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ウインド・スターで風向・風速を測定

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なし ウインド・スターで風向・風速を測定

msg# 1.3.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1
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18
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2009-11-11 10:48
hide  長老 居住地: 兵庫県  投稿数: 634
hideです。大変ご無沙汰しました。
 私事ながら大阪へ転勤し、まだ何かと慌ただしい日々が続いていますが、ようやく「旅日記」の世界に復帰できました。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 私の世界一周は前回、カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地に着いて、MRJなどのテスト飛行を楽しんだところまででした。今回はピラタスPC7改による、ハワイ経由の太平洋横断に備えて、エドワーズ周辺で燃費や航法のテストを進めます。

●太平洋横断を巡る、あれこれの課題:
 洋上飛行に備えて、これまでに「磁気俯角・偏差航法」を開発し、ナビゲーションについては目途が立ちましたが、まだ次のような宿題が残っています。

★PC7改は一体、ハワイに届くのか?:
 KSFOからホノルル国際空港(PHNL)までは、計算法にもよりますが、大圏コースで2082nm、ラームライン(針路一定の「航程線」=メルカトル図上で直線)ですと2090nmです。また「磁気俯角・偏差航法」では、航法誤差を吸収するため、わざと少し針路を外しますので、試算では2122nmになります。 PC7改の航続力は、たぶん2500nm程度ですので、一応ゴールに届くはずですが、強い向かい風に出会うと不安です。高度別、搭載燃料の重量別に燃費を徹底テストして、航続力が最大となる飛び方を探す必要があります。

★飛行中に風を計測するには?:
 VORの届かない洋上を推測航法で渡るには、風向・風速のデータが必須です。対地速度と偏流角(風に流される角度)が分かれば、風向・風速は簡単に算出できますので、私は少し前から、PC7改のパネルに対地速度(GS)をデジタル表示し、これをもとに風向・風速を算出するExcelシートも作りました。しかしDMEやGPSなしにGSを直読する仕掛けはリアリティーを損なうため、やはり気になりまして、廃止することにしました。今後は洋上で、真対気速度(TAS)と偏流角だけを使って風を算出する技術を確立することにします。
 従来の環境ではあまり長時間、高速回線が使えませんでした。そこで長距離飛行は多くの場合、風向・風速を出発時のまま固定して行い、従って航法計算も簡単かつ正確でした。今回ようやく自宅に光ケーブルを引いたため、常時リアルウエザーが使用可能となり、うれしい限りですが…半面、どうしても洋上で、風向・風速を測定する方法が必要になった次第です。

★出来れば、天気図も見たい:
 洋上では地形の影響がなく、山岳フライトみたいに、コロコロと風向風速が変わる心配はないでしょうが、風は気圧配置によって変化します。もし太平洋上の実況天気図と予報図を、高度別に得られれば最高です。

●高度・速度別に燃費を計る:
 以上の課題のうち、まず燃費の測定に取り組みました。エドワーズ基地からデスバレーの間を往復し、高度を5000〜35000ftまで18種類、燃料を満タン(4000Lbs)から4分の1(1000Lbs)まで4種類変化させ、燃費(nm/gal)、ノット単位の指示対気速度(KIAS)、真対気速度(KTAS)、残存飛行時間、残存航続距離などを調べて、Excelの表にまとめました。エンジン出力も一部変化させ、全部で約70回測定しましたが、PC7改は全開時がほぼベスト燃費で、少々パワーを絞ってもさほど改善はなく、場合によっては悪化することが分かりました。データの要点は、次の通りです。

高度 KIAS TAS POWER 燃料残 nm/gal 距離残 時間残
10000 287 340 100 1936 3.6994 2419 7:07
10000 285 338 100 1505 3.6357 1848 5:28
10000 282 334 100 1005 3.5308 1199 3:35
10000 279 330 100 493 3.3646 561 1:43

20000 247 341 100 1975 3.8067 2540 7:26

25000 241 356 100 1970 3.8251 2545 7:25

27500 232 359 100 1500 4.0808 2068 5:39

29000 218 351 100 1980 3.849 2574 7:27

30000 213 344 100 1973 4.0161 2677 7:26

35000 172 305 100 1944 3.3172 2178 7:19

 …これにより、
(1)高度30000ft前後で、一番燃費がいい。
(2)最大で約2700nm、約7時間半飛べそうである。
(3)燃料が減って機体が軽くなっても、燃費は必ずしも改善しない。
 といったことが分かりました。
 燃費が最良の高度は、上記のデータでは二つピークがありますが、これは計測中、速度と高度が周期的に変動する、長周期のフゴイド運動がなかなか収まらず、誤差が入ったものと思います。また(3)はかなり意外で、本番では燃料消費につれて高度を上げるつもりだったのですが、特にこだわらないことにしました。それより気象情報を手に入れて、向かい風成分が最小となる高度を選んだ方が、航続距離が伸びると思います。
 いずれにせよ、ハワイまでは燃料に約20%のゆとりがあり、落下式の増槽を開発しなくて済むことが分かりました。

●飛行中に風向・風速を計測する:
 航空機が、外部の情報に頼らずに風向・風速を知るには、基本的には次のような方法があると思います。
★フィックス(実測位置)と推測位置を照合する。
 風向・風速が分からない場合は、とりあえず風を無視して、飛行コースを航空図に描き込み続け、ベクトルを伸ばしていきます。この作業を「エア・プロット」と呼びます。そのうち、地上目標が見えたり天測に成功したり、無線航法の圏内に入ったりして、現在位置が確定したら、その地点を航空図に記入し、最新の推測位置と比較すれば、両者を結ぶベクトルの方位から平均風向が、ベクトルの長さから(飛行時間で割れば)平均風速が得られます。これで針路補正と対地速度の再計算をして目的地に向うわけです。

★大きく変針し、偏流角の変化から風を算出する。
 飛行中に変針すると、風の影響が当然、変化します。変針の前後に機首方位とトラック(実際の航跡。FlightGearではAtlas画面で測定する)の角度を計って「風力三角形」を描くと、風のベクトル(つまり風向・風速)が得られます。この方法は「マイアルバム」に図示しておきます。

 私は3年前、この作図を自動化するワークシート、「hideの風見盤」を開発しました(2006年8月13日の「旅日記」「マイアルバム」ご参照)。このツールは、巡航速度(真対気速度)を半径とする円の上に、Excelのグラフ機能で風力三角形を描き、円の中央から航跡の線同士の交点までの長さと角度が、風のベクトルを示すようになっていますが、作図の基準となる真対気速度ベクトルに比べ、風のベクトルが非常に小さく、たった数ミリの画面表示となるため、これを分度器ツールなどで計っても、まともな精度は出ないと思い、長らく放置していました。
 この計算は、Excelで数値的に行うのは非常に難しいので、有名な「E-6B」航法計算盤を買おうかと思いましたが、これの作動原理を調べてみますと、特別な目盛盤の上に方位リングやカーソルを使って、単に風力三角形を作図する仕組みだと分かりました。でしたら「hideの風見盤」と基本的には同じです。久しぶりに風見盤を起動し、少し手直しの上、Excelの表示を最大倍率にセットし、お馴染みのフリーウェア「斜めものさし」を使って、丹念にグラフ交点の位置を計ってみたら、何とか使えそうな気がしてきました。そこで以下のように、実証試験を行いました。

●ウインド・スターを描いて、風を計る:
 偏流を利用して風向・風速を求めるには、最低1回、大きな角度で変針する必要があります。大洋横断飛行のように、単に真っ直ぐ飛んでいる場合は、三角形の2辺を規則正しく描いて旋回し、すぐに元のコースに戻ります。飛行経路が「☆」型の一部に見えるため、以前ご紹介しましたように、これをウインド・スターと呼ぶそうです。
 最近買った「空中航法読本」(鳳文書林)という教科書によりますと、ウインド・スター測風法には、左右交互に60度→120度→60度の旋回を行う「60度法」と、45度→90度→45度の旋回をする「45度法」があり、いずれも1辺を2分間、或いは3分間飛行して偏流角を測定します。60度法は正三角形のため、1辺を飛ぶのと同じ時間だけ、計測によるロスタイムが生じます。また45度法では、1辺2分飛行の場合は1分間、1辺3分飛行の場合は2分間のロスタイムになるそうです。
(旋回に要する時間を含め、本当にこうなるのか、方眼紙を買って作図してみましたが、秒の単位を四捨五入すると、確かにこの通りになりました)

 私はPC7改で砂漠を往復しながら、60度法と45度法のウインド・スターを、風速4Ktと10Ktでそれぞれ数回ずつ描いてみました。各辺2分の飛行で、針路と航跡の方位を記録し、数値を「hideの風見盤」に入れましたが、最初は風向が最大50度狂い、風速も2割程度の誤差が出て、とても実用になりそうにありませんでした。
 首をひねっていると、ふと機体が約4度、左にバンクして飛んでいることに気付きました。私は先月来、初めてFlightGearでジョイスティックを使っていますが、まだデッドゾーン(舵の中立時の遊び)調整を済ませていなかったので、方向舵が軽く利いたままとなり、機体が横滑りしていたのです。これでは計算が、狂うわけですね。
(余談ながら…戦前の日本海軍で、ベテラン下士官パイロットが、兵学校を出たての士官の偵察員に威張り散らされて腹を立て、偏流測定中にこっそり機体を滑らせ、航法計算をメチャメチャにしてやった…というエピソードを思い出しました。訓練中なので危険はないものの、着陸後に士官様は、みっちり叱られるわけです)(^^;)。

 ジョイスティックの調整を終え、再テスト。この方法は、280KTAS前後のベクトルを数本使って、わずか4Ktの風力ベクトルを正確に検出するのですから、思えばシビアなお話です。90度法より60度法の精度がやや高く、結果は風向で6度前後、風速で1割程度の誤差でした。最後に風速を10Ktに上げて試したところ、風向は誤差ゼロ、風速は誤差1Ktで、非常に満足できる結果となりました。以上の結果、FlightGearでもウインド・スターは、十分に実用になることが分かりました。
★お詫びと訂正★
 なお、風力三角形から風向・風速を求める作図法は、2006年8月4日付の本連載とマイアルバムの説明図に詳述しましたが、当時の説明図を改めて見直すと、ベクトルの向きなどに誤りが見つかりました。ごめんなさい。修正版をアップしましたので、ご覧頂けましたら幸いです。

●NOAAの気象データを活用する:
 最後に、洋上の天気図と予報図ですが。これは米国のNOAA(国立海洋大気圏局)のサイトに、各種の膨大なデータがあることが分かりました。膨大すぎて、まだあまり見当が付きませんが、ともかく…
 ・北米全域の上層天気図。地表から48000ftまで12種の
  高度レイヤー別に、72時間先までの風向風速がカラー
  表示される。ハワイまでのコースのほぼ前半を含む。
 http://adds.aviationweather.gov/winds/
 ・太平洋や大西洋の、過去数日の天気図や24〜96時間予
  報図。地表と500療圧面(標準大気で約18000ft相当)
  のデータが見られる。
 http://www.opc.ncep.noaa.gov/Loops/#Unified_Surface_Analysis_Products
…などが見つかりました。これで気象データの収集も、何とかなりそうです。

 この後、私はすぐ南方のロサンジェルスへ出まして、さらにリンドバーグと「スピリット・オブ・セントルイス」号ゆかりの地、サンディエゴまで移動したのですが、近いうちに改めてご報告いたします。
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