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Re: A6M2 開発状況について

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通常 Re: A6M2 開発状況について

msg# 1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.1.2.1.1.1.1.1.1
depth:
18
前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2008-2-26 11:48
Tat  長老   投稿数: 375
少し JSBSim 版を変更してCVSにコミットしました。苦労話を少し書いておきます。

JSBSim のエンジンとプロペラの調整というのはとても難しいものです。というのもエンジンのパラメタを少し変えるとプロペラ出力がガラッと変わり、プロペラのパラメタを少し変えるとエンジン出力に影響を与え.... と堂々巡りです。互いに引っ張り合いながらバランスを取っているので、なかなか速度と回転数とブーストを合わせる事ができません。これはかなり時間がかかりそうです。当時の定速プロペラに関する文献を片っ端から読みあさりながらソースコードを弄っているのですが、これまた上手いこと行きません。

また、零戦の取扱説明書には様々なデータが詳細に記されており、これを基に徐々に計器類の値を調整していっています。但しシミュレータの出力する値と合致しない部分もあるため結構苦労しています。最近はこれを補うために、零戦に関する手記を読み始めました。回想的な内容が多い中、時々操作方法や着艦方法について記述されているのでとても助かります。こういうのをちょっとずつ見ながら、より詳細な零戦に仕上げて行けたらと思っています。

現在の所、JSBSim 版での特性は以下のようになっています。
- 高度 4200m で フルスロットルの時に +150mmHg となる
(地上ではあっという間に +250mmHg になります)
- AMC により排気温度が 780 程度に調整 (混合比 14.7 にするには800°前後)
手動により調整する幅を持たせてある
(但し手動にするキーアサインが今はない... /controls/engines/engine/manual-mixture-control = 1 として M/m で調整する必要がある)
- 無風状態で4200m で最高出力 950 HP 280KT (計器)
AMC を調整し、エンジン出力最大の場合
- 上昇時のブーストは +150 mmHg に設定し 130Kt で 1000m/分の上昇率

こんなところでしょうか。
また、離陸から全速走行、巡航までの操作方法を簡単に記述しておきます。
** 離陸〜上昇
+ スロットル全開でチョークを外す (パーキングブレーキをShift-bでリリース
+ なぜか右に取られるのでラダーとブレーキで中央線に戻す
(実際は左に取られるはずですので、原因を調査中です。)
+ 操縦桿を前に倒し、機尾を上げ加速する(左に取られるので右ラダーで調整)
+ 70kt を過ぎたら右ラダーを当てつつ右エルロンを取り、操縦桿を引く
+ 真っすぐに離陸し、10ft の高度でギアを上げる
+ 140kt 程度迄加速し、ブーストを +150mmHg (公称最大ブースト) に下げる
+ 120-130 kt で 1000m/分 の上昇を行う (VSI が 1000を示す)
上昇中、ブーストが +150mmHg になるようにスロットルを調整する

** 最高速 @ 4200m
+ 4200m (13800 ft)まで上昇し、水平に戻す
+ フルスロットルで +150mmHg にする
+ ピッチレバーを利用し、ピッチを最大にする (Shift-n で回転数が落ち、加速し始める)
+ 無風だと 250kt 付近で止まるので、AMC を手動に切り替え、M/m で 排気温度を800°前後に調整する。
+ 280Kt まで行くはず (死ぬ程時間がかかりますので、多分嫌になるはず)

もう少し楽に最高速が出るようにプロペラ出力と必要なパワーのパラメタを調整してみようと思います。

** 巡航 @ 3000m
+ AMC を自動に戻す (/controls/engines/engine/manual-mixture-control=0 にする)
+ スロットルを絞り n でピッチを固定に戻し、回転数 2500rpm 以下にする
(実はまだ 最低ピッチ=25 にはなりません...)
+ エンジンが 2500rpm を越えないように 3000m まで降下する
+ 3000m で水平に戻す
+ スロットルを絞り、回転数を2100rpm 辺りにする
+ N キーでピッチを変えつつ回転数を 1850 付近にセット
+ スロットルを絞り 速度を135kt (計器)に調整する
+ AMC を手動に切り替え, M/m で排気温度を 800°にセットする
+ /engines/engine/fuel-flow-gph が 20 ガロン/時 前後を示すようになる

ちなみに坂井三郎氏は 17.7ガロン/時 = 67リットル/時の記録を持っているそうです。高度と速度、回転数を調整すればこの値に近づくでしょう。いかんせんエンジンが故障する事の無い状況なので、上手くいけばこれ以下の値を出せるでしょう。

ある手記には巡航時の吸入圧力は -170mmHg 程度という記載がありました。しかし現在の JSBSim のソースでは -500mmHg 付近と凄く低い吸入圧です。これはプロペラピッチを大きくしたときにエンジンの出力を増すという状況を再現していないためです。実際にはピッチを大きくすると回転が少し下がり、調速機が反応して吸入圧力を大きくし、回転を保とうとします。これが JSBSim では再現されず、ピッチが代わっても吸入圧力はそのままです。

これを修正しようとソースを変更しているのですが、なかなか上手く行きません。JSBSim 作者の Jon にでも相談してみようかと思います。

ちなみに今回のコミットでは、A6M2-jsbsim-test というファイルが追加されていますが、これは調速機のテスト用ですので 1.0.0 では正常には動作しません。(動作はしますが、速度や出力がおかしくなるでしょう)
私がメーリングリストに出した CVS/OSG 版の JSBSim パッチを当ててはじめて動作します。もっともまだ首尾よく動作はしてくれないのですが、色んな内部情報をモニタできるようにしているので改善には役立っています。

またそのうち状況をお伝えします。

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