを選ばないと、電波を受信して、局の方角を知ることは出来
ません。
これに対しADFは無指向性で、周波数さえ合わせれば、針が常に
無線局の方角を向きます。ADFのOBSは、単に指示器外周の方位盤を
回転させるだけです。通常は、現在の機首方位を常に真上に合わせ
ておきます。(方位盤がジャイロ・コンパスと連動し、常に機首方
位を、自動的に真上に表示するタイプの計器もあります)
機首方位を真上にセットした状態では、ADFの針の向きを読めば
自機から見たNDB無線局の方位が、正確に数値で分かります。これ
が分かると、いろいろ便利です。例えば、自機の位置を測定するこ
とが可能になります。
ADFに2つの局をセットして交互に受信し「A局は自機から135度
の方位、B局は270度の方位にある」と分かったとします。ここで航
空図上のA局とB局から、それぞれ受信方位の180度逆の線を引くと、
2本の線の交点が自機の位置です。(航空図には、NDBやVOR局すべ
てに、直径約8センチの、磁気方位を示す目盛りの入った方位盤=
これをコンパス・ローズと呼びます=が印刷されており、上記のよ
うな作図が簡単にできます)
またジャイロ・コンパスのバグ(赤マーク)は、単に「ど忘れ防
止」の目印で、特に何かの機能と結びついているわけでは、ありま
せん。つまみを動かしても、マークが移動する以外の機能はありま
せん。
…こんなご説明でも、ご参考になるでしょうか?
○
172Pのコクピット装備品で、新たに使い方が分かったものがあり
ますので、或いはご存じと思いますが、ご報告します。
スロットルレバーの左にある、短いレバーはキャブヒートです。
クリックで手前に引き出すと、キャブレターを加熱し、凍結を防止
します。冷却風の効き目が強い降下時、着陸前などにONにします。
(使わないと、エンストするかどうか…疑問ですが)
その左には、灯火類のスイッチが並びます。ストロボライトや翼
端灯は点きますが、着陸灯は点灯しないようです。下列いちばん左
はピトー管のヒーターです。
スロットル右の、赤いノブが付いたレバーは、ミクスチャー(混
合比)・コントロールです。全部押し込んだ位置が、始動時や低空
で使う「フルリッチ」(最大濃度)です。手前に引くと「リーン」
(希薄)になります。高度3000ft以上では、エンジン回転数が最大
になる位置まで、徐々に手前に引き出します。
スロットルのさらに下に、縦に取り付けられた、ハンドルの一部
のようなものが見えますが、これは昇降舵のトリム・タブを動かす
ホイールです。上をクリックすると、昇降舵がやや機首下げ位置で
安定します。下をクリックすると、昇降舵がやや機首上げ位置で安
定します。ジョイスティックがある方は、これを使うと、あらゆる
速度範囲で昇降舵のバランスが取れて、ちゃんとスティック中立で
水平飛行が可能になるので、役に立つと思います。(実際は、ジョ
イスティックの付属ボタンで操作した方が、はるかに便利ですが)
マウスやキーボードでも使えますが、やたらにいじるとかえって
バランスを崩す恐れもあります。
Hitさん、たくさんのご教示やご指摘を、大変ありがとうございま
した。
CTRL+C(操作可能な機器表示)やSHIFT+7(無線交信)などの
キーは、私はまだ使ったことがなくて、非常に参考になりました。
>ATC の指示表示は2秒ほどで消えてしまいますから素早く読んで
ください)
これは「P」でポーズを掛けると、ゆっくり読めます。
オートパイロットの設定につきましては、メニューバーからと、
ショートカットキーと、操縦席の操作パネルと、いずれからも出来
るようですが、操作パネルで設定したことが、メニューには反映さ
れず、機体も反応しなかったりで、どうも今ひとつ分かりません。
機能的にはかなり充実していて、高度・速度・針路(真方位入力、
NAV1トラッキングなど)の保持、ILS進入ができるようですね。
「ALT」を2度押すと、上昇率と降下率の保持も可能らしいです。
「BARO」は気圧補正ですが、「ARM」って何でしょうね…どこかで
マニュアルが読みたいです。
○
>>メニューバー「Weather」を開き「Weather condition」・・・
> この詳細設定がよく理解出来ません・・・任意角度・高度
>から、ただ強風を吹かせることしかわかりませんです。
…これは、おっしゃる通り、風のレイヤーを幾つか設定できるよ
うになっていますね。ランダムに発生させた風がもし強すぎれば、
ここで調整できる、というのが主な用途でしょうか。(172Pは追い
風が約30Ktに達すると機尾が下がり、滑走路に尻餅をついてしまい
ます)
本物そっくりの精密なフライトプランを作る場合は、風の影響を
補正する推測航法がベースになりますので、風向・風速のデータを
入手する(或いは任意に作る)ために、この天候設定メニューを利
用するといいでしょう。
「Weather condition」の他の欄について、分かる範囲で書きま
すと、「Vis」では視程が変えられます。うんと数字を小さくする
と濃霧になります。
「Turb」はタービュランス(乱気流)の程度、「Temp」は気温で
すから、これでアイシング(着氷)の起きやすさを、加減できるの
でしょうか。
右端の「Alt(inHg)」は高度計の補正値のことで、デフォルトの
29・92は、水銀柱29・92インチ(日本風に言えば760mmHg)、つまり
1気圧です。実機では飛行のたびに、その日の気圧を高度計に入力
し、海面で高度ゼロを正しく示すように調整をしますが、その操作
を再現するための設定欄だろうかと思います。普通はデフォルトの
まま、変更する必要はないでしょう。
○
>>NAV1には、KSFOへの着陸に使うRWY-28Lの方位・280度を入れます
>・・・
>基本的なことがわかっていません・・・私単純に、28 なら 方位
>280 度とか、10 なら 方位 100 度等と思っていましたが
>実際にはそうではありませんよね?
滑走路の方位ですが、これはまったくご指摘の通りです。
Atlasを航空図代わりに使って、フライトプランを立てる場合、大き
な不便が三つあります。一つは縮尺表示が無くて距離が分からない
こと、二つ目は磁気方位が分からない(偏差の記入がない)こと、
そして三つ目がご指摘の、滑走路の正確な方位(と長さ)が分から
ないことです。今回の「サンフランシスコ湾・ナビ訓練」では、事
前に出発点と到着点の滑走路に機体を置いて、ざっと方位を確認し
ました。
次に、ADFの設定や読み方です。
ご指摘の通り「針を真上に保てば、選択したNDB局に到着する」と
いうのが、ADFの使い方の基本です。これをホーミングといいます
が、以下にトラッキングとの違いをご説明します。
ホーミングは、横風の場合にコースが狂うのです。例えば真北に
あるNDB局に向かって飛んでいて、強い西風を受けている場合、機体
は東に横滑りします。するとADFの針は、真上から左にずれます。こ
こでパイロットが左へ進路変更して、真上に戻します。すると機首
は確かにNDB局を向きますが、同時にまた、最初の真北の針路よりは
西にずれます。東に流されては、針路を西へ補正…を繰り返します
と、飛行経路は東へ弓なりにふくらんだ形になり、最終的には、真
南ではなく少し東寄りから、NDB局の上空に進入します。これでも
普通はいいのですが、風下側に高い山があると危険です。
そこで、最初に東へ流されていることに気づいた時点で、ホーミ
ングより大きい修正舵角を取って、もとの真北へ向かうコース上に
戻り、機首をやや西寄りに向けて横風に対抗しつつ、流されずに真
北へ飛ぶのがトラッキングです。
VORでも同様に、トラッキングとホーミングがあります。しかし
VORは、あらかじめラジアルを1本選択して、その上に乗って飛ぶ
ので、「何も考えずに針を中央に保つ」と、自然にトラッキングに
なります。しかし「コースからずれるたびに、風上に変針する代わ
りにOBSを操作して、針を中央に戻す」という飛び方をすると、ホ
ーミングになります。(普通は多分、しないと思いますが)
次に、ADFやVOR指示器のOBSについて、少し整理しましょう。
VOR局は、全周に向かって1度間隔で、360本の放射状ビーム(こ
れをラジアルと言います)を出しています。VOR指示器のOBSを動か
して方位盤を回し、ある角度を真上に持ってくると、その方位のラ
ジアルを選択的に受信します。他の電波は受けません。別の言い方
をすると、ただ周波数を選択しただけではだめで、OBSで適切なラ
ジアルを選ばないと、電波を受信して、局の方角を知ることは出来
ません。
これに対しADFは無指向性で、周波数さえ合わせれば、針が常に
無線局の方角を向きます。ADFのOBSは、単に指示器外周の方位盤を
回転させるだけです。通常は、現在の機首方位を常に真上に合わせ
ておきます。(方位盤がジャイロ・コンパスと連動し、常に機首方
位を、自動的に真上に表示するタイプの計器もあります)
機首方位を真上にセットした状態では、ADFの針の向きを読めば
自機から見たNDB無線局の方位が、正確に数値で分かります。これ
が分かると、いろいろ便利です。例えば、自機の位置を測定するこ
とが可能になります。
ADFに2つの局をセットして交互に受信し「A局は自機から135度
の方位、B局は270度の方位にある」と分かったとします。ここで航
空図上のA局とB局から、それぞれ受信方位の180度逆の線を引くと、
2本の線の交点が自機の位置です。(航空図には、NDBやVOR局すべ
てに、直径約8センチの、磁気方位を示す目盛りの入った方位盤=
これをコンパス・ローズと呼びます=が印刷されており、上記のよ
うな作図が簡単にできます)
またジャイロ・コンパスのバグ(赤マーク)は、単に「ど忘れ防
止」の目印で、特に何かの機能と結びついているわけでは、ありま
せん。つまみを動かしても、マークが移動する以外の機能はありま
せん。
…こんなご説明でも、ご参考になるでしょうか?
○
172Pのコクピット装備品で、新たに使い方が分かったものがあり
ますので、或いはご存じと思いますが、ご報告します。
スロットルレバーの左にある、短いレバーはキャブヒートです。
クリックで手前に引き出すと、キャブレターを加熱し、凍結を防止
します。冷却風の効き目が強い降下時、着陸前などにONにします。
(使わないと、エンストするかどうか…疑問ですが)
その左には、灯火類のスイッチが並びます。ストロボライトや翼
端灯は点きますが、着陸灯は点灯しないようです。下列いちばん左
はピトー管のヒーターです。
スロットル右の、赤いノブが付いたレバーは、ミクスチャー(混
合比)・コントロールです。全部押し込んだ位置が、始動時や低空
で使う「フルリッチ」(最大濃度)です。手前に引くと「リーン」
(希薄)になります。高度3000ft以上では、エンジン回転数が最大
になる位置まで、徐々に手前に引き出します。
スロットルのさらに下に、縦に取り付けられた、ハンドルの一部
のようなものが見えますが、これは昇降舵のトリム・タブを動かす
ホイールです。上をクリックすると、昇降舵がやや機首下げ位置で
安定します。下をクリックすると、昇降舵がやや機首上げ位置で安
定します。ジョイスティックがある方は、これを使うと、あらゆる
速度範囲で昇降舵のバランスが取れて、ちゃんとスティック中立で
水平飛行が可能になるので、役に立つと思います。(実際は、ジョ
イスティックの付属ボタンで操作した方が、はるかに便利ですが)
マウスやキーボードでも使えますが、やたらにいじるとかえって
バランスを崩す恐れもあります。
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IFR について
(Hit, 2006-2-19 1:05)
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Re: IFR について
(ゲスト, 2006-2-19 21:43)
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Re: IFR について
(hide, 2006-2-19 21:45)
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Re: IFR について
(Hit, 2006-2-21 0:51)
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Re: IFR について
(hide, 2006-2-28 6:22)
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